転生したらスライムだった件 スライムは彼女たちを愛する 作:有頂天皇帝
今回からオリジナルストーリーとしてオーガの里を舞台とした物語が始まります。原作と異なりオーガの里の創設にワンピースのとあるキャラたちも関わっているため里にはオーガだけでなく人間も存在しています。
リムルがヴェルザードたちの身体を堪能しながらオーガの里へ向かうこと3日。道中特に問題も起こらず無事にリムルたちはオーガの里に辿り着いた。里に着いた瞬間、スカーやランガたちの姿を見て警戒したオーガの戦士たちが武器を構えて待ち構えてきた時はカスミがいなければ武力衝突していたかもしれない。
そしてリムルはカスミと共にオーガの里長のいる場所へと案内され、ヴェルザードたちはリムルたちが持ってきた食料などの手土産を渡すためにオーガの戦士の案内の元運んでいた。
「さて此度は我が里によくお越しになられた。儂がこのオーガの里の里長である」
オーガの里の中で最も立派な屋敷に案内されたリムルとカスミはオーガの里長と対面していた。里長はネームドでないのにネームドであるリグルドよりも魔素量が高いのが確認でき、そこにカスミのように剣術の腕も加算すると仮定すればその実力はかなりのものだろう。
「しかしカスミから連絡が来た時は男を連れてくると聞いたもので結婚の報告かと思ったがな」
「ぶふぅっ!?」
里長がカッカッ!!と笑いながらそんなことを言ってそれを聞いたカスミは含んでいたお茶を噴き出して顔を真っ赤にする。
「にゃ、にゃにを言ってるんですか!?」
「なに、剣の腕を上げるばかりで男の影もなかった主にようやく春が来たのかと思ってついな。文でもそこの御仁のことを熱く語っ」
「~~~っ!!///」
「ぶほっ!?」
ニヤニヤと笑みを浮かべながらカスミをからかう里長だったが、羞恥心で顔を真っ赤にしたカスミがその手に握っていた湯呑みを思いっきり里長の顔に投げつけた。湯呑みをまともに顔面に食らった里長は目を回しながら気絶し顔を真っ赤にしたカスミは怒りながら部屋から退出して行った。
里長が気絶したことで手持ち無沙汰になったリムルはどうすればいいかと思っていると部屋の外から老人のオーガが入ると話しかけてきた。
「失礼いたします。リムル殿、もしよろしければ我らと共にダンジョンに向かわれませぬか?」
「ダンジョン・・・!!」
老オーガの言葉にリムルは目を輝かせながら反応する。ヴェルザードやメイプルからその存在を知ってはいたもののまだ実際にその中に入ったことがないため内心ワクワクしていた。
ヴェルザード曰くダンジョンはとある魔王のユニークスキルで生み出されたもの、魔素溜りによってその土地が変異して生み出されるもの、今は亡き神代の技術によって生み出されたもの、神々がその力で人間たちの試練として創り出したものなど多種多様であるが、共通している事としてはダンジョンは下の階層に行くほど強力な魔物や貴重な武具や魔道具、鉱石などが眠っていること、ダンジョンの奥深くにあるダンジョンの生みの親かダンジョンコアを破壊しなければダンジョンは崩壊しないこと、そして一部のダンジョンは管理することが可能ということなどだ。
リムルも何時かは行きたいと思っていたがまさか思ったよりも早くこのような機会が訪れるとは思わずウキウキしていた。
「じゃあせっかくだから同行させてもらおうかな」
「ほっほっそれはありがたい。では外で待っておりますので準備が整い次第来てください」
老オーガはそう言うと部屋を出ていった。それを確認したリムルは近くで隠れている存在に声をかけた。
「────いるかハサン」
「はっ、ここにおります」
暗闇の中から現れたのは少し前にリムルが召喚した1人である暗殺者の英霊《呪腕のハサン》。呪腕には他に召喚した《静謐のハサン》と《百貌のハサン》、《四楓院夜一》、《望月千代女》、《杠》と共にジュラの大森林の外を調べてもらったりこうしてリムルを影から守る護衛として仕えている。別にオーガの里の中まで護衛してもらう必要はないが念の為ということで今も影の中で待機してもらっていた。
「ユキナたちにダンジョンに行くことを伝えといてくれ。里の連中がなにかしてくるとは思えないが念の為にユキナたちのことも頼むな」
「御意」
呪腕のハサンはリムルからの命令を聞き遂げるとそのまま暗闇の中へと消えていく。ヴェルザードたちの実力なら特に問題は無いと思うのだが、里についてから一部のオーガの戦士たちが何かを警戒するような素振りを見せていたのが気になるので念の為に呪腕たちをヴェルザードの周囲に待機させることにした。
(でも正直管理されてるダンジョンらしいから珍しいモノはないんだろうな・・・)
リムルはヴェルザードから管理されているダンジョンは基本的に階層ごとに現れるボスモンスター以外の宝箱は回収済みのものか、リポップする宝箱しかないからこれといった掘り出し物は出ることは無いと聞いているためそっち方面では期待してないが、初めてのダンジョンということでどんなものか気になるのでリムルは心を踊らせワクワクしながらダンジョンへと向かうのだった。
◆◆◆◆
オーガの里近隣にある洞窟型ダンジョン『鬼の巣窟』。ゴブリンやオーガなど人型の魔物が主に出現するこのダンジョン。リムルは老オーガとその教え子である里長の息子である若オーガたちオーガと人間たちと共にダンジョンに来たリムルだが、上層ということもあってか特に苦戦することなどなく楽々と下層に降りていく。
「やっぱりお宝とかは期待できないよな・・・」
「まぁ仕方ないですよ。このダンジョンはあくまで昔から俺たち
リムルは倒したゴブリンの身体から回収した小石サイズ魔石を手元で転がしながらそう呟いたのを聞いた若オーガは苦笑しながら答える。
「今日の訓練は5層までだったけか?」
「はい。その5層の奥にいるボスのハイオーガを倒してそれで訓練は終わりになります」
リムルと若オーガはそんな会話をしながら5層へと続く階段をおりていく。リムルは道中ゴブリンやオーガから特に取れる素材は無いため魔石のみの回収で終わっているが、他にも定期的にリポップする宝箱から入手した[[rb: 一般級>ノーマル ]]の日本刀や甲冑などを入手しては胃袋に収納していた。
性能はリムルがヴェルドラの洞窟で手に入れた装備より格段に劣るが懐かしい日本のものということでリムルは内心ホクホクだった。そして5層に辿り着いたリムルたちだが、5層に足を踏み入れた瞬間リムルは違和感を感じた。
(なんだ?今の感覚は・・・)
リムルは言いようの感覚を感じ、違和感が最も強く感じた右側の壁を見る。一見変哲もない普通の岩壁だが何故かそれが妙に気になったリムルはその岩壁に近づく。
「リムル殿・・・?」
リムルの突然の行動に疑問を感じた若オーガがリムルに声をかけるが、それより先にリムルは岩壁に触れた。その瞬間岩壁はパキッ、ペキっと音を立てて岩が剥がれ落ちていき厳重な鉄の扉が姿を現した。
「なんと・・・」
岩壁の中から現れた鉄の扉を見て老オーガは驚きのあまり目を見開く。その様子からこの扉の存在を知らなかったことは明白であろう。
「開けていいか?」
リムルは確認するように老オーガたちにきくと全員がコクリと頷いた。それを確認したリムルは鉄扉に手を伸ばすとゆっくりと押す。見た目よりも軽い鉄扉はリムル1人だけでも容易く開いた。
扉を開いて中を見るとそこには左右に武具や魔道具がズラリと並んだ一本道が続いていた。魔道具は呪符のようなものから筆、ランタンなど多種多様なものが揃っており、武具に関しても最もランクが高いもので
「まさかこのダンジョンにこんな隠し部屋があったとは・・・」
長年このダンジョンで弟子たちと共に潜っていた老オーガは初めて見る隠し部屋と優れた武具を前にして子供のように目を輝かせていた。それは彼の弟子であるオーガや人間たちも自分たちが持っている武具よりも性能が高い武具を前にして興奮していた。
この魔道具と武具はダンジョンの掟からリムルの所有物であるがダンジョンから出た後にオーガ側から欲しい武具や魔道具などを物々交換などによる取引を用いらせて欲しいと話を持ちかけられたのでそのことは里に戻ってから要相談ということになった。
若オーガたちが武具や魔道具を見て回っている中、リムルは一本道の先に目を向けていた。道の奥から少し前に戦ったシズに宿っていた炎の上位精霊、イフリートと同等もしくはそれ以上に匹敵する魔素量を放つ存在を感じ取っていた。
それが何なのか気になったリムルは置かれている武具や魔道具を回収してから奥へと足を進めていく。突然武具や魔道具が消えたことに若オーガたちは驚いたもののそれがリムルによる出来事だと分かるとリムルの後をついていく。
しばらく歩いているとリムルたちは大きな広場に辿り着いた。その広場の中心には着物を着た1人の[[rb:死屍大鬼> オーガ・ゾンビ]]が一振の刀を握って立っていた。
「まさかこの部屋に入るものが現れるとは・・・これも運命ですかね?」
オーガ・ゾンビはリムルたちを見ながら何か呟いたが小さい声だったためにリムルたちの耳に届かなかった。
「あんたがこのダンジョンの本当の主か?」
「まさか。私はこの奥にあるモノを守るためのしがない防人でしかない」
リムルはオーガ・ゾンビに対してそう尋ねるがオーガ・ゾンビはそれを否定する。
「私の名はリューマ。と言ってもそれはこの身体の元の持ち主の名であり元の私自身はしがないレイスでしかないがね」
「リューマじゃと・・・!?」
オーガ・ゾンビ───リューマが自らの名を明かすがその名を聞いた老オーガは驚きのあまり目を見開く。老オーガ曰くリューマとはオーガの里を作り出した伊吹童子、光月おでん、継国縁壱、星熊勇儀などを初めとした鬼神や人間たちと同じ里の初期のメンバーであり、竜狩りとしてその名を轟かせたとの事らしい。
「おやリューマの名を知っているとは嬉しいですね。私もかの御仁の伝説を知っているからこそその武勇が今も語られ続けているのは嬉しいものです」
リューマは老オーガの語るリューマの武勇を聞き自分の事のように嬉しそうに笑う。だがその殺気は依然としてリムルに向けられていた。
「さてお話はこのくらいにしてそろそろ刃を交えましょうか。もし私が認めるほどの力を見せてくれましたらそれなりの報酬を与えましょう」
「それは、興味深いな」
リューマが刀を構えるのに合わせてリムルもロングソードを構える。互いに武器を構えながら距離を詰めながらリューマとリムルは対面する。
「では、神妙に───」
「───勝負!!」
そう互いに声を上げると同時にリューマの刀とリムルのロングソードがぶつかり合う。その衝撃は凄まじく発生した衝撃波によって離れていた場所にいた若オーガたちまでもが吹き飛ばされそうになっていた。
「ほう?私のこの『秋水』の一撃を受けても砕けないとは中々のものですね」
(ざっけんな!今の一撃でカイジンの造ったロングソードが折れかけたっつうの!!)
感心するリューマに対してリムルは冷や汗を流しながら内心ではリューマに対して悪態を吐いていた。リムルのロングソードはヴェルドラが封印されていた洞窟で入手した純度の高い魔鉱石を素材にカイジンに作成してもらったものであり、その性能はカイジンがガゼル王に献上したものよりも高い。しかしそのロングソードはリューマの刀《秋水》の一撃でヒビがはいり、もう一度ぶつかれば砕けることは素人でも分かる程の損傷であるためリムルはロングソードを《胃袋》の中に収納すると代わりに2本のエストックを取り出し、リューマに切りかかる。
「まるで手品みたいですね。それもあなたのスキルですか?」
「全く驚いてないのによく言うぜっ!!」
リューマは突然ロングソードが消えたと思えばエストックが現れたことに驚いたように言うが、余裕の表情を浮かべてリムルのエストックによる斬撃と刺突を秋水1本でさばく。
その後もリムルはエストックだけでなく槍、双剣、大剣、ガントレット、ハルバードなど多種多様の武器を使い分けながら戦い、さらに氷や水、土魔法などによる拘束を狙いつつ炎、雷魔法による同時攻撃を仕掛けるがその尽くが防がれるか切り捨てられた。戦闘が始まって既に2時間は経過したが4分の3近くの魔素を消費し体力にも限界が近づいているリムルに対してリューマはアンデッドだからか疲労など全く感じさせず秋水を構えてリムルの次の手を待っていた。
「
「
リムルは炎・氷・風・雷・水の属性で造り出された竜の顎をリューマに向けて放つが、それに対してリューマは目にも止まらぬ超高速の連続突きを放つことで竜の顎は無数の穴を空けられてリューマに届く前に霧散する。当然防がれることを予想していたリムルは五竜色彩魔砲を放ってからワンテンポ遅れさせて掌から《胃袋》の中に収納していた使い捨て前提の剣や槍などを一斉に放って攻撃する。
二段構えの攻撃なら多少ダメージを与えられると考えての行動であったがリューマは最低限の動きで飛来してくる武器をかわし、かわしきれないものは刀で斬るまたは弾くことで全部防がれてしまった。
「こんっの、化け物がっ!!」
「ヨホホホ。この程度で化け物とは言ってはいけませんよ。本物はもっと強かったですし彼より強い存在などかなりいましたよ」
「知りたくない情報をありがとうな!!」
リムルとリューマはエストックと刀で切り結びながらそんな会話を広げる。リムル自身は気づいていないことだがリューマと戦い始めた時と今とでは明らかにリムルの戦闘技術が上がっていた。最初はリューマの斬撃を《大賢者》の力を駆使して防いでいたが、ブラッドレイによる地獄の扱き並にキツい強敵との戦闘によって自然とリムルは自分の判断で最適解を選択し行動していた。これによりリムルはリューマと斬り合えるようになったが依然リムルの不利に変わり無かった。
(一か八か狙うか?)
このまま攻防を繰り返したところで長引けばリムルが不利になり負けるのは目に見えている。故にリムルはリューマに勝利するため今残っている力を全て使い切る勢いで賭けに出て勝負を決めることにした。
「おや?なにか秘策でも思いついたのかね?」
「最後の悪あがきさ。上手くいくかどうかわからないけどな」
リューマはリムルの様子から何か策を思いついたのかをその表情から読み取り、リムルも冷や汗を流しながら笑みを浮かべて答える。その間にリムルは折れかけたエストックを収納して代わりに今リムルが所持している武器の中で最もランクが高く使い慣れているロングソード型の
「じゃあ、いくぞ!!」
リムルはそう叫ぶと同時に水氷大魔蒼剣を構えてリューマに斬りかかる。リューマはそれに対応すべくリムルを迎え撃とうと足を動かそうとしたがリューマは足を動かせなかった。
「なっ!?(私の足元だけが凍っている!?一体いつの間に・・・!?)」
リューマは動けない足に驚き視線を下に向けると、リューマの足首が氷によって覆われており力を入れても全く身動きが取れなかった。
先程までリムルが放っていた魔法によって地面が濡れ至る所に水溜まりができていたものをリムルが持っている水氷大魔蒼剣が放つ冷気によって凍らせることでリューマの動きを封じた。もしこれが普通の人間や魔物ならばその寒さで気づくのであろうが、オーガ・ゾンビであるリューマには痛覚などの感覚を感じることができないために気づくことが出来なかった。
「なるほどありふれてはいるが良い手ですね。しかし!その程度の策なんの障害にもならない!!」
リューマは足を凍らされたことに多少驚きはしたもののすぐに気を取り直してリムルの水氷大魔蒼剣による斬撃を秋水ではね上げて防ぎ、返す刀でリムルの胴体に秋水を振り下ろす。
「がっ・・・!?」
「・・・これで終わりか」
胴体を袈裟斬りされ倒れ伏そうとしているリムルの姿を悲しそうに眺めるリューマは秋水を鞘に収めようとする。誰もがリムルの敗北で終わったと思ったその時だった。
「────油断したな?」
「───っ!?」
リムルの声が後ろから聞こえたリューマは驚きのあまり後ろを振り向こうとした瞬間、リューマは全身を凍らされ氷塊に閉じ込められた。
「な、何とかなったな・・・」
リューマの背後にある凍っていない水溜まりからポヨン!と姿を表したスライム状態のリムルはヨロヨロと動いていた。
リムルが行ったことは至極単純なことで、リムルが水氷大魔蒼剣を取りだした時にこっそりと分身体を作り出して冷気で足元が見えづらくなっているところを本体の意識を移したスライムの分身体が移動し、分身体が水氷大魔蒼剣で斬りかかっているうちにリューマの足元を凍らせ、スライム状態のリムルはその隙にわざと凍らせなかった水溜まりに飛び込みリューマの背後で待機した。そして分身体を倒したことで油断したリューマを後ろから氷魔法で凍らせた。
これはリューマ自身の戦闘スキルはかなり高い代わりに魔法に対する耐性などが低かったこととリムルがスライムであることを知らなかったからこそ成功したと言えるだろう。
「リムル殿・・・!!」
「あ・・・」
しかし分身体の生成とリューマを凍り付かせるために大量の魔素を使用したことでリムルにも限界が来てしまったのか気絶してしまった。
───その後、突然出現した宝箱の中身を回収した老オーガたちはリムルを連れてダンジョンを脱出するのだった。
あとがき
お久しぶりです有頂天皇帝です。遅れましたが転スラ3期始まりましたね!OPもEDも素晴らしくアニメの内容もいつも通り素晴らしいですよね!!最近知ったことですがアンソロコミックである《魔物の国の歩き方》の連載終了が決定してしまい悲しいです・・・。作者さんの体調が1番大事なので仕方ないことですが続きが気になるので誰かリメイクして書いてくれたりとかしないかな・・・転スラ読み始めた頃に最初に読んだ転スラのアンソロだっただけに悲しくアニメ化とか期待していたのでやっぱり続きが読みたいと思ってしまいます。
今回登場したダンジョンは他作品のアニメやラノベのものを参考にしたものになります。後ほどダンジョンを含めたオリジナル設定のものをまとめて投稿するつもりなのでよろしくお願いします。春アニメにもまた魅力的なヒロインたちがいてリムルのヒロインに追加したいなと思いつつキャラが増えすぎちゃうなと思って躊躇います。次回は予定では戦闘とエロを行う予定です。それとオーク侵攻に合わせてエルフやラビットマンのような実力のない魔物たちがリムルたちの元に逃げ込むのはありですかね?それではなるべく早く書きますので次回の投稿もよろしくお願いします!!