戦闘服に着替えたディアーが攻めようとしているナイウーア伯爵領では、領主とミスリル級冒険者達が魔道国の国旗を持ったディアーを見ながら話し合いをしていた
ナイウーア伯爵「なぁ、あれ…君たちの経験則からの観点でいいんだけど…どう思う?」
四武器のリーダーの白銀の女性は薄く怒りを込めた、なんとも言えない表情をしながら話す
エルベロ「進行軍がたったの1人…舐めてるとしか思えませんね。見た目こそ化け物ですが、たった1人でこの大都市に攻めてくるとは、無謀にも程があります」
ナイウーアはヘラっとした表情を浮かべる
ナイウーア伯爵「だよねぇ…さすがに進行軍がたった1人って…舐められてるのか、おちょくられてるのか…どっちにしろ気持ちのいいことじゃないねぇ」
ピンク髪のプリーストが後ろから話しかける
リリネット「でも、罠かもしれないわ。1人と見せかけての陽動の可能性もある」
エルベロ「あぁ、一応外壁全体に警備網を張ってあるから陽動にも対応できるようにしている」
そんな話をしているとディアーが旗から手を離す。旗は空中で紫色の霧となって消えた。
ディアーは口元に音を響かせる魔法を発動させ、ナイウーア伯爵領に向かって告げる
ディアー「5分後、貴様らの街を攻める。安心しろ、このディアーの名にかけて誓う!進行するのは私1人だ。外壁全体の警備を前門1つに集中させろ。そして、全力で私を止めてみせろ!…では、また5分後に」
…
冒険者達がざわめき出した。
「たった1人って…マジか?」
「それだけ自信があるってことなのか?」
「外壁全体の警備を集中させた方がいいんじゃ…」
「バカ!罠に決まってるだろ!1人で攻めるなんて嘘に決まってる!」
ナイウーア伯爵「皆の者!聞いてくれ!」
皆の視線がナイウーアに集まる
ナイウーア伯爵「皆が動揺する理由は分かる。相手は化け物だ、何をしてくるか分からん。しかし、だ!相手が誰であろうと、俺達のすることは変わらない!進行軍を叩き潰す!ただそれだけだ!…これが終わったら、俺の金でありったけ飲ませてやるよ!」
エルベロはナイウーアに笑いかける
エルベロ「お、そうですか!奢りとは気前がいいですね。じゃあ、私は高級エールを頂きましょう。もちろん、王国一高い、高級エールですよ?」
ナイウーア伯爵「こ、高級エール?おいおい、勘弁してくれよぉ…」
冒険者達「プッ…アハハハ!!!」
ナイウーアとエルベロのやり取りを見て、先程の張り詰めた空気はどこかへ消え、皆の緊張感は解けていった。そして
「そうだな!」
「やってやろうぜ!」
「俺も高級エール飲んでやる!」
ネガティブな雰囲気も消え、皆の士気は一気に引き上がった。
その頃、ディアーはアインズから言われていたことを思い出す
数日前の会議室にて…
アインズとディアーはデミウルゴスとアルベドが出ていった後、二人で話しをしていた
アインズ「ディアーさん。ナイウーア伯爵領に進行する際に、直接ディアーさんが出向いて、本気の姿を見せていただけませんか?」
ディアーは疑問の表情を浮かべる
ディアー「えぇ、私が直接出向くのはいいですけど…なぜです?あの領地をを攻め落とすだけなら、本気を出す必要などないと思うのですが…」
アインズは少し恥ずかしそうに答える
アインズ「あぁ、これは実は私の興味本位でして…」
ディアー「と言うと?」
アインズは目を輝かせながら話す。
アインズ「いやぁ、ユグドラシルでも幻術特化の魔法詠唱師って少なかったじゃないですか?」
ディアー「えぇ、私以外に幻術特化なんてほとんど居ないと思います」
アインズ「そう!そうなんですよ!だから、見てみたいんですよ!幻術特化構築の本気を!」
ディアーはあまりの勢いに少し後ずさる
アインズ「実は幻術特化と聞いた時にかなりワクワクしていまして…その指輪、幻術特化と聞いて思い出しました!一時期話題になっていた『幻は常に現実となる(リアリティ・イリュージョン)』ですよね?」
アインズの嬉しそうな声色を聞いてディアーは少し自慢げに話す
ディアー「はい!実はそうなんですよ!幻術特化構築には欠かせない装備で、作るのが難しい上に幻術特化構築以外では使い道が無いと言うことで、需要も無かったので売りにも出されてなくて…いやぁ、本当にこれを作るのには苦労したんですよー!」
ディアーは嬉しくなってしまい、かなり早口になっていた
アインズ「そうですよね!ネットで一時期騒がれていたので気になってたんですよ!」
ディアー「あぁ、そうですね。この装備の効果が大まかに判定した時は『ぶっ壊れだー!』って騒がれてましたけど、デメリットや使用条件が分かるにつれて話題から消えていってしまったんですよねー」
アインズとディアーはユグドラシル時代を懐かしみながら話す
アインズ「いやぁー懐かしいですねー…それで、見せていただけませんか?実際の強さがめちゃくちゃ気になっていて…」
ディアーは拳で胸をドンッ!と叩いて言う
ディアー「おまかせください!奇術師の真髄…お見せしましょう」
…
…
…
ディアー「あの時、あんな啖呵切ったんだから、失敗は許されない…本気で潰しに行こう。あぁ、いや、本気で潰したらダメなのか…確か不自然の無いように、いい感じに住民を逃がすようにあの後頼まれたんだっけ?本気を出しつつ住民を不自然の無いように逃がすって…難しい注文だけど、やるしかないか!」
5分後…
四武器魔法詠唱師(以下、四魔法)「来るぞ。全員構えろ!」
ディアーが両手を大げさに広げ、唱える
…
…
…
エルベロ「ッ!?…なんだ?あの魔法は!?」
後書き
ディアーのステータスについて
ディアー
種族・異形種(シカガシラ)
分類・プレイヤー
異名・稀代の奇術師
役職・天空の森 副ギルドマスター
住居・天空の森 第6階層の自室
属性・極悪 カルマ値-500
種族レベル・森の住人 15Lv
森を守る狩人 10Lv
森を統べる管理人 5Lv
ほか 残り10Lv
職業レベル・幻術師10Lv
奇術師10Lv
イリュージョン・クリエイター5Lv
ほか 残り35Lv
合計 種族40Lv 職業60Lv 合計100Lv
概要
幻術特化のマジックキャスター 相手を翻弄する様々な魔法を使うトリッキーな戦法の使い手
主に幻術を主軸とした戦闘をする
あまり火力が出せないのが難点
しかし、幻術特化ということもあり、ユグドラシル時代でも幻術でレベル100プレイヤーを翻弄し続け、チーム戦PvPにて好成績を残した
なお、一対一のPvPの戦績は聞かないで欲しいとの事