桐生文香
35歳
162cm
B93 W60 H89
神保町にある古書店を営む女性
とある事情で離婚、現在はシングルマザーであるがマンションや地代家賃で賄えている。
娘の睦月とは良好な関係を築いている。
桐生睦月
中学生1年
140cm
B65 W48 H63
某有名私立中学に通う少女
女子サッカー部に入っており、期待の新人として活動。
反面勉強が苦手という事もあり、家庭教師の先生から勉強を教わる。
若干意識しているものの、其れが恋愛感情かは分かっていない。
家庭教師
某大学の学生。
金銭面事情から桐生睦月の家庭教師となり、彼女に合わせた勉強法を考える。
色恋沙汰には全く無い未経験者であり、つい最近までは童貞であった。
流石にやられっぱなしでは悔しく、対抗策等も考えている。
「…なぁ、先生。最近頻繁に来てない?」
「えっ?そ…そう?」
「母さんも先生来るたびに化粧してるし、服だっていつも着そうに無いの買ってたし…」
子供が母親の変化を機敏に察する事は珍しく無い。
流石に背筋に悪寒が走る事を考えると精神衛生上悪い事だけれど…。
「さっ、さぁ…僕も何が何だかぁ…」
「…………」
そんなにジトォと見ないでくれ。
とは言うものの、実際問題彼女の言う通り、文香の変わり様は何となく分かる。
〜〜◆◇半月前◇◆〜〜
「…ふふっ♡あの娘は土曜はサッカーの練習に行ってるので半日は空いてますよ?」
初夏になろうとした午前中。
家に招かれるや否や、彼女は婬らな出で立ちを見せる。
薄い生地のネグリジェは素肌を透かし、影のシルエットを作っていた。
子供を産んだ女性とは思えない妖麗な立ち姿と、手一杯に実った乳房や陶磁器の如く滑らっこい肌に上質なクッション性のある尻肉。
どれも男を狂わせ、牡へと変えさせる雌の容貌と言ったものだ。
だから無言のままで雌を推し倒し、発情しきって桃色の呼気を吐き出す唇へ乱暴に重ね合わせる。
「ンヂュルッ♡ジュルッ♡あっ…はむっ…んっっ♡」
たっぷりと分泌された唾液がぐちゅぐちゅと音を鳴らして卑猥なリップ音を奏でる。
その間に左手を滑らせてショーツの方へと手を伸ばし、薄手の生地の上から撫で回していく。
「んんっ♡んっ♡♡!?」
何時から期待していたのか、既に濡れそぼった肉渓はショーツ越しでも分かる程蜜を吸い込んでおり、ズブズブ指が沈み込む。
あんな清楚な顔をしていた女主人が牡の逸物を欲し、甘く脳を蕩かせる様な顔で誘う雌に変わっている事を、俺だけが知っている。
いや、多くの男もこの妄想に耽り、劣情を抱き、隙を探り続けては今か今かと舌舐めずりで声を掛けていた可能性もある。
そんな雌をそのままにしていたならば、誰が許すだろうか?
少なくとも僕は許すつもりは毛頭ない。
もうはち切れそうな程に硬直した男根にコンドームを着ける。
若干厚めの素材で、早漏防止を念頭に入れておいたので前のように挿れて即射という悲しい事にならないと思う。
「…挿入れるぞ?」
「…………」
口を閉じ、何も言わないのはしてもいい証拠。
ショーツをずらし、てらてら光を反射するほど濡れきった秘宮口は物欲しそうに口を開き、その生物反応としての様子を見せる。
ここまで来たならもう止めることは出来ない。
口に亀頭を宛てがい、一気に膣奥へと挿入。
熱の籠もった肉の塊の感触は前よりもダイレクトには来ないものの、締め付けや絞り上げてくる感覚だけは据え置きでやって来た。
「ひぁっ♡んっ♡ん゛〜〜♡♡♡!!?」
抉じ開ける感覚は文香にも快感としてやってきてるのだろう、その気持ちよさが此方にも連動して来る。
このままの体勢というのも良いのだが、お互いに昇り詰めたい気持ちを抑えることは出来ない。
「やっ、おっ…♡奥っ突き上げてっ♡♡!」
テクニックや技量など持ち合わせておらず、殆どが未経験の自分にとってはただ腰を振り、愛液に満ちた膣内を抽送していくしか無い。
ただ必死に精を吐き出す事を我慢し、膣肉を掻き分けるのは中々に堪えるもので、何時暴発してしまうかヒヤリとする。
其れでも、文香の蕩け切った顔は自分の行為で反応していることを指しており、男冥利に尽きる思いがある。
だからこそ、お互いに気持ちよく、恍惚の極みに辿り着きたいと感じた。
「んっあぁ♡!はう゛っ゛♡♡もっ、もっと…叩き、つけてぇ…♡下…さいっ♡♡!!」
膣肉が吸い付き、絞り上げる。
抽送の動きで火照った身体は上気の籠もった息を吐き、どろどろに蕩かせ、淫蕩に沈むことを赦してしまう。
「はむっ…むちゅ、ジュルッ♡ぬっぢゅ…♡んっっっ…♡♡!」
甘ったるい。
蜂蜜を思わせる粘度の唾液を啜り、口内を蹂躙する。
汗を吸ったネグリジェがツンと立つ乳頭を浮き上がらせ、いやらしく膨らんだ乳輪が透ける。
「んっ、ぷはぁ…。そ…その…///」
どうやら、あまり乳輪を見てほしくないみたいだ。
所謂パフィーニップルという海外の人にはよくあるらしいそれは乳輪がふっくら膨らんで出てる状態を指す。
日本人ではあまり見られない故にコンプレックスを感じるのだろう、顔を赤らめて目を背ける姿を見ると。
「…スケベ過ぎるでしょ。これじゃあ母親失格でしょ?」
「っっ゛っ゛〜〜〜〜♡♡♡!!?」
正直心にも無い事を言うが、これも彼女からの提案だったりする。
古書店を営む上で書籍を殆ど読み切っており、中には昭和以前の検閲書籍も該当している。
その為、今は表現上宜しくない官能小説も含まれ、目年増耳年増となった彼女からこうして欲しい要望に応える事もよくある。
今回は年下男性からサディスティック発言をするシチュエーションというものだが、其れが効き過ぎた。
「ぉぉ゛ぉ゛〜〜…!?」
膣圧が更に増した。
言われたことに対する羞恥心と叶ったシチュエーションへの喜びで悶えたことによる物だ。
お陰でもう無理と判断。
「射精るっ…!?」
奥へと突きこんだ男根は、膣内へと射精する。
但し、コンドームの先の袋へと注がれ、相手を孕ませる事は出来ないのが憎らしいと造られた小さなオタマジャクシ達は思うかも知れない。
とはいえ、これも必要な措置なので致し方ない。
「…はぁ…♡…ふふっ…♡今回は…私も…気持ちよかった、ですよ?」
「…それは…良かった、です」
身体中、汗でびっしょりだ。
ふと、頭が冷めきった頃に、腹から音を鳴らす
「ふふっ♡ちょっと早いですけど…お昼、頂きましょうか?」
「ええ。腹ペコペコです」
一頻り激しい運動をしていれば腹も減る。
一旦は切り上げて軽い昼食を取る事にしよう。
「その後、続き♡しましょうね♡?」
彼女の性欲は恐らく無尽蔵かも知れない。
〜〜◆◇10日前◇◆〜〜
「ふぅぅ…♡ふぅぅ…♡」
シャツが汗でベタベタに貼り付く。
少し唇を重ねるとしょっぱさを感じ、妙なアクセントを覚える。
「んっあっ♡ぉぉお゛ぉ゛っ゛♡♡♡!!?」
文香を担ぎ上げ、振り動かす度に漏れる愛液の雫がフローリングへと落ちてシミを作る。
おおよそ5回目に差し掛かる中で、膣内に詰め込まれた男根も最後の一搾りが行われようと震え上がる。
「文香…これで…!」
「ええっ、ええ♡!来て下さいっ♡!!私もイッ…♡♡!?」
「グゥッ!?」
快感の頂点へと達した彼女の膣内は強烈な締め付けと吸い付きによって全体が絞り上げられ、胎内へと放出を促される。
自分もまた、其れが頭頂部まで痺れが疾走り、法悦の中で彼女の膣内へ射精を行った。
「…はぁ…♡はぁ…♡はぁ…♡」
「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」
あられもない姿を晒しながら、抱き締め合い、目が合えば唇を重ね、舌を這わせる。
「んっちゅ♡じゅ…ぢゅ♡るっ♡んはぁ…ぁ♡♡」
目端が下に向き、肉厚でやわやな唇が押し付けられて何時までも触れていたくなる。
「……まだぁ、かちかち…ですね♡」
「それは、文香がエロ過ぎるからだろ…」
「やぁんっ♡また硬くなって…♡」
何回も出した筈なのにまだこの膣内で膨らみ、硬くなってしまう。
そろそろ交換しなければならない。
如何に信頼性の高い日本のゴム会社製と言えども抜けて胎内に残ってしまえば避妊の意味はない。
だと言うのに…。
「まだシ足りないですか♡」
危険性はある種性欲のスパイスになる。
だから膣内の肉ヒダが畝り、絡ませるように吸い付いてくる事もまた、彼女の望みを表しているのだろう。
彼女は誘っている。
まだ社会経験もない若人に自分の魅力を見せつけて、猛獣へと変え果てさせて、その熱をぶつけさせる事で自らの淫乱な姿を肯定しようとしている。
ブチ切れた。
「キャッ♡んふぅ…♡」
ソファへと押し倒すと、突然の事で驚きつつも、直ぐに笑みを浮かべて余裕さを見せる。
乱暴に膣から抜けた男根は半分まで脱げているコンドームに覆われている。
幸い全部脱げていなかったが、此処でそれを気にする必要も無くなりつつあった。
「ふぅ…!ふぅ…!ふぅ…!」
息を荒くし、目の前に居る雌を見る。
最初にした時と同じ様に、胎内へ白濁に染まった胤を流し込みたい。
十月十日迄に腹を膨らませる姿を眺めながら、女の顔をさせながら胎内へ中出しを行いたい。
思考も曖昧になる中、そのまま延長戦に突入。
【電話の鳴る音】
しなかった。
「………もしもし?…えっ?友達を連れてくる!?ちょっと待ってて!?今倉庫の整理とかしていたから片付けをしてるの!」
どうやら睦月ちゃんが友達を連れてくるみたいだ。
冷や水を浴びせられた感じだが、理性的になれば当たり前の話でもある。
「………フローリングとかは何とかしますので文香さんはキッチンを」
「………ハイ」
おおよそ15分、学校からこの家まで掛かる時間の中で今の惨状を片付けていく。
幸いな事は、普段から綺麗好きであるので重曹スプレーや各消臭剤、昔ながらの清掃道具も揃っているので簡易的ながらも何とかなった。
「あれ?先生何でいるの?」
「アッハハハ…倉庫の手伝いも兼ねてね?紙魚とか防虫剤の期限が迫ってるって聞いたから」
「ふーん。そうー?」
危ない危ない。
速攻で着替えも用意してたからあの状態で出ずに済んだ。
その後、友人である〔銀〕ちゃんと〔園華〕ちゃんから勉強の事について、相談を乗ることとなった。
「ってな訳で、絶対母さんと色々としている可能性があると思う」
「「あぁ…」」
夏休み間近となった昼休みの教室で、メラミン皿に乗せられた竜田揚げを頬張りつつ、隣席の同級生である〔箕輪銀〕と〔野乃園華〕の2人に相談している。
2人共に、前にあった大学生の男性を思い出し、何か奇妙な雰囲気の正体を知っては納得する。
彼女、睦月もまた性教育は小学5年の時から受けており、子作りの意味も知っている。
故に、母の文香と家庭教師の先生には男女関係が芽生えているのも理解出来た。
「…で、でもさぁ…そんなえっ…えー「エッチなこと?」ぶぅー!?園華ーーー!?」
若干言葉を濁して言おうとした事をド直球かつ笑顔に答えた園華はニッコリと自身の長い髪を揺らしつつ睦月の方へと目を向ける。
「むっちゃんはせんせーお兄さんの事が好きですか?」
「ふぇっ!?す、す、好きっってそれはっ!?」
「好きなんだなぁ…これは…」
図星をつかれては銀の頬へ指で突っついた。
流石に恋心を弄ぶような行為は馬に蹴られる可能性を示唆しつつ、園華はどうどうと落ち着かせた。
「まぁまぁ落ち着き…。お兄さん良い人そうだし、いつかお父さん呼びするかも知れないから落ち着こうね?」
「…………」
「あっ、お父さん呼びは想定してない顔してる」
その場合は想定していなかった。
血縁関係の父親は亡くなり、寂しい思いの中で事実婚同然に転がり込んできた男性から暴力を受け、祖父方の家に逃げて来た事を思い出す。
一度は顔を合わせたものの、古書店を営んでいた祖父は警察の友人に顔が利き、目の黒い内は絶対に会わせないと言ってもくれていた。
今は、持病の悪化と終の住処として鎌倉にある介護医療院に居る。
こうなると、もしも新しい父親として迎え入れられれば、2番目の父親から何を言われるか分かったものでは無い。
「………どうしよう」
「「??」」
新たに出てきた悩みの種を2人は知る由もない。
〜〜◆◇夏休み当日◇◆〜〜
「……暑い」
災害級の気温と言われ、目を丸くしつつも流石に無いだろうと高を括った過去の自分が恨めしい。
拭いても拭いても新たに湧き出す汗は、滝の如く溢れ出し、飲んだ水が直ぐに出ているのでは?と思う程。
「良し、兄ちゃん。交代の時間だ」
「ハイ、分かりました!」
安全上致し方ないとはいえ、長袖長ズボンという重装備に反射板やヘルメット、厚手の手袋等を着けていると汗が塩となって浮き出ている。
暑さに参りながら休憩所へ歩き、クーラーが最低まで設定されている中へと入る。
「かぁぁ……お疲れ様です…」
「お疲れちゃん。ほれ○ョージさんのCMのやつ。不味かったら正常だぜ?」
「ありがとう御座います」
パック式の経口補水液を貰い、それを潰すように飲み干す。
若干美味しいと思う辺り、相当脱水状態が続いていた事を示しており、今年の暑さを物語っていた。
「年々暑くなるわなぁ…俺等警備は棒振って立ちっぱなしで済んでるけど重機動かすのは大変だぁ…」
「いやいや、多少遮るもんあるコッチとは違って炎天下で火傷しそうなソチラさんには頭下がるぜ?」
そう言って現場の職人がガハハと笑っては互いの大変さを言い合う。
今居るのは国道の塗り直しで、今後20年間使えるように整備し直している。
配送業者の車の往来が多い此処では道路状況は死活問題であり、動脈に例えられる道路を直すのは宛ら新しい血管で繋ぎ合わせる行為に等しい。
その為、知り合いから臨時の交通整理員を頼まれ、給与も弾むと言われたので二言で了承したが、中々にキツイ。
「はよ飯食って、20分後には再開だ」
「ハイ、分かりました」
休憩はこまめに若干長めに取る。
30分交代のローテーションを巡りながら午前9時から午後4時まで交通整理を行う。
軽くおにぎりとカリカリ梅を食べては気力を回復させ、もう一度あの暑さの中へと向かう。
UVカットは勿論、暑さに向けて日焼け止めも忘れないでおこう。
そんなこんなで、ヒグラシの鳴き声が響く時間になった頃、汗だくで帰宅する職人や警備員の中を通り、事務所へと向かう。
あくまでも臨時の日雇いなので今日のバイト代を貰う為だ。
「ほい。今日は助かったよ。色つけといた」
「諭吉2枚は多いですよ?」
「良いの良いの。無理言ったもんだし…まぁもし良ければまた似たようなの頼むわ」
「あっはは…また今度で」
「じゃあな〜!」
水分が抜けきった感じが身体にある以上あまり無茶はしたくない。
溜め息をこぼしては寄り道せずに帰路につく事にした。
「ん?」
夕暮れが差し込み、逢魔が刻と呼ぶ時刻になる頃。
ふと止まってから流し目に後方を覗く。
(……さっきも居たな)
知らないふりをして別の方へ向く中年男性が1人、電柱の側に居る。
軽く三度現場から駅へ乗り継ぎを2回行い、トイレで1回入ってから鏡で自分の顔を見るふりして確認後、幾つか道を曲がり、人通りが多い中と少ない中で観察を続け、間違いなく尾行している事が分かった。
そして尾行の仕方が下手くそな辺り、興信所の類でなく、素人の可能性もある。
一体誰だろうかと思いながらとりあえず電話を掛けて確かめてみる。
「もしもし?
『おっ、どうした?』
掛けた相手は兄弟子の1人でIT企業に勤めている。
今はナリを潜めているけれどちょい昔は電話詐欺等を行う半グレ所に
そんな兄弟子に頼むのは一つ。
「Free Wi-Fiから人を特定って出来る?」
『難しい事言うなぁお前は…』
「お願いします。妙なのが追ってきてるからさ…」
『……分かった。じゃあ近くのファミレスに入ってくれ。大概Wi-Fiスポットあるから』
「了解」
尾行者が何者か分からない以上探るしか無い。
兄さんの協力を得たのでとりあえず国道沿いに戻り、よく使うファミレスへと向かう。
「いらっしゃいませ〜、何名様ですか?」
「1人です。禁煙でお願いします」
「かしこまいりました。それではどうぞ」
女性店員に案内され、夕飯時の混雑する中へ案内される。
幸い席は端の一人用の物もあるので其処へ案内され、周りを見渡すことも出来る。
とりあえず、座ってからメニューのタブレットを開き、適当にドリンクバーと時間のかかる料理を頼んでからトイレに行くふりをして席から立つ。
数分程経ち、ドアのベルが鳴る。
自分を尾行していた男が入店してきた。
怪しい素振りを見せていたから時間差で中に入って来たみたいだが、確認されるとは思ってなかっただろう。
直ぐに自分の席の4つ左側の席へと座り、タブレットを弄り始め、注文を行ってから自身のスマートフォンを手に取る。
恐らく、店のFree Wi-Fiを使うのだろう。
直ぐに兄さんへSMSで伝える。
【今、Free Wi-Fiを使ってると思う】
【席の場所は?】
【僕の席から4つ左。年齢は四十から後半の男】
【分かった。久々だから直ぐには難しいぞ?】
【其れまで待ってます】
今頃は会社を出て専用回線を使っている所だろうか。
電話回線とGPSから場所を割り出し、ファミレスで使っているWi-Fiスポットを通じ、スマートフォンの中へと侵入する。
電話契約時の身分証や各プライバシーな情報とネットの検索履歴も得られるので、今まで何をしていたのかも直ぐに判る。
ネットに強い半グレヤクザ相手に立ち回った元ホワイトハッカーである兄さんであれば尚更、相手の銀行口座まで知り尽くすだろう。
【見つけたぞ?名前は〔冨樫新一〕。2度結婚共に離婚、現在は無職でネカフェを転々としてるそうだ…恨まれる原因は?】
【さぁ…?離婚歴についてお願いします】
【うーん。一度目は死別で…二度目は届出てないから事実婚みたいなものか……名前は…】
怨恨の類を受けたにしては接点が無い人物過ぎる。
そう思った矢先。
【………〔桐生文香〕。おっと、ストーカー被害で警察に注意勧告出てるとさ?】
………つまり、僕は女房を寝取った間男ということである。
【大丈夫か?】
【…えっ、ええ。大丈夫です】
何が原因にしろ、此れは由々しき事態になりかねない。
ではどうするべきか少し考えては。
【………もう少し協力してくれますか?】
【…弟に頼られるのも兄弟子の甲斐性ってもんだな】
【ありがとう御座います】
何れやって来る可能性がある以上、降りかかる火の粉は払うことが一番だ。
厄介な出来事に対処する為にも、少し兄さんとやり取りを続けることにした。
其れから数日。
「あれ?今日って勉強の日だっけ?」
「あっ、いや。最近物騒だって聞いてね?」
「ふーーん?」
若干訝しげに見られては半ば納得してない風にキッチンへと向かう睦月ちゃんを眺めてから殻をペンチで割り、中のくるみを取る。
このくるみは3人居る兄弟子の1人が貰った物で、中身がしっかり詰まっている。
其れをくるみ割り器でペキペキ割っては中身を取り、オーブンで空焼きにしておくと日持ちする。
後はケーキやクッキーの中に入れたり、すり潰してクルミ和えにするも良し。
甘さと微かな苦味が田舎の味を思わせる。
「…さて。茹でた生アーモンドもスライスするか」
ある程度割ったら次は茹でて皮を剥いたアーモンドを包丁でスライスする。
スライスしたもの買えば良いのでは?と思うだろうけど、厚さが薄っぺらく、食感が物足りないので一定では無いけど此方の方が良い。
と、文香と睦月ちゃんの家で内職をする理由は一つ。
確実に冨樫が此処にやって来ると踏んでいる為だ。
ただ、本気でよりを戻し、家族3人で暮らしていくなら甘んじて受け入れるけれど、その可能性は低いと見る。
何故か?
そもそも冨樫の跡というものが全く存在せず、事実婚とはいえストーカー行為を行って勧告出てる人間を夫として迎える事は難しく思う。
一応それとなく聞きたいが、文香がこれからも此処で営む為にも多少荒っぽい行動に出るしか無い。
「……あの、今日のファッション。似合ってないけど?」
「えぇ…そう?」
「哀○翔なら兎も角、変な刺繍入れたスーツは優男の先生にはミスマッチ感ある」
うぅ〜ん。
少し色々と考えて見たけど悲しきかな、似合わないらしい。
兎も角、この恰好については色々と必要なので奥歯を噛み締めながら受け入れていこう。
そう思っていると、マナーモードにしておいたスマートフォンから一つメールが入る。
「ん、来たか」
中身を開き見る。
【冨樫が近くに来た。作戦を実行するか?】
【お願いします】
【ああ。とびっきり震え上がらせてやるさ】
この間尾行していた際、中身を丸ごと写し、位置情報の追跡アプリも入れておいた。
何時も繋がっている状態を見るに、恐らく本人は気付いていない。
後は行動範囲と利用履歴等が分かれば自ずと次は何をするかを直ぐに理解出来る。
そして、ようやくこの件を終わらせる。
追跡アプリから冨樫の位置が店の前までは来ていることを確認。そろそろ文香と接触する可能性があると見て、予め打っておいたグループチャットでの送信を行う。
「久しぶりだな。文香」
「……今更何なんですか?」
「もう良いだろ?俺も変わったんだよ…ようやくまともな定職見つけて暮らしてるんだ…睦月に会わせてくれ」
「貴方の娘じゃありませんので、会わせる義務は無いです!」
店の前から声がする。
相手が逆上する前に、用意しておいたリストバンドを忍ばせながら出ていく。
「どうもいらっしゃいませ。何かお探しですか?」
「あっ、先生…」
「……テメェか?俺の女房寝取った間男は?」
何が寝取っただ。
碌な甲斐性も無い癖にと思っていても口を噤む。
とりあえず相手が手を出してくる事を想定しつつ、先ずは一つ。
「……ええ。
一瞬の内に冨樫の顔が怒りに膨れ上がる。
相当煽り耐性ついていないからだと思いつつ、振り上げられた拳を左頬に受け、出来る限り威力を殺すように倒れた。
「先生!!?」
「テメェブチ殺してやる!!?」
店内で暴れるのは厄介なので歩道側に倒れ、そのまま馬乗りにされるよう両腕で顔を隠し、体勢を整える。
「この野郎!早く!どっか行っちまえ!!」
案の定馬乗りで殴りかかってくる。
これくらいは師匠から対策を聞いており、出来る限り疲れ果てさせるようにガッチリガードを決めておくのが良いと言われている。
少し痛いが其れ程でもないが、文香が心配して止めさせようとするかも知れないのでそろそろ来て欲しい所だけど。
「や、止めて下さいっ!?」
「止めるな!コイツにはお灸が必要なんだよ!!」
タイミング的には来ても良いんだけど?
「…何ウチの"若"手ぇ出してんだワレェ…」
「はっ?何だお前……へっ?」
ドスの効いた声と共に冨樫が振り向いたのだろう。
その正体に、思わず唖然とした顔をしていた。
「ウチの若に…何晒しとんじゃボケェ!!」
そう声を上げたのは、上半身蛇柄のジャケット一枚を羽織り、両脇に見えるカタギには無い入墨を入れた強面の男が1人。
その他に、周りに同じ雰囲気の男4人が冨樫を囲み、睨みを効かせた。
「………へっ?わ、若?」
「そやで?その人はワテ達の上の人の息子さんやで?あんま紋々付けるの嫌いやし、お妾さんの子やからカタギ生まれなんやで?」
「……………」
話しかけたのが恐らくこの中のリーダーと判断したのだろう。
先程まで怒りに満ちた顔は一変、蛇に睨まれた蛙と表現する感じに青白く血の気を引いていた。
「そんでもな?若が甘んじて殴られてて『ハイ止めて、お互い握手』って仲直り出来る?馬鹿のせいで塗りたくられた泥をそのまま出来るかい?」
「……………」
突きつけられた事実を述べられ、さぁどうしようと思っているだろう。
そのまま固まって動かなくなるので男は一発。
「はよ!そのきたねぇケツ退かせぇや!!」
「はっ、ハイィィィ!!?」
声を張り上げて転がるように退く。
立ち上がっては付いた砂埃を叩いて綺麗にする。
「若」
「ん?」
取り巻きの1人からウェットティッシュを貰い、手と顔を拭く。
若干沁みるけれど、まあ仕方がないと思いつつ相手の方を見る。
「……さっきの言葉を返します」
正直大根役者な自分だが、それなりに丁寧にドスを効かせ、口を開く。
「……
とりあえず決まったと思おう。
「いててぇ…」
「トーシローの割に随分喧嘩っ早いやっちゃな…あんちゃんが本気になったら全部の骨バッキバキに出来るじゃろ?」
「嫌ですよ…痛い思いするのもさせるのも…」
もう現れることも無いだろうと言わんばかりにへっぴり腰で逃げていった冨樫を眺めてから店の奥で治療を受けていた。
「あっ、どうも。ワシら劇団浪速屋という所の団員務めてます。コッチが座長の親父さんです」
「ど…どうも…」
「うわぁ…本物のヤクザみたい」
「アッハハハ〜よく言われるですわぁ〜」
取り巻きであった強面の男達も大阪で新喜劇やヒーローショーの中の人、大衆演劇等、手広く行っている。
ちなみに、元ヤクザで刑務所あがりの仲間等を更生させる手伝いもあるので飲食店や商店等も経営している。
「座長。ありがとう御座います」
「いやいや、恩義ある師匠に頼まれれば北の果てでも南の小島でもひとっ飛びするもんやで?特に好きあってる男と女の間を割く真似する不届きモンを震え上がらせるのは楽しいもんや!」
「そう…ですかぁ…」
本人の喜びようにただ笑うしか無い。
相当懐かしい事をしたと思って沁み沁み感じていると思われた。
「ほな。仲睦まじい茶の間の時間を邪魔するのも宜しくないのでさいならなぁ〜♪」
礼を言うやいなや座長は団員達引き連れてそさくさと帰っていった。
残された自分と桐生母娘はポツンと無言の時間が少し過ぎた後に。
「……ご飯にしましょう。お話は其れからで?」
「アッ、ハイ」
「ちょっと聞きたいなぁ?色々と」
2人の視線が痛い。
食後、買ってきていたアイスを食べつつ今回の事を話す。
数日前に冨樫新一が自分を尾行していたこと。
気付いたその日から兄弟子に頼んでスマートフォンの情報を抜いておき、来る日を想定してたこと。
元ヤクザという経験豊富な仲間とこうした芝居を打って桐生母娘に二度と近付かせない措置を取ったこと。
要約すれば此等を話し、伝えると文香が肩を震わせ、顔を俯かせていた。
「………ごめんなさい。とんだご迷惑を…」
「迷惑ならこんな芝居まで打ちませんよ?」
────貴方が好きだからこうしたんです。
ちょっと始まり方がアダルテックではあったけれど、嫌いなわけ無いじゃないか。
此処でどうするべきか考えた後に彼女の肩を寄せ、胸元に抱き締める。
「……頼りないかも知れないですが…背もたれ代わりにして下さい。何時でも大丈夫なので…」
「…………ハイ」
文香が脇から身体へ両腕を回して抱き締める。
安堵の様子を見せ、一息つくと。
「………」
睦月ちゃんもまたこちらを見る。
若干不安そうな顔をしていたので、手を差し伸べた。
「…………」
その意味を理解し、二周り違う大きさの身体に抱きつく。
こんな自分ながらもこうして2人の母娘を助けられた事は良かったと思う。
過去は追ってくるだろうけど、未来がある以上其れを消すことだって出来る。
だからこそ、俺は2人を抱き締めながらいつかの未来に夢見てこれから生きていく事を思うのだった。
続く?
???
母さんと先生が裸になって子供を作る事をしている所は何度も見たことがある。
子作り自体は授業で見聞きしたけれど、あくまでも保健の先生が使う人形教材であり、ホンモノを見るのは初めてだった。
男の人が持つオチンチンは、脈を打って震え、血を貯めて硬直させる為か赤黒く勃起している。
アレが母さんのヴァギナに入り、精子を出すのだと思ったけれど。
どうやらお腹の中で動かして射精を促す事が必要らしく、何度も何度も腰を振って身体中汗をかいて、動く。
清楚で凛々しい母さんが髪を乱れさせ、淫蕩へと堕ちる顔つきで先生の身体にしがみついていたのを見た。
あんなに大きな肉の棒をお腹の中に入ってて痛くないのか不安になるけど、あの顔が演技だとは思えず、いつの間にか湿り気を帯びたショーツを触れると、ジュクジュクと水分を吸っていた。
あの光景を見ると母さんは幸せになって欲しいとは思う。
けれど先生と一緒に暮らしている光景を想像すると妙な感情が芽生えてくる。
男と女の関係を自分の中にも存在している可能性。
まだ幼い自分では全く魅力が無いだろうと思うと、胸が締め付けられ、涙が出そうになる。
其れでも、先生が母さんと結婚すれば若父さんと言えるようになれる。
それで満足しようとした矢先。
『神は言っている。男なんてロリコンだからお母さんと一緒に夜這いかけちゃえばいい』
誰かが囁いた。
そして、手元に絶対に着ないであろう超薄な黒いベビードールがあった。
そしてその誰かがサムズアップを決めてスゥ…と消えていく辺り神様が居たのかも知れない。
主に焦れったいと思ってけしかけてきた神様が。
であればどうするか?
世が世なら、この衣装も戦装束となる。
エッチな事を行い、子を遺すのも仕事である乱世の考え方の元、パジャマを脱ぎ、ベビードールを羽織って母の寝室へと向かう。
恐らく3回戦に突入しているであろう。
ならば私が出来ることは。
「……先生!好きです!!エッチして!!!」
「エイドリアンーーー!!!」
ド直球過ぎた。