ザナックが本陣に戻った時、ザナックはある異変に気づく。
「騒がしい」
本陣がやけに騒がしいのだ。一体何があったのかと兵士長に問うと、耳を疑うような言葉が返ってきた
兵士長「魔導王との戦争のために本陣で構えていた貴族の方々が............消えました...!」
ザナックは一瞬困惑の表情を見せたが、即座に理解する。
ザナック「そうか...逃げたか...痕跡は残っているか?」
兵士長「は、はい。貴族の方々がいた天幕には、つい先程までいたかのような様子が見受けられており、貴重品のみが持ち出されているようです」
兵士達が騒いでいたのはこのことだった。ここに集まる兵士達の中には、逃げた貴族達に連れられてきた者もいる。自分を連れてきた本人が消えたとなれば、兵士達が動揺するもの無理は無い。
兵士長「追いますか?」
ザナックは一瞬考える素振りを見せた後に、手で兵士長を制する
ザナック「いや、いい。どうせ居ても居なくても変わらない」
ザナックの発言から、聞きそびれていた魔導王との話し合いの結果を察した兵士長は承諾の意を伝えると天幕から出ていった。天幕を出る際に何かぼそぼそと言っていた気がしたが、気にすることでは無いとして、ザナックは目を瞑る。
ザナック「王国は...どこで道を間違ったのだろう」
魔導本陣にて
アインズ「ふぅー...いやぁ、ディアーさん助かりましたよ。いい感じに機転を聞かせて王子を納得させてもらって。俺はあんなに上手く説得できる自信が無かったので、ヒヤヒヤしちゃいました」
天幕の中にはアインズとディアーしかいない。アルベド達には一時的に出てもらったのだ。
ディアー「いや、あれは僕の持論でして...なんて言うか、教訓みたいな?」
ディアーはリアルでは俳優をやっており、それと同時に、廃れに廃れた職業であるマジシャンと言う職もしている。そこに至るまでの環境にて、どうすれば上手くいくのか、どうすれば技術を向上させられるのかを常に考えていた。
そして、「極論さえこなしていれば目標は絶対に達成出来る」そう知ったことで、ディアーは「極論こそ真理である」と言う思考に至ったのだ。
そんな話をしていると、天幕の外にいるアルベドからメッセージが入る。
アインズ「どうした?」
アルベド「はい。天空の森の『俊足の道化師隊』の皆さんが同盟者殿に報告をしたいことがあるとの事で面会を求められています」
・俊足の道化師隊
全員がレンジャー系の職業を収めている。
隊員名
ラン 隊長 女
リン 隊員 女
ルン 男
レン 女
ロン 男
アインズ「ん?そうか、分かった。通してくれ」
(多分、俺に用があるんじゃなくて、ディアーさんに用があるんだよな?報告って言ってたし、何か重要なことかもしれない)
アインズはメッセージを切り、ディアーに話しかける
アインズ「ディアーさん。これから俊足の道化師隊の皆さんが入ってくるそうなので、1度席を外しますね」
ディアーは手を軽く上げて否定の意を示す
ディアー「え?いえ、そんなに大した内容じゃないと思うので大丈夫ですよ。と言うか、アインズさんにも聞いておいて貰いたいので」
ディアーがそう伝えた直後、ピエロのような仮面をつけた集団が5名天幕に入ってきた。
そして、5人のうちの最も背小さい子(だいたいアウラくらい)が勢いよくディアーに駆け寄り、飛びつく。いや、抱きつくの方が正しい
リン「お仕事終わったよぉー!」
ディアーに抱きついた子は女の子だったようで、ディアーに抱え上げられている。
ディアー「おぉー!そうかそうか。いい子だねぇ。お疲れ様」
ディアーは子供の扱いに慣れているらしく、楽しそうにじゃれている
ラン「ちょっとリン!戻ってきなさい!団長が迷惑してるでしょ!」
5人の中では2番目に背の高い女の子(少しだけ仮面の模様が1人だけ違う)がディアーに抱きつきに行ったリンを叱りつける
ディアー「俺は別にいいよ。気にしないで」
リン「団長もこう言ってるんだし、いいじゃん!」
リンは自慢げにそう言うと、ディアーに更にしがみつく。
ロン「リン...とりあえず、団長と遊ぶのは後にして、まだやらなあかんことあるやろ?そっちから終わらせようや」
5人の中で最も背の高い男がリンを諭すように説得する。
リン「...んー分かった!」
リンはディアーから飛び降りて5人の元へ戻った。
そして、5人は膝をつくと、真剣な面持ちになった。
ディアー「アインズさん。すみません、騒がしくしてしまって」
ディアーがそう言うと、ランは謝罪の言葉を先に越されたことにハッとしたのか、ディアーに続ける
ラン「お騒がせしてしまい申し訳ありません...」
アインズは手を大袈裟に振り、おどけた口調で話す
アインズ「いえいえ!お気になさらず。ナザリックの部下達は優秀なんですが、如何せんこう言った雰囲気になる事が少なくて...久しぶりに賑やかになって楽しかったですよ!」
(なんか...いいなぁ、天空の森。...いや!別にナザリックの皆に不安があるわけじゃないし、彼らだってとても優秀で頼りになる。けど、こう言うアットホームな雰囲気になる事が無いからなぁ。少しだけ憧れる)
ディアー「そう言って貰えると助かります。そんで、じゃあ報告聞こうかな。どうだった?」
ラン「...はい。実はそれに関してなんですが...」
ランが歯切れの悪そうに話始める
アインズ(どうしたんだ...?なんかあったのか?)
ラン「誠に勝手ながら、独断で王国の本陣にいた貴族連中を消してまいりました。申し訳ありません」
ディアー「...理由は?」
ディアーは真剣な顔つきで隊長のランに問う。
ラン「はい。彼らは天幕の中でザナック王子を裏切ることを目論んでいたようなので、このまま放置してしまえば、ディアー様と同盟者殿がザナック王子と交わした『楽に殺す』と言う約束が達成出来なくなると考え、独断で暗殺を実行しました」
アインズは大きく目を見開く──目は無いのだが──
ナザリックにいる者達と同じNPCである彼らが、自分で考え、行動に移している。という事実に驚きを隠せなかったのである。
ナザリックのNPC達には、自分達で考えることを意識させることでやっと最近少し結果が出てきたのに、天空の森のNPC達は、既に自分で考え、重要な決断を自分達で出来るようになっている。
アインズ(えぇ?マジかよ!組織としては完璧じゃん。その場にあった行動を自分で考えられるのはすごいことだよ!しっかり報告にも来てるし...やるなぁ。天空の森)
ディアー「よし、了解した!先に帰って休んでていいよ。ここから先は殲滅の道化師隊の出番だ」
ディアーは労いの言葉をかけて、帰って休むように促す。しかし、返ってきた返答は
ラン「いえ、団長。まだお手伝い出来ることがあれば何でも言ってください!」
ルン「そうだよ団長。俺たち、まだまだ働けるぜ?」
リン「私もー!いっぱい団長と遊びたい!」
ロン「いや、働くと遊ぶは別モンやけどな...」
ディアー「えぇ?!いや、そろそろ休んだ方が...」
道化師隊の皆は口を揃えて働きたいと申し出ているが、ディアーがそれをどうにか収めようと必死になっている姿を見てアインズはホッとする
アインズ(あぁ、これは天空の森でも一緒なんだな...)
なんか気づいたら日常回になっちゃいました...
深夜テンションで書いてるので、心情とかが上手く表現できてないかも、と心配になっている作者でございます。
次回もお楽しみに!