ザナックは外傷が一切ない状態で殺されていた。そのザナックの顔は普段は見せないような笑みを浮かべて、およそ死とはかけ離れた、幸せそうな表情だったという。
魔導国 天幕にて
モル「団長、あの王子にかけたのって…」
ディアー「第9位階魔法・瑞夢 それに死(デス)を上掛けした。ただ、それだけだよ」
メルがテーブルの下から生えるように顔を覗かせ、ディアーに質問する
メル「わざわざ瑞夢かける必要あったのー?」
ディアー「いいや、無いよ」
メル「じゃあ、なんでー?」
ディアーは笑みを浮かべると、遠くを見ながら言った。
ディアー「気に入ったんだよ。あの人間が」
そんな、話をしていると、ムルとミルが皆の分のお茶と茶菓子を持って天幕に入ってきた。
ミル「団長は優しいんですね。わざわざ良い夢を見せてあげるなんて」
ディアー「ん?気に入った人間だからな。少しくらい楽にいかせてやりたい」
メルがムルからお菓子を奪い取り、むしゃむしゃと食べているのを横目にミルと話していると、天幕から誰か覗いているのに気がついた。
俊足隊のメンバー・レンである。以前の報告でも全く話さなかったように、基本は無口な女の子なのだ。
ディアー「どうした?レン。俊足隊には天空の森で好きにするように、と暇を出したはずだけど、なんかあった?」
レンが顔を半分覗かせながらディアーに質問する。
レン「ディアー様…その気に入った人間と言うのは…雄?雌?どっち…?」
そのレンの表情は、返答次第では首を絞め殺さんとする鬼神のごとき表情だったが、ディアーに気にすることなく返答する。
ディアー「男だよ。随分面白いやつだったぞ。レンも会ってみたかったか?」
レンの強ばった表情は消え、とろけるような微笑みに変わると無言で首を横に振った。
レン「んーん。大丈夫。私は天空の森のメンバーとギルドメンバーの皆様方、そして…ディ、ディアー様以外とは関わる気はない…から…」
ディアー「ん?そうか」
ディアー(やっぱりあれ、もしかして俺に作用してるか?レンの設定は恥ずかしがり屋なヤンデレ。可愛いからってつけた設定だけど、俺を対象にしちまってるよな…?どうしたもんかなぁ…)
ディアーは過去の自分を恨みながら、レンへの対応を考えていた。その時だった、レンがビクッと跳ね、天幕の外に待機させてたウォスクが声をかけていた。
ウォスク「ディアー様」
ディアーも状況を察し、立ち上がる。
ディアー「来たか」
レン「距離50。こっちの様子をうかがってる。どうする?私が始末する?」
ディアー「おっ、レン。居てくれて助かったよ」
ディアーはレンの肩に手を置くとレンは下を向き、何も言わなくなってしまった。頭から湯気が上がっている気がするが、気のせいだろう。そういうことにしておこう。
ディアー「……えーっと、みんなはここにいてくれ。ウォスク、お前は少し手を貸してくれ」
ウォスクは跪く。
ウォスク「お望みとあらば」
ディアー「助かるよ」
ディアーとウォスクは天幕を後にして、森の中へと入っていく。
ディアー「俺の方に来たか…さて、どうやるかな?」
第9位階魔法・瑞夢
催眠魔法。敵に良い夢を見せる催眠魔法。この魔法にかけられたものは催眠状態になる。
ユグドラシルでは、この魔法にかかったものは催眠状態になる。敵にリジェネ効果をつけてしまう代わりに、この魔法に抵抗するにはかなりの抵抗力がいる。
催眠状態・1部のパッシブスキルを無効化し、催眠状態のものは行動不能になる。
いやぁー、すみません。少し寝て冷静になってみたら、作品の説明に世界征服するって書いてるやん!と思いまして、さすがにあれで終わっちゃうと詐欺になっちゃいますよね。なんで、まだまだ書いていきます!
ご心配をおかけしました!今後ともどうぞよろしくお願いします!
Byハーブマン