※この作品はR-18です。

572の日ネタ帳   作:かりん2022

2 / 4
絶対正義の勇者様1

 清廉で美しい天使の騎士が、剣を構えて告げた。

 

「終わりです。ハートモンワールドの扉は、今年も守られる」

「クククッ 俺達に倒せねぇハートモンなんていねぇんだよ」

 

 巻物を周囲に浮かばせた、美しいローブと靴、帽子が見えない口で嗤う。

 追い詰められた竜は、血を吐くかのように叫んだ。

 

「くっ 絶対正義の勇者、夏油傑! パーフェクトヒーロー、繰屋 匠!!」

「ドラゴモンっ」

「下がってろ、灯里!」

 

「止めだ、アークエンジェモン! ホーリーキャノン!」

「行け! マジカルダンサモン! マジカルキャノン!」

 

 少年二人の命により、2体のモンスターは必殺技を放った。

 そうして、竜は吹き飛ばされて卵になる。

 

「ドラゴモン!!」

「お姉さん。貴方が、何を思って世界の滅亡に手を貸そうとしたのかはわからない。でも、世界って多分、そんなに捨てたものではないよ」

「貴方達に何がわかるのよ!!」

「わからない。だから、話そう」

「俺ら勇者だからね。助けるよ」

 

 手を伸ばすと、躊躇の後、お姉さんは私の手を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食事の時、軽い気持ちで夏油は言った。

 

「……今日、懐かしい夢を見たよ」

「どんな夢かお聞きしても?」

「恥ずかしい話だけどね。子供の頃に、勇者になる夢を見たんだ。すごくリアルな夢でね。ハートモンってモンスターと心を通わせて戦わせる、まあ、デジモンみたいなものだよね。設定が頭の中に残ってたんだと思う。そんな夢を見た。繰屋 匠って友達と、アークエンジェモンってモンスターと、大冒険をした長い夢。……少し、悟に似てるかな」

「「聞きたい!」」

 

 それから、しばらくおしゃべりをして、食事が終わったら仕事へと移る。

 何人かの信者から呪霊を徴収すると、真奈美が、困惑しながら予定外の来客を告げた。それは、三人の幼い子供だった。その内二人は兄弟なのか、顔立ちが似通っている。その子らが抱く、可愛らしいぬいぐるみのようなもっちり饅頭のような生き物に、夏油は猛烈に懐かしさと嫌な予感を覚えた。

 

「今代の勇者だそうです」

「は?」

「先代勇者様! 歴代最強の、絶対正義の勇者様! お願いだ、力を貸して!!」

「いや、残念だけど無理だよ。っていうか昔の二つ名は呼ばないでくれないかな。二度と絶対に永久に」

「帰ろうよ、大人なんて頼りになるかよ。こいつもそう言ってるしさ」

 

 そこで、一際小さい、幼児と言っていい子が口を開いた。

 

「ねぇ、おじさん、もしかして、見える人?」

「!」

「大丈夫だよ。皆、僕のこと信じてくれたんだ。だから、おじさんのことも、ひてーしないよ」

 

 にぱぁっと笑う子に、夏油は苦虫を噛み潰した。

 

「見えない人間など猿だ」

「は?」

「だが、人間が混じっているのなら、仕方ない。ああ、名乗る必要はないよ。私は君達と必要以上に関わりたくないからね。アドバイスだけしよう。役立てるかはわからないがね」

 

 子供達は、パァッと笑顔になった。

 そうして、子供達を奥の部屋に招いたのだった。

 




アドバイスいただけたら喜びます。

https://odaibako.net/u/karin2022v
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。