ディアー「と、まぁ、こんな感じですね。」
アインズ(一緒だ…自分と一緒だ。仲間が来てくれず、ギルドを最後まで守り続けた。寂しい思いをしながらこの世界に来た…全く一緒じゃないか…)
アインズ「それは…大変でしたね。ギルドの維持を1人で行うのはさぞ厳しかったでしょう。本当にお疲れ様です」
アインズは勝手ではあるが、変な仲間意識を持っていた。この仲間意識はギルドメンバーへ向けられていたほどでは無いが、確かに仲間…いや、味方であると判断しうるほどのものだった。
アインズ「そういえば、あの辺ではディアーさんの存在を感知することが出来なかったんですけど、完全不可知化でも使っていたんですか?」
ディアー「あぁ、いえ。不可知化といえばそうなんですが、正確に言えば僕の種族、シカガシラの種族レベルを上げた際に入手出来るスキルですね。簡単に言うと聖遺物級以下のアイテムでの探知が出来なくなった不可知化です。消費MPはちょっと多いのが珠に傷です」
アインズは興味深そうに聞く。ユグドラシルでも人気が無く、なかなかお目にかかれない種族だった為、情報も少ないのだ。その人気の無さはピーキーすぎる性能が理由なのだが…
アインズ「へぇー!知らなかったです!他には一体どんなスキルが」
ピピッ
アルベドからメッセージが入る。
アインズ「あ、すみません…なんだアルベド。今私は大事な客人と話を…」
アルベド「すみません!ご報告しなければならないことが!ナザリックにお戻りいただけないでしょうか?」
アインズ「ん?…わかった至急ナザリックに戻る」
(随分焦ってるな)
アインズ「すみません、急用が入って…」
(いや、待てよ?アルベドが焦るほどの緊急事態、ディアーさんの力が必要になるかもしれない。それに実力の程を見るのにもいい機会だ。それと、確認しなければならないことがある)
アインズ「ディアーさん。良ければ、力を貸していただけませんか?もちろん、対価はお支払いします」
思わぬ提案にディアーは目を見開く。アインズ・ウール・ゴウンと言う強大なギルドにおいて、自分ごときの力が必要なのか、と疑問に思ったが、何よりあのアインズ・ウール・ゴウンのモモンガさん。もとい、アインズさんが自分のことを必要としてくれている事実がたまらなく嬉しかった。
ディアー「えぇ!もちろん!願ってもない!」
アインズ「では、ゲートへどうぞ。客間に繋がってます」
アインズがそう言うと、ディアーはたまらなく嬉しそうな顔でゲートへ入っていった。
その後、アインズはナザリックの玉座の間へ赴き、フィリップが魔道国の荷物を襲ったことを知った。
会議が終わり、アルベドに王国への宣戦布告を伝える命令を出した。そして、アインズにはやらなければならないことがある。
1つは今回の荷を襲った件に関して、ディアーが関与しているかの確認である。ディアーが訪ねてきたタイミングで魔道国の荷が襲われるなど、あまりにもタイミングが良すぎる。
2つ目は…個人的にはこちらの方が重要だ
アインズ「ディアーさん!お待たせしました」
アインズが扉を開けながらディアーに話しかける。
ディアー「いえいえ!お気になさらず。何があったんですか?」
アインズ「あぁ、王国が魔道国の荷を襲ったんですよ」
ディアー「えぇ?!魔道国の荷を?なぜそのような無謀な真似を…戦力の差など分かりきっているでしょうに」
アインズ(さて、ここからだ。ほんの少しだけカマをかけてみよう)
アインズ「いやー不思議ですよね。いったい誰が貴族を唆(そそのか)したのやら」
ディアー「え?貴族がですか?独断では無いでしょうから、王国から唆されたのが説としては濃厚ですね。いや、王国の滅亡を願う第三者による謀略か…?」
貴族だと知らなかったようだし、ディアーは真剣に考えている。ディアーによる策略では無いようだ。そもそも、荷が襲われた時にちょうど来るなんて、こんなにタイミングが良かったら1周回って疑うのもおかしい気がしてくる。
アインズ「これから我々は王国を攻めます。その際に力を貸してほしいのです。力を貸していただけますか?」
ディアー「ええ!もちろん!魔道国に手を出した報いを受けさせてやりましょう!…ってすみません ほとんど部外者なのに意気込んでしまって…」
アインズ「いえいえ、ありがとうございます!心強い限りです!」
感謝を述べた後アインズは表情を曇らせる。もう1つの質問をしなければならない。
アインズからすればこれが最も重要な質問であり、
この質問の返答によってはディアーを殺さねばならない。
アインズ「そういえば、ディアーさんにお聞きしたいことがあったんです」
ディアー「はい!なんでしょう?」
…
…
…
アインズ「この世界に来てから、ヴァンパイアを精神支配したことはありますか?」
続く
すみません!再投稿です!
Byハーブマン