「リンちゃんはやってくれたよ?」 作:アキラゼミ
「……」
ある日の朝。起床した私は、絶句した。なんと、私のシッテムの箱がアロナとプラナによって「緊急メンテナンス中」になっていたからである。
画面にはたった2行の、メンテナンスを知らせる文字だけが表示されていた。
「……嘘でしょ……」
現在、朝の5時半だ。ここからまったりと朝食の用意をしつつ、アロナやプラナと会話して、カヤを犯したり起こしたりして仕事までの時間を過ごす。
やはりシャーレに住み込みで働くという選択肢は正解だったようで、割と時間に余裕を持てるから、カヤを受け入れる前からこんな生活をしていた。
それなのにシッテムの箱が使えないという事態になっているとは思わなかった。夜中の3時から開始という事は、私が寝てから開始したんだ。そこにはアロナ達の思いやりを感じる事ができる。しかし、終了時刻が「未定」なのは、ちょっと困る。
隣でスヤスヤと眠るカヤの頭を撫でつつ、そんなシッテムの箱を眺めていると、ポッとモモトークの通知が来た。どうやら、ミカのおはようメッセージらしい。
「……ミカも早起きだな」
今日はミカとお出掛けの日だ。
キヴォトスでは、銃撃戦なんか日常茶飯事。銃弾一発が致命傷になる私は、シャーレから出るときはシッテムの箱を起動した状態で常に携帯しなくてはならない。そうでないと、アロナ達から防御をしてもらえないからだ。
ましてや、ミカに会いにトリニティに行くんだ。お嬢様校でも油断ならない。というかトリニティも割と治安悪いよね……。
おはよー先生☆
デート楽しみ過ぎて早起き
しちゃった!
おはようミカ
そんなに喜んでもらえるなら
私も嬉しいよ
先生も早起きだね!
そんなに私とのデートが楽しみ
だったのかな☆
そんなところかな
へ……
えへへ☆
ストレート過ぎてびっくりしちゃった……
この前は先生のこと朝まで閉じ込めたし
実はイヤイヤなんじゃないかなーって、
ちょっと不安になってた……
ホントに私とのデート楽しみ?
楽しみだよ
昨日のうちにできる仕事を
処理しちゃって
朝早くからミカとメッセージ
送り合うくらいにはね
もぉ〜☆
あんまりそんなこと言うと
勘違いしちゃうよ?
……なんてね☆☆☆
勘違いしたっていいよ
正解も間違いも全部含めて
ミカの青春になるんだから
……先生
私、早く会いたい……
私も早く会いたいけど
前に言った通り残りの仕事を
終わらせてから行くからね
良い子で待ってるんだよ
うん☆
わかったよ!
でも早く来てね!
……待ってるからね?
前の私はある意味でどうかしてたな。一晩ミカと夜を共にしたのに、何故何もせずにいたか。何故、彼女に手を出さなかったんだっけ。────いや、それが先生と生徒の在るべき姿なんだけど。
でも今の私なら間違いなくミカを襲ってるなぁ。まず間違いなく、あの場でミカと身体を重ねてる。恐らくは、ミカもそのつもりだったんだろうしね。あの時の私は、据え膳を放置したんだなぁ……。
「……とりあえず朝ご飯でも用意するかな……っと、その前に栄養ドリンク補給しなくては……」
エンジェル24にてソラと軽く談笑、栄養ドリンクだったりその他の物資を購入する。いつもの朝だ。その後、朝食を用意してカヤを起こしに行く。
「カヤ、朝だよ」
「ん……あと5時間……寝かせてくらはい……」
「……」
カヤに留守番させるには、幼カヤではなく普通のカヤの人格にしなくてはいけない。だから私は昨日カヤと夜のセックスをする時も罵倒は極力避けて、ストレスを与えないよう甘やかしというか、普通を重視した行為をした。
幼カヤだと、甘えん坊だし、少し離れただけでも泣くから、留守番なんか以ての外だからね。まぁ、そんなワガママなところが可愛いんだけど……。
「起・き・よ・う・ね?」
「……うるしゃいれすよ……全く……2時まで
「………………」
カヤはスヤスヤだ。ムカつくから、私がやる予定だった今日の仕事を全部ブン投げてやろう。しかしそれだと暇だから、今日も朝から犯すか。どうせ、今日は元からシャーレを休みにしてるから、当番の子も来ないしね……。
「……犯すよ?」
「…………すぅ……すぅ………」
返事無し、つまりOK。いつもの事だし確認すら不要なんだけど、まぁ、一応ね。カヤのパジャマのズボンを下ろしてやり、足をM字に開脚してやる。
薄らと、本ッ当に薄らとだけ生えているピンクの陰毛ごと軽く陰部に舌を這わせ、唾液で濡らして、ペニスの滑りが良くなるように準備する。朝からのオナニーの如き行為に、ローションなんかわざわざ使いたくないしね。
「どれ、そろそろ挿れるよ……っと…………」
「……んっ……♡」
「あ゙ー……あっつ……寝てると普段より熱いから好きなんだよね……」
カヤって、実はロングヘアーなんだよね。いつも頭の後ろで巻いたりしてるから気付きにくいけど。しかも大きなアホ毛があるせいでほんのちょっぴりホシノと被るんだよね。……ホシノに失礼か。
「うっ♡……ふぅ……はぁ、はぁ……んっ♡」
「寝ながら感じてるのかな?いつもの、『起きたらガッツリ
「んっ、はぐっ……ゔぅ…………あ゙っ♡♡」
「おっ?寝ながらイッたの初めてかな?」
私もまだイケそうにないのにカヤは私の一足先にイッたらしく、顔を赤らめながら、短い嬌声と共に腰を跳ねさせ、プシャッと軽く潮を吹く。
その様子が可愛くて、思わず胸がキュンとなった私は、普通の正常位から、プレスのような正常位に体位を変えて、ピストンしつつ彼女に口付け。唇も口内も乾燥してはいるが、それすら構わずに、舌をビナーのように暴れさせる。
「!」
──と、その時カヤの後頭部あたりにヘイローがチカチカと現れた。意識が覚醒しつつあるらしい。こんなにピストンされていれば嫌でも起きるよね。もうイキそうだもん。
「……ほへ?」
「イクよカヤ……うっ……くッ……!!」
「……はっ!?ま、また、朝から私に中出ししたんですか!?ティッシュにでも射精してくださいよ!私の膣は、子宮は!あなたの精液をコキ捨てる場所じゃないんです!超人の子を育てる場所です!!」
「っ……は〜……気持ちいい……もっかい
「勘弁してくださいよ!朝から精液を掻き出すの、凄く無駄な時間なんですが!?そんな時間あるならコーヒー豆を……んぐっ♡」
「うるさい口はペニスで塞ぐに限るね」
「……ぐ、ぶぐっ……ふっ……ん……ぢゅるっ……♡」
「そーそー……掃除も丁寧になってきたじゃない」
可哀想なくらいに小さい胸だからパイズリも殆どできないからね。仕方ないから、フェラを教え込むくらいしか私にはできなかったよね。
サヤに頼んで豊胸の薬でも調合してもらおうか。いや、それは不安だから、やめておこうかな……。
「ぢゅるるっ……ぷはぁ♡♡」
ちゅぽっと小気味よい音と一緒にペニスを口から離す。愛液と精液に濡れたペニスだったがすっかりカヤの唾液だけで濡らされてしまった。
「そろそろ私も起きますよ、先生……。先にシャワー浴びさせてもらいますからね」
「ダメに決まってるじゃない」
「え?」
「散々私が起こしてきたのに無視して、いざ自分が目覚めたらさっさとシャワー浴びて朝食ってそれは無いでしょ〜」
「いや……すみません、それについてはすみません、眠くてどうかしていたみたいです……」
「ダメ、許さない。あと1回は
「ッ……仕方ありませんね……///」
ベッドに横たわったカヤは、先程私が自分の手でやったように足をM字に開いた。さっきと同じだが今は射精できればそれでいい。ミカとのデートで、簡単に発情しないように、今のうちに抜いて、軽くスッキリさせておかないと……折角のデートなのに、ミカを性的な目でしか見れなくなってしまう。
「あ♡ あん、ふあぁ♡ いっ♡ せっ、せんせ♡朝からっ……なんで、2回もぉっ♡♡」
「この後ミカとデートなんだ!今のうちにスッキリさせとかないとっ……!ミカのこと、エッチな目で、見ちゃうでしょ!私はミカが好きなんだよ!!」
「ミカ……あぁ…………あっ♡ 聖園ミカ、ですか……♡先生ったら、本当に……んっ♡ ピンク髪が、好き♡なんですからぁっ……あ♡ んあ゙ぁっ♡ そんな、私みたいなっ♡ ピンク髪、好きですかぁ?」
「……?まぁそうだね。……ピンクは好きだよ?」
「っ!?っひぐぅっ♡♡」
「!?」
ピストンの角度を変えつつ、カヤの耳を舐めて、彼女の言葉に応える。すると先程よりも大きく腰を震わせ、絶頂。いつもはピクピク震える程度の絶頂なのに、今日はヤケに強めにイキやすいみたい。
「はーっ♡ はーっ……はひっ……ふぅーっ……♡」
「うっ!?カヤっ……」
「おかえしれふよ……んっ♡」
今度はカヤが、私の耳に息を吹きかけてきたり、ペロッと舐めてくる。背筋がゾクゾクッと震えて、耳からの感覚が背を通り、それはもうダイレクトに股間に伝わってくる。
「うっ……♡」
「んっっ♡……はぁ……早くも2回目っと……。これで今朝は終わりです、さっさとシャワー……っ!?」
射精後、ペニスを引き抜くと、トポポ……と重たい精液が溢れてくる。お腹を押したらもっと出るかと思った私は、彼女の下腹部を、手でクッ、クッ、と軽く押してやる。するとカヤは顔色を変え……。
「待ってください先生!待っ────♡♡」
ヂョロヂョロと溢れ出す、濃いめの山吹色の尿。ぶっちゃけ、小便限定ではあるものの、スカトロも嫌いではないので、漏らされても構わない。しかし朝イチの尿は、濃縮されているだけに、匂いも色も凄まじいものである。
「う〜ッ……ううううっっ……!!」
「うぉぉ……。朝から漏らした!しかも朝イチの濃いヤツ漏らした……!」
「う、うるさいですよ!誰のせいでこんな!朝からトイレ行く前に生のセックス強要してきたクセに!しかも止めてるのにお腹を押してくるし最悪です!良い歳しておもらしだなんて、しかも起きた状態でお漏らしなんて、こんなの……こんなの……!」
「……アンモニア臭キッツ……エッロ……♡」
「なんで勃起してるんですか先生はァァァ!!!」
「とりあえず私が出掛けている間にマットレスごと洗濯しておくようにね」
「シーツや布団ならともかくマットレスの洗濯ってどうやるんですか!?」
「後で調べて。ダメなら買って注文しておいてね。そうでないと今日はソファで寝ることになるよ」
「鬼!悪魔!ゲヘナの生徒会長!」
「マコトを悪口にするのは良くないねぇ。それに、世の中には、アルちゃんという可愛い悪魔が居る。悪魔も、ましてや鬼も悪口には相応しくないよ」
「うるさいですよ!……シャワー浴びてきます!」
「分かったよ」
カヤがシャワーを浴び始めた頃を見計らい、私はその場に乱入し、そのまま立ちバックでまた中出ししてやった。後は、ヘバッてヒクついているカヤを放置しつつ軽くシャワーを浴びて、朝食を食べて、カヤに宛てた置き手紙だけを残して、誰も居ないし誰も来ないシャーレの執務室へ。
カヤに全部押し付けようとは思ったが、やはり、賢者タイムのこの冷静になった頭で考えるに、少しそれは酷いなと思った。だから、少しは私が自分で終わらせようと思う。
ふとシッテムの箱を見るが、やはり……。
「まだメンテ中……どうか早く終わってくれアロナ、プラナ……私の命は2人に掛かってる……」
昼前にはミカと合流する予定だ。だから遅くとも午前10時だ。それくらいにはシャーレを出るから、メンテナンスもそれくらいには終わっていてほしいというのが私の希望だ。
◆
「終わった……詰んだ……」
ダメだった。午前10時10分現在、限界ギリギリになるまでシャーレを出発するのを耐えていたけれどメンテナンスはまだ継続中らしい。
これ以上出発を遅らせてしまうと、昼前にミカと合流できなくなってしまうので、武器を携帯しつつ私もぼちぼち出発することに。
左胸のポケットに大人のカード、内ポケットにはシッテムの箱を。右の内ポケットにはベレッタを、左右の尻ポケットには、マガジンを装備して出発。これだけあれば、少しくらいは安心できる、まして今日デートするのは、キヴォトスでも単体最強格のミカ。合流できたなら、安心感も半端じゃないね。男として、女の子に守られるというのはほんの少し情けないと感じなくもないけれど……。
◆
「あ、先生!やっほ〜☆」
「ミカ!会いたかった……っ」
「そっ、そこまで!?……せ……先生ったら……♡」
「ちょっと早いけどお昼ご飯、行こっか?それとも少し散歩してからにする?」
「あははっ、まだまだ気が早いよっ!会ったばかりなんだから、少しくらい、学園の中を散歩したっていいんじゃない?」
「……そうだね、そうしよっか」
「ひゃっ!?せっ……せ、せんせ……ぃ……!?」
色んな意味でミカから離れたくないので、軽〜く手を繋ごうとするが、ミカは驚きのあまりか、手を離してしまった。
「あっ……ごめん。手は、ダメだった……?」
「う、ううん、いいよ!全然いいよ!びっくりしただけなの!いいよっ、手、繋ごっ♡」
「よかった。……今日はデートだもんね」
「うんっ……デート……先生とデートっ……♡」
「……やっぱりミカは、笑ってた方が可愛いね」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!??」
有り得ないものを見る目で、しかしあからさまに喜びの色を露わにして、口をパクパクさせている。池の水面から顔を出している鯉みたいだ。
「どどっ、どうしたの、先生っ!?ヘンなものでも食べたの!?いつもだったら私がグイグイいくのに今日は先生がグイグイくるね……!?」
「そう見える?」
「そう見えるも何も、そうとしか……」
「なら──浮かれてるから、かな」
「……わーお♡」
「前に言ったよね。ミカは私の大切なお姫様って。あれは本心だよ。ホントならね、あんな場面で言うつもりは無かった。完全に勢いで言っちゃったよ。でも、後悔はしてないかな」
「……先生……♡」
「これまでの私が素っ気なく見えてたらごめんね。先生と生徒の恋愛モノの小説や漫画や映画なんて、このキヴォトスにも沢山あるのにさ──私がそれを真正面から否定するみたいな……」
「そ、それは仕方ないよ!だって先生は先生だし、私は生徒だしさ……?」
「……それはそうだけどね」
一旦手を離して、すぐに手を繋ぎ直す。今度は、普通に手を繋ぐワケじゃない。指を交互に絡める、そう、これは俗に言う「恋人繋ぎ」だ。
「せっ…………!?」
「……近くに生徒が沢山居るからね。今はこれで我慢してくれるかな?」
「……もう言葉なんていらないよ……先生っ……!」
きゅっ、と繋ぐ手に力を込めるミカ。絶対にこの手を離すもんか、と態度で示すかのような、涙目で笑うミカ。告白に、言葉なんか要らない。きっと、そういう事なんだろう。
「今日のお出かけを『デート』って言ってくれて、嬉しかったよ。『もしかして、喜んでるのは私だけじゃないのかな』って思えたから」
「もし喜んでなかったら、『早く会いたい』なんてメッセージ……送ったりしないよ?」
「ふふ……それもそうだね。……好きだよ、ミカ」
「うんっ……私も先生のこと好き……っ♡」
近くに生徒が居なくなった頃を見計らって、歩きながら、ヒソヒソと好きだと言い合う。こんな告白したことなかったな。でも、悪くはない。なにも、放課後に体育館裏に呼び出したり手紙を渡すだけが告白の形じゃないものね。
性欲を発散してもなお、ミカがこんなに私の心の中を占めてるんだ。やっぱり私が好きなのはただのピンク髪女子じゃなくて、ミカなんだろう。
一番下を選ぶのが安定、それは分かる。でも今は抱き締めたい、抱き締めてキスしたい。シャーレを出る前に歯磨きもうがいもしたし、大丈夫だよね?
いやでも近くにはまだトリニティの生徒がいる。流石に、ハグやらキスやらはまずいか。
「……ちょっと早いけど……お昼ご飯、行こ?」
「!……そうだね。そのあとの事は、ご飯食べながら考えようか」
「うんっ!」
やっぱミカの隣は落ち着くんだよね。カフェにもかなりの高頻度で呼んじゃうくらい、ミカの近くは私の心が安らぐ。────ミカと一緒に居る場所がトリニティでさえなければ。
「魔女のヤツ先生と並んで歩いてる?」
「なんて生意気な……」
「いや待って?手、繋いでません?」
「まぁ!まさかあの魔女が先生に迫って?」
「そうに違いないですわ!」
「先生がそんな事をするはずないですもの!」
「……ッ……ごめんね先生っ、やっぱり手は……」
「離したくない」
「へっ……?」
「ミカと、離れたくない。少しでも」
「でも……っ」
「────そうだね。大人気ないけど、私、ミカの事を悪く言われるのは、腹が立って仕方ないや」
幼カヤを守る為に鍛えたいと言ったが、それは、ミカが私に守られるべき弱い存在じゃないからだ。ミカは、私が他者の暴力から守る対象じゃない。
────ミカの事は私が、他者の言葉の暴力から守るんだ。
「君たち。あまり余計な事は言わない方がいいよ」
「「「せ、先生っ!?」」」
「お人好しとか言われる私も……怒る事はあるよ」
「ですが!その女が先生に迫って……」
「先生が生徒と手を繋ぐわけありませんわよね!?その魔女が先生に迫ったのは確定的に明らか……」
「「「!?」」」
「君たちは私の何を知っているの?今朝のご飯は?何をしてここに来たの?何を希望し、何に絶望し、何を楽しみにトリニティまで来た?────ほら、答えられない。私のことをなんにも知らないのに、勝手に、私の行動を決めつけないでもらえるかな。もし私が、ミカの事を女性として好きだったなら、こうして手を繋ぐことも……あるかもね?」
「でも!!」
「その女が悪いんですわ!」
「そうよ!全部その女が!」
ベレッタを抜き、彼女達の足元に1発発砲。ミカ含め、その場の全員が硬直した。私が皆の前で銃を抜き、しかも発砲するとは思わなかったんだろう。
「憶測でモノを言うのはね、愚か者がする事だよ。愚かだと他人に思われたくないなら、憶測で物事を口にするのは、やめようね」
「「「…………は……はい…………」」」
◆
「っはぁ〜!緊張したぁ……」
「先生、怒るときは怒るんだね……!」
「そりゃ私も人間だもの……怒るときはあるよ」
「もしかして私があの時、先生を一晩中私の部屋に閉じ込めたときも……?怒ってるって、モモトークで言ってたもんね?」
「あの時は……今のとはちょっと違う意味でだけど、確かに怒ってたよ。もし我慢できなくなってミカに手を出したら、どうなるのかって……。ミカの生活を更に大変なものにしてたかもしれないもの」
「!!」
「ま……
「うん……うんっ!そうだねっ、先生っ♪」
恋人繋ぎしている手に更に力を込め、私とミカはトリニティを出て、近くのお店に入ることにした。
まずは昼食、続いてスイーツ店に。ロールケーキ以外のスイーツを食べたいとの事だったから、前に放課後スイーツ部のナツに聞いた良い店に、ミカを案内しつつ、そこでスイーツに舌鼓を打つ。
アクセサリーショップやアパレルショップなどに寄っていたら、夜になってしまった。私と違って、ミカには門限もある。早めに帰らなくては……。
「……今日はありがとね、先生。楽しかったよ☆」
「私も、楽しかった。こちらこそありがとう。またデートしようね」
「うんっ!」
「……大好きだよ。私が他の女の子と話したり、何かしていたとしても、私の特別はミカだけだからね」
「分かってるけど……それでも嫉妬しちゃうよ?」
「嫉妬していいよ。でも、その嫉妬心を、他の子にぶつけないで。私にだけ、ぶつけてくれる?」
「うん……それは大丈夫!でも私、前にモモトークで言ったと思うけど、面倒臭い女かもよ?いいの?」
「面倒臭いかもしれないし、愛は重いかもだけど、それも含めてミカなんだ。私はもう、ミカの全てを受け止める覚悟でいるよ」
「……ありがとっ☆……じゃ、おやすみ!」
「おやすみ、ミカ」
そのまま彼女が入寮するまで見送るはずだった。しかし彼女は足を止め、こちらにふわりと振り返り少しだけ悲しげな笑みを浮かべた。
「……最後に、さ。ちょっとだけ、お願い……聞いてくれる?ホントに、ちょっとでいいの……」
「いいよ。どうしたの?」
「先生と……そのねっ?……ギュッてしたいの……」
「いいよ」
「あはは……やっぱりダメ…………えっ??」
「いいよ、ミカ。……おいで」
両腕を広げて見せると、ミカは顔を赤らめたまま硬直してしまった。まるで時間が止まったように。メデューサに見られ、石化したかのように……。
「せ……んせ……?」
「ミカから来ないなら、私からやっちゃうよ」
「待っ────」
私は初めてミカを抱き締めた。女子の甘い香り、スイーツの香りに加えて、ちょっぴり汗の匂いが、鼻をくすぐる。
抱き締めた直後は置物のように硬直していたが、数秒間そうして抱き締めていると、ミカはスンスン鼻を鳴らしながら、抱き締め返してくれた。
「……泣いちゃダメだよ?寮の人に見られたら……」
「ん……いいの、今日は……嬉しいって涙だから……!ふふっ……うっ……うぅぅっ…………!!」
「……よしよし。大丈夫だよ、ミカ」
「せんせぇっ……大好き……!」
「私もミカが大好きだよ。キヴォトスいち大好き」
「先生っ……」
「ミカ……」
その日私は初めて────明確に「生徒」として受け入れている子と、唇を重ねた。
虐げながら以外のキスの味は、とても甘くって、頭が蕩けそうなくらいに、どこまでも甘く、重く、口にも頭にも、ずっとずっと、残り続けた……。
そしてシッテムの箱のメンテナンスは、次の日も継続して行われてたので、この日は引きこもる事を余儀なくされたのであった。
本当なら昨日(6月23日)アップする予定でした。
しかしながら、メンテナンスがかなり長時間になりブルアカがプレイできず、創作意欲も減退していたお陰で、アップが遅れました。
よろしければ回答をお願い致します。参考にさせて頂きます。また、数字についてはおおよその目安であり、今後書く話の文字数を限定するものではありません。
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3日に1回更新(5千字〜1万字)
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1週間に1〜2回更新(1万字以上)