柊木詩乃
身長150cm
B71 W58 H74
某有名大学の3年生
資産家であった両親から育てられ、裕福な暮らしをしていたものの、交通事故で夫婦共に死亡。
殆どの資産を知らぬ親戚に取られ、たらい回しにされていた中で当時駆け出しの漫画家であった叔父に引き取られる。
叔父
身長186cm
有名漫画雑誌出版社のコミックレーベルに掲載している漫画原作家。
詩乃の父親の義兄に当たり、見つかった遺言状に従って引き取る。
実は別ペンネームで官能小説の執筆も行っている。
────ビュン!
空を切る音を鳴らす。
一本の竹刀が一寸の狂いもなく上段から振られ、身体を前へと進める。
竹刀を振る動作と軸のブレを気にしつつも、同じ様に切っ先から足の爪先まで気を配り、振るう。
広く作られた木目張りの道場の中で1人、竹刀を振るうのは頭髪を白く染め、刻まれた頬の皺は幾千もの試合を立ち向かってきた歴戦の剣士たる象徴。
同年代の男性の中でも小柄ながら、その気迫は剣鬼と称する者も少なからず、自慢ほど無いにせよ、飾られた大会のトロフィーやメダルを見る度に誇らしくも感じた。
だが、其れで満足する事はなく、剣士の精神を受け継いで欲しいと高校の剣道部指導や警視庁、警察学校の剣術指導を行い、励んでいた。
そんな精力旺盛な活動も、亡き妻の尽力あっての事であり、病気で倒れた時には自分自身の無力さに打ちひしがれる事もあった。
もっと旅行を一緒にすれば良かった。
いや、もっと一緒に居る時間を作れば良かった。
後悔先に立たず。
その言葉がチクチクと胸に刺さる。
其れでも、妻が命を削り、自らの立ち位置を作ってくれた事を感謝し、彼女の思いを背負い、この剣を振るう。
一心不乱…と言うよりも現実逃避と言ったほうが正しいかも知れないが。
「おはよう御座います。
最近は気が散る事が多くなっている気がする。
中原巴という女性は言い換えれば名前の通り、〔巴御前〕の如く強い女性と言える。
大の男、其れも道場に通う屈強な者達を千切っては投げ、巨体が宙を舞った光景を思い出す。
日本人とは思えぬ白銀を模した頭髪は腰まで長く、一度結った時に触れるとキューティクルケアが行き届いており、手触りの良さに驚いたり、特に何かをしているわけでも無いらしいが、過去に髪色をとやかく言われた事で余り良い顔はしなかった。
他にと問われたなら、その若さに満ちた肉体と美貌は恋人と歩いていたとしても一瞥して振り返ってはまた一瞥しようとする雰囲気がある。
自分と然程、差のない身長。
その癖、サラシを巻いても余りある程豊かに実った房が二つ。
しゃがんだり、四つん這いになった際、袴越しの曲線を描いた臀部。
軽い組み手で思わず触れてしまった腰回りの細さ。
どれをとっても、女らしく、強固な精神を持って挑まねば心身ともに彼女を貪りかねない危うさを覚えた。
何故彼女に対し、その様な態度で接したのか?
理由は簡単だ。
自分の息子達三兄弟の次男坊の"嫁"である。
〜〜〜◇◇◆◆◇◇〜〜〜
「お義父さん!そちらに行きました!!」
「おっ、おうっ!?」
剣を振る。
身の丈を超えた得物をどうやって振って両断を行っているのか、疑問点が尽きない中で両手に握るコントローラーを使い、画面の中にある自分の分身を動かす。
還暦前に早期退職を済ませ、時折地元の高校で剣道を教えるのみの毎日の中、彼女がやって来たのは凡そ去年の初春。
曰く、物寂しい老人を見て欲しいと言われたのだろうか、大きな箱をキャリーに引き、昨年の正月以来顔を合わせてない嫁がやって来たのは驚いた。
次男とは上手く行っていないのか?と思うも聞くことは出来ず、なし崩しに彼女が朝から晩前まで居着く事となる。
とはいえ、生来の生真面目さと道場の維持を手伝ってくれているので無碍にするのも良くはない。
何より、今まで妻が居た華やかさも鳴りを潜め、男臭い中で一輪の花の如く佇まっているとこちらも目の保養にはなる。
良くもこの様な美人を連れてきたものだと、口には出さないが次男には褒め称えたりもする。
ただ、彼女には1つ重篤な程の趣味がある。
其れが今僕と共に行っている狩猟を主とするアクションゲームだ。
彼女は根っからのゲーマー、世間的には廃人の領域に立っているらしく、次男からはその経緯で知り合ったとか。
そう言えば、何をトチ狂ったのかEスポーツ選手になると言っていた事を思い出し、思わず竹刀でぶっ叩いてしまった。
一応競技者として概要位は知っているが、スポンサーやその他チームの運営が芳しく無く、大会賞金だけでは成り立たないケースもある故に、思った程口の狭い業界だと感じた。
スポーツとしての定義に当てはまるのか?と考えても見たが、やはりサッカーや他のスポーツよりも難しい点が多く見えたのでやはり職業として選択肢には入れられなかった。
とりあえず、話してみても麻疹のようだったらしく、ゲームに関しては趣味程度に収めてくれた。
此処まで叱ってしまったのは長男がバイク暴走で捕まった以来だと思う。
そんな趣味に留まったゲームだが、イベントに参加するくらいならば悪くないと思っていた矢先に、彼女と出会い、スピード結婚に至る。
彼女もまた、薙刀と弓道を嗜み、武道を生業にする。
両方の共通点もあって気の合う同士スピード婚となったが、1年後、次男坊の乗った自動車がトラック同士に巻き込まれ、この世を去った。
まだ23歳になったばかりと悔やみきれない気持ちになる中、中原巴は、旧姓になってからもこうして足繁く通っている。
「……なぁ巴さん」
「ハイッ、何でしょうか?」
ハキハキとこちらの問いを聞く姿勢は今の若者でもそうは居ないだろう。
本当に過ぎた嫁だと思いながら、私は言わなければならないことを説いた。
「あんたはまだ若い。良い人を見つけて生きるのも良いのでは無いかな?」
そもそも、もう亡くなって2年が経とうとしてる。
自身の未来を考えればまだやり直せる機会も多く残っていると思うのだが。
「───
「あっ、いやっ…そういうわけでは無い。ただ…」
「そろそろお暇させて頂きます。今日もお付き合いありがとう御座います」
僕の答えを聞く前に、彼女はそさくさとゲーム機を片付け、帰り支度を行う。
問い方が悪かったのか、何か癪に障る事だったのか、分かる暇もなく、玄関まで送り、大きくお辞儀をしてから踵を返し、その後ろ姿を見えなくなるまで眺めることしか出来なかった。
「はぁぁぁ〜…」
彼女が帰った後、晩酌代わりに人肌程度お燗を済ませた日本酒を素焼きの猪口で少しずつ飲む。
軽いつまみとして用意した松前漬けをゆっくり噛み締めては昆布とスルメの味わい深さを感じ、そのままちびりちびり傾ける。
昔からの癖でアルコールを入れるのはほんの少し。
何時でも出れる様にしておくのが職務だったこともあって酒の付き合いも程々であった。
と言うよりも酒の失敗を見るほうが多く、醜態晒して笑う程自分は恥知らずでも無いのでこうしてゆっくり噛み締めて飲む方が性に合っていた。
ふと、巴さんと共に新しく替えた最新式スマホにSNSの通知が届いた。
「ん?…何々?」
Eメールとは異なるその場で話しているような感覚のネットツールで、近頃は組織犯罪の温床だったり、軽犯罪法に該当される行為を行き来させるツールにもなる。
とはいえ、それ以外の利用状況からすると、この便利さは中々手放せられない代物で、使い方を誤らなければ問題ないと考えられる。
こうして彼女との連絡手段に使えるならそれで良いかと考える。
「何々…」
内容はこうだ。
────今度の土曜日ご予定はありますか?
────いいえ。道場の掃除やトレーニング程度です。
────では、午前10時に駅前に集合で。
……はて?
────分かりました。ではまた。
とりあえず返信をしてみたが既読が付いたままそこで終わった。
湧き上がる奇妙な躍動感。
久方ぶりに異性との出掛けに興奮でもしているのか?
ただアルコールが回ったことによる血管拡張か?
其れを知るのは、次の土曜までなのは間違いない。
如何なる服装で行くべきか考えた結果、外行き用に買ってあった一張羅を着ていくことにした。
帽子を被り、貴重品とステッキを持って家から出ていく。
ちょっとした買い物にクレジットカード機能付き電子マネーはよく使うので金が足らない等の不幸に見舞われることは少ないと思っている。
歩を進め、10分程度の距離にある駅に向かう。
この地域で都市圏に向かうハブ交通の役割を持っている故に休日ともなれば人の数も自然と多くなっている。
老若男女、恋人同士や同好の友、私より年老いた夫婦の姿を見たならば、今の自分が浮足立った感覚だったりする。
────そろそろ着く頃だろう。
曲がり角を過ぎればロータリーとバス停、タクシーの乗り場、駐車場等が点在する最寄り駅に到着した。
彼女の姿はない。
腕時計で確認してみると午前9時42分。
少々早すぎたかもと己の先走りに呆れを持っていると。
「あっ、おはよう御座います」
後ろから声をかけられ、振り向く。
彼女が居た。
「…あっ、お、おはよう」
「良かったです。だいぶ早く来てしまったのかと思って居ましたが、待たれましたか?」
「いいえ、今来たところです」
若干片言の喋り方になっているのが恥ずかしい。
とはいえ、彼女と共に出掛ける心躍る感覚には勝てず、つい口角が上がり、苦笑するのだった。
「では、少々早いですけど行きましょうか?」
「ええ。では」
そう言って僕と彼女は歩き出し、次に来る電車へ乗る為、ホームへと向かった。
〜〜〜◇◇◆◆◇◇〜〜〜
一定のリズムで動く車内は意外と空いていたので、椅子に座り目的地へ向かう。
外の景色は燦々と太陽が照らし、冬の訪れを感じさせる肌寒さを和らげてくれる。
『次はぁ〜○○〜。出口は〜左側です〜』
車内アナウンスから到着する駅名を伝え、降りる客達に出口を教える。
まだ先らしく、降りる様子を見られない巴さんの姿は凛とした佇まいを感じる。
赤のフレアスカートに白のニットセーターと厚手のカーディガンは彼女と良く似合っており、改めて美人であることを再確認する。
「そういえば、師匠は普段どの様な格好で?」
「基本的に作務衣なり着流し程度だね。遠出の機会が其処までないんだ」
「なるほど…」
話題は普段着の事について。
道着なども洗うので其れなりに気遣ってはいるものの、着流しと作務衣は普段着に出来る利便性が高いのでついつい頼りがちになってしまう。
そんな僕の普段着に何か思うことがあるのか、彼女は一頻り考え、口を開く。
「では、師匠の服を買いに行きましょう」
どうやら予定は未定状態らしく、急遽なのか私の服を見立てる話になった。
4駅程通り、降り立ったのは大型ショッピングモールのある駅。
流石に休日であるため、遠近感が掴めぬ程の人の波が其処にあり、落ち着くには時間がかかった。
「大丈夫ですか?」
「なぁに、すぐ慣れる」
はぐれぬように巴さんは近くに寄り、同じ歩幅で歩いてくれる。
目指すのは紳士服売り場。
モールの一階にその区画があり、ズラリと並んだスーツやメンズの洋服を見ると、どれがどれなのか同じ見た目をしているように感じる。
「これはどうでしょう?」
「内側が派手だね…ソッチ系の人みたいに見える」
「師匠の甚平姿も渡世人みたいに見えますよ?」
「其れは不味いな」
若干強面過ぎてそう思われてもおかしくはないけれど。
とりあえずスーツは普通のリクルートスーツにしておこう。
ただ、ワイシャツが黒とかだと本当に指定暴力団組員とかに勘違いされそうなので気をつける。
「ジーンズも中々似合いますね」
「余り着なかったけど悪くないな…」
「こちらも着てみて下さい」
「う、うん…」
半分着せ替え人形にされつつ、彼女から手渡された服を着てはスマホで写真を撮り、其処から吟味されていく。
「ナイスですねぇ〜!そのポーズ良いですよ〜〜!!」
「もっとクイッと!クイッと顎を上げて!!」
「ナイスマッスル!上腕二頭筋にもインテリジェンス入ってる!!」
いつの間にか店員の人達も参加している気がする。
どこから持ってきたのか分からない某元カリフォルニア州知事殺人マシーンのジャンパーやタンクトップとスパッツも着させられた。
とりあえず、人に見せても恥ずかしくない身体で良かったと思う。
ようやく選びに選ばれた服を買い、近くの大手カフェチェーンの中で休息を取る。
「はぁ〜。とても楽しかったです」
「私はリカちゃん人形状態で辟易してますが…」
「中々カッコ良かったですよ?オーバーオールの姿は何処かの配管工みたいに見えました♪」
「うむむむ…」
イタリア人でもないし、キノコを食べて大きくなることもない。
そんな不可思議な思いの中で、巴さんの注文したよく分からないフラペチーノという飲み物をストローで吸う。
スプレー缶に入ったホイップがこんもりと乗り、3色チョコスプレーや砕いたナッツが添えられている。
少々濃度のある中身は栗の味がした。
「期間限定のモンブランチョコフラペチーノですね。う〜ん!美味しい」
「軽く計算したけど、家系ラーメン一杯分と変わらないカロリー入っているみたいだ」
「消費すれば良いのです!午後から!!」
「う、うむ…まぁ、うん」
若干気圧されてしまう。
飽食の時代とはいえ、この様な、糖質と脂質の塊を飲んでいたら腹回りの白い肉がベルトに乗ることとなる。
こんな機会が無い限り、飲むこともない…。
其れから。
「新しいスポーツジムだそうです」
「ほう…」
多くジム通いの会員が居る中で体験をし、驚かれて注視される時もあった。
「いっぱい汗をかいたのでお腹空きましたね」
「確かに。何を食べようか…」
「そう言えば向こうに良さ気な居酒屋さんありました!そちらに行きましょう!」
僕の返答も無しに腕を引っ張られては居酒屋へと向かう。
午後6時を回ると辺りはすっかり日が落ちてネオンサイン等が目立つようになる。
中は人でごった返し、焼肉等も用意されているので七輪から上がった煙で視界不良だ。
席に案内され、仕切りをされた半個室へと案内されると彼女は座ると同時に。
「生ビールの大ジョッキ二つ下さい」
「いや、私はウーロン茶。ノンアルコールで」
出先では飲まない主義の私の分まで頼みそうになったのでソレを制止する。
「せっかくですし、飲みませんか?」
「いいや、出先で飲むのは良くないので。後アルコールは少量しか嗜めない体質なんだ僕は」
「成る程…其れはすみません」
自分の至らない気持ちに謝罪をする巴さんを僕は首を横に振っていいと答える。
「仕事柄そういうのは慣れているから」
「確か、前に警察官とは聞いていましたが?」
「うん。生活安全課とか交通課とかその辺だね」
「成る程、だからお酒は然程飲まれないと…」
僕のかつての職業を知っている。
だからこそその意味を理解してくれて僕も嬉しい限りだと思う。
「では代わりに私が飲みますので」
「うん、乾杯」
ちょうどやって来た大きなジョッキに注がれている七対三比率の生ビールと長いグラスに入った黒褐色のウーロン茶で小さく乾杯を行う。
「では、じゃんじゃか頼みましょう」
「お手柔らかに…」
彼女も大食漢の類なのだろうか。
タッチパネル方式の注文で次々と頼んではテーブルへと運ばれていき、並べられていくのをただ眺めることしか出来ない。
揚げたてのたこ焼きや七輪で焼く牛ホルモン、野菜サラダ、フライドポテトetc.
並んでは食べて追加のアルコールが入ってきたら其れで胃に流し込む。
福岡かロシア系並みに飲むとは思わなかった。
次男坊も僕に似て飲めなかったからそこら辺は自制してたのかも知れない。
「だからぁ…ワタシは泣いたんですよぉぉ…林檎を利き手じゃない方で握り潰すのはどうかって言われて……うぅぅ…」
ただ、泣き上戸だとは思っても見なかった。
最初は笑って冗談も言えていたが、徐々に最初のお付き合いの話や職場の上司から見合いの場を設けられた時の話になると、自分の怪力でドン引きされた事を思い出し、涙を浮かべるようになった。
次男坊との出会いで其れを隠していたが、次男坊は腐っても僕の息子で、強い女性は好みのタイプだった。
武道を嗜むということでお互いに気があったからスピード婚もしたのだか、やはり亡くなって寂しさが募っているのだろう。
更に酒が進み、泣きながら僕へその思いをぶつける。
空のジョッキはビールからハイボールに変わり、甘いサワーになれば黒霧島へと変わる。
「そーむだって!沢山運んでるんですよぉ〜〜!!分かってくださいよ〜〜〜!!!」
彼女の愚痴を黙々と食べながら聞き続ける。
おや、この鶏軟骨揚げ美味しい。
「ししょー!聞いてますかぁ〜〜!!」
「うん、聞いているよ?アプリケーション開発も大変そうだね…」
「もぉ…辞めます…あの会社……グゥzzZ」
寝てしまったらしい。
「すみません、お会計をお願いします」
近くの店員に会計をしてもらい、帰路に着くことにした。
幸いなのは買った服は郵送してもらえる事。
彼女を背負って持つのは流石にキツイ。
「さて…終電までは時間ありそうですね…」
とりあえず巴さんを背負い、駅まで小走りで向かう。
数百kgの丸太を背に持ったあの時を思い出すのは失礼極まりないかも知れないが、安定性を考慮しつつ進んでいくと。
【人身事故により当面運休とさせて頂きます】
「ナンテコッタイ」
電子掲示板に流れる乗る予定の路線は動かず、仕方なしにタクシーを使って帰ることにしよう。
と思っていたら。
「……は…」
「は?」
「…はき……そう…」
「待って?後数分待って?直ぐにお手洗いに…!?」
この状態で間に合うはずもなく、口から【虹色モザイク】が肩からスーツ全体へと吐き出される。
これではタクシーに乗ることも難しく、何も喋れぬままその足で近くのホテルへと歩いた。
この時間で取れるホテルと言ったら、やはりラブホテルというものだろう。
食事後のカップルが訪れるであろう暗めの照明が施されたラウンジには、券売機の要領で部屋番号のボタンを押し、鍵を受け取る顔合わせすることの無い形式だ。
調べてみると、汚れてしまったスーツを洗う有料サービスもあるので其れを使わせてもらう。
吐き切ってまた寝入った巴さんを運び、部屋の鍵を挿し込んで中へと入れば、大きなキングサイズベッドと淫靡な雰囲気を醸し出す空間が広がっていた。
「………張り込み以来だな…」
思い出すのは某指定暴力団組長と東南アジアの麻薬シンジケートの女ボスの密会現場の盗聴盗撮作業で、場合によっては相手の短機関銃が火を吹いたこともある。
拳銃片手に撃った過去が過ぎるものの、少なからずこの部屋はその時より遥かに高い事はよく分かる。
「……さて、風呂にでも入ろう」
汚れた服を出しておいて、シャワーを浴びることにする。
浴室は広めに出来ていて、バスタブも例の如く広い。
その中でくんずほぐれつ致し合うのも目的なのでまぁそうだとは思っている。
蛇口を捻れば最初は冷たく、徐々に温かい湯が出てくるので其れをシャワーに切り替え、身体を洗っていく。
最近生え際が後退して来た。
いっその事スキンヘッドにしようか?と思ったが、そこまで行くと、強面が更に拍車をかける可能性を秘めている。
今は残った髪を大事にとっておくのが先決かと思おう。
シャンプーで頭を洗い、一度流してからコンディショナーをつける。
ラブホテルで女子会を行うと聞いたことがある。
そのせいなのか、女性用の整髪剤が多く見られ、キューティクルケアは欠かさないという意思表示を感じた。
ボディソープも三種類あるが、よく分からないので右から三番目を手にしてスポンジで泡立てる。
匂いはルバーブジャムを思わせる甘酸っぱさで、これは良いなぁと思い、ラベルのロゴと名前を覚えておく。
首、脇、腕、腹、股座、尻、足。
念入りに、優しく撫でるように洗っていく。
皮膚の古い角質を落としつつ、其れでも傷付かないように綺麗にしていくと、さっぱりとした。
「…さて、流すか」
蛇口を捻る。
シャワーヘッドからお湯が出る。
そのお湯で泡を落とし、身に付いた汚れが共に流れていく中。
「…師匠。私も…一緒に……」
「……………えっ?」
彼女の声が聞こえる。
しかも、背中に感じられた布越しの柔らかな質感は想像せずとも何かすぐに理解する。
「と…巴…君?」
「…師匠…」
後ろに居ると思われる彼女に顔を向ける。
着ていたワイシャツはシャワーの雨によって水分を吸い、肌に貼り付いては身に余る大きな実とグラマラスラインがくっきり映って扇情的な姿を見せる。
所謂、濡れ透けという意図的に起こせば痴漢や強姦未遂に切り替わる罪状だが、彼女は自分の意志でやって来ている。
これは合意の上の性交渉では?
とはいえ、仮にも教え子の様な存在。
このまま押し倒してしまったら、後々が大変になるだろう。
そうなる前に、今はやめさせるしか無い。
「…巴君」
「………ハイ?」
彼女の出来上がった目を見る。
既にトロンと目端が落ち、眠たげな顔で男を誘う様子を見せる。
決めてきたのだろうか?黒いレースのブラが透けて更に様々な葛藤を生み出して行く。
いかん、このままでは不味い。
「…師匠。私…」
「貴方の事が好きです」
続きはとりあえず…。
現在シチュエーションアンケート募集中
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シングルマザーとカテキョーの母娘丼
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近所のJ○とサラ忍マン
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裏社会の殺し屋と少女
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パティシエとギャルJK