※この作品はR-18です。

【完結】ブルブルバイブる! 追放された超振動使いは人類へ逆襲粉砕無双~気高く高貴な姫も女騎士もブルブルのアクメ乱舞♥   作:アニッキーブラッザー

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第二十八話 助けてバイブ

『負けぬ! 負けてたまるか! むしろここで……ここでガラクタと三姉妹姫を討ち取れば、我ら人類の大きな勝利となる!』

 

 一度は追い詰められた手負いのハーラムの猛攻撃。

 次々と魔王軍の兵たちは引き裂かれていき、既に軍は半壊しかけている。

 このままでは全滅は免れない。

 しかし、この場で逃げてももはや追撃を振り切れるとは思えない。

 ならば、この正念場を乗り切るしかない。

 

 

「前へ進むのだ! 活路は前に! ハーラムの巨神兵さえ討ち取れば、儂らの勝ちなのだ!」

 

「この一戦に全てを!」

 

 

 軍の将であるチヴィーチとクロースも引かない。

 

「「「「「ウオオオオオオッッ!!!!」」」」」

 

 屈強な体躯を誇る魔族たちが一斉に巨神兵の足にしがみ付き、斧を、ハンマーを、その身体に、関節の狭間に力を込めて打ち込もうとする。

 だが、今のハーラムは闘志だけで捉えられるほど甘くはない。

 

『効かんッッ!!』

「と、ジャンプしおったのだ!? あの巨体で……!」

 

 跳んで、走って、ステップを踏んで華麗に豪快に駆け回る。

 

「ちっ、バテてきた……くそ、昨日あの便所女を犯しまくった所為で体力が……」

「へへ、まぁ、いいじゃねえか……一応最後には女とヤレたわけだしよ……」

「ああ……」

「んじゃ、最後に……一太刀、一筋の傷でもつけて逝ってやらぁッ!!」

「くそ、巨暴部隊……最後の力を振り絞れッ!!」

「うおおお、突撃だあああああ!」

 

 白兵戦を得意とし、常に最前線で戦う巨漢のオーガの集団が突撃していく。

 しかし、その最後の突撃すらハーラムの振るう剣の前には紙屑のようにアッサリと引き裂かれていく。

 

「魔導士部隊、魔力を振り絞っ……がっ!?」

「う、あ、クロース姫、お逃げくだ、がばっ!?」

 

 その剣は遠距離から攻撃していた魔導士達にまで届き、もはや当初の半数以上の兵たちが戦死していた。

 

「ぐぬ……二千はおったはずだが……数は……」

「お姉様、もう千人も居ません……八百……七百……」

「ぬぐぐぐぐ……」

 

 後たった一人。しかし、その一人をどうしても倒すことが出来ない。

 

「なんと無力なのだ……儂らは……」

「お姉様……」

 

 そんな追いつめられた状況の中、チヴィーチは唇を噛み締めて己を恥じた。

 

「魔王の血を引きし儂らが……昨日は五体……今日は九体も旦那様が一人で巨神兵を倒した……そのお膳立てがありながら……儂らはたった一人、たった一体の巨神兵すら討ち取れぬ……なんという恥なのだッ!!」

 

 チヴィーチのその悔しさを滲ませる表情を、妹のクロースも初めて見た。

 いつもふざけたような態度で、いやらしいことばかり考えて、言動もふしだらな姉。

 しかし、その内には確かな魔王軍の将として、魔界の姫としての誇りと自負を持っていた。

 それが今、この何もできない状況に心から悔しがっていた。

 

 

「システィアと旦那様をもう待てぬ……クロース……これ以上の被害は、仮にハーラムを討ち取れたとしても、砦を制圧は不可能……撤退なのだ」

 

「お姉様ッ!?」

 

「ウヌはシスティアと共に旦那様を連れて引くのだ。殿(しんがり)は儂が受け持つのだ」

 

 

 何もできないのなら、せめて最後のケジメをつけるしかない。

 盾となって、未来へ希望を託す。

 チヴィーチは覚悟を決めた。

 

「そんな、ダメです! お姉様も……」

「まずは巨神兵の天敵たる旦那様を守るのが、今の魔界において最優先なのだ。儂の命よりな」

「で、ですが……」

「ウヌは旦那様を決して手放すでない。パコパコしまくって子供も増やして、いずれ人類に大反撃なのだ♡」

 

 最後の最後にニタッといやらしく笑うチヴィーチ。しかし、その何度も見たはずのいやらしい笑みが、クロースは今日だけは見るだけで涙が込み上げてきた。

 

 

「全軍、直ちに撤退なのだッ!! 今だけは役職も階級も忘れ、命惜しいものはこの場から撤退するのだ!!」

 

「「「「ッッ!!??」」」」

 

 

 撤退。その言葉が戦場に響き渡り、魔王軍の兵たちは皆が悔しそうに顔を歪め……そして……

 

 

「ただし、命いらぬものは儂に続くがよい! 地獄へ共に行こうぞ!」

 

「「「「ッッ!!??」」」」

 

 

 最後の最後は有志だけを集めての特攻。

 その先頭を、チヴィーチ自らが行く。

 

『撤退だと? させぬ! ここで、貴様らを殺さねば!』

 

 本来なら、撤退という言葉を聞けばハーラムや人間たちは安堵するところではあるが、この時ばかりはそうでなかった。

 この場でケリをつけねばと、あえて前へ出る。

 そして……

 

 

「いくのだ! 儂は魔界第一王女にして、魔王軍の筆頭将軍! 幼魔獣将軍チヴィーチなり! その最後の誇りと咆哮を見せてくれるのだぁぁぁ!!!!」

 

 

 獣のような四足歩行の姿勢で、その全身に炎の魔力を込めて、相手を道連れにするかのような勢いでチヴィーチは―――

 

 

『まずは貴様だ、チヴィーチ! そのクビ、もらったぁぁぁあ!!!!』

 

「ッッ!!??」

 

 

 刹那。ハーラムはチヴィーチの特攻を察知し、態勢を整えて剣を繰り出そうとする。

 巨神兵の剣とチヴィーチの特攻。

 その二つがぶつかる直前に、クロースはこの戦いの結末を直感で理解した。

 

「だめです、お姉様がッ!」

 

 微塵も相手にならず、チヴィーチが確実に死んでしまう未来を。

 

「あ、ああああ!」

 

 クロースにはもはや魔力もない。飛び出しても間に合わない。

 ただ、出せるのは声だけ。

 その唯一出せる声で、この最後の最期でクロースが叫ぶのは、盛大に散ろうとする姉の名前……ではなく!

 

 

「っ、た……助けて! クエイクッ!!」

 

「俺はその期待に必ず応えるッッ!!」

 

「ッッ!!??」

 

 

 クエイクへ助けを求め、そしてその想いに、副作用で既に立ち上がることもできなかったはずのクエイクが飛び出した。

 

 

「うおおおおおおおおおお、超全振動タックルッッ!!!!」

 

 

 全身に振動を起こし、加速し、飛び出したクエイクは、ハーラムの剣とチヴィーチの特攻が交錯する間に割って入った。

 

 

「あ……だ、……旦那様!!」

 

『が、ガラクタッ!!??』

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