※この作品はR-18です。

現代における艶事情   作:グリーヴ

9 / 12
柊木詩乃②

 

 

叔父との関係は十数年以上遡ります。

 

両親は仲が良かった事とお金には困っていなかった事は覚えていますが、正直他の事について言うと、殆ど記憶が朧気になっているのが現状です。

 

実は父母共に浮気相手がおり、知ってか知らずか沈黙をしていたことが分かったので、実際は冷え切った関係というのでしょうか?

 

どちらにせよ、事故で亡くなり、遺産についても初めて見た親戚達によって知らずの内に消えて無くなり、私も幾つかの家に転々とする毎日を送っていました。

 

ある家では姉妹の玩具にされ、またある家では養父が私に対してわいせつな行為を行い、其れが養母にバレては追い出されました。

 

もう、最後の家ともなると、半グレと呼ばれる反社会系組織を持つ養父がロリータコンプレックス持ちの金持ちと寝ろと言われた。

 

逃げ出したかった。

 

其れでも、逃げた所で連れ戻されかねない。

 

私は自分を殺し、その金持ちと寝ようとした時。

 

 

 

「君が柊木詩乃ちゃん?どうもこんにちわ。君の父さんの同僚だった人だ」

 

両手に誰の血か分からないほどべっとり付き、所々折れて曲がるタバコを吹かしながら、ニッコリと笑った人が居た。

 

「此(・)処(・)の(・)養(・)父(・)に(・)は(・)話(・)通(・)し(・)た(・)か(・)ら(・)、(・)ウ(・)チ(・)に(・)来(・)な(・)よ(・)?(・)」

 

近くに倒れている養父の手下らしき人達の姿を見る。

うん、ニュース用語の重体扱いが妥当かも知れない。

 

これで断ったら埋められるかもと思い、思いっきり頭を縦に振った記憶がある。

 

但し、当の本人は「えっ、本気で?」と予想だにしていない様子だったので、一発金的に殴りました。

 

其れが叔父との出会いです。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

漫画を連載というのはその作品を週刊誌なり月刊誌なり隔週雑誌なり行い続けるのは並み大抵の事ではない。

 

近年では液晶タブレットやパーソナルコンピュータで描く事も多くなった中で、3本連載持ちでもGペンを使った速筆の使い手がいる。

 

其れが画担当の〔サミ〕さんだ。

 

普段は顔半分以上伸び散らかした髭とアーティストの宿命と言わんばかりに分厚い眼鏡を掛けている原始人めいた男。

だが一度、Gペンを手に取り、インクを浸し、原稿へ取り組めばキャラクターに魂を吹き込ませ、命の風を呼ぶ。

 

今日は連載している一本の最終回の原稿に取り掛かっており、遂に敵となった存在を倒し、仲間達と共に凱旋するシーンを描いていた。

 

「………ねぇ〔ロク〕ちゃん」

 

ペン先と原稿が擦れる音を鳴らしながら、俺の名前から取ったニックネームで呼び掛けられる。

 

「どうした?」

「腹…減った。後数ページだから…」

「分かった。出前取るか?」

「………たこ焼き…食いてぇ…」

「たこ焼きかぁ…」

 

天才というのは中々に難しい人物である。

 

かの手塚治虫御大も、真冬にスイカが食べたいと言ったらしく、アシスタント達は走り回って探し、キャバクラで提供されていたフルーツ盛りのを貰ったというエピソードを聞く。

 

大詰めの中で少なくとも真冬のスイカよりは難易度が低い食べ物だ。

とりあえず近くの24時間営業のスーパーから買って揚げれば良いと思うけれど。

 

「………匂いがヤバそうだな」

 

問題なのは、この仕事部屋には自分とサミさんの他にも背景やら何やらを描いては修正するアシスタントが4人居る。

 

天才が腹を減らしているならば此処の全員空腹なのは明白。

 

揚げたてのたこ焼きにソースとマヨネーズ、鰹節と青のりを乗せてしまえばその匂いで充満しかねない。

 

つまり、緊張状態がプッツリと切れる可能性を秘めていた。

 

「……ロクちゃんお願いします。どうか私めにたこ焼きを所望しますぅ…」

「いや、だってな?」

「皆も食べたいよな?たこ焼き」

 

サミさんの言葉に反応したのか、今まで行われた動作音がピタリと止み、アシスタントの4人はただ静かに小さく頷く。

 

たこ焼きというワードが全員の脳内に響いたのだろう。

このままでは原稿上にたこ焼きのサブミナルエフェクトを描き込みかねない。

 

「分かった。買ってきてやるし作ってやるからそれまで執筆作業をしてろ?いいな?」

 

サミさんだけに伝えたつもりだが、サミさん含めて全員が頷いた。

そしてペン先を走らせ、修正を行なわれる。

 

「………さてと。オタフクソースで良いか?」

 

無言の頷き。

 

マヨネーズは無かったと思うので、からしマヨネーズと共に買ってこよう。

 

これも漫画家の仕事か?とは思うけれど、唯一仕事を終わらせてる身である以上、皆の想いに答えるのも仕事としよう。

 

所で揚げたこ焼きというネーミングも不可思議な物と思う。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「…で?今日は皆さんでタコパしていたと?」

「冷凍のたこ焼きが無くて、確かたこ焼き器あったなぁ…と思った次第でそれならシーフードミックス使ってやるかと思いましてね?」

「午前3時に行う事を考えなければですが?」

「………ヘイ」

 

力無く項垂れては申し訳なく思う。

 

自室で正座をしては目の前に立つ美少女こと〔柊木詩乃〕さんが貼り付けた様な笑顔に眉間をシャープ状の皺を作っている。

 

つまり、怒り心頭に発する状態だ。

 

「せっかく朝食に中華粥作ったのに酷い」

「申し訳なく思いますよ?本当に、ただ今日は午前講義あったんでは?と思いましたが?」

「アッパラパーな人が学内でナイフ片手に振り回したので潰れました。ちなみにアッパラパーな人は〔桐生〕君が大雪山おろししましたのでご心配なく」

 

ゲッ○ーロボの必殺技使うって何なんだろうなあの子は。

 

まぁ怪我のたぐいは無くて良かったが。

 

「まだ怒っているんですけど?」

 

と、ジト目で睨まれてしまうので反省のポーズをしておく。

 

ちなみに、詩乃ちゃんは気付いていないが、このポーズをするとちょうど彼女の立ち位置とリンクしてあの娘のスカートの中みたいな状況となる。

 

そう、今日の柄は黒と白のコントラストが映えるストライプ柄である。

 

「………フンッ!!」

 

尚、直ぐバレて顔面に足型が付くのだった。

 

 

 

 

〜〜〜◆◇週末◇◆〜〜〜

 

 

さて、今日は愛らしさたっぷり詰まった美少女を慰労させてあげたいと思う。

 

主に、温泉とマッサージと美味しい食事だ。

理由として、詩乃ちゃんは学業が忙しい最中で食事を作り、部屋の清掃も丁寧にしてくれて、とても良くできた姪だと思う。

 

だからこそ、才色兼備な彼女を労るべく、街から離れたちょい山奥の宿を予約した。

 

「…ちょっとボロめですね」

「あれぇぇ?」

 

何処となくボロい。

 

古いとか古風とは異なる、整備が行き届いていない風の3階建て横広な宿が目の前に広がっている。

 

割れ目の入った窓は所々養生テープで補修目的に目張りされ、木の雨戸がそのまま立てつけられている。

他にも植え込みのツツジや松の木はボウボウと生え散らかしており、どうにも植木屋等の剪定もしていないと見る。

 

おかしい。

 

編集部には元旅行代理店営業や旅館ガイドの専門誌作っていた人達に聞いたのだが…。

 

「すみません〜。柊木で予約した者ですが〜!」

 

周りを見渡して失敗したと思っている中、詩乃ちゃんはそさくさと玄関へ向かい、従業員を探し始める。

若干暗い照明の裸電球が吊られている玄関にはこれまた煤けて擦り切れた靴箱があるし、申し訳程度の自動式アルコールポンプがある。

 

「うわっ…」

 

流石に蛾とかコガネムシのカサカサご遺体が周りに散らばっているのは難しいと思う。

 

恐る恐る靴を脱いで上がり、靴箱に入れる。

わぁぁ…、カナヘビ君飛び出てきたし蜘蛛の巣だらけだ。

 

「叔父様。今御婆様が奥から来ますのでちょっと待っていましょ?」

「お、おう」

 

良かった、人は居るみたいだ。

閉業してたら俺は何処に電話してたのか不安になってたよ本当に。

 

詩乃ちゃんの言う通り、とりあえず待ってみよう。

 

…………

………

……

…。

 

【アホー…アホー…アホー…】

 

 

「どどど…どう…も、いらら…しゃい…ませ…」

 

長い。

 

くの字どころか7の字レベルに腰の曲がった老婆が摺り足でやってきた。

服装の着物を見る辺り、間違いなくこの旅館の女将らしく頭を下げ、来訪に喜んでいるらしい。

 

「予約した柊木です」

「あ〜あ…。お…おま…まちぃ…いただき、まし…たねぇ〜。どど…どうぞぞ…こちらにぃ〜」

 

と若干鶯張りの廊下を歩き、案内される。

 

遅い。

 

歩く度に追い抜いてしまうのも度々起こり、部屋へ着くのにカップ麺基本時間位かかってしまった。

 

「おへへ…やです…。ろろ、露天…風呂は10分程でたた、貯ま…ります、のので…どう、ぞごゆっ…くり〜…」

 

ようやく辿り着いた部屋へ入ると、中は十二畳程の間取りで縁側には部屋付き露天風呂も用意されている。

 

「おぉ…中は綺麗ですね」

「予約したから其れなりには清掃してあるんだと思うけど」

「良いじゃないですか。スマホも圏外でテレビも無い情報社会から隔絶された山奥って中々無いと思いますよ?」

「そう言ってくれるなら嬉しいな…本当に」

 

本当に気遣ってくれるこんなに可愛くて良い娘が側に居ていいのだろうか?

だからこそ、現状に甘えず、彼女を労る為に幾つか癒やしの方法を行っていく。

 

「さて、荷物はそこに置いておいてと…」

「おお〜。露天風呂ですよ?露天!」

「その前にお茶とお菓子食べてゆっくりしない?駅から歩いてだいぶ脚に来てる」

「叔父様運動不足ですからそれ」

 

図星を突かれてしまった。

確かに座り仕事の多いこの仕事場ではまぁ仕方が無いとは言えない。

若かりし頃のシックスパックも悲しきかな抓めてしまう贅肉と化しているので、そろそろ師匠の所へ激烈ブートキャンプ死に行こう。

 

決して予測変換に失敗したわけでなく、この弛んだ身体を絞ると確実にその言葉しか無いのである。

 

「エッチする時に息上がってたら私イけなくなっちゃいますからね?」

「そうにならないようにしますわよ?」

「ふふっ…♪楽しみにしてます」

 

このメスガキムーブしやがって。

何なら今からでもムードブチ壊してヤッてやりますが?

 

だが、今回は慰安が目的。

 

ドチャドチャドロドロセックスし始めたらそれこそ意味がない。

今日の所は一先ず休もう。

 

「おっ、このお菓子美味しい」

 

いつの間にかテーブルの上にあるお菓子をぱくついている。

早いなぁ…。

 

「駅前に売ってたから帰りに買おうか?」

「アシの人達に持っていくのも有りですね」

 

とは言うものの、場の雰囲気というものはとてつもなく強く、同じ物な筈なのに家で食べると「あっ…うん…」と微妙な感じになる。

この最中と瓦せんべいも同様かも知れないが其処は言わないでおこう。

 

ある程度水分補給も済んでから詩乃ちゃんがおもむろに服を脱ぎ始める。

 

「叔父様も一緒に入りましょ?どうせ夕食まで持て余してしまいますし?」

「ハハッ。良いの?舐るように見入っちゃうけど?」

「叔父様だけですよ?私の全(・)て(・)曝(・)け(・)出(・)す(・)の(・)は(・)?(・)」

「そう言うなって…めっちゃエッチじゃん」

 

娘とはこんな事言うものだろうか?

血の繋がりは無いとは言え、そういう物かと思う。

 

まぁ、彼女のリクエストであるならこちらも応えよう。

 

 

 

「だが、今日の所は本当に休みで行こう!」

「まさかのキンクリ湯浴みで終わりました本当に」

 

本当に動けないから仕方がないので何もなかった。

 

ちなみに夕食は調理場と直結する食堂を利用する。

 

「お待たせしました。ご用意出来ていますのでどうぞ此方に」

 

随分と若い仲居さんが居た。

キツめに抑えられた着物姿に隠し切れない実の張りと腰から下のS字ラインの強さは思わず息を呑むと、耳を引っ張られた。

 

「何スケベな目で見てるんですか〜〜!!(怒)」

「痛い痛い痛い痛い!!?」

「あらあら〜まぁまぁ〜」

 

仕事柄慣れているせいなのか笑って受け流してくれたのは嬉しい。

 

そんな美女な仲居さんにテーブル席へと案内される。

 

既に火の灯った1人紙鍋やジュウジュウ音を立てる溶岩石とそれを乗せて食べる用の3切れの霜降り肉。

その他にも様々彩る小鉢があり、一つ一つ丹念に作られた物だと分かった。

 

「お飲み物は如何ですか?」

「あ〜それじゃあビールを一つ」

「私は地酒を!この地域の水と米で造った物と聞きました」

「はい。冷酒とビールを直ぐにお持ちします」

 

笑顔で応え、サッと厨房の方へと向かって行く。

 

其れから直ぐに瓶のラガーさんとサファイヤブルーの硝子で出来た徳利が運ばれ、仲居さんに注いで貰った。

 

「では、お疲れ様」

「お疲れ様です」

 

コップと猪口で軽く小突き、乾杯した後に口元に持っていき、傾ける。

泡立ったビールが口の中で苦味を感じさせつつ、喉に流れていく感覚が心地よさを生み出した。

 

「……美味い」

「はぁ…美味しい」

 

詩乃ちゃんも傾けた酒の味に頬を緩ませ、恍惚の表情で語る。

 

後で自分も貰おう。

 

「では、またお呼び下さい」

 

仲居さんが一回深々とお辞儀をしてから場を去る。

さて…一杯飲んだら、最初は小鉢から頂こう。

 

一つは道中にあった家の庭に植わっている柿の木を思い出す鹿のボイルと酢味噌の柿ぬた。

鹿と一緒に茹でられたネギの風味がとても良く合って、美味い。

 

他は大きく育ったなめこを茹でて切ってから大根おろしと和えたもの。

これもシャキシャキとした歯応えが良い。

 

おっと、残りのビールを注いで飲まねば。

 

「この鶏レバー美味しいですね。ブロイラーっぽく無いですよ?」

「近くに養鶏場あったから其処から仕入れてるのかな?」

「成る程…」

 

うん。

中華風に味付けされた砂肝ときゅうりの漬物も中々イケる。

 

さあさあ、小鉢も粗方食べたので紙鍋へ移り、煮られた食材を見てみる。

 

「……ワニ鍋?」

「此処ら辺は鮫をワニと言うそうだ。アンモニアのお陰で腐らずに運べた貴重な魚だとさ」

「成る程…」

 

ジョーズをイメージするだろうが実は大分小振りなヤツだ。

前にもワニ料理の店で食べた事があるけれど、中々美味だった。

特にコリコリとしたサメの縁側とかが美味い。

 

この鍋の場合は、ぬたにも入っていたネギと水菜、小松菜等がだし汁で煮られ、ポン酢で食べるみたいだ。

丁度いい具合に火が通り、一切れ取り分けの小鉢に入れてポン酢で頂く。

 

「……美味い」

 

プルプルとゼラチン質な身が程よく溶けて口の中に白身の味わいが広がる。

アンモニア臭もキチンと処理すれば気にならなくなり、ちょっと独特な程度で収まっている。

 

これには煮ているネギと水菜、小松菜もサメと交互に食べればまた美味い。

 

あっという間に食べてしまい、だし汁のみとなった。

 

「次はお肉焼きましょうよ〜♪」

「だな」

 

其れではメインディッシュのお肉を見る。

 

紙で囲われた中に溶岩石のプレートが熱々の状態に焼かれており、そのまま肉を焼ける状態だ。

 

先ずは一切れ上へと乗せる。

 

焼いた際に、パチパチ脂が溶けて周りに跳ねて回るだろうが、其れを囲った紙が受けてくれるのでテーブル等を汚さない工夫だ。

 

熱いけれど遠赤外線効果によってゆっくり火が通り、肉の間に入ったサシを落とし、余分な脂が落ちる。

此処から反対側へ肉を返す。

赤と白が交互に入った肉の色は淡い焼き色を作り、自らの脂で光り輝いていた。

 

…………どうしても、此処は無言となってしまう。

 

肉を焼くという行為には無言にする力があるのかも知れない。

 

(他にも、蟹の身を取り出したり、ピーナッツの殻を剝いたりする時も無言になりやすい)

 

「……焼けましたかね?」

 

ここに来て初めて声を出す。

どうやら焼き具合を知りたいようだが。

 

「…ミディアムレアなら此処で良いと思う」

「ではっ…!!」

 

詩乃ちゃんが肉を取る。

箸の先に掴まれた肉が柚子塩の盛られた小皿に端を付け、口に入る。

 

「……んまぃ…!!」

 

語彙力が吹っ飛んだ声が響く。

好みの焼き加減だったからかこれでもかと言わんばかりの満面の笑みで綻ばせては新しい肉を焼き始める。

 

丁度俺の肉も焼けたので食べてみると、あの顔の理由もよく分かった。

めちゃくちゃ美味い。

 

あっという間に焼いて食べてしまい、良く味わうことも忘れてしまった。

 

「はい。シメの雑炊です」

 

出てきたのはご飯代わりに土鍋で煮炊きされた雑炊がやって来た。

ふつふつ沸騰した雑炊にはちりめん状になった掻き玉子と浅葱が入っている。

 

これもまた美味そうだな。

 

「どんどん食べて下さい。張り切って作ってしまいましたから」

「では、頂きます〜!」

 

詩乃ちゃんいつの間にか大きいお椀持ってよそってるし食べてるし早いって。

 

「う〜ん…これすっぽんですよね?」

「あら?分かりましたか?数は少ないですけど近くの川で穫れるので運のいいお客様にだけお出ししてるんですよ?」

「わぁ〜。ありがとう御座います!」

 

マジか。

 

道理で薄口醤油系の出汁の色してるわけか。

では一つよそって食べてみる。

 

うん、じっくり煮出されたすっぽんのエキスが良く出てる。

浅葱が良いアクセントだし、玉子のお陰でまろやかさもある。

 

とても美味い。

 

為に、身体を絞るという目標は進めることは難しいのだった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「………ですからね?そこらの男はぁ〜軟弱ですよ?やれ年収だとかぁ〜ルックスですけどぉ〜…やっぱ〜男は甲斐性ですって〜……」

「だよねぇ〜〜!!男複数人と付き合ってたけど…巡り合わなかったわ……」

 

はい、私〔ロクロウ〕です。

 

本当に俺達2人だけしか宿泊しておらず、仕事終わりの仲居さんと一緒に晩酌となったわけだが。

 

「詩乃ちゃんいいですねぇ〜。私から見れば叔父様良い運命力持ってますよ〜〜♪」

「へぇ〜そーですかぁーー!!」

「いいなぁ〜〜!!私もこの人みたいな男欲しかったなぁ〜〜!!」

「えぇ〜、それならちょっとくらいは……うーーん…zzz」

 

詩乃ちゃんあまり強くないから飲み過ぎには注意してたんだがぁ…。

 

「あらあら〜寝ちゃいましたか?」

「ええ。この娘、其処まで強くないですから…」

「そっかー」

 

貴方も大概ですってほんともう。

 

「じゃあ俺も部屋に行きますので今日はお休みします」

「えぇ〜、まだ叔父様も飲んでいきましょうよ〜〜!!」

「まだ二〜三日泊まるので明日にしましょう?」

「うーーん…仕方がありませんね!じゃぁ!また明日!!」

 

元気だな…。

もう流石に眠いから詩乃ちゃんを背負って部屋へ帰るとする。

 

「お休みなさい」

「お休みなさいませぇ〜♪」

 

手を大きく振り、仲居さんから見送られて俺は部屋へと戻っていく。

 

「ムニャムニャ…叔父様……チン長…25…フフッ♡」

 

どんな夢見てるんだよ本当に。

 

其れをおくびに出さず、部屋へ入り、敷かれた布団の中へ寝かせる。

 

流石に疲れ果てた。

 

備え付けの冷蔵庫の中を見るとペットボトルのミネラルウォーターが見える。

これを開けて一飲み。

 

うん?妙に美味かったせいか全部飲んでしまったな。

酒の後の水は甘露のごとくと師匠も言っていた気がするな。

 

とりあえず寝ぼけ眼ながらも歯磨きをして部屋の照明を薄暗くしながら布団に入った瞬間に落ちた。

 

 

 

……………

…………

………

……

…。

 

 

 

「………ンッ…」

 

目が覚めてしまった。

 

「なん…なんだよ…もう…」

 

まだ外は暗く、奇妙な目覚めに襲われながら頭の痛みを覚えつつ下腹部の違和感に気が付く。

 

「…ん?なんだ………うおっ!?」

 

目で追うと、トランクス+浴衣越しに高くそびえ立つネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲が其処にあった。

 

ガチガチに肉が固まり、血流が溜まってパンパンに膨らんだ肉棒は其れこそ光の剣の如く振れそうだ。

 

「わぁ…わぁぁ…」

 

流石にこんな声しか出せない。

 

原因はあのすっぽん雑炊なのか?其れ共久々の栄養たっぷり料理のせいなのか?

どちらにせよ、このヤツを何とかせねば寝れなさそうだ。

 

だが今ここで出したりしたら不味いのでとりあえず露天入って……マジか、空っぽだ。

 

確か、点検の為に空にすると聞いたような無いような…どちらにせよ難しい。

 

仕方がないので一度部屋から出よう。

なるたけ誰にも会わないようにひーこらあーこらしながら横向きに歩いて行く。

 

曰くはカニ歩きと言うやつだがまぁ兎も角部屋から出て落ち着ける所へ考えながら向かう。

 

 

 

「……ん?大浴場なんてあったんだ」

 

疲れていて旅館内を巡る事をしていなかったが、普通考えれば温泉あるのに部屋の露天しかないわけ無いか。

 

しかもどうやら24時間入ることが出来るらしい。

 

良し、温泉に入って全身の巡りを良くすれば治まるだろう。

 

と、浅はかな気持ちで中へ入る。

 

カポーンという音は何処から鳴るのか知らないけれど、とりあえず広々とした白湯は様々な効能があるらしい。

疲れを癒やすにはもってこいとも言われたのでさぁ入るか。

 

の前に一度身体を洗おう。

 

「……はぁ…」

 

肩まで湯に浸かると、強張った節々が蕩けて柔らかくなっていく感じがする。

身体の芯まで効能が広がってる。

 

思わずため息を吐いて身を委ねてしまう。

 

「……ぁぁぁぁ…」

 

眼球内の血行が良くなる。

最近疲れ目になるような事しかしてないからまぁしょうがないけれど、このまま浸かり続けたい。

 

「………ほぐれる……」

「でしょ?自律神経系にも効きますから、ココ♡」

「へぇ……。えっ?」

 

思わず関心したけれど、待って欲しい。

 

「夜分遅くに1人で入っていると折角の"混浴"が勿体無いですよ?」

 

其処にいたのは着物越しで抑えられていたたわわな果実とムッチリとした太ももと揉み心地満載なお尻を持つ仲居さんが居た。

 

一糸まとわぬ姿で。

 

「はっ…!?はえっ!?」

「そんなに驚くとちょっと悲しいですよ…キュ〜ン…」

 

一瞬何かオレンジ色のもこもこが見えた気がする。

まだ疲れ目かな?

 

「うーん。やっぱカッコイイですね、叔父様さん♪」

「カッコイイって…こんなナリでも?」

 

つまめるお腹は段腹してないだけで其れなりにデカい。

座れば臨月間近な悲しき贅肉を抱えている自分が本当に情けないとは思う。

 

「いえいえ。私は見かけではなく魂(ナカミ)で判断するのでご心配なく」

 

よく分からん。

内面を重視する傾向なら嬉しい限りだけれど。

 

「申し訳無いですが、俺には一応責任取らないと駄目な娘が居まして…」

「詩乃ちゃんさん?」

「ハイ、そうです」

 

あの娘はとても大切な娘だ。

アイツの娘であり、愛おしい思いもあるので添い遂げるつもりでもある。

 

だから何を思っていても彼女にはキチンと言わなければ。

 

「………では…互(・)い(・)に(・)後(・)腐(・)れ(・)ナ(・)シ(・)で(・)♡(・)」

「────えっ?」

「臨兵闘者皆陣烈在前…お狐秘術メロメロビーム〜〜♪」

 

九字を切ったかと思えば何やら桃色ハートマークな何かが迫り、俺の額に当たる。

 

「ぐえっ…!?」

 

ちょっと不可思議な衝撃と共に何か妙な感覚が頭に過ぎり。

 

「……はぁ…はぁ…はぁ…」

 

心拍数が上がる。

 

「あらあらぁ〜♡まぁまぁ〜♡♡」

 

目の前に居る女を喰いたい。

冷静に物事を考えられられず、臍の下が熱くなっていく。

 

「よしよし…♡夜明けまで約5時間…たっぷり有効に御使い致しましょ?……貴方様(ゴシュジンサマ)♡♡」

 

若干尾てい骨に当たる所から大きな尻尾と頭に耳が生えている様な気がするが、そんな事はどうだって良い。

 

目の前に居る女を喰らうべく狙い定め。

 

文字通り性的に彼女を襲った。

 

 

 

 

 

 

           とりあえずまた次回

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。