「リンちゃんはやってくれたよ?」 作:アキラゼミ
「……どうして」
「『どうして』?当然の事を、さも不思議なことのように尋ねるのですね。『あなただけでは、到底、物足りなくなった』。それだけの話ですよ」
「────ッ!!」
ある日、シャーレの執務室内では、朝も早くから険悪な空気になっていた。
私の性欲処理係として矯正局送りになるところを引き取ったカヤが、ほんの少しだけ席を外した隙を突き、今日の当番の生徒──七神リンが私のブツを口いっぱいに含んでいたからだ。
カヤの「どうして」という疑問も当たり前だ。
「ふぅっ……フゥーッ……」
危ないところだった。リンちゃんのフェラ、中々効く。ソファに爪が食い込むくらいに握ってないとうっかり射精してしまいそうな程だった。カヤから妨害されて、少しだけ助かったかもしれない。
「そうではなくてですね!どうして、リン行政官がシャーレに居るのかッ!?どうして、リン行政官が先生のをフェラしてるのかと聞いてるのですよ!」
「……?今日の『当番生徒』は私です。これくらい、当然のようにこなせなくてはなりませんよ」
「──!?な、何故、連邦生徒会の者がシャーレに当番として来るのですか……ッ!?」
「『そういう契約を結んでいるから』としかお答えできませんね」
「!?」
「それにしても、
勿論、嘘である。リンちゃんに抜いてもらうのは今この時が初めてだ。恐らくリンちゃんとしても、カヤに思う所があるのだろう。ブラフで揺さぶりをかけつつ、唾液を纏わせた手でニチュ、グチュッと下品な音を立てて、手でシゴいてくれる。
「フフ、先生、カウパーが漏れていますよ?」
「うっ!」
鈴口をチロチロ舌先で舐めてくれる。とめどなく溢れるカウパー、俗に言う我慢汁を舐めとるように舌先をクリクリと動かす。
「ッ退きなさい!その役目は、先生の前に跪くのは私だけです!」
「先生はもうあなたでは満足できなくなっているのです。だから私に連絡が来たんですから」
「……ッ!?せ……先生?嘘、ですよね……?」
何も言わない。それが一番、カヤに効くのだと、私はよく分かっているから。肯定も否定もしない。全ては、カヤの「想像」が勝手に脚色してくれる。
自罰的な今のカヤなら、どのように彼女風に脳内補完してくれるだろう。
「せっ、先生!なんとか言ってください!私がッ、私が先生の性処理担当、ですよねっ?この前の電気木馬だって、当然のように耐えたんですから!」
「あのですね。何か勘違いしてらっしゃいますが、低圧電気程度、耐えられて然るべきです。プレイで使われる電気の強さなど、たかが知れてています。当たり前の事ができて、『耐えられたんですよ』と言われましても……ね?先生?」
「……それは、まぁ……そうだね」
「ッ……!!」
「そういうことですから、カヤさんは、書類の方をお願いしますね。私の方で先生をある程度スッキリさせてから仕事を手伝いましょう」
「そんな!シャワーを浴びている間に突然現れて、何なんですか!?ここでは私が先輩ですよ!!」
「それです」
「!?」
「その『シャワーを浴びて』が問題なんですがね、まだ分からないようなので、教えて差し上げます。性処理係は、それに徹するのが仕事です。なのに、あなたは無駄に自我を出し、朝の1回や2回を終えすぐにシャワーに向かったそうですね」
「うっ……」
「先生に拾ってもらった恩をもう忘れたのですか?毎日怠惰な日常を過ごしているからでは?求められ続けているのに、それを跳ね除けて、身を清める。どうも私には、
「っっっ」
「挿れていいですか、先生?」
「いいよ」
「失礼します……っ……んくっ……ああぁっ♡」
にゅぱっ、と陰部を指で開いたリンちゃんは未だソファに腰掛ける私に跨ると、そのまま、ペニスを強く押し当て……私に座るように、挿入した。
「す、凄いっ……メリメリと、拡げられるこの感覚♡これがセックス……なんですね……っ♡」
「っ……リンちゃんの膣内、狭くて熱い……っ」
「どう、ですか?カヤさんと、私、どっちの陰部が名器ですか……?んっ、んんっ、あぁ……♡♡」
「どう……だろうね」
ちらりとカヤを見るとビクリと身体を震わせる。どちらが気持ちいいか敢えて明言せずに、敢えて、片方を見やる。視線で訴えかけてやるのだ。
「そんな……私の…………それすら、奪われたのなら、私がシャーレに居る意味は……」
「あんっ♡ 先生っ、奥、ゴリゴリきてますっ♡ はぁっ、んっ♡ ふぅっ、ふぅっ……んんっ♡」
「リンちゃんっ……」
「んっ……ちゅる……ふぇんふぇ……♡」
レロレロと、舌を出して、唇すら重ねず舌だけを絡める。2人の唾液が混ざり、連結部に雫がポタリポタリと、銀の糸を引いて垂れ落ちていく。
「あ……あぁっ…………なんで……どうして、七神リン、あなたはいつもそうやって私の邪魔を……!」
「私は……んっ、あなたの尻拭いを、してるのです。あなたが、先生を満足させないから……っ♡」
「────!……ならば今からでもっ」
「ムリです♪」
「!?」
「リンちゃんっ……リンちゃんっ……!!」
「──見ての通り、先生は、私のおまんこに夢中になってらっしゃいますから。もうあなたの出る幕はありません。ですので……お仕事へどうぞ?」
「っっ……ああああぁぁっ……!!」
カヤはその場に崩れ落ちた。「朝一番」の相手をするのは、「大多数の当番生徒」すらも叶わない、言わば「カヤの専売特許」に
それを、常に泊まり込みという立場に甘んじて、軽く見ていた。結果、「朝一番の満足」すらも私に提供できない、この体たらく。
リンちゃんにとっては「カヤの尻拭いに来た」、ただそれだけ。そこに嘘も誤魔化しも存在しない。リンちゃんの言葉、全てが真実。しかしだ。カヤの視点に立てば、「アイデンティティを奪われた」に等しい行為だったのだ。
「お願いします……先生……もう、逃げたりしませんから……。私が、私の身体を使って、先生を、満足、させますから……だからお願いします、そんな女より私を、私を見て……私を……抱いて下さい……っ」
「……うん、分かったよ」
「先生っ……!」
「リンちゃんに中出しして、仕事が終わったらね!その為にも早く仕事は終わらせなきゃ……」
「…………え」
「?……寝る前のエッチ、いつも通りでしょ?」
「ちがっ……そうじゃ、なくて!!」
「だってカヤ、私の開発から逃げてばかりだもの。なら、リンちゃんとエッチした方が、リンちゃんの真面目な顔が崩れて面白いもんね」
「んっ、悪趣味、ですよ……先生っ……!」
「え〜?カヤの目の前で私に抱かれるリンちゃんに言われたくないなぁ」
「っ、それは……っ、言われると、弱いです♡」
耳を舐めると、カヤの前である事すらも忘れて、甘い声を上げる。リンちゃんは案外耳が弱そうだ。今後も彼女を抱く事があれば、そうしよう。
ドチュッ、グチュンッと重いピストンを続ける。カヤはそんな光景を見ながらも、なにか、しきりに考えているようだ。
(────開発……逃げて…………この私が、逃げる?一体、何から逃げているっていうの?先生の暗殺?違う、あれは先生には利用価値があるから見逃しただけで逃げてなんかない。……開発……開発…………)
「イクよリンちゃんっ……!」
「キてくださいっ……先生の子種をっ……私にっ♡」
ピストンが早くなる。私と同じく絶頂を迎えんとしたリンちゃんが、私の首に手を回して抱きついて来ようとした、その瞬間────。
「あああぁぁあああーーっっ!!!」
「キャッ!?」
「リンちゃん!?……カヤ……ッ!!」
金切り声にも似た叫び声を上げながら、カヤは、リンちゃんを突き飛ばして、ソファから落とした。何をするんだ────とカヤに詰め寄ろうとするがカヤは私のことなど見ず、リンちゃんを注視して、指をさして怒鳴る。
「先生の朝一番の精液は私のモノです!後から来たクセに、乞食の如くせびり浅ましく横取りするのは止めなさいッ!」
「カヤさん……」
「先生の『朝一番』は!夜を共にした生徒、そして住み込みで働くこの私、不知火カヤの特権です!!まだ同棲していない聖園ミカですらも享受できないこの特権!どうして後から来たあなたなどに渡せるものですかッ!!」
涙ながらに叫んで、そこまで言い切ると、カヤはパンツをちぎるように破り、スカートを持ち上げてソファに座る私の上に、ドチュッと勢いよく座る。
「うおっ!?」
「くっ……ふうぅぅ…………んぐっ……痛いッ……!」
「……あれ……この感触……?」
「ふふ、ふふふっ、良かったですねぇ先生?日々の開発が遂に実を結びましたよ♡──まさか先生が、そんなにも私とのアナルセックスを望んでいたとは思いませんでしたが……っ」
「うっ、くぅっ……キツ……ッ」
やはり後ろの穴──アヌスは、膣と大きく違う。全体を締め付けるのが膣だとするなら、主に入口で締め付けるのがアヌスだ。
開発が完了したとまでは言えないカヤのアヌスのキツさは想像を絶するもので、ほんの少しだが痛いとすら感じてしまうくらいだ。しかしそれはカヤも同じはず……いや、カヤの方が痛いはずだ。
「カヤ、どうして……」
「馬鹿みたいな、事をっ……ん、聞くん、ですねぇ?あなたが悪いんですよ、先生……この私が居ながら、目の前で、七神リンに、種付けしよう、なんてっ!搾り取ってやりますよ、私のお尻の穴でねっ!」
「うおっ……キッツ…………」
「ほらほらほらぁっ!さっさとっ、んっ、あぁっ♡い、イキなさいっ!く……ふぅ、ふぅっ♡♡ はぁ、はぐっ、んぅっ……」
リンちゃんとのセックスでイキそうになっていた私は、カヤの暴力的なまでのピストンに耐えかね、呆気なく射精してしまった。
そして気が付けば、リンちゃんは執務室から姿を消していた。
「ふぅ!熱いのが
「ああっ、待ってカヤっ!カヤ!?カヤさんっ!?あっ、痛気持ちいい……あぁっ、ああぁーっ!?」
「……♡」
◆
「────これでまた私はカヤさんにとって悪役になってしまいましたか。全く、損な役回りですね。しかしまぁ……少しは
シャーレの執務室を後にしたリンちゃんは1人、エレベーター内で独りごちる。愛液がぐちゅぐちゅ溢れてくるままでパンツを履くのは、抵抗がある。しかしノーパンで帰るワケにもいかず、仕方なく、そうしている。
なにせ、このシャーレから連邦生徒会本部のあるサンクトゥムタワーまでは、実に30キロある。その道程をノーパンで移動するのは、如何にスカートが長くとも、リスクが高いと言わざるを得ない。
(……イける寸前で邪魔されましたし、次は、時間を作ってシャーレに来ますかね)
口元に垂れる2人の唾液をペロリと舐め取ると、どこか晴れやかな気持ちで、シャーレを後にした。