カルデアのマスターである藤丸立香、そしてビーストクラスのサーヴァント・ドラコー。
二人が正式に夫婦となって、そろそろ1年が経つだろうか?
当初はカルデア中に混沌と混乱をもたらし、ダヴィンチやゴルドルフといった面々の顔面を蒼白にさせた人類悪・ドラコーとの結婚であったが、今ではカルデア中が二人の仲睦まじい姿に温かい目を送っている。
その過程では様々な出来事があった……のだが。
今回は立香とドラコーの何気ない日常をお送りすることにしよう。
**
「よし、行くか」
眠りから覚めて早々に着替えを済ませ、気付けば寝間着から白き魔術礼装・決戦用カルデア制服へ身を包んでいた立香。
連日連夜でレイシフトに赴き、まともな睡眠時間も取れていないため若干身体がふらつき気味ではあるものの、彼の瞳や顔からは全くと言っていいほどに疲労感を感じない。
むしろ、何も知らない第三者が見れば元気そうにすら見えるのだが、その裏に隠し切れないほどの疲労感が蓄積されていることを彼女が見逃すわけもなかった――
「……待つのだ、旦那様」
「ぅ……」
今にも部屋を出ようとした立香を呼び止める一声。
その声を聞いた途端に顔をバツの悪そうな表情へと変えると、立香は恐る恐る後ろを振り返る。
そこには、頬を膨らませた愛すべき妻がジト目でこちらへと視線を送ってきているのがはっきりと視界に映った。
すると。
「ど、ドラコー……起きてたんだね。こんな朝早くから、ど……どうしたの?」
「どうしたの、ではない!!そなた、どこへ行こうとしていたのだ!?」
全体を赤に染め上げられた肩出しのネグリジェを身に纏ったまま立香に詰め寄り、訳も聞かず立香を りつけるドラコー。
それに対して当然ながら立香も弁明しようとするが、ドラコーは聞く気もないとばかりに突っぱね、起床してから数分も経たない内に自身の夫に説教をしていたのであった。
もちろん、ドラコーも怒りたくて怒っているわけではない。
怒らざるを得ない理由があるからこそ、怒っているのだ。
「正気か、そなたは!?散々ダヴィンチやゴルドルフにも言われたであろう!『このまま無理をし続けるのは命に関わる、身体を大事にしてくれ』と、何故守らぬのだ!」
「いや、でも……」
「でも、なんだ?己の身体以上に大事なものでもあるのか!?」
「うぐ……」
愛しき妻の激しい怒りに対して言葉を返すこともできず、立香は口を噤んで顔を俯かせる。
そんな彼に向け、ドラコーは若干声のトーンを落としながら説教を続けた。
「よいか?そなたは名立たる英霊を率いる司令塔であり、カルデアの精神的支柱なのだ。そのそなたが倒れたら、どうなる。それが分からぬわけではあるまい?」
「分かってるさ。……だけど、多少の無理ぐらいは――」
「その無理が、本当に命取りになるぞ。マスター……」
立香の言葉を遮る様にして唐突に彼の頬に両手で触れたドラコーは、深紅の瞳を立香の顔へと向ける。
すると、何を思ったのか触れた手を上へとスライドさせていき、気付けば彼の目元へ指を這わせていた。
「酷いクマだ……最近、まともに寝ておらぬな?」
「あ……ああ、少し寝付けなくてね」
「嘘を申すな、こんなに濃いクマを作って少しなわけなかろう。まったく……つくづく休むのが下手な旦那様だ」
クマが濃く残る目元をなぞり、立香へ憂いの込められた瞳を向けるドラコー。
怒りのボルテージは未だに心の中に燻ってはいるものの、こうもボロボロな夫を見ると段々説教する気が削がれていく。
本当であれば、物分かりの悪い旦那様へ言い聞かせるために延々と説教を続ける予定だったが、今の彼に必要なのは説教ではないようだ。
「薄々察してはいるが、どうせレイシフトに行くつもりだったのであろう?」
「うん、そうだ……ごめん。君に黙ってこっそり行くつもりだった」
「こんな朝からゴソゴソと物音を立てて、こっそりとは笑わせてくれる。行くならもっとバレないようにしろ――ばか」
おそらく立香自身、自分でも無理をしている自覚はあったのだろう。
散々レイシフトで無茶をしたはいいものを、その度に周りへ迷惑をかけてしまうことへの後ろめたさ。
それを感じていたからこそ、心のどこかではドラコーに無茶をする自分を止めて・叱ってほしかったのだ。
そうでなければ、ドラコーに呼び止められても無理矢理レイシフトへ向かったに違いない。
「ともかく、余の目が黒いうちは絶対にレイシフトへは行かせぬからな!数日間は、確実に安静にしていてもらうぞ!よいな!?」
「……分かった、分かったよ。流石に君が目を光らせている時に勝手に居なくなったりしないよ」
「絶対だからな?絶対に、休むのだぞ?」
「ああ、約束する」
口酸っぱく立香へ念押しを続け、とりあえずは彼を部屋に留めることができた。
しかし、過去の出来事を思い出すと、いつ立香が部屋を抜け出すか分かったものではない。
ならば。
「じゃあ、僕は本でも読んでおくよ。最近は読める時間すらなかったからね」
「本か、確かに最近そなたが読書をしている様子は見なかったな。うむ、存分に読むとよいぞ……だが、その前に――」
次の言葉を紡ぐ前に一呼吸を置き、立香の顔をまじまじと観察するドラコー。
数秒前までは真剣で憂いのある瞳をしていた彼女だが、その眼を急激に野獣のような厭らしく獰猛な目つきへと変化させていく。
それと同時に口元を緩ませ、一気に顔を蕩けさせていった。
「(ああ……久し振りに旦那様と二人きり。あまり無理はさせられぬが、疼き切った余の身体を存分に満たしてもらわねば♡)」
ドラコーが[[rb:旦那様 > 立香]]を心配する気持ちは、間違いなく本物だ。
他の誰よりも立香の様子に気を配り、彼を一番に考える姿は献身的であり、その行動一つ一つに愛が溢れていた。
だが、やはりビーストというべきか。
内に潜む獣心は増殖を続け、ドラコーの中に燻り続けている。
今もなお。
「ん?ドラコー?」
今まさに自身へと襲い掛からんとする妻の鋭い眼に気付かず、立香は急に言葉を発しなくなったドラコーの顔を覗き込む。
その刹那だった。
「ぇ――んっ!!?」
不意に首へ手が回ったかと思ったのも束の間、次の瞬間には美麗な彼女の顔が急接近し、そのまま唇を奪われていた。
「んん……っ!ん、んーーっ!?」
突然のことに驚き、立香は反射的にドラコーから唇を離そうする。
しかしながらそんなことを彼女が許すはずもなく、立香を逃がさぬよう首に回した手をガッチリとホールドし、彼の口内を貪り尽くす。
「んぁ……♡れるれる、れりゅ。ちゅっ、じゅるるるる……ッ!」
「んー!んー!?どら、こ……んぐっ!?」
言葉を紡ぐ暇さえ与えず、一方的に立香の唇を奪ってしまったドラコー。
先程までは慎ましやかな良妻を装った雰囲気を纏っていたはずだが、その雰囲気を一瞬にして肉食獣のような凶暴なものへと変化させた。
初めはドラコーを引き剥がそうとした立香も魔性の接吻をする妻に翻弄されてしまい、気付けば彼女と舌を絡み合わせ、顔を蕩けさせていくのであった。
「ん……ぐ、んん!ん……」
「じゅるるるる!れる、れりゅれりゅ……♡くくっ……可愛いな、旦那様よ」
少しの接吻だけで快楽に屈し、身体を弛緩させてしまう夫の姿。
最初に接吻を交わし、更には身体を交わらせてから随分と時が経つように思うが、未だに快楽というものには弱いらしい。
「(痛みには鈍感なくせに、気持ちの良いことには耐えられぬとはな。まぁ、そこが余の旦那様愛おしい所なのだが!)」
存分に立香の口内を舌で犯し尽くし、普段味わえない彼の味を堪能する。
そのことに喜びを感じながらドラコーは数分間にも渡って立香を拘束し、瞬く間に彼を快楽漬けにしてしまった。
しかし、流石にやり過ぎてしまったのか立香は顔を真っ赤にし、熱に浮かされた様子で身体をふらふらとさせ始める。
「ん……っ、流石に飛ばし過ぎてしまったようだな。すまぬな旦那様よ、続きは休んでからだ」
立香の身体が限界であることを瞬時に悟ったドラコーは、すぐさま彼の口から唇を離し、ふらつく立香の身体を支えてやる。
先程まではレイシフトに赴こうとしていた立香なのだが、一回の接吻でこれほどまでに疲れを露わにしている所をみると、やはり行かなくて正解だったようだ。
「歩けるか?旦那様」
「い、や……無理……そう」
「うむ、分かった。ならば、余がベッドまで運んでやろう」
立香の答えに対し、ドラコーは大きく顔を頷かせて返事を返すと、何の前触れもなく立香をひょいと両手で持ち上げてしまった。
いわゆる「お姫様抱っこ」の状態……なのだが、ぐったりとした様子の立香は恥ずかしがる気力すらなく、あっという間にベッドへと運ばれる。
「ぅ……ぅ」
手際がよく気の利いたドラコーによって枕を頭に乗せてもらい、更には布団まで被せてもらったことで、すぐさま強烈な眠気が立香を襲った。
先程愛妻の熱烈な接吻を受けたことも影響しているのだろうが、それ以上にここ数日間の疲れが一気に身体へとのしかかってくる。
自覚はしていなかったものの、まさかこれほど疲労が溜まっているとは思いもしなかった。
「(やっぱり、適度に休まなきゃ駄目だな……)」
自分の身体を気遣わず、周りの忠告を無視して無理ばかりをした結果がこれとあってはいい笑いものだ。
過去に散々マシュやダヴィンチ、新所長らに心配されていたというのに一切休みを取らず、更に身体をボロボロにしてしまった。
こんな状態では、カルデアの士気を下げてしまうに違いない。
だから今は、休むのが得策だろう。
「ひと眠りするがよい、マスター。そなたには休養が必要だ……思う存分睡眠を満喫するよいぞ」
完全に意識が途切れる最後、そんなドラコーの優しい言葉を聞いた。
相変わらず愛おしくて、何度でも聞きたくなるような彼女の声。
その声に対して無意識に顔を頷かせ、立香は穏やかな表情で眠りへとつくのだった。
立香が自室で休養を始めて、かれこれ2日は経過した。
普段であれば毎日のようにカルデアの廊下や、中央管制室は英霊達が行き交っているのだが、マスターである彼が完全に休養へ入ったこともあって英霊達も自動的に休暇が与えられた。
もちろん英霊達は一時の休みを得られたことに喜びを感じていたが、それ以上に立香が休むことを決断してくれたことが何よりも嬉しかったのである。
『身体は大丈夫かって?大丈夫!それよりも、早くレイシフトを終わらせよう!』
いつもお決まりの如く、そんな言葉を呟きながら無理をし続けてきた彼。
その彼に対し、誰一人として休むよう促すことはできなかった。
立香を誰よりも想う、彼の妻以外は――
………
……
…
「余は嬉しいぞ、そなたと結ばれることができて」
1日以上、死んだように眠る立香の顔を覗き込みつつ、おもむろに彼の横に寝転ぶドラコー。
相変わらず露出の多いネグリジェを身に着けており、今にも彼を襲いそうな程の情熱的な瞳を向けていたが、意外にもドラコーは一切身体に触れようとせず夫の寝顔をじっと見守った。
「リリムハーロットでは色々とあったが、余はそなたと会えて本当に良かった。そなたのような騎手、パートナーと」
敵であり人類悪、ビーストである者を普通は信用したりなどしない。
一時の協力関係が終われば、すぐさま敵同士へと戻る……そのはずだった。
「余は決して忘れぬぞ、そなたが掛けてくれた言葉を」
自らの命を投げ打って魔獣赫を討ち滅ぼし、然るべき結末を迎えようと覚悟を決めたあの時。
立香は最後まで自分を見捨てようとはせず、大切な仲間として手を伸ばしてくれた。
そして、最後はただ「生きろ」と令呪で命じられ、自分は新しく生まれ変わったのだ。
落陽を超えた姿。現在の天動説体の身体へと成り、彼を支える一人のサーヴァントとして。
「(たとえ何があろうと、余はそなたに尽くそう。それが、どんなに歪んだことでも……)」
自分へ「生」を与え、生きる理由を教えてくれた彼が望めば、人理やカルデアさえ滅ぼし灰燼に帰す。
ドラコーがカルデアに来た際、立香へと誓った決意というのはとてつもなく重いものであり、一歩間違えれば人類の敵となる危険性を孕んでいる。
しかし、そんな決意を容易にさせてしまうほど、藤丸立香という存在はドラコーにとってかけがえのないものだった――
「さて、余も流石に疲れた。そろそろ、休息を取らせてもらうとしよう」
そう言ってベッドから立ち上がったドラコーは付いていた部屋の明かりを消し、部屋の扉の前へと立つ。
「すぅ……すぅ……」
「ではな旦那様よ、もうしばらく眠るといい。起きた時は、しっかり余の相手をしてもらうからな?」
眠る彼へ艶やかな目線を向け、最後にその寝顔を目に焼き付けたドラコー。
いつまで経っても愛らしい夫に胸をときめかせつつ、彼を起こさぬよう静かに部屋を後にするのだった。
「ん……」
あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか?
正直あまり記憶はないが、かなり長い眠りについていたように思える。
「ふぅ、久し振りにぐっすり寝たな」
レイシフトにレポート作成、そして体力づくりのためにやっているトレーニング。
これらを毎日欠かさずこなしてきたこともあり、疲労困憊の状態が常に続いていた。
もちろん自分自身では大丈夫だと思っていたのだが、ドラコーのあの反応を見る限りでは相当無茶をしてしまっていたようだ。
「あ、そういえばドラコーは?」
眠っている間ずっと傍で自分を見守ってくれていた彼女に一言感謝を伝えようと、ベッドから身を起こして部屋をぐるりと見渡す立香。
しかし、見た所彼女らしき人影は見当たらない。
「うーん、どこか出てるのかな?」
基本的には立香の部屋……というより、立香にべったりとくっついて離れないドラコーが外出をしているとは考えづらいが、部屋に居ない以上はその可能性が高そうだ。
「(まぁ、たまには一人でもいいか……)」
基本的にカルデアに来てから一人の時間を過ごすことはほとんどなく、大抵サーヴァントやマシュ達と一緒に居た。
無理をしすぎる性格もあってかプライベートな時間は皆無であり、部屋には寝るためだけに帰っていたあの頃。
その日々から随分と時が経ち、今では可愛くて頼り甲斐のある妻が自分の帰りを毎日待ってくれている。
今日に限っては彼女が居ないようだが、それならば自分一人で有意義な時間を過ごさせてもら――
「その様子だと、すっかり元気になったようだな?」
「え?ドラコー、いつの間にって……ぇ!?」
突然聞こえてきた妻の声に驚きつつも、声がしたであろう扉の方へ嬉しそうに顔を向けた途端。
立香は顔を強張らせ、思わず言葉を失ってしまった。
「え……あの、ドラコー?」
「どうした、旦那様よ。何をそんなに驚いておるのだ……?」
「い、いや。どうしたも何も、その恰好は一体?」
動揺を隠せずに声を震わせる立香に対し、平然と彼へ受け答えをするドラコー。
何かおかしいことでもあるのか?
そう言いたげに、怪訝な表情を浮かべる彼女の姿は一言で表すと『全裸』であった。
全裸と言っても、辛うじてパンツは履いている。
しかし、胸にはブラジャーを一切身に着けておらず、片手でどうにか豊満に実った双丘を隠す「手ブラ」をしているだけであり、完全に立香を誘っていることは間違いなかった。
「(ごくり……)」
困惑した様子を見せながらも、立香は男の性からか思わずドラコーの美しき裸体を舐めるように見てしまう。
もちろん、一度は彼女と身体を重ね合わせたため、その身体を見て初心な少年のように顔を真っ赤に染めて俯くことはない。
だが、凝視すればするほど見惚れ、彼女に欲情を覚えていく。
「(やっぱり、君は綺麗だ)」
結婚してからそこそこ時間が経つが、未だに立香はドラコーと接するだけで心臓の鼓動を早めてしまう。
普段何気なく彼女と会話をしている時や、食事をしている時でさえ気付けばその顔をぼーっと見つめていた。
以前であれば色恋に興味もなかったため、女性サーヴァントに迫られても表情一つ変えなかったが、ドラコーを前にすると思わず表情を赤らめそうになる。
立香はそれだけドラコーにぞっこんであり、彼女を心の底から愛していた。
そんな愛する妻が自分を誘ってきているのだ、それに応えなければ真に夫とは呼べないだろう。
「(ちょっと身体はしんどいけど、たまにはドラコーに付き合ってあげなきゃね)」
一瞬にして腹を決めた立香は、困惑した様子を一転させてドラコーを真っすぐな瞳で見つめた。
「もう薄々察しておるだろう?余がこのような姿をしておるのは、どのような目的かを……な」
「ああ、分かってるよ」
「なら、よいな♡ちゃーんと相手をしてもらうぞ。そなたの精と根が付き果てるまで」
ベッドまで一気に歩み寄り、夫へ艶やかに笑って見せるドラコー。
立香は久し振りの営みに緊張しながらも、妻の顔をうっとりと見つめるのだった。
「今日は絶対に寝かせぬぞ、旦那様よ♡」
[newpage]
正直、ドラコーとはもっと一緒の時間を過ごしたかった。
レイシフトにレポート作成、そして各サーヴァントとのコミュニケーション……それらの間を縫ってどうにか時間を作ろうとはしたが、結局今日に至るまで落ち着いた時間は作れていない。
それでもドラコーは怒った様子を見せることなく、自分の帰りを健気に待ってくれていた。
今日こそは、そんな彼女を少しでも愛してあげなければいけないだろう。
**
「くくっ、相変わらず逞しい身体をしておるな?」
ベッドの上へと上がってきたドラコーに服を脱がされ、立香は徐々にその肉体を彼女の前で晒していく。
当然レオニダスやベオウルフ、超人オリオン、ヘラクレスのようなサーヴァント級の身体にはなっていないものの、まだ若い少年にしては十分過ぎるほどの肉体を手にしていた。
そんな彼の割れた腹筋や胸板を触りつつ、ドラコー思わずうっとりとした息を漏らす。
「ぁぁぁ……よいぞ、やはりよい。余の旦那様はこうでなければ……」
顔は無垢な幼子のように可愛らしいが、身体は年相応に立派。
このギャップが、ドラコーには溜まらなく愛おしかった。
「さて、互いに素肌を晒した所ではあるが、その前に……」
「前に?」
「少しだけ、身を清めぬか?そなたも、汗を落とさぬまま交わるのは嫌であろう」
そう言って、ドラコーはシャワールームの方を指差した。
……
…
あまり広いとはいえないガラス張りで作られたボックス型のシャワールーム。
その空間で二人きりになったドラコーと立香は、互いに身体を触り合いながらシャワーヘッドから降り注ぐ温水を存分に浴び、こびりついていたであろう汗を洗い流していった――
「ああ、そういえば余とそなたで水を浴びるのは初めてであったな」
「うん。まぁ、そもそもこの部屋に帰ってこない日も多かったからね……」
「はぁ……まったく、数日単位で余を一人にしよって。そなたが帰ってこない間、どれだけ余が寂しい思いをしたのか分かっておるのか?」
膨れっ面で立香を問い詰めつつも、ドラコーは手に持ったタオルで彼の四肢を丁寧に拭いてやる。
「弁解のしようもないよ、ドラコー。ただ、一言だけ謝らせて――いつも寂しい思いをさせてごめん」
下手な言い訳をせず、瞳を閉じて謝罪の言葉を口にした立香。
その顔をじっと見つめながら、引き続きドラコーは彼の身体をタオルで擦った。
「(ここも、あと……ここもか。随分と、多いな)」
今までの旅路で付いたであろう無数の傷跡。
それらの傷は当然全て塞がってはいるものの、白い跡となって立香の身体に刺青のように深く刻み込まれていた。
「(やはりそなたは、相当無茶をやらかしてきたのだな)」
以前交わった際にこの傷跡を目にしていたが、こうして至近距離でまじまじと見ると改めて彼がどれほど壮絶な戦いをしてきたかがよく分かる。
そもそも、立香自体戦えるマスターではない。
魔術は基礎レベルのものも使えないどころか、格闘術や剣術さえ修めていない無力な少年だ。
そんな彼が、人知を超えた戦いの最前線に赴けばどうなるのか……全てこの身体に刻まれた傷跡が物語っていた。
「……人理の為、カルデアに居る仲間の為に戦うそなたは恰好がいい。だが、死んでしまっては元も子もないぞ」
「ああ、分かってる」
「無理をするにしても、加減を考えよ。余は愛する夫がボロボロになる姿を見たくはない」
タオルを動かす手を止め、ドラコーは憂鬱な表情を浮かべながら立香の胸板に身を預けた。
「(絶対に死ぬな旦那様、余を置いて逝くことは許さぬぞ)」
獣を花嫁とし、自身と添い遂げると決めたのなら途中でリタイアは許さない。
人間としての寿命が尽きるその時が来るまで生を全うしてもらう。
それが、獣の騎手であり夫でもある立香の役目だ。
「(もし叶わぬのなら、[[rb:獣 > よ]]はカルデア諸共人理を滅却するのみよ)」
改めて立香に対する重い覚悟を密かに固めたドラコーは、引き続き立香の胸の温もりを味わった。
何せ久し振りに愛する夫と触れ合えるのだ、今の内に彼に甘えておかなければ損である。
「うっ!?ど、ドラコー。胸が、当たって……」
「当てておるのだ。何なら揉んでも構わぬぞ?」
「……っ!」
わざとらしく自身の豊満な双丘を押し当て、初心な反応を見せる立香を弄ぶドラコー。
一方の立香は性経験の浅さもあってか、柔らかな乳房の感触を肌で感じただけで顔を真っ赤にしてしまう。
その彼がドラコーの挑発に乗って乳房を揉むことなどできるわけもなく、急に色香を纏わせ始めた彼女に見惚れた。
「ほらほら、いつでも揉むがよい。余の胸は、そなた専用だぞ?」
「ぅ……」
「ハリも弾力もあって、我ながら魅力的な乳房だ。この乳房を独占できるのは世界にただ一人、旦那様だけ……そなた以外は誰一人として触れさせぬ」
魅力的な言葉を口にし、ドラコーはたわしの如く乳房を立香の胸板で上下させた。
普通の男であればこの時点で屈服してもおかしくないが、流石は人類最後のマスターといったところだろう。
目線だけは完全にドラコーの乳房に釘付けになっていたものの、一向に彼女の胸へ手を伸ばす気配は感じられなかった。
しかし、ドラコーは徐々に誘惑へ屈しつつある立香を試すかのように、変わらず激しいボディタッチを続けた。
「ドラコー、流石に僕も我慢が……」
「我慢などしなくてもよい、今は余とそなた二人だけしか居らぬ。他人の目など気にせず、余の身体を欲望のままに求めよ」
「だけど、」
「それとも、余に責め立てられる方が好みか?余は受けと責め、どちらでもよいぞ♡」
自身の中で渦巻く欲望を必死に抑え込み、どうにか理性的になろうとする立香であったが、それを許さぬとばかりに残った理性をじわじわとドラコーは奪い取っていく。
「ふふっ、隠していても余にはお見通しだ。そなた、相当余の胸に目線がいっておるな?」
「うぐっ……!」
「そんなにまじまじと見つめられては、身体が火照ってしまうではないか。よほどこの胸を気に入ってくれたようだな」
図星を突かれて分かりやすくたじろぐ立香。
そんな立香を後目に、ドラコーは彼の首へ両腕を絡ませつつ、乳房を押し潰すようにして彼の胸板へ押し付けた。
そして、追い打ちをかけるように耳元で艶のある言葉をささやく。
「なぁ、よいであろう?余はいつでもそなたを受け入れる準備はできているぞ」
「ぅ……ぁ」
「ほーら、そなたも限界であるはず。我慢は身体に毒……溜まった欲望を余で発散するのだ――だ・ん・な・さ・ま♡」
ドラコーと出会う前。数々の女性サーヴァントにアプローチをされながら、その全てを突っぱねるほどガードの固かった立香。
性欲など消え失せてしまったかのように黙々とレイシフトやトレーニングに時間を費やしていた彼も、一目惚れしたドラコーに対しては並々ならぬ愛情と性欲を抱いていた。
今まではドラコーへの溢れんばかりの想いを行動で示すことはなかったが、ここまで誘われては我慢の限界だ。
彼女の要望通りにするとしよう。
「……ドラコー、本当にいいんだね?君を好きにしても」
「そう言っておるではないか。余はそなたの妻だぞ?好きにしてよいに決まっておろう」
先程の様子から一変し、立香は妙に落ち着き払った様子でドラコーを真っすぐに見つめる。
すると、おもむろにシャワーの蛇口を操作し、二人に降り注いでいたシャワーの水をストップさせた。
この行動にドラコーは首を傾げ――
「じゃあ、好きにするねドラコー」
次の瞬間、立香はドラコーの身体を思い切り抱き締め、気付けば彼女の唇を奪っていた。
「……ッ!?んんっ、んん……っ!?」
あれだけ立香を誘惑していたドラコーも、突然の出来事に全くもって対応することができず、目を見開かせながら夫の接吻を受け入れるしかなかった。
その様子を見た立香は、好機とばかりにドラコーの口内を貪る。
「んぉ……っ!?ん、んんーッ!!」
「んっ……はぁ、はぁ……もっと味わわせてもらうよ」
別人かのように目の色を変えて接吻を行う立香に、ドラコーは為す術もなく責め立てられた。
いつもは初心な夫をリードするドラコーなのだが、予想の斜め上をいく立香の舌使いに翻弄され、あっという間に雌へと変えられてしまう。
「(い、いくら何でも乱暴すぎ……ぃ♡)」
ドラコーのことを考えている気配は全くなく、無我夢中で立香は彼女の口内を犯した。
途中彼女が激しい快楽を受けて反射的に唇を離そうとした際は、逃げられないようにガッチリと両腕で身体を拘束し、半ば強引な形で接吻を続行した立香。
今の彼の瞳には一切理性は感じられず、ただ本能に突き動かされるようにしてドラコーを求めている様子であった。
「んぉ、おっ……!しぇっぷん、きもちよすぎ……んあ!?」
唇を奪うだけでは飽き足らず、立香は無防備であったドラコーの胸を片手で鷲掴みにし、自分の思うがままに乳房をこねくり回す。
当然、口内を犯されるだけで頭を真っ白にしていたドラコーが耐えられるはずもなく、より一層嬌声を上げた。
「おおっ……!?ん、お……!よのむね、もまれへ……る♡」
全てが想定外の事態だ。
あれほど自分へ手を出してこようとしなかった立香が、まさかここまで激しい責めをするなど思いもしなかった。
おかげで、先程からなすがままの状態で彼の情欲を受け入れ続けている。
「ドラコーの胸、すっごく柔らかいね……もっと揉んでもいい?」
「んあっ!よ、よいに……んんっ!決まっておる!」
意識が飛びかける程に激しい快感ではあるが、立香が望むならいくらでも付き合う。
そもそも彼が自ら身体を求めてくること自体が稀であり、現在のように強引かつ乱暴に犯そうとしてくることは初めてのケースだ。
そんな二度あるかないかの状況で、失神などしている場合ではない。
存分に立香との情事を楽しまねば。
「ふぁ……ん♡伝わってくる、そなたの槍の感触が♡」
以前交わった際、何度も自分を絶頂に追い込んだ立香の雄々しい肉棒。
大人しげな彼と違って、凶悪な太さと長さを兼ね備えた女殺しの槍が限界まで勃起し、自分の腹に寄り掛かるようにして待機していた。
「(よっぽど余の膣に挿れたいらしいな。まったく、困った旦那様で……んおっ!?)」
少しの間冷静になったドラコーの思考を吹き飛ばすように、立香は更に激しい接吻を彼女に対して行う。
「はげし、……っ!んん!おおっ!?」
「ん、れるれる。まだ、いくよ……!」
ドラコーの歯・歯肉・舌……口内の全てを味わうようにして吸い尽くし、ほぼ一方的に唇を奪い続ける立香。
当然ながら彼女のことを一切考えている様子はなく、強姦をしているかの如く彼女の口内を犯した。
「おっ……!おっ……!しゅご、ぉ……!」
白目を剥きかけながら何度も絶頂に至ったドラコーは一瞬にして思考力を奪われ、身体をビクビクと痙攣させる。
既に立香の接吻に応じる体力も気力もなく、胸と口の両方から伝わって来る快楽を享受しつつ、この後に待っている営みへ期待を膨らませた。
「(いつもより、激しく頼むぞ旦那様。今日のそなたは、獣だ♡)」
相手を気遣い、優しく営みを行おうとする彼も好きだが、檻から解き放たれた肉食獣のように自分の身体を求めてくれる彼はいつもより魅力的に映る。
やはり立香を挑発して正解だったようだ。
おかげで心の奥底に眠る、彼の尋常ではない愛情を形にして受け入れることができるのだから――
「んんっ……!ぷは……ぁ♡とても、良かったぞ。旦那様……♡」
「あ、ああ。僕も良かったよ……」
接吻を終えるとともに寄り掛かってきたドラコーを受け止め、感慨深げに感想を口にする立香。
一見満足したようにも思える表情を見せた彼だが、下半身の逸物は接吻を終えてからもいきり立っていた。
それをドラコーが見逃すはずもなく、妖艶に笑いながらその逸物に指を這わせる。
「すっかりここをガチガチにしよって♡そんなに余を犯したいのか?」
「もちろん、だって好きにしてもいいって言ったのはドラコーでしょ。なら、僕もお言葉に甘えさせてもらうよ」
「ふふっ、その意気だ旦那様。普段愛してくれない分、今日はより一層激しく頼む」
そう言って、ドラコーは立香の身体を強く抱き締めるのだった。
シャワールームから出た後、仲良くタオルで水気を拭き取った二人は早速ベッドへと飛び込んだ。
すると、ドラコーは待ちきれなかったのかベッドへ寝転がると同時にM字開脚の体勢になり、自身の女性器を見せつけるようにして広げた。
『早く挿れろ』
そう言わんばかりの彼女の姿にすぐさま理性を破壊され、立香は元から勃起していた肉棒を更に反り勃たせる。
そして、すぐさまドラコーの女性器の入り口へ亀頭をあてがった。
「前戯もしてないけど、いいんだね?」
「いちいち確認など要らぬ。元よりこの身はそなたに捧げておるのだ……好きなように犯すがよい♡」
既に十二分な程に濡れた女性器をヒクヒクとさせつつ、立香へ熱い視線を送るドラコー。
情欲にまみれ夫への愛に染まり切った彼女の表情は蕩けており、挿入の前段階で堕ちていた。
「(ドラコー、ドラコー、ドラコー……っ!!)」
そんなドラコーの色気に当てられ、一瞬にして躊躇いを捨てる。
早く妻の穴へ挿れたい。
その欲望で頭をいっぱいにした立香は、気付けば腰を前へと突き出していた――
「ん……っ!?ぁ……っ!いっきにきた……ぁ♡」
容赦なく女性器へ侵入した肉棒は、一突きで子宮の入り口まで到達した。
元よりドラコーの膣が濡れていたこともあって、引っ掛かりもなく挿入に成功すると、次の瞬間には立香が激しく腰を打ち付けて膣内を乱暴にかき回すのだった。
「最初から、全力でいくよ!」
「う、うむ……っ!全力で余を、愛してほしい……!」
挿入されたばかりであるにも関わらず、尋常ではない幸福感から気を失いそうなるドラコーだったが、どうにか意識だけは繋ぎ止めた。
何せこれからが本当のお楽しみなのだ、まだまだ気をやるには早い。
「(めちゃくちゃに犯してくれ……そなたになら、何をされてもよい)」
リリムハーロットにて、彼と行動していた時からずっと胸の内に抱いていた膨大な欲望。
立香を犯したい、立香に犯されたい。
その欲望は既に叶えられてはいるものの、一回程度の営み程度その欲望が発散することなどなく、常日頃から彼との交わりへの期待で頭をいっぱいにしている。
彼は気付いていないようだが、立香がレイシフトやレポートの作成に没頭している合間、何度一人で自慰をしたことだろうか。
正直自分でも、その回数を覚えてはいない。
「どう、かな……っ!いいかん、じ……ッ!?」
「ぁ……!あ、あ……っ!!よいぞ、とても……よい!」
「じゃあ、もっと激しく……する、よっ!」
こうして交わっている時以外の時間、つまり何気ない日常を立香と過ごすだけでもドラコーは幸せである。
しかし、ビーストとしての本能や女としての本能は自然と彼との交わりを欲してしまう。
彼の槍を、肉棒を求めてしまうのだ。
「ふぁ、ぁん……♡激しいの、好きだ……っ!もっと腰を振ってほしい……!」
「くっ!?分かったよ……っ!激しくだねッ!?」
「う、うむ……っ!そなたの愛が……熱がほしいのだ……ッ!」
欲張りな妻の願いに応え、立香はピストン速度を徐々に上げていく。
「ほら、ほら……っ!どう!?」
「おっ、おっ……っ!?おっ!?なにも、考えられなくなりゅ……ぅ♡」
「何も考えなくてもいいさ!ドラコーは僕がしっかり……っ!――愛してあげるから……!」
「う、嬉しい。よは……とても、うれひい……♡」
掛けられた言葉に感激し、思わず涙ぐんでしまうドラコー。
そんな彼女を見た立香は、仕上げとばかりに腰を振る速度を限界まで引き上げる。
「(こ、これ……完全に射精する、つもりだ……♡)」
腰を振る速度からすぐに射精の予感を感じ取ったドラコーは、無意識の内に立香の身体に足を巻き付けていた。
「はっ……ッ!はっ……ッ!んぁ、ぁ……♡ぁ……♡もう限界か……?」
「う、うんっ!そろそろ、ヤバそうだ……!」
「なら、いっぱい出してくれ……!余は、準備万端だぞ♡」
射精をせがむようにして膣内を急速に狭め、ドラコーは竿全体への締め付けを強くする。
それに呼応した立香は的確に子宮の入り口から、膣の浅い所までを激しく突き、彼女を何度も絶頂へと至らせた。
そして。数十秒も経たない内に、互いが待ち望んだ時間がやってくる。
「出すよ、ドラコーッ!いいね!?」
「うむ……ッ!!そなたの全てを解き放つのだ……ぁ、ぁ!!」
立香が一言だけ確認を取った後、激しく動かしていたはずの腰が速度を緩めていく。
すると、次の瞬間には膣内に大量の精液が吐き出されていた。
「んお……っ!いっぱい、出てる……♡膣に出されて、イク……ッ!きもちよしゅぎて、いっひゃう……っ!!」
ドクドクと気持ちよさそうに精液を膣へと送り込み、何度もドラコーにアクメを経験させる立香の肉棒。
並の女性、サーヴァントですら失神させてしまうであろう快感をその身に受けて意識こそ保っていたが、次々と押し寄せてくる快楽の波に抗えず、ドラコーは口元だらしなく緩めた。
「まだ、でてる……んっ!す、すごすぎぃ……♡」
前の営みよりも遥かに多い射精量に驚きを覚えると共に、底知れぬ立香の精力に畏怖してしまう。
もしもこれからもう一度交わろうと言われたら、確実に気をやってしまっていたに違いない。
「くっ、ぅ……気持ちよすぎだよ、ドラコー!」
「ん、ぁ……ぁ。イッく……♡だんな、しゃまに愛されて……イク♡」
数十秒にも渡って容赦なく膣に射精し続けた彼の肉棒に何度もイかされ、立香以外には見せられないであろう所謂「アへ顔」を浮かべてしまったドラコー。
電気が全身に迸ったかのような激しい快感をその身に受けた彼女は、言葉では言い表せない多幸感に包まれていた。
「(そなたの熱が伝わって来る……そなたの、愛が)」
サーヴァントの身でなければ妊娠してもおかしくない程の濃い精液。
それを子宮で受け止めるだけで、彼がどれだけ自分を想ってくれているかが分かる。
だからこそ、この瞬間を長らく心待ちにしていた。
彼が再び自分を抱いてくれるこの日を――
「はぁ……はぁ……だ、大丈夫?」
「ん、ぉ。ぉ……ぉ♡」
肉棒からの射精が終わって、ようやく膣から肉棒が引き抜かれたものの、ドラコーは立香の言葉に応じることもできないほどにくたびれてしまっていた。
一方の立香は息切れはしていたが、まだまだ元気は有り余っている様子である。
そんな立香はドラコーを心配そうに見つめつつ、彼女の耳元で言葉をささやいた。
「ねぇ、まだまだいけるでしょ?」
「ふぇ……?」
「せっかく今日は二人だけの日なんだし、もっと君を愛してあげたい。だから、もう一回か二回いいよね?」
「ま、まだ……やるのか?」
「駄目かな?でも、ドラコーは言ってたよね。『今日は絶対に寝かせぬぞ」って……」
「……ッ!?わ、分かった!他でもない旦那様が求めてくれておるのだ、余もそれに応えるとしよう!」
獣である自分を屈服させただけに留まらず、ヘロヘロの状態である自分を更に求める恐ろしいまでの性欲。
もしかしたら、彼の心の中で眠っていた猛獣を自分は解き放ってしまったかもしれない。
ドラコーは立香に畏怖しつつも、最後にはにっこりとした笑顔を見せるのだった。
「まだまだ、夜はこれからだな。あなた……♡」
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