※この作品はR-18です。

転生したらスライムだった件 スライムは彼女たちを愛する   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回はオークロード戦の序章ということで少し短めになります。


第二十六話 開戦の狼煙

リザードマンたちの集落に向けて出発したリムルたち。今回リムルが同行させたのはゴブタたちホブゴブリンとフリーやペドロを含めた獣人による部隊300名、ベニマル、シオン、ハクロウを中心とした元オーガの里の兵士たちの鬼人部隊120名、ランガやスカーを筆頭とした魔獣部隊200体、そしてアルベドやアイズたち戦闘力のある元冒険者80名とサンラク、ペンシルゴン、オイカッツォ、サイガ-0の4名。残りの戦力はもしもの時に備えてブラッドリーとリグルドの指示の元待機してもらった。オークロード率いる75万の軍勢に比べれば心もとない人数であるがそれを補えるだけの質はある。本来ならばもっと戦力を集めて向かうべきなのだがソウエイからの報告でリザードマン側にいまだ被害は出ていないものの連日続くオークたちとの戦闘でリザードマンの戦士たちもオークの恐ろしさによる恐怖と積み重なった疲労によって限界が近づいてきているため最高速度でいくために最低限の戦力を揃えてシス湖へと出発したリムルたち。

 

道中魔物などに襲われることも無く進むリムルたちだが、シス湖にかなり近づいているというのに周囲に全くと言っていいほど魔物や魔獣の気配が感じられないでいた。それがリムルたちにとってこれ以上ないほど不気味であり警戒心を高めるものだった。

 

「・・・どう思うベニマル」

 

「十中八九罠でしょうね。豚どもを操っている連中は俺たちがリザードマンと協力することも知っている可能性が高いですし、リムル様は一度俺たちの里で豚どもと戦っていますからその脅威も知っているはずですからね」

 

ランガの背に乗っているリムルは同じように嵐牙狼族の背に乗っているベニマルと今の状況について話し合っていた。逃走した清水やホブ剣やエルフの剣士などからリムルたちの戦力はある程度知られているであろうし、オーガの里でリムルはオークたちを相手に手持ちの武器や戦闘スタイル見せていた。無論リムルにはまだ見せてない手札はそれなりにあるし清水たちが居なくなったあとにベニマルたちが鬼人族へと進化したことで伝わる情報にも誤差が生じる。だが敵がいくつかの情報を握っているであろうことからそろそろ何か仕掛けてくるのではないかとリムルとベニマルが警戒していると、彼らの進路を妨害するように地面を砕きながら巨大な樹木が突然生えてきた。

 

「───おっとぉ、ここから先は通行止めだよぉ?」

 

巨大な樹木の上から声が聞こえてきたので思わず見上げるとそこには[[rb:邪悪樹人族 >イビルトレント ]]のキギロがニヤニヤと笑みを浮かべていた。

 

「貴様、ゲルミュッドの手下か・・・?」

 

「僕が?冗談はやめて欲しいなぁ。あんな雑魚より劣るって言われるのは心外を通り越して不快でしかないよ」

 

シオンは背中に背負っていた大剣《剛力丸》を鞘から抜き、その剣先をキギロに向けながら問いかけるとキギロはゲルミュッドより下に見られたことを不快に思いながらもその目はリムルたちが行動を起こしたらすぐに反撃できるよう見ていた。

 

「悪いがお前がどこの誰だろが関係ない。邪魔するなら無理にでも押し通ってやるよ」

 

リムルはそう言うと同時に右手を前に出し巨大な黒炎球を生み出すと同時にキギロに向けて放った。黒炎球はキギロの身体に当たったがそれはキギロの身体の表面を軽く焦がしただけでダメージは全くと言っていいほどなかった。リムルは倒せるとは思っていなかったもののダメージを与えられなかったことに疑問を抱いているとキギロは自分からその理由を自慢げに話し始めた。

 

「アハハハ!かなりの威力だけど僕には効かないよ!!何故なら僕の身体の中に流れる樹液は基本温度が高くてねぇ。僕を燃やすのは不可能なのさ!!」

 

キギロは高らかに笑いながら両手を前に突き出すと掌から魔力を込めた樹液を弾丸のように撒き散らして攻撃してきた。それをリムルは《捕食者》で防御して仲間たちを守り、リムルがキギロに攻撃を防いでいる間にキギロに接近したシオンとベニマルがそれぞれ剛力丸と紅蓮で斬り掛かる。しかし2人の攻撃が当たる寸前にキギロは自らの身体の表面の密度を硬化させることで斬撃を防御する。

 

「くっ!なんて硬さだっ!?」

 

「怯むな!一度で斬れないというなら何度でも斬ればいい!!」

 

「させるわけないよねぇ!!」

 

シオンは力を込めた渾身の一撃が通じなかったことに苛立ち混じりの舌打ちをするがベニマルの一言で再度攻撃を仕掛ける。しかしそれを黙っている訳もなくキギロは両腕の表面の密度を柔軟にさせると鞭のようにしならせ振り回してきて攻撃を仕掛けてきた。それをシオンとベニマルはすんでのところで回避しキギロから離れてリムルの元に戻った。

 

「それじゃあ君たちには悪いけど僕の主様のためにここで死んでもらおうか!!」

 

キギロはそう宣言すると同時に大量の根と樹液の弾丸がリムルたちに襲いかかる。

 

────リザードマンたちと合流する前に予想外の強敵と遭遇したリムルたち。そして強敵の襲撃を受けているのはリムル達だけではなかった。

 

 

場所は変わってリムルたちの村。非戦闘員をトレイニーたちが管理するドライアドの森へと避難させ、村に残っているのはイヌアラシやブラッドレイを始めとした戦闘員のみとなっていた。

 

「リムル様たちは無事リザードマンたちと合流出来ただろうか・・・」

 

「わかりません。しかし此度の戦いの裏にリムル様の言うように本当に魔王が関わっているというのなら・・・」

 

「こちらの思惑通りに行くとは限らぬか・・・」

 

村の周囲を囲っている防壁の上でイヌアラシとシシリアンは主であるリムルたちのことがそろそろリザードマンたちど合流しオークたちと戦闘を繰り広げているだろうと思いそんな会話をしていたが、出発前にリムルが今回の一件に魔王が関わっているかもしれないと言っていたことを思い出し不安も感じていた。しかし主であるリムルの強さを知っているイヌアラシたちはリムルならば負けるわけが無いと信じその不安を消し去る。

 

「イヌアラシさん、ペドロさん。食事ができたから持ってきたわ」

 

「む、すまぬなリーン嬢」

 

「感謝する」

 

イヌアラシとシシリアンが周囲を警戒していると見張りに料理を運んできたリーンがやってきたので2人はリーンにお礼を言いながら食事を受け取る。イヌアラシとシシリアンは受け取ったアプトノスのステーキサンドにかぶりつきながらリーンからほかの見張りから何か異常はないか確認するも今のところないようだ。イヌアラシとシシリアンは食事を終えるとそろそろ見張りの交代の時間だと思っていると遠くの森の方から軍勢の足音とロビンフッドが仕掛けていた罠が起動した音が微かながら聞こえてきた。

 

「イヌアラシ様!」

 

「総員戦闘態勢!!敵がまもなく来るぞ!!」

 

「「「「オォ!!」」」」

 

イヌアラシはすぐさま全員に聞こえるように声を上げるとすぐさま全員が答えそれぞれの配置につき始めた。ジュゲムやシシリアン、レオニダスを始めとした戦士たちは武器を構えるとすぐに出撃できるように待機し、城壁の上ではエルフや魔導師たちが弓や魔法を構えて何時でも放てるように待機していた。そして少し時間が経つとイヌアラシたちの視界に魔物の軍勢が広がった。

 

「オークはいないがかなりの種族の魔物たちが揃っているな」

 

「そうね。トロールにレッサーオーガ、ゴブリン、鉄鼠人(アーマット)洞下人(ケイブン)山羊人(バフォルク)半人半獣(オルトウロス ) 翼亜人(プテローボス )。色んな種族が揃っているわね」

 

イヌアラシとリーンは眼前に広がる魔物の軍勢を前に恐れを抱かないもののかなりの数に冷や汗を流していた。ロビンフッドの罠で数は減らされているのであろうがそれでもその数はかなりのものであり、正確な数は分からないが少なくとも2万はゆうに超えていた。

 

「イヌアラシ様、前方に巨大なトロールがいます。恐らく奴が・・・」

 

「うむ・・・」

 

魔物の群れの最前線にいる巨大な大剣を担いでいる緑色のウォー・トロールの姿を確認したイヌアラシたちは奴こそが東の巨人《グ》であると判断した。イヌアラシたちはグたちがどのような行動を起こしてもすぐ対応できるようにしているが、彼らは知らなかった。グは力だけでいえばオークロードに匹敵する力を持っているが頭の方はゴブリンよりマシ程度でしかない。故にグはイヌアラシたちリムルに絶対の忠誠を誓っているものたちに対して言ってはならないことを言ってしまいその逆鱗を買ってしまうのだった。

 

「聞け!脆弱なるスライムに従うもの達よ!!この俺様に殺されたくなければ大人しく服従しろ!!オスは戦力として使えるなら使い弱者は食料に、メスは俺たちの孕袋として使ってやる!!」

 

グはスライムという最弱の魔物に従っていることからここにいる魔物たちは大した力を持っていないと判断し至極当然のようにそう命令を下しながら城壁の上にいるシュナやウィズなどの美しい女性たちを早く犯したいと言わんばかりに興奮していた。それは彼の配下の魔物たちも同じなのか見下すような目で目の前のイヌアラシたちを見ていた。

 

 

─────その油断がとある少女の一撃をまともに食らう結果となってしまった。

 

 

「─────《 毒竜(ヒドラ )》!!」

 

少女の声が高らかに響くと同時にグたちに猛毒で形成された三首の毒竜が毒ブレスを吐きながらトロールたちに襲いかかる。トロールたちは毒竜の毒によって身体を溶解されるか猛毒で殺され、身体を食いちぎられることで次々とその数を減らしていき一瞬にして500近く狩られてしまった。毒耐性を持っていたグ は耐えることに成功したが、皮膚の表面は溶けているためスキル《再生》ですぐに直していく。

 

「ねぇ今リムルさんのことバカにしたよね・・・?」

 

いつの間にかグたちの前にいたメイプルは漆黒の短刀《新月》を握りながら黒く濁った瞳でグを見る。メイプルの深淵を思わせるような瞳を見たグたちは思わず恐怖して後ずさるがそんなことは関係ないとばかりにメイプルは左腕を前に突き出すと左腕は5本の触手に変えると触手を伸ばして近くにいたトロールの頭に絡ませるとそのまま首の骨をへし折って絶命させた。それを確認したメイプルはユニーク武器《機械神》を起動させ左腕に巨大な砲身を背中にも巨大なブースターを装備させた。

 

「覚悟、できてるよね?」

 

グたちは人間でありながら魔物以上に異形な姿となったメイプルに恐怖を抱くもそんな暇を与えないかのようにメイプルはグたちに対して関係ないと言わんばかりに持ち前のスキルを全部使って殲滅を開始するのだった。その光景を前にしてリムルを侮辱されたことで怒りを顕にしていたイヌアラシは出遅れてしまったこととメイプルの暴れっぷりを目にしてその凄まじさを前にして呆然としてしまい動くのが一歩遅れてしまった。その間にメイプルと同じように怒り狂ったサリー、カスミ、イズ、マイ、ユイがトロールたちを蹂躙しはじめるのでイヌアラシたちも慌ててそれに続くように攻撃を始めた。

 

 

────彼らの主にして多くの女性を虜にしたリムルを侮辱したグはこれから死んだ方がマシだと思えるほどの絶望を味わわさせられることをその身をもって知るのだった。

 

 

そして肝心のリザードマンたちは窮地に陥っていた。リムルたちがキギロと戦闘を開始したのと同じ頃、リザードマンの集落に籠っていたザリュースたちだったが突如オークたちの身体を中心に魔法陣が浮かび上がると同時に近くにいたリザードマンの戦士たちがその姿を消して代わりに新たなオークが出現した。

 

「な、なんだこれは!?」

 

リザードマンの首領は突然オークの死体とリザードマンの戦士たちの姿が消え、代わりに現れた数百のオークたちの出現に一瞬動揺するもすぐさま残っていた僅かな戦士たちと後方で待機させていた祭司たちと協力してオークたちを迎撃するも戦力差があるため徐々に押され始めていた。

 

「首領!このままでは・・・!?」

 

「わかっておる!子供と女、負傷者を優先に避難させよ!我らはその足止めをするぞ!!」

 

首領はすぐさま頭を切りかえて自分たちのなすべきことをなすために行動を移した。幸運なことにソウエイや鬼人族の部隊は残っていたことで逃走時間を稼ぐことはできるだろう。そう判断した首領は槍を構えると残っている戦士と祭司たちを連れてオークたちを足止めするために準備をするのだった。ソウエイたちも首領たちと協力してオークを迎え撃とうとするがその前にソウエイは分身体を何体か生み出してリムルに報告すべく影移動させながら外へと向かわせるのだった。

 

首領たちが仲間たちを逃がそうと奮闘する中、ガビルとザリュースたちリザードマンの戦士たちは集落の外に広がる湿地帯に飛ばされオークたちに囲まれ絶体絶命の状況に追い込まれていた。

 

「《 渦槍水流撃(ボルテクスクラッシュ )》!!」

 

「《氷結爆散(アイシー・バースト )》!!」

 

ガビルとザリュースはそれぞれリザードマンの至宝である魔法武器《水渦槍(ボルテクス・スピア)》と《凍牙の苦痛 (フロスト・ペイン)》を用いてオークたちを倒していくも倒した数以上のオークが次々と現れるためキリがなかった。

 

「どうするよザリュース!このままだとジリ貧でオークたちに仲間が食われちまうぜ!?」

 

「然り。我らの後ろには傷ついた同胞たちと協力者であるゴブリンたちがいます。このまま彼らを守りながら戦っていると犠牲者が出るのも時間の問題かと」

 

竜の牙族長と小さな牙族長が襲い来るオークの攻撃を捌きながらザリュースに今どうすべきか判断を仰ぐ。突然の出来事に動揺していたのとその前までオークたちと戦闘を繰り返していたことで疲労が溜まっていたリザードマンが多かったために今現在戦闘可能なリザードマンは半分に満たずその中にはザリュースの兄である緑の爪族長や鋭い刃族長など優秀な戦士たちもいるために、ただでさえ数が劣っているザリュースたちはさらに劣勢の立場に立たされ追い詰められていた。

 

笑衝突(ネコネコバーン )!!」

 

しかしそんな絶望的な状況など関係ないと言わんばかりにネコマムシたち獣人たちはオークたちを倒していく。ネコマムシと獣人たちも突然の転移に最初は驚きはしたもののすぐに気持ちを入れ替えてリムルたちが来るまで何としても耐えきらなくてはとオークたちを足止めすることに専念することにした。

 

 

───当初の予定とはかなりかけ離れた形で始まってしまったオークロードたちとの戦闘。リムル、メイプル、ザリュースたちはそれぞれの戦場で戦い始めることとなったがそれはオークたちとの戦闘の開戦の狼煙が上がったことが分かり、このことをきっかけにしてリムルの存在が魔王たちの目に入るのはまだ誰も知らない話であった。






あとがき
今回敵として《オーバーロード》から東の巨人グと《ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王》からハドラー四天王キギロを登場させました。キギロは途中離脱予定なので活躍は今後になるかもしれませんがグは最後まで出番ある予定です。それとまだ確定してませんがガンガディアも出せたら出したいなと思ってます。原作とは少し異なる展開になりましたがオークロード戦はこれからになりますのでどうかよろしくお願いします。ちなみにグが率いている魔物たちは現在上映中の《劇場版オーバーロード聖王国編》に登場した亜人たちを登場させました。作者はまだ映画を見ておりませんが冒頭シーンは現在YouTubeでも見れるそうなので気になる方はそちらを見てから映画に行くのもありかもしれませんね。作者はちょっと聖棍棒がチラついて悩んでます。それと全話で2.5章としてオリジナルをやろうか考えていると言ったのですが、やりたい流れがある程度できているので2章が終わったら予定通りやろうかと思います。それでは次の投稿もなるべく早くなるよう頑張りますのでどうかよろしくお願いします。
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