「リンちゃんはやってくれたよ?」 作:アキラゼミ
「はい……?今、なんと……?」
「だからね、カヤ。同じような事ばかりだとカヤも飽きるでしょ?だから、今日は外に行こう!」
私の言葉に、カヤは昨日より顔を青白くさせて、ワナワナと口元を震わせた……。
◆
「〜♪」
「仕事中だというのに、今日はご機嫌ですね」
「そうだね。楽しみが見つかったからさ。これで、暫くは退屈しなくても済みそうなんだよね。尤も、キヴォトスに来てから退屈した事は無いんだけど」
ユウカの太ももは、相変わらず
だってユウカの太ももなんて、アリスの太ももと比べたら2、3倍はありそうだ。顔を埋めたくなる衝動を抑えている自分を褒めてあげたいくらいだ。
「まさかまた私に内緒で10万円以上するオモチャを買ったとか!?」
「買ってないし買おうとも思ってないよ!?」
「……ふーん……」
あっその冷たい目、好き……。
「でもねユウカ、楽しい事にも懸念点はあるんだ」
「懸念……?先生がですか?」
「いくら楽しい事でも、全く同じ事を繰り返したら簡単に飽きてしまうと思わない?なんというかさ、それが怖いんだよね」
「そりゃあ、まぁ……全く同じ事なら飽きるのでは?食費を切り詰めてまでフィギュアなどを買っていたときも、『コッペパンはもう飽きた〜』って毎日のように仰ってましたし」
「あはは……アレは流石に飽きるよ……」
「そうですね……。やはり飽きないようにするには、少しずつ変化を加えるのがいいんじゃないかなと」
「だよねぇ。そこまでは思い付いてるんだけどね。でも具体的な案が思い浮かばなくって……」
「そもそも、先生の仰る『楽しい事』とは?それが分からない事には、案も出せないというか……」
「それはちょっと言えないかな。大人の話、だよ」
「……」
そういえばユウカも、リンちゃん達と一緒に私のアレ、見てるんだった。どうして、こんなに平然とこれまで通りに付き合ってくれているんだろう。
異性として見られていないのか、意識する程の事でもないとかユウカの中ではそんな感じなのかな。
「……!洋食に飽きたら中華、コッペパンに飽きたらジャム追加……か」
「あぁ、それはイイかもしれないですね。確かに、あのときの先生は日替わりで様々なジャムをつけて給料日まで凌いでいましたもんね」
「うん……そうだよね。良いヒントを得た気分だよ。ありがとう、ユウカ」
「よく分かりませんが、先生の助けになれたのなら嬉しいです」
ユウカの髪をサラサラと撫でつつ、今日の午後の予定を考える事にした。
本当なら今日は朝からカヤの「躾」に向かおうとしていたけれど、せめて今日の当番の子には会って顔を合わせてからにしようと思っていたら、今日の当番はまさかのユウカ。
残り少なかった今日の仕事は明日に回そう、とか思っていたけれど、それは絶対ダメだと、今日中に終わらせるよう言われてしまった。
なのでカヤに会いに行くのは昨日と同じく午後、早くて昼過ぎになりそうだ。片道30キロくらいだしその距離を移動するのも中々に疲れるんだけどね。
「あっ先生!さっき、書類の整理をしているときに見つけたんですが!」
「うん?」
「この書類っ!提出期限が
「……この束、全部?」
「計124枚!いつもより少ないからマシですが……」
「ユウカ……もし時間があったらでいいんだけれど、手伝ってくれたりしない?」
「全くもう……。本当に先生ってば、私が居なくちゃダメなんですから♪」
◆
こうして、カヤに会いに行くのは昼過ぎどころかオヤツの時間の、午後3時頃になってしまった。
折角だから、地下のクラフトチェンバーで出したお菓子でもお土産として持って行って、コーヒーや紅茶でも飲んでからコトに及ぶ事にしよう。昨日も終わりは夜だったし、今日も夜帰りかな。
「うわ。カヤ、目の下のクマが凄いよ?寝てる?」
「誰のせいでこうなったと思います?」
「カヤのせいじゃないの?」
「先生のせいですから!昨日なんて何回私に中出ししてくれたんですか!?掻き出すの大変でしたよ!緊急避妊薬も恥ずかしくて買いに行けないし!運を天に任せるしかないんですからね!?」
「つまりカヤのせいだね。スキャンダルを恐れずに行動すれば、夜もグッスリだよ」
「〜〜〜〜ッ……じゃあ先生はスキャンダルを恐れず行動できるとでも?」
「そうだね」
「え」
「カヤ、今日は外に行こうか。ベッドでのエッチも昨日だけで合計13回……。今日もソレだと、いい加減飽きるんじゃない?今日は外に行こうよ」
「はい……?今、なんと……?」
「だからね、カヤ。同じような事ばかりだとカヤも飽きるでしょ?だから、今日は外に行こう!」
性行為、外────この2つの点を線で結んだかカヤは口元を震わせて表情を失った。カヤが怯えるその顔でピクンとペニスが縦に動いたのを感じた。普通にカヤで興奮している自分に驚いた。
「い、いや、あっ、あああのですね……あ、飽きなどしませんよ……?そっそもそも処女喪失したのさえ昨日の事なんですし……ね?」
「今日の目標である残り12回も、全部ベッドで?」
「フツーにそうなのでは……ないですかね……?」
それはまぁそうなんだけど、なんというかなぁ。
最後の方はカヤの反応もあんまり無かったから、まさにダッチワイフを抱いてるような気分だった。ベッドだと寝落ちしてもいい、気絶していいという防波堤にも似た安心感があるからダメなんだろう。
だから今日は、なんとしてでも、外に連れ出す。
「あぁそうだ。これ追加の書類ね。124枚!」
ドサリと机に載せてやった。それだけで、カヤは動きを止めて書類の束と私の顔を交互に見るロボになってしまった。
やがて震える手で無言のまま書類をパラパラ確認して、偽造された書類なんかではない、正規の書類である事実を確認し、頭を抱えた。
「昨日の残りの12回の他に……追加で12回……?」
「殆ど振り出しに戻っちゃったねぇ」
「…………」
「だけど安心していいよ。今日と明日が期限の書類だから、少なくとも明日になってまた追加の書類、なんてことにはならないよ。うちのセミナーの子は優秀でね、書類の山からコレを引っ張り出してきてくれたんだ。私も昨日の当番の子も見逃してたよ」
(書類の山を漁るってどんな仕事してるんですか、シャーレは……)
「お菓子、持ってきたからさ。一緒に食べようよ。そしたら外に散歩に行こう?」
「そもそも一体、何を考えて……デモは健在ですよ?私が外に行けるはずがないでしょう」
「変装なら余裕だよ。大人用のローブ買ってきた。これを被れば大丈夫でしょ?」
「……ヘイローでバレると思いますが」
「カヤのヘイローなんか、あのレッドウィンターのデモ隊がいちいち覚えてるかな?」
カヤは口を噤んで黙り込んだ。流石に、クロノスチャンネルや連邦生徒会の公式チャンネル等で顔や姿を晒していても、ヘイローまで完璧に覚えている者なんかそうは多くはない。
ましてや、何か目的があってデモをするような奴ではなく、デモがしたいからデモをするようなあのレッドウィンターの生徒達の事だ。
カヤのヘイローなど、覚えられていないだろう。心配する方がナンセンスだ。カヤには、そこまでの有名税は無い。
「さ、おやつ食べよ?」
「仕方がありませんね。ブルーマウンテンでも用意してきますよ。今朝の余りで良ければ、ですが」
「ありがとう。それで十分だよ」
その後、ほんの少し従順になったカヤと、2人で本部から出る。目的地なんか考えていない。しかし今日は最終的に青姦する事だけは決めている。
「不知火カヤは辞めろー!」
「カヤ代行は退陣しろー!」
「代行は責任を取って辞めろー!」
「プリン寄越せー!さもないと3個食べるぞー!」
「「そうだそうだー!!」」
「貴様は民衆の敵だー!」
「「そうだそうだー!!」」
「……だってさ」
「うるさいですね……!」
カヤは顔を歪ませて派手に舌打ち。カヤによればレッドウィンターのトップであるチェリノに連絡を取ったそうだが、真面目に取り合ってはもらえず、かなり絶望したそうだ。電話越しにマリナなどにも笑われたそうでそれはもうかなりイラついた様子で私に愚痴るわ愚痴る……。
やがて、そんな話をしつつも、ある場所に到着。
「子ウサギ公園?RABBIT小隊が違法占拠してるこの公園で、何をするつもりですか……?」
「脱いで」
「はい?」
「今日は外でヤるよ」
「し、正気ですか!?真っ昼間なのに!?外で!?バカなんですか!?ただ、散歩するんじゃ……。大声出しますよ!?」
「ま、騒がれたって留守なんだけどね」
「え」
「RABBIT小隊には、私から、ある依頼をしててね。その為に留守にしてるんじゃないかな。おーいっ、ミヤコー!サキー!モエー!ミユー!」
私が大声で声を張り上げるも誰も返事をしない。ミユはともかく、他の子だったら誰かしらは答えてくれそうなものだが。
まぁ私がカヤを連れ出している間に実行するようミヤコ……RABBIT1に伝えてあるからね。
「依頼ですって?」
「ちょっと気になるから洗ってもらうってだけなんだけどさ。ここ最近さ、カイザーグループの連中が幅を利かせているじゃない?」
「幅を利かせているだなんてそんな言い方……これは正当なる統制ですよ」
「そうだね。でも連邦生徒会長代行、ひいては連邦生徒会の名前で、ただの民間企業をここまで大規模且つ公的に動かすなんて、普通じゃないよ。これはもはや、カヤや連邦生徒会の名前を使っただけの、カイザーPMCによる統治に近い」
「……何が言いたいんです?」
「カヤが彼らに権限を与えてるんだから、ヤツらと何かしらの繋がりがあると考えるのが普通だよね」
「ええ、そうです。私の駒として動くよう、彼らに依頼していますよ。隠す必要などありませんから、敢えて言いますけどね」
「依頼費用だけじゃない不自然な金の動きもあると睨んでるけど、どうだろう」
「────ッ!?」
ビクリと身体を跳ねさせる。頬に手を当ててやり小動物のように震えるカヤを包み込む。
ああ、何故カヤはこんなに怯えたり震えたりする姿が可愛いんだろう。シロコもユウカもミカも皆が一様に可愛いのにカヤは、カヤだけは「可愛い」のベクトルが全く違う。
泣かせたい、怯えさせたい、怖がらせたい。ただ暴力を奮って泣かせるんじゃなく、本当の意味で、怖がらせたい。
震えるカヤに口付けしようとしたその時、ブブッブブッと連続でスマホが鳴る。通知を見ればミヤコからの連絡だった。
「お。さっすがRABBIT小隊、まだ2時間すら経ってないのに『作戦完了しました』ってさ」
「え」
「『FOX小隊の先輩方と敵として相対しましたが、無事に鎮圧できました』、だってさ。FOX小隊って誰だろう?カヤが駒として取り込んでた子達?」
テロの用意をしていた形跡もある、ときている。全く、どれだけ腐っているんだか……。カイザーも、カヤも。
「ッ……」
「カヤに加担しちゃったのかー。それなら矯正局は免れないかな」
「きょっ……きょきょっ矯正局ですって!?どうしてそんな所にッ!」
「うん?カヤをそこに入れるとは言っていないよ?何をそんなに焦っているの?」
「っ!!」
「でも、その予想は当たっているよ。RABBIT小隊の皆に頼んだのは『カヤを矯正局に入れられるだけの証拠集め』なんだから」
「なななな、なっ、何ですってーーーー!!??」
「そんな、アルちゃんみたいな顔しなくても……」
ミヤコとのモモトークをほんの一部見せてやる。賄賂供与、職務怠慢、職権乱用────ガッツリ、れっきとした犯罪の証拠がズラリと並んでいる。
機密情報すぎて、モモトークでやりとりするのが危ぶまれる内容だった。
「な、なんで、どうして……経理にまるで携わらない先生が金の動きに、そんな……」
「優秀な会計にシゴかれたから、かな?お陰で私もお金の動きにはほんのちょっぴり敏感になったよ。それを察知する能力も得られたみたいだね」
「それだけで……」
「そもそもね。カヤは代行になって日が浅いんだ、幾ら最高権力者と言ったって信用が無ければ使えるお金にもすぐ限界がくる。なのに、この大規模さ。カイザーが善意で手を貸すような奴らじゃないのは私だってよく知ってる事だよ。高額な金や利権絡みじゃないと、まともには動かないはずだよ」
「……」
「カヤ。ひょっとしなくても、何かしらの利権やら賄賂なんかで、カイザーを釣って、
「…………私が釣られた証拠はありません」
「そうだね。だけどこれだけの証拠が出揃えば連邦生徒会長代行は下ろされるし、連邦生徒会から追放されるだろうし、矯正局行きは確定だ」
「くぅっ……」
「特殊部隊ってこういう時、凄く頼りになるよね。私も特訓してみようかなぁって思っちゃうくらい。ま、すぐ死んじゃうんだろうけど」
更にモモトークの通知が。次はミヤコ達とは別に行動させていたミユからの連絡だった。ミユには、カヤ派の行動を監視してもらっていた。有事の際はすぐに狙撃なんかをできるように。
「あ。カヤ、まずい事になったよ」
「!?」
「犯罪の証拠だけじゃなくて、とある音声の証拠をカヤ派の子達に聞かせたら、一気にリンちゃん派に寝返った上に弾劾裁判の準備を始めたってさ」
「弾劾裁判んんんっっ!?」
「あーあコレはまずいねー、こんな野外にいたら、下手に動いたら見つかって連行されそうだね」
「せっ先生ぇっ……わたっ、私……どど、どうすればいいんでしょうかっ……!?」
カヤの顔色は、青や白を通り越して、土気色だ。こんなにも顔色が悪くなる事などあるんだろうか。私が体調を崩して寝込んだときでさえこんな顔色をしていたとは聞いていない。
「おっお願いしますっ先生!助けてください!わ、私はっ……ただ、カイザーと手を組んで、犯罪の無い美しいキヴォトスを作り上げようとしただけでッ!私のやっている事が悪というのは理解しています!しかし確実にキヴォトスでは犯罪率が低下した!」
「犯罪を無くす為っていうのは分かる。カヤなりの正義なんだよね。それは分かるけどね……。だけど、犯罪に手を染めるのは違くないかな?」
「私を最後にしてこの世界から犯罪が無くなれば、それでいいと思ったんです……!」
ちょっとした行動にも面倒な書類が必要だという制度は、実際問題として面倒この上ないし、市民の反発もあまりにも大きいが、犯罪率は減ったのだ。その代わりに重犯罪が増えたのだが。
カヤの功績と言えば「犯罪率を減らした」だけ。まぁこれだけで矯正局行きを免れる事になるはずは無いだろう。あまりにもキヴォトスに齎した混乱が大きすぎる。
でも、だからこそだ。だからこそカヤは、ここで人生終了させないよう、必死になるだろう。
「お願いします先生っ!助けてください!!先生のお願いでしたらなんでもします!シャーレの予算も大幅に増やしますし望まれれば私自ら先生の仕事をお手伝いにシャーレに伺いますから!だから!!」
「必要ないかな。予算は、ユウカのカンペキ〜♪な計算の上に成り立ってるし仕事の補助は当番の子が居るんだからね。カヤを新たに迎え入れる必要も、あんまり無いかな」
「そ……んな……私、は…………」
遂に、涙を流してその場に座り込んでしまった。今すぐ抱き締め、心から安心するような砂糖の如き甘ったるい言葉を囁いた上で犯したい。
しかし「待て」だ。そうするにはまだ早い。まだカヤの「絶望」が足りていない。
「そうだ。カヤが代行を辞めたら誰が代行をやるんだろう。カヤみたいなロクデナシに任せちゃったらキヴォトスは滅亡しちゃうよ」
「そ、そうです!私以上の代行なんてそれこそっ……それ、こそ……リン行政官しか、有り得ません……」
「お。あんなに対抗心燃やしてたのに認めるの?」
「……この私が、策謀を張り巡らせなければ代行から引き摺りおろせなかった人材です。認めるも何も、ハナから分かっていたんです。リン行政官は私より圧倒的に優れた人物だと。私がそうせざるを得ない相手なんですから」
別の言い方をするなら「優秀な私でさえ、リンを蹴落とすのに汚い手を使うしかなかった」となる。うーん、反省してるんだかしてないんだか。まぁ、反省なんかしてないんだろうな。
私に助けを求めるのも、代行の地位を失う事や、社会的地位を失うのを恐れての事なんだろう。
とはいえ、絶望というスパイスは、今のところはこれくらいでいいかな。
「カヤ。選択肢をあげるよ。1つだけを選んでね。
『これからまっすぐ矯正局に出頭する』。自分から行くなら少しは罪も軽くなると思うよ?」
「絶対嫌です!!」
「『代行をリンに任せ、弾劾裁判を受け、矯正局に連れて行かれる』」
「!?」
「今のが一番現実的な選択肢だと思うよ。だけど、今のカヤには最後のこの選択肢をオススメするよ。
『全ての権利や身分を捨てて、今後一切シャーレの先生に服従すること』、矯正局にも行かずに済む、唯一の方法だよ?」
「それ!最後のそれにします!!」
よほど矯正局が嫌なんだろう。カヤは土まみれになりながら立ち上がり、私にそう懇願してきた。
カヤは私が嫌いなんだから、本当はこんなこと、したくないんだろう。それでも、嫌いな私に頼って靴やペニスを口にする事になっても、それでもまだ矯正局には行きたくない、と。……少し面白くない。
「分かった。カヤが矯正局に行かなくて済むよう、手配してあげるよ。私にどこまでできるかは、よく分からないけれど。それでも全力を尽くす事だけは約束するよ」
「先生……っ」
「じゃあ、まずは態度で示そうね」
「!」
「当事者のカヤが何もせずに、大罪人であるカヤを助けるようなマネをするはずないでしょ?これでも私は、連邦生徒会長に選ばれたシャーレの『先生』なんだから」
再び地面に膝をつき、黙り込んでしまう。やがて拳を握ったと思うと、ゴツン、ゴツンと地面に強く拳を打ち付け、慟哭する。
「本当に何なんですかっ!この状況はっ!味方にも裏切られ、裁判沙汰になるし!リンなんかのことを優秀だと言わされる!あんな、あんな奴らなんか、身体の一部に栄養を全部吸われた能無し共が!!!この私を蹴落とすだなんて!!ふざけないでっ!!先生も先生ですよ!!書類だの条件だのと、どうせこの私とセックスしたいだけなんでしょう!?一々脅さないと女1人抱くこともできない能無しなんかもう怖くありま────」
「うるさいな」
「ッ!?」
私はカヤの前に同じように膝をつき、まるで首を締め上げるように、カヤのアホ毛を鷲掴みにする。
「痛っ……痛い!先生っ離してください!」
「リンちゃんが『身体の一部に栄養を全部吸われた能無し』ならお前は『アホ毛に栄養を全部吸われた能無し未満の害悪』だよ」
「ひっ……」
「まだ分かっていないのかな。カヤは自己満の為にキヴォトスを混乱に陥れた上、カヤより遥かに有能だったはずのリンちゃんが批判され、コキ下ろされ無能の烙印を押され。カイザーと癒着して、賄賂を送って送られて、その結果としてテロ紛いの計画を実行直前まで持っていって。何なの?恐怖政治でもしようとしたのかな?」
「!」
「今のカヤはね、キヴォトスの癌なんだよ。私より遥かに無能でさ、腐った生ゴミにも劣る存在だよ。迷惑ばかり掛けやがって────ってキヴォトスの誰しもが思ってるだろうね。ブラックマーケットの犯罪者よりも悪辣な事ばかりしてさ」
「っ……ひっ、ひん……ひぅ……」
「泣いても無駄だよ、仕方ないよ。やってしまった事は仕方ない。時間は戻らない。『仕方ない』では済まされない事を、カヤはやってしまったけどね」
掴んでいたアホ毛を離し、私は立ち上がりカヤを見下ろす。ガックリと項垂れ、完全に反抗する気が無くなったようだった。
「……許してください……先生……お願いします……」
「────残念だけど、それは無理かな。それに、君が許しを請うべき人は私じゃない。迷惑をかけた生徒達に、きちんと謝ってあげてね」
泣き顔カヤはどうしてこんなに可愛いんだろう。ミカも可愛いけれど、泣き顔は心がジクジク痛んで仕方なかった。同じ「泣き顔」なのに、何が……。
……ここは「犯す」一択だろう。
「さて!辛気臭い話はおしまい!さぁカヤ立って!エッチしようか!」
「……はい……」
憔悴したような顔で、フラつきながらも大人しく立ち上がり、スカートの中に手を入れて、パンツを下ろした。近くの木に手をつき、おずおずとお尻をこちらに突き出す。
「先生の……お好きに、どうぞ……。好きに……使って頂いて構いません……」
「『使う』だなんて、そんな……。私はただ、カヤとイチャイチャラブラブしたいだけだよ?」
「……」
「ま、いいや。ヤラせてくれるならね。矯正局にも行かなくて済むよう、手伝ってはあげるよ」
「!」
RABBIT小隊の皆には、証拠品はシャーレ地下室の某所に隠すようにと指示を出してある。弾劾裁判を開けど証拠の原本が失われているから、カヤの事を矯正局に送れるかどうかは五分五分だろう。
そして私が口添えすれば、きっと、連邦生徒会を追放されるくらいで済むはずだ。この事は永遠に、リンちゃんと私とRABBIT小隊だけの秘密だ。
「大して濡れてないけど、まぁいいや。挿れるよ」
「んぐぁっ……♡ い、たいっ……」
スジのような入口を親指で開いてやって、亀頭をあてがい、一気に挿入してやる。処女膜を突き破る感覚は無いにせよ、かなりキツイ。痛いくらいだ。
「慣れれば痛みも快楽になるよ、大丈夫大丈夫」
「あ゙っ♡ んっ、く♡ ふぅっ、んぐっ♡ はぁ♡あうっ、はぁっ、はぁっ……あぁっ♡」
「昨日よりは、感じるまでが早いね。ちょっとずつだけど愛液も出てきて滑りが良くなってるよ」
「ふ、うぅ……よか、た……ですっ……♡」
「もちろん、今日も生で中出しさせてもらうけど、いいよね?」
「はいっ、先生の、お好きに……あぁんっ♡」
「孕まないようにだけ祈っておくかー。裁判前の、最後のセックスになるしね。残り23回はまた次回のお楽しみってことで、とっておこうね」
「待っ……なんで裁ば、んあぁっ♡ はぁ、んっ♡」
「裁判で負けるのは既定路線で、問題はそこから。カヤの事は絶対に矯正局になんか行かせない。私の可愛い可愛いカヤ……私が手元に置いておくよ」
「せんっ、せぇっ♡ あっ♡ 手元に、なんてっ♡あっ、あぁ♡ んっ、んうっ……ぐ、うう……♡」
「アナル開発も進んでないもんねぇ。フェラだってろくに教えられてないし。────カヤがさっき、私に言った通り、『カヤとセックスしたいだけ』。だけど、カヤは矯正局に行きたくないんでしょう?私とのセックスと矯正局、どっちを選ぶ?」
「せんせぇ♡ せんせーとエッチしたいれすっ♡♡毎日っ、ずっとぉ♡ その為っだった、らぁっ♡ あんっ♡ なんでも、しますからぁ♡ ひあぁっ♡」
「イイ返事だね」
強めのスパンキングを加え始めて、腰をより強く打ち付ける。服の上からでも薄っぺらい胸を揉んで乳首を探し当てる。
「お。乳首、ここら辺かな?下着と服の上からでも分かるくらい、硬くなってるね?」
「ん゙っ♡ ふ、ふぅっ……くはぁっ♡ あっあぁ♡ひぐっ、うんっ、あぁっ♡」
「裁判頑張ろうねカヤ、私も手伝うからね。裁判で皆に謝ろうねっ、それでいいよね♡」
「はいっ♡ あやまりまひゅ♡ みんなに、ぃっ♡生徒のみんなに♡ キヴォトスのみんなにっあん♡そしたら、せんせーとっ……んおぉっ♡♡」
「っ……こっち向いて舌出してカヤ、キスしよ?」
「はひ……んっ……ちゅ……ぢゅるるっ……んぶ……♡」
「昨日より上手くなったね。流石、超人を目指したカヤ。覚えるのも早いんだね」
「……♡」
「エッチな事を覚える早さだけだったらリンちゃん超えられるんじゃない?」
「!!……はぁっ、あんっ……いく、いくっ……っ♡」
ジュワッ、と愛液が溢れてきた気がする。まさかカヤ、褒められると濡れるのかな。……これは少し、良い情報を得たかもしれない。
「ハハ……。そっか、カヤは正直なんだね。上の口も下の口も思った以上に正直みたいだ。……好きだよ」
「!」
「今日はこれで終わりだね。裁判が終わるまでは、エッチできないと思うけど。でも、私はまたカヤとエッチする為に行動するからね」
「はい♡ ありがとぉ、ございましゅっ……♡」
赤くなったお尻に更にスパンキングをしながら、膣の最奥に亀頭をゴリッと押し付け射精してやる。風に吹かれて、雲一つない青い空の下での生中出しセックス。私もこんなエッチは人生初だ。バレるかどうかのギリギリの背徳感はあるけれど、ここは、RABBIT小隊が住んでいる場所で、障害物も多いから外からは見えにくいだろう。
誰にもバレてない……はずだ。
◆
そして暫くの期間を置いて弾劾裁判が行われた。
結果として、七神リンは再び連邦生徒会長代行に返り咲き、カヤはそのまま連邦生徒会を追放。更にそのまま矯正局行きになると誰もが思っていたが、私の提案により、カヤ及びFOX小隊の4人を、私、つまり「シャーレ」の管轄下に置く事で、どうにか矯正局送りを免れた。
流石に、ミヤコ達の先輩ともなればね。しかも、カヤに良いように操られていただけのFOX小隊を、助けない理由は無いと思った。
もちろん、罪を償ってほしい気持ちもある。でもそんなのは、これからシャーレの一員として過ごすうちにどこかの誰かを助けていくことで罪滅ぼし、罪を償ったとしてカウントしようと思う。
こんなのはもちろん、私のエゴでしかない。自己満足でしかない。だけど、それでもFOX小隊の皆が頑張っている姿を世間に見せ続けたなら、世間も、いつかは認めてくれるだろう。
FOX小隊は人助け、カヤは私への個人的な奉仕で罪滅ぼし。世間的には後者は見せられないけれど、カヤだけ私の管轄下に置いてFOX小隊だけ矯正局に送るなんて事はできないしね。
◆
「……今日からお世話になります……先生……」
小さいキャリーバッグに数少ない荷物を詰めて、カヤがシャーレにやってきた。今日からはこちらで住み込みだ。
ただし、対外的にカヤは「シャーレへの移動中の襲撃で行方不明」との事にしてある。というのも、そういう事にしていないと、シャーレにカヤ狙いの外部からの襲撃が来る可能性が高いからだ。
そして報道の材料の為に、実際にヘルメット団に依頼して、「カヤを護送中」という事になっている護送車を襲撃してもらっている。その中に、1人、見知ったスレンダーな人影があった気がするけど、カメラに写って大丈夫なのかな。
ちなみに、FOX小隊には寮を与えてあるけれど、カヤにはそんなものは必要無いだろう。
服装も、もう連邦生徒会の制服ではなくどこかの制服だ。トリニティっぽく見えなくもない。まぁ、カヤだしね。
久しぶりに会ったカヤは、どこか疲れた様子で、髪も少しボサボサに荒れていた。私はそんな彼女の髪を手櫛で梳きながら、優しく話しかける。
「久しぶりだね。残り回数、覚えてる?」
「覚えてません……が、もう関係ないですよね……」
「そうだね。ここに居るうちは、匿ってあげるよ。どんな敵が来ても、誰が来ても」
「はい……よろしくお願い致します」
これからは本格的に、カヤをハメ倒してやろう。元・連邦生徒会の、自分こそが超人だと思い込んだ勘違いエリートのカヤを性欲の捌け口にしてやる。
……他の誰にも、私のカヤを渡したりはしないよ。
遂にイチャラブ開始……!?
ここ最近、カヤが好き過ぎてたまらないです。
カヤが嫌いだから書き始めたのに何なんだコレ。
これが「手のひらドリル」……ってコト!?
「身体の一部に栄養を全部吸われた能無し共が!」
これが原作のセリフってのがまず笑うし、なんなら前の話で出た「貧相な身体」というワードがカヤの地雷になってそうなの、本当に面白いですよね。
前回のお話、後編の更新がされる前にアップできて本当によかったです。