転生したらスライムだった件 スライムは彼女たちを愛する 作:有頂天皇帝
今回からシズさんとの対決が始まりますが、本格的な戦闘は次回からの予定となっております。
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新たな住人たちの歓迎の宴が終わった次の日、一部の魔物や人間が宴の余韻が抜けきれず寝込んでいる者達がいる中で、普段通り起きて生活する者達もいる。
「ほれほれ。かわしてばかりでは何もならんぞ」
「そ、そんなこと言われてもッス!?」
「さ、流石に厳しいんだが!?」
村から少し離れた場所にある訓練場の一角にて、ブラッドレイは散歩するかのような軽やかな足取りでゴブタとベルディアに近づきながら2振りの木剣を振るう。木剣だというのにブラッドレイが使えば真剣と変わらない斬れ味であり、ゴブタとベルディアは必死になってかわすもその身体には切り傷や痣が浮かんでいたり、鎧の一部がへこんでたりしていた。
ちなみに何故アンデッドであるベルディアが日が出ている中、普通に訓練に参加しているのかと言うと、それは彼の鎧に埋め込まれた朱色の結晶『
「凄まじいなブラッドレイ殿は。あれほどの剣の腕を持つ者は私も数える程しか見たことないぞ」
「む、世界にはブラッドレイ殿並の剣士がまだいるのか」
「あぁ、少なくともブラッドレイ殿の剣の腕は私の剣の師匠と同等のように思える」
離れた場所でカスミとペドロが刀とサーベルで斬り合いながらブラッドレイの姿を見ているが、その速い剣さばきを目で追うので精一杯だった。他にもレイピアとサーベルで斬り合ってるアスナとアイズ、爪と牙で戦い合うイヌアラシとネコマムシなど、訓練所にいる者達はそれぞれの訓練を行いながらもその目はこの中で最強ともいえるブラッドレイの動きに目を奪われていた。
「・・・やっぱバケモノだよ、あの爺さん・・・」
リムルもまたは訓練所の外からブラッドレイの動きを見ながら思わずそう呟く。スライムに生まれ変わってからガゼフ王やモモンなど強者と呼べる存在には何人か出会ってきたが、ブラッドレイの実力はリムルの勘でしかないがガゼフ王たちに匹敵または上回る実力を持っていると感じている。そんな人物がこうして味方となってくれているのは紛れもなく幸運であるとリムルは内心いつか敵になったりしないかと不安を思うことはあれど、今のところそんな様子はないから杞憂と思っている。
「おはようリムルさん」
「あぁ、おはようシズさん」
そんなことをリムルが考えているとシズがリムルに挨拶してきた。後ろには昨日の宴の疲れが残っているのか、欠伸をしているエレンたちがいる様子から起きたばかりなのがわかる。
「昨日はありがとうね。宴に参加させてもらったのもそうだけどアレを見せてくれて」
シズは仮面ごしで笑顔を浮かべながらリムルにお礼を言う。シズの言うアレとはリムルが宴の途中にて食休みとして抜けた際に、同じように抜けていたシズと話した時に互いに日本人であることを明かした際にリムルが『大賢者』を使ってシズに『思念伝達』を用いて自身の記憶にある東京大空襲によって焼け野原と化した町を復興する人々の姿を見せた。
当時、目の前で焼かれた町をその目で見ていたシズにとって焼かれた町が復興し、さらに発展していく戦後の日本の様子は言葉にできないほど素晴らしいものに感じた。
「気にしなくていいさ。それより本当に今日行くのか?俺たちは何時までもいてくれたって構わないぞ」
「ありがとう。でも、行かなきゃ。それに・・・ここに居たら迷惑掛けちゃうかもしれないし」
「迷惑だなんて、そんな・・・でも、分かった。残念だけど、いつでも遊びに来てくれ。歓迎するよ」
リムルがシズにこの村で暮らすことを提案するが、シズは申し訳なさそうにそう断る。リムルは昨夜シズからシズの旅の目的を聞いていたリムルはシズにとって落ち着ける居場所になれたらと思いそう提案しそれを理解しているからかシズはリムルの優しさを嬉しく思い胸をドキドキさせながら返事を返そうとしたその時だった。
「うん。ありが────ッ!?」
突然、シズが胸を押さえながら苦しみだし、その場に膝をついたのだ。突然の出来事にリムルとエレンたちは慌てながらシズに近寄る。
「シズさん!?どうした、大丈夫か!?」
リムルはシズの異常の原因を調べようと声をかけながらシズの肩に手を伸ばした瞬間───
「うぐっ、うぐぅぁあああああ───ッ!!」
シズが呻き声を上げると同時に、彼女が被っていた仮面にヒビが入る。そこから溢れ出た妖気が天に昇り、晴れ渡っていた空が雲に覆われ、辺りが暗くなっていく。
すると、シズはその場から立ち上がり、空中に浮かび始める。そして、突如として発生した炎が彼女の身体を包み込んだ。
「お、おいおい、何がどうなって・・・」
先程までとは雰囲気がまるで違うシズの姿に、カバルは動揺を隠せない様子だった。
と、ここでギドがあることに気付く。
「シズ・・・シズエ・イザワ?ま、まさか、爆炎の支配者!?」
「えっ?そ、それって、50年くらい前に活躍したっていう、ギルドの英雄よね!?」
ギドが顔を引き攣られせながら零した言葉にエレンは驚きながら反応する。まさか自分たちと一緒に旅をしていたシズがギルドの英雄であるシズエ・イザワだったとは夢にも思っていなかった。動揺しているカバルたちを尻目に先に冷静さを取り戻したリムルは『思念伝達』でリグルドとリグルに指示を出す。
『リグルド、リグル、直ちに住民たちを避難させろ!絶対にこの付近には近寄らせるな!!』
『『ハハッ!承りました!!』』
リグルドたちに指示を出し終えたリムルは、シズを抑えるために訓練所にいるブラッドレイたちにも協力を仰ごうとしたらソレは村にやって来た。
「キシャァァァァ!!」
「ゴガァァァァァ!!」
「クェーーー!!」
森の中から地響きを立てながら現れたのは紫色の体毛をしているラプトルのような魔物『ドスジャギィ』、黄緑色の体表に背部に朱色の小さな棘が一列に並んだ四足歩行の魔物『ドスジャグラス』、甲殻質の皮膚で覆われた巨大な嘴とエリマキトカゲのような耳を持つ巨大な鳥の魔物『イャンクック』。その周りや後方からドスジャギィとドスジャグラスを小さくしたような魔物であるジャギィやジャグラス、さらにはオーガや
「ランガ!お前もあっちの加勢に迎え!!」
「し、しかし・・・」
「心配するな。シズさんを何とかしたら俺もすぐにそっちに向かう。それよりも今はあっちの手助けに向かってくれ」
リムルとしては当然仲間であるブラッドレイたちのことも心配であるが、今目の前で苦しんでいるシズを放置することはできない。故に早急にシズを何とか正気に戻してからブラッドレイたちの元に向かう必要がある。だが、その間にも魔物たちによる被害が広がってしまうかもしれないことを考えるとランガには向こうの手助けをしてもらいたいとリムルはそうランガに説明すると、ランガは主であるリムルを心配しつつもリムルの指示に従うべきだと考えその意見に同意することにした。
「ご武運を!!」
ランガはリムルに対して頭を下げるとそのままブラッドレイたちを襲う魔物たちの下に走るのだった。ランガが行くのを見送ったリムルは喝を入れ直してシズに向き直る。
(安心しろシズさん。俺が、必ず救い出してやるからな)
リムルは心の中でそう決意しながら、その場で構える。その時、シズの顔から仮面が落ちた。次の瞬間、美しい少女の姿が炎の巨人の姿に変わった。
「炎の精霊───イフリート!」
「間違いないでやす。シズさんは・・・」
「伝説の英雄・・・爆炎の支配者・・・あ、あんなの、どうやっても勝てないんですけど!?」
「無理でやす・・・あっしらは、ここで死ぬんでやす・・・短い人生だったでやすねー」
カバルたちが混乱する中、イフリートは魔力波動を解き放った。薄赤い衝撃波が周囲に襲い掛かる。カバルはすぐに
「『
そしてリムルは俺たちを覆うようにドーム状の分厚い氷の防壁を創り出して衝撃波を防ぐ。多少のヒビは入ったものの攻撃は完全に防ぐことに成功した。
「り、リムルの旦那・・・助かったぜ」
「お安い御用だ。それより、見ろ」
カバルはリムルに礼を言うが、それよりも先にリムルに言われてカバルたちは再びイフリートの方に視線を移す。そこには、イフリートだけでなく、3体のサラマンダーの姿があった。イフリートには劣るもののその力はカバルたちを上回っていることがわかる。
「お前たち、逃げるなら今のうちだが・・・どうする?」
「フッ、逃げる訳にはいかねえよ。あの人がなんで殺意を剥き出しにしてるのか知らねえが・・・」
「俺たちの仲間でやんすよ!」
「ほっとけないわ!」
「そうか・・・(シズさん、いい仲間に出会えたな)」
リムルはカバルたちの決意の籠った力強い言葉に小さく笑みを浮かべながらイフリートに向き直る。
「分かった。なら、一緒に行くぞ!」
「「「おう(はい)!!」」」
こうして、リムルたちはイフリートを倒すため、そしてシズを救い出すために行動を開始するのだった。
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ヴェルザードside
リムルたちの村が魔物による襲撃を受ける1時間ほど前、村から離れた湖に来ていた私は昨日から感じている苛立ちを誤魔化すかのように湖にいる魔物たちを片っ端から屈服させていた。
(なんでかしら、無性にイライラしてしょうがない・・・)
昨日リムルがこの村にやって来た冒険者の1人であるシズエ・イザワと宴をこっそり抜け出したのを見た私はこっそりその後をついていき、離れた場所から2人が話しているのを見聞きしていた。
2人が同郷だと言うのは話している内容から察せたが、シズエと話す度に嬉しそうに笑うリムルを見る度に私は言いようがない不安と嫉妬によって心が狂いそうになっていた。
ヴェルザードはリムルがシズエと楽しそうに話していることに嫉妬していると言っているが、本人は自覚していないだけでタマモやロクサーヌ、クロカたち村にいる女性たちや新しく村にやって来たアルベドやハンコックなどの女性たちがリムルと親しげに話していたりその身体を触れさせていたりする度に嫉妬していた。
「やっぱり同郷の人と話すのは楽しいかしら・・・」
私はそう呟きながら襲ってくるワニの頭部をした鮫『鰐鮫』の頭を魔法で凍らせてから砕く。気づけば私の周りには魔物の死体と私に対して服従の姿勢をとる魔物たちが並んでいた。
「────それで、私になにか用かしら?」
私は妖気を隠しているつもりで全く隠れてない湖の周囲に潜む連中に威圧を込めながらそう告げる。そうすると草むらを掻き分けながら数十人の首輪をつけた小汚い男たちが武器を構えながら下卑た笑みを浮かべながら私の身体を舐めまわすように見ていた。
「よく気づいたなねえちゃん。まぁ気づいたところで無駄なんだがな」
先頭に立っているスキンヘッドの男が何か喋っているがそれよりも彼らの後ろにいる魔物たちが気になる。アンデッドの中でも上位種である人骨が集結した骨のドラゴン『
「あなたたち、そこに転がっている魔物たちの死体を運びなさい。邪魔になるから」
私は屈服して服従を誓った魔物たちに顔を向けずに指示を出すために声をかける。魔物たちはヴェルザードから放たれる絶対零度の如き殺気に恐怖した魔物たちはヴェルザードの命令に従い逃げるように魔物たちの死体を運んで離れていく。
「さて、と」
私は魔物たちが十分離れたことを確認すると私は目の前の男たちと魔物たちに向き直る。この後のことでも考えているのか下卑た笑みを浮かべる男たち。食欲かあるいは性欲に支配されていると思われる涎を垂らす魔物たち。そのどちらの視線も今の私にとって不快感しか感じない。だから・・・
「悪いけどあなたたちには私のストレス発散に付き合ってもらおうかしら」
その後、私は今胸を燻っている苛立ちを誤魔化すように蹂躙してやった。
《確認しました。》
《個体名:ヴェルザードはユニークスキル『
その途中、久しぶりにスキルを獲得したという世界の声が聞こえたがその時の私は気づきもしなかったのだった。
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あとがき
こんばんは有頂天皇帝です。今回から原作でのシズとの戦闘が開始されますが原作と異なりオリジナル展開としてクズ転生者が用意した敵とゴブタたち村の住人たちの戦闘が開始されました。誰がどのようにして戦うかはまた次回を楽しみにしてください。ちなみに村を襲っているゴブリンやオーガは対魔忍やオーバーロードに登場するタイプをイメージしております。今後もモンハンやオーバーロードに登場するモンスターを登場させる予定です。この後ハーメルンの活動報告にていくつか質問する予定なのでよろしくお願いします。多分戦闘は次回か長引けば次次回で終わると思いますがよろしくお願いします。今後はほかの小説にも手を伸ばしたりティアキンやったりアニメ見たりしているため投稿は不定期になってしまうと思われますが投稿は頑張って続けていくのでよろしくお願いします。