「だから言っただろう? 今のお前は男性生徒共にとって、目に毒だって。何時もイヤらしい目で見られているのに、そんな事も分からないのか?」
「わ、分かっている!? 分かっているが……アイツらもアイツらだ!! 私の身体を見て興奮などして、邪な精神が、」
「そうやって自分は悪くない、自分を卑猥な目で見る相手が悪い、言い訳しようとする奴らが悪いって考えるのはお前の悪い癖だって、何度も言った記憶があるんだが?」
アルテミス内にある休憩室。
そこで待機するように言われた瑞波に対し、早退と言う形でやって来た狐珀が言い、そんな狐珀の言葉に対して言い返そうとした瑞波だったが、それを言い終える前に狐珀はイラつき混じりで言った。
「ハァ……それに今日、授業受けて恥ずかしかっただろう? 先に行っておくが恥ずかしくないは無しだぞ?」
「こ、この程度の辱め!! 我慢すればどうとでも、」
「そう言うのも良いから!!……正直そう言う精神論頼りは聞き飽きた。」
「っ……じゃあどうしろと、」
ため息混じりで聞いた狐珀に瑞波は答えようとしたがそれすらも読めてたのか言い終わる前に言い返した狐珀に対し瑞波が聞いた直後、狐珀のジュウソルフォンにメールが着、それを見る狐珀。
「ど、どうした?」
「研奈からメール……スク水ブルートを見つけたそうだ。」
「場所は!?」
「ここから少し近い海水浴場。まぁ奴の行動を察するに、海水浴に来た女性客の服や水着を全部スク水にするのが目的だろう。あそこはこの時期は平日でも人が多いしなって!?」
瑞波の問いにジュウソルフォンの画面を見ながら答えた狐珀は、その話を聞いて休憩室から出ようとした瑞波の手を引っ張り止めた。
「奴を倒すか、奴のスク水を壊せば私のこの状況も解決できるんだろ?! なら早く……」
「なら早く、じゃない!? お前自分の状況分かってるのか!? 今のお前変身出来ないんだぞ!?」
「私は変身出来なくても戦えっ!?」
瑞波の話を聞いてツッコんだ狐珀だったが、それでもなお行こうとする瑞波が言いかけた直後だった。
「いい加減にしろこの厳格鮫女ぁ!!」
「っ!?」
こっちも我慢の限界になったのか、狐珀は瑞波の肩を掴みながら壁に付かせながら大声で叫び、それに思わず目を見開くほどに驚いた。
「自分は問題ない、自分は間違っていない、自分はこれくらい我慢できるとか……自分にまで厳格のままだと、いつか本当に痛い目見るんだぞ!?」
「だ、だからこれくらいの事は!?」
「だからそう言う精神論頼りが行けないんだ!? それだけでどうにかなる程ブルートは甘くないのは、お前だって知ってるだろ!?」
狐珀の力もこもった発言に言い返そうとした狐珀だったが、その事に関しても否定されこれ以上言い返すことは出来なかった。
「……そんなに、信用ならないか? 私が……妹が……皆が……ジュウソルジャーが。」
「そ、そんな事は……」
「………まぁ、あの男二人の事もあるし、恋の事も考えれば自分が頑張らないといけないって気持ちは分かる。」
「こ、狐珀?」
「分かるから……もう少し私達を頼ってくれ。」
っと、少し悲しげに言う狐珀の言葉に上手く否定できなかった瑞波に対し、狐珀は話し続けた。
「ジュウソルジャーは、お前一人だけで成り立ってるわけじゃない。私や研奈に紫夜、エミルに美杏に橙香に心咲だっている。それに……今は恋も一緒だ。」
「…………」
「皆望みこそ違えど、ブルードを倒し平和を取り戻したい気持ちは一緒だ。だから……だから私達を、信用してくれ。」
話し続ける中、狐珀の目から一筋の涙が流れたを見た瑞波。
本当に自分の事を心配し、大事な仲間として、幼馴染だからこその言葉だと、流石の瑞波も気づいたからだ。
「………座らせてくれるか?」
「え? あ、あぁ……」
そんな狐珀に向けて瑞波は優しく語り掛け、それを聞いた狐珀は涙を拭いながら手を離すと、瑞波は近くのベッドに座り込み……
「ハァ……正直の所、周りの視線が凄くキツイ。後食い込むから色々はみ出しそうで気にし過ぎてしんどい。後……恥ずかしい。」
「………」
「ついで色々疲れた……だからその、あの変態ブルートは任せても良いか?」
っと、瑞波は狐珀に対し優しく、そして素直な気持ちを打ち明けるのだった。
「……ったく、素直にそう言えないのか?」
「すまん……立場ってのもあって思わず……」
「スク水姿で授業受けようとした奴に立場どうこう言われたくないんだが。」
「んぐぅ!?」
それを聞いた狐珀は頭を掻きながら言い、その言葉に対して謝りながら言った瑞波だったが、狐珀の発言に流石にショックを受けてしまう。
「分かった……アイツは私達でどうにかして見せるから、お前は……」
「あぁ、ここで休ませてもらおう。」
狐珀の話に笑みを浮かべながら瑞波が答えた後、狐珀は休憩室から出るのだった。
「………ハァ、我ながら情けない。アイツにあんな顔をさせる程に心配をかけてしまうとは。」
その後、ベッドに倒れこんだ瑞波は、天井を見つめながらさっきの狐珀の顔を思い出しながらため息交じりに呟いた。
「まったく……敵わないな、アイツには。」
―――――
「食らえぇええ!! スクファイヤー!!」
『キャアアアア!!』
十桜学園から少し近い海水浴場。
そこでは既にスク水ブルートが暴れており、海水浴に来ていた女性客の服や水着を全部スク水にして行った。
「スックククウ!! どうだスクゥ?! 派手派手で露出多い水着よりも、スク水の方が健全スクよぉ!!」
「いや意味は分からなくはないけどさぁ……スク水に対して性的な感想を思ってる奴も居るからな。特にお前。」
その光景を見て喜ぶスク水ブルートに対し、半分呆れ気味にデリィがツッコんだ直後だった。
『獣魂チェンジ!!』
「っ!? スクゥウウウウ!!」
フェニックスとイルカと豹と牛とゴリラと馬と狼を現した光がスク水ブルートを襲い、それを食らってスク水ブルートが倒れる中、七つの光はUターンする形で戻って行き……
「見つけたぞ!! ブルート!!」
「これ以上の悪行は許さない!!」
走って来ていたエミルと心咲達の肉体に装着し、ジュウソルジャーに変身したジュウゴールドとジュウピンクは声を上げて言った。
「アレ? 二人足りないけどどっしたの?」
「いや、一人は分かるでしょ!? おたくらのせいで戦闘不能になったんだから!?」
「もう一人はもうすぐ来るから、ご心配なく!!」
っと、ジュウブルーとジュウブラックが居ない事に問うデリィに対してジュウオレンジとジュウパープルは答えた。
「だったら先にお前達をスク水姿にして、戦闘不能にしてやるスクゥ!! 戦闘員一列!!」
『キシャ!!』
「突撃ぃいい!!」
『キシャアアア!!』
それに立ち上がりながら言ったスク水ブルートは、呼びだしたブルート戦闘員達を目の前で横一列に並ばせた後に命じ、それを聞いたブルート戦闘員はジュウソルジャーの七人に向かって走った。
「雑兵は私とオレンジとグリーンに任せろ!! レッドとイエローとパープルはアイツを!!」
「分かりました!!」
「OK!!」
「はい!!」
「援護は任せてください!!」
ジュウゴールドの指示を聞いた後、ブルート戦闘員をジュウゴールドとジュウオレンジとジュウグリーンが対処し始め、ジュウレッドとジュウイエローとジュウパープルは尽かさずスク水ブルートに向かって突っ込み、それらを上空に飛んだジュウピンクが召喚したジュウトリンガーで援護した。
「ハァアアア!!」
「よっと!! だぁあああ!!」
「はいそこぉ!!」
ジュウゴールドとジュウオレンジとジュウグリーンがブルート戦闘員を倒して行く中、ジュウレッドは爪で、ジュウパープルは刃をスク水ブルートに振るうが……
「ビート板シールドォ!!」
『っ!?』
スク水ブルートは両手のビート板を使ってそれを防ぎ、ジュウレッドとジュウパープルがそれに歯を食いしばったが……
「隙ありぃ!!」
「スクゥウウウ!!」
ジュウイエローがニヤリと笑いながらスク水ブルートの隙を突き、胴体のスク水ごと蹴り飛ばした。
「スックゥウウウ!! 何するスクかぁ!? このスク水が破れでもしたら、せっかくスク水姿にした女性達が元に戻って普通の服や水着を着ちゃうんスクよぉ!!」
「よっと!! やっぱそのスク水を壊したら、皆元に戻るんだね!?」
「え? あ˝ぁああ!?」
「バカぁああああ!!」
後ろに蹴り飛ばされた後、立ち上がりながら言ったスク水ブルートの話を聞いたジュウグリーンはブルート戦闘員を殴り倒しながら言い、それを聞いたスク水ブルートは余計な事を言ってしまった事に気づき、そんなスク水ブルートに対しツッコむデリィ。
「成程……だったら話が早い。」
『っ!?』
そんな中、すぐ近くからそんな言葉が聞こえ、ジュウソルジャーの七人だけでなく、スク水ブルートとデリィが振り向くとそこには狐珀の姿があり……
「……獣魂チェンジ。」
【チェンジ!! ジュウソルジャー!!】
狐珀は静かにジュウソルフォンに向かって言った後にジュウソルウォッチに掲げ、ジュウソルウォッチから出た狐のシンジュウを現した光を狐珀は指で作った銃で撃つ振りをしたのちに肉体に装着。
ジュウブラックへ変身完了となった。
「貴様のせいでウチの幼馴染が色々と辱めを受けたんだ。その借り……」
【コール!! ホーク!!】
「私が代理人として返してやろう。」
っと、ジュウブラックはジュウトリンガーを召喚しながら歩くのと同時に、スク水ブルートに対して静かに怒りながら言った。
「スクゥウウウ!! こ、此処で倒されるわけには……こうなったら!! 逃げるが勝ちスクゥ!!」
「わぁセコォ!! あぁもう、私知らない!!」
そんなジュウブラックを見て恐怖を感じたのか、スク水ブルートはすぐ近くの海に向かって逃げ、それを見て驚いたデリィもこの場から逃げ出した。
「ハァアア!! チィ!! 海に逃げたか!?」
「スク水ブルートって言うからね。水中での方早く動けるかもね。」
「だったら私に任せて!!」
ブルート戦闘員を全て倒した後、海に逃げて行ったスク水ブルートを見てジュウゴールドが言った事にジュウグリーンは顎に手を添えながら言うと、イルカのシンジュウを持つジュウパープルが先んじて行こうとすると……
「待てっ!!」
『っ!?』
「………私に考えがある。グリーン、少し聞いて良いか?」
ジュウパープルを呼び止めたジュウブラックにジュウソルジャーの七人が驚く中、ジュウブラックは皆に対して話そうとする中、ジュウグリーンに対し質問した。
―――――
(スックックック~!! 水中に潜ればこっちのもの!! 一人追いつけそうな奴も居るけど一人だけなら……んぅ?)
海中を泳ぎながら思っていたスク水ブルートはその直後、背後から感じる気配が気になって後ろを見ると……
(ス、スクゥウウウ!!)
背後からジュウパープルとジュウレッドが追いかけて来、しかもジュウレッドに関しては下半身がピンクのラインが入った白い人形の尾びれのようなものになっており、それを込みで驚くスク水ブルート。
(本当に追って来たぁああああ!? えぇえい!? ビート板ミサイルゥ!!)
《っ!!》
驚きながら一旦止まり、ジュウパープルとジュウレッドに向かってビート板ミサイルを撃ち続けるのだが、ジュウパープルとジュウレッドはアイコンタクトした後、そのビート板ミサイルを全て避けて行った。
(スクゥ!? こうなったら……全速力で逃げるしか!?)
(っ!?)
(逃がすか!?)
これ以上撃っても無駄弾になるかもしれない。
そう思ったスク水ブルートは再び泳ぎ出すが、ジュウパープルとジュウレッドはそれを諦めずに追いかけた。
ジュウパープルは確実にスク水ブルートを追い詰め、ジュウレッドもジュウパープル程ではないが距離を縮めて行った。
(ヤバいィ!! 悔しいけど水中じゃあの二人が有利だスクゥ!! ここは一旦沖に上がるスクゥ!!)
「スクゥうううう!!」
何処を泳いでも時期に追いつかれる……そう思ったスク水ブルートは沖に上がる事を決意し、勢い付けて海中から出た直後だった。
【チャージ!! フォックス!!】
「ハァアアア!!」
「っ!? スックゥウウウ!!」
ジュウトリンガーの上部にジュウソルウォッチを当て、狐のシンジュウの力をチャージさせたジュウブラックが、そのチャージさせた銃撃を海中から出たスク水ブルートに向けて撃ち放ち、それを食らったスク水ブルートの胴体部にあるスク水は、見る形もなく粉砕した。
「スカぁ!? 痛たたた……ギャアア!! 大事なスク水がぁあああ!!」
「いくら泳ぎに自信があるとは言え、ギリギリまで追い詰められた流石に沖に上がるかと思ったが……まさかここまで思い道理に行くとは流石に思わなかったよ。」
「ま、まさか……俺が海から逃げるように仲間達に追わせたのは、この為にぃ!?」
「まぁ……狐に化かされたと思って、諦めるんだな。」
浜辺に倒れたスク水ブルートが自身のスク水が無くなったことに悲鳴を上げるのを見ながらジュウブラックが言い、それを聞いたスク水ブルートは驚きながら問い、それに手で狐の顔を作りながら答えるジュウブラック。
「こ、この……狐女がぁああああ!!」
ジュウブラックの行動に怒りを爆発させたのか、スク水ブルートが勢い任せにジュウブラックに襲い掛かった矢先だった。
「ハァアアア!!」
青い流麗な太刀筋の刃が一瞬の隙を突いてスク水ブルートを斬り、斬られたスク水ブルートはその場から動けないでいると……
「さ、最近のスク水も着る人によっては……良い味出すかも……スクゥウウウ!!」
スク水ブルートはそう言った後、倒れながら爆散したのだった。
「……ったく、任せて良いって言ったのは何処のどいつだ?」
「私としては十分な休息だ。それに……借りはすぐ返す主義でな。」
それを見届けた後、先ほどスク水ブルートを斬った者に対し呆れ気味にジュウブラックが聞くと、その者……復活したジュウブルーは片目を瞑りながら答えるのだった。
―――――
「そうですか……ありがとうございます。 他にスク水を着せられた人達も、今は普通に色んな服着れるようになったみたい!!」
「良かったぁ!! やっぱいくら暑いからって、一日中水着、しかもスク水はマジキッツイからね!?」
「うん、そう言う問題じゃないと思う。」
アルテミスのオペレーションルームにて、報告を聞いたエミルの話を聞いて美杏が呟き、それに対しツッコむ橙香。
「あっ、恋ちゃん? 身体はもう大丈夫?」
「えぇまぁ……あぁそう言えば研奈さん。さっき使ったこれ……何でジュゴンなんですか? 水中戦が出来るようになるなら他にあると思いますけど……」
「あぁ、水中戦を考えた際に真っ先に人魚が思い浮かんでね、それで……」
「人魚のモデルになったって言われてるジュゴンにした、って事ですか?」
「オフコース!!」
その近くでは性欲上昇が収まった恋がやって来たのを見て心咲が聞き、それに答えた恋は研奈にさっきの戦闘に使った、リングの表面にピンクのジュゴンのレリーフがあり背面には白色の「電撃戦隊チェンジマン」のチェンジマーメイドのマスクが彫られたレリーフがあるジュウソルリング……「ジュゴンジュウソルリング」について聞き、それに答えた研奈の話を最後まで言い終わる前に紫夜が聞き、それにウインクしながら頷く研奈だった。
「……………」
「どうした?」
「狐珀……いや、昨日までは皆、緊張感が足りないと思って見ていたのだが……」
「だが?」
「こう改めて見ると皆、戦い後のチェックをしていたり、互いに情報交換してたりしてしてるしそれに……なんか、落ち着く。」
そんな光景を見ていた瑞波を見て狐珀が問うと、それに笑みを浮かべながら答えた瑞波。
「……いかんな。私はいつの間にか、ジュウソルジャーは自分しか居ないと、本気で思っていたようだ。」
「………まぁ、これから学校生活と一緒で気をつけば良いだけの話だ。厳格過ぎて、誰かに恨まれかねない性格してるからな。」
「なぁ!? 学校生活は関係ないだろ!?」
「ある。何時もお前に注意された奴を慰めたり、フォローしたりとかして大変なんだからな私は。ジュウソルジャーの活動だけじゃなく学園でもお前のフォローは……正直疲れる。」
「んなぁ!?」
頭を掻きながら言った瑞波に狐珀は言い、それを聞いて驚いた瑞波に対して狐珀は呆れ気味に答え、それに驚く瑞波。
「狐珀、ちょっと来てくれるか?」
「あぁ、じゃあ私は。」
「あ、あぁ………」
そんな中、エミルに呼ばれた狐珀はそこへ向かい、一人壁にもたれた瑞波は……
(そうだな……私は、私達は一人で戦ってるわけじゃない。皆と……戦っているんだよな。)
「……あなたもかつて、こんな事を思ってたんですか? 母さん。」
っと、考えながらジュウソルフォンを取り出し、ファイルの中にある写真を見て呟いた。
その写真にはまだ赤ん坊だった瑞波、そして瑞波の母親らしき女性が写っていた。
次回
一緒に遊んだり、スポーツなどで勝負したりする程の仲である美杏と橙香。
彼女達が親友となった理由が気になった恋だったが、そこでも空気を読まないブルートが出現した!!
次回第四話
「豹と牛」