「――あたしはいいの」
遠くで声がした。
桜が舞い散る、どこかの公園で。
だけど不気味なくらい、人気がなくて。
「ねえ、楽しいでしょ?」
「???」
目の前でシーソーに乗るのは、ゆりであった。
とびきりの笑顔で。
完璧な笑顔で。
だけど、だからこそ。
見ていて、何故か悲しくなる。胸が締め付けられる。
――だって、どこか寂しいような、そんな笑顔だったから。
「ほら早く、地面を蹴りなさいよ! こうやって! 出来るでしょ?」
「え? あ、ああ」
ぎったんばったん、と地面を蹴り合いシーソーを漕ぐ。
なんだよこれ。
まあ、桜を背景にしたゆりはすごい可愛いし綺麗なんだけど。あと見覚えのある制服が懐かしいと思ったら――天上学園のものだった。なつかしい。そしてゆりはこんなに制服が似合っていたんだな。
「ほら、楽しいでしょ?」
「ん? まあな」
シーソー漕ぐお前が可愛いから、見ていて楽しい。(問いかけに対する見解の相違)
「あたしはね。みんなが楽しそうなら、もう他にはなにもいらないの。立派なお姉ちゃんになれたら、それで充分幸せなの」
「……ゆり」
ゆりを突き動かす全て――ああ、転生前も後もそうなのだろう。
長女気質で、立派な姉になろうとして。
強くあろうとする。
みんなを強引に、台風のように巻き込み、引っ張ろうとする。
いつだって、他者のために。誰かのために、行動しようとする。思いやる。そういう自分であろうとする。そしてそうすることが、ゆり自身の幸福につながる。
「あなたは、どう?」
まるで俺が俺であることに気づいていないように、ゆりは問う。
「楽しい? ねえ、楽しいでしょ?」
場所はいつのまにか、丸い遊具。グローブ・ジャングルに変わっていた。緑色の丸いジャングルで、反対側にゆりがいる。遊具を掴んで、クルクルと優しく回してくれる。
「ああ、ゆりといるといつだって楽しいさ。時に横暴で、可愛くて、ぎゃあぎゃあと騒がしくて――だからな、こうしてやるよ!」
「え? わああっ⁉」
俺は地面に降りて、グローブジャングルを勢いよく回す。すると不意を突かれたゆりは、バランスを崩す。俺は先回りして、ゆりを抱きしめるように受け止めた。
「ゆりも俺と同じように、楽しくなってくれたら嬉しい。だってそれが、俺にとっての幸せだからな」
「――春斗くん。春斗くんってば!」
「ああ?」
まどろみの中、目が覚める。
「もう。人が必死に運転している時に、爆睡してんじゃないわよ」
「ああ、悪い……って、運転って言っても、渋滞にハマって動けないだろ」
場所は高速道路。俺とゆりは新婚旅行に出かけていたのだが、事故のせいで立ち往生を喰らっていた。ゆりは不満げな声を上げる。
「話相手になりなさいよ。退屈じゃない」
「インパネがあるだろ」
「インパネ?」
「モニターのことだよ」
「この時間のテレビってどれもつまんないじゃない」
「まあ、そうかもしれないな」
「ほら、なにか面白いことでも話しなさいよ。あたしを楽しませなさい」
「んな無茶言うな。つーかお前、言っていること真逆じゃねえか」
「真逆? なんのことよ?」
ゆりが首を傾げる。
まあ、あれは夢だし関係ないか。
……いやいや、待て。あれは本当に、ただの夢だろうか。やけにゆりの核心を突く内容だったが。
「ゆり。聞いていいか」
「なによ」
「楽しいか?」
ゆりはがく、とハンドルに向けて顔を落とした。危うくクラクションがなりそうになる。
「お前はアホかあああああああああ!」
「え?」
「え? じゃないわよ! この状況でよくそんなこと聞けるわね⁉」
「なんで」
「楽しいわけないでしょうがあああああ! 渋滞にハマっているのよ! なんなら、新婚旅行が台無しになりそうなのよ! 今後の夫婦生活にも響く危機的状況なのよ! そんな時に「あははー、旅行楽しいわー」ってなるわけないだろうがあああああ!」
ぎゃあぎゃあ大声上げるなっての。ツッコミの声でけえな、相変わらず。
「ああ、なるほどな」
「たく。寝ぼけているんじゃないわよ。しっかりしなさい」
「じゃあおやすみ」
「寝るんじゃないわよ、仕返しに帰りに同じことをするわよ」
帰りは俺が運転することになっている。
「別に構わないぞ」
「あたしが良くないのよ」
「たく、お前変なところで寂しがりやだな」
「ショートコント、ハンバーガーショップ」
「あ?」
「あたしがハンバーガーショップにお客として入るから。面白おかしく答えて」
やめろ。俺が楽しくなくなる。
旅館の部屋から見えた夜景は、芸術的に思えるほど美しいものであった。海が幻想的に広がり、窓が一つの絵画となったようである。夜空を移す水面が穏やかな風に揺られ、静謐とした波打ちを生む。
そんな雄大な景色を、浴衣姿のゆりは窓の縁に手を当て、のんびりと眺めていた。
「綺麗な景色ね。ほら、アンタもこっち来なさいよ」
月明かりに照らされたその姿を、俺は背後から抱きしめた。温泉から戻って来たばかりだからか、体はぽかぽかと温かく湯たんぽのようであった。浴衣の上から両手で胸をいやらしく揉む。ゆりの髪からは甘い香りがして、艶めかしい色気を放っていた。
「ん♡ もう、風情がないわね……」
ゆりは文句を言いながらも、抵抗しない。俺は両手を浴衣の中へ突っ込んで、二つの膨らみを揉んだ。「あ……♡」とゆりが艶美な声を小さく漏らす。細い首筋にキスをし、耳にもキスをした。
「ん、ん……♡ あ、ん♡」
右手を股のところへ伸ばすと、ゆりは力が抜けて体勢を崩しそうになった。俺はそれを受け止めて、指を浴衣の中へ突っ込む。筋を優しくなぞったあと、濡れたそこへと入れる。ずぶり、マンコは柔らかく俺の指を迎え入れてくれた。
「はあ♡ ん、ああん♡ 春斗くん、あたたかい……あ、あ、あ♡」
絡み合っているせいで、ゆりの来ている浴衣は乱れていた。上は帯のところまではだけ、肩と胸が剥き出しになっている。愛液が増えていき、指入れはクチュクチュ、といやらしい音が出てきた。
「ゆり、浴衣姿可愛いな」
「ほとんど脱がしてから、なに言っているのよ……」
「はだけているのが良いんだよ」
「もう、相変わらずね」
ゆりは振り返り、腰を落とした。胸で俺のペニスを挟む。そのまま上下運動をしながら、先端を口でくわえる。いつもより温かなおっぱいの感触に、ぞくりとした快感を覚えた。くちゅ、くちゅりとペニスを吸い上げられ、思わず声が漏れそうになる。月明かりに照らされたゆりの姿は、はだけた浴衣で俺のペニスをしゃぶる、淫靡にして可愛らしいものだった。転生してちょっと大人びても、その可愛さは変わらないのである。
「ゆり、胸にかけたい」
「ん♡ 出そうなの……? あ♡」
俺は立った体勢のまま、腰振りパイズリをする。ゆりのおっぱいの間を、まるでマンコにするかのようにピストンする。
「春斗くんのが、出たり入ったりしている……♡ ん、なんか、すごいわね」
「ゆりの胸、気持ち良い」
「あ♡ もう、激しく動かすんだから。抑えておかないと、春斗くんのが飛び出しちゃうわ……♡」
腰を振る度に、ゆりのおっぱいがふるふると揺れた。綺麗で形の良い胸がペニスで揺れる様はエロくて止められない。俺は夢中で腰を振り続けた。
「ゆり、かけるぞ」
「ん♡ いいわよ、来て……♡ っ、あ♡」
ゆりの胸目掛けて、勢いよく射精する。白い精液はゆりのおっぱいをベトベトにした。乳首も膨らみにも精液がかかり、ゆっくりと滴り落ちていく。だけど、ゆりはその滴り落ちそうになった精液を両手で掬い取り、そのまま口元へ運んだ。
「ん、ちゅ♡」
「っ」
ゆりが妖艶と、俺の精液を手で掬って嚥下する。可愛い見た目でそんな色っぽいことをされ、すぐさまペニスが反応する。ゆりは精液のついたペニスを口で含み、それもまた吸い込んでくれた。
「くちゅ、ん、ごくっ♡」
「ゆ、ゆり。いつも飲んでくれるけど、無理すんなよ」
ごっくんは興奮するが、こんな生臭いものを飲むのは現実だと、中々難儀なのである。喉にも優しくない。だけどゆりは火照った顔で、笑みを浮かべた。
「春斗くんの喜ぶ顔を見れるなら、あたしはどんなことだって、してあげるつもりなんだから……」
転生前と変わらない、ゆりの性質。
だから、リーダーをやれたのも当然だし――こんなにも可愛くて、素敵な女の子なのである。
「ゆり、いれるぞ」
「ん……♡」
布団の上にゆりを押し倒し、ペニスを当てる。
脳裏には、あの時見た夢の映像がよぎった。
あれはやっぱり、ゆりの核心を突く夢だ。だから、改めて問いかける。
「ゆりはさ。今、楽しいか? 幸せか?」
「え? な、なによ、こんな時に変な質問ね……そういえばアンタ、渋滞にハマった時も、ちょっと様子おかしかったわね」
ゆりは目を丸くしたが、やがて濡れた目で俺をじっと見つめた。浴衣ではだけた裸体がエロティックだ。
「大切な春斗くんや、みんながいるから。もう充分よ」
「それなら、良かった」
「ほら、そんなことより……あたしの中、入りなさいよ」
ゆりのマンコに、今度こそペニスを挿入する。充分に濡れたそこは、スムーズに俺のを受け入れてくれた。じんわりと温かいそこは、俺の神経を溶かす快楽に満ちていた。
「ん、あああああああああああ♡」
ゆりが仰け反って、大きな喘ぎ声を上げる。俺はずんずん、とピストンをした。ゆりは両手でシーツを掴み、さらに喘ぎ乱れる。ペニスでマンコを突き上げる度に、ぷるぷるとおっぱいが揺れた。
「ああ♡ あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ♡ は、激しい……♡」
「ゆりの中、溶けそうだ」
「あ、あたしも……♡ 春斗くんので、もう、ダメ……♡」
揺れるおっぱいを両手で揉みながら、腰を振る。ゆりの奥を突き上げてやるたびに、膣がしぼりとるように締まった。パンパンパン、と肌と肌がぶつかり合う音が、部屋の中に鳴り響く。
「ああああああ♡ 春斗くん、もっと、来て♡」
「ゆり……!」
ゆりが俺へ向けて手を伸ばすので、舌と舌を絡ませ合うキスをした。ゆりは背中に両手を伸ばし、俺の体をぎゅっと抱きしめた。
「ん、ちゅ……♡ 密着するのも、好き♡ ねえ、もうちょっと、キス、しなさいよ……♡」
ゆりにねだられるまま、さらにキスを交わす。リードしたがるけれど、こうして甘える一面も出してくれる。きっとそれは心を開いてくれた証拠でもあって――だからこそ、俺はもっとゆりに夢中にさせられるのだ。
「キスしながら出してみるか」
「そういうのも、いいわね」
俺達はキスを、互いの唾液を搾り取るように深く交わしながら、セックスした。腰を振り、奥を突き上げ、舌を絡める。ゆりは両足を俺の腰にホールドし、手繰り寄せるように力を入れた。
「んちゅ、くちゅ、ああ♡ 春斗、くん♡ ん、あ、ちゅ♡ ん、はあああ♡ ちゅ♡」
ゆりは喘ぐような、大きな甘い声と吐息を漏らしながらキスする。パンパンパン、と突き上げる音と、くちゅくちゅ、というディープキスの音と喘ぎ声が交じり合い、俺達は快楽の階段を昇って行った。
「ゆり、出る」
「ん、ちゅ♡ この、まま……♡ ちゅ、ん、ああああ♡ もう、すご、い♡ ちゅ♡ すご、すぎて、くちゅ、ああ♡ もう、ダメ……♡」
腰を強く、早く振り上げる。射精感が高まり――絶頂と共に、精液を注ぎ込むように、激しく最後に腰を振り上げた。
「っっっっああああああああああああああ♡」
キスをしながら、ゆりがビクビクと体を震わせる。絶頂は長く、ゆりの中でビクビクと何度も脈打ち射精した。
「んちゅ♡ 春斗、くん♡ くちゅ♡」
射精が終わるまで、ゆりは俺の舌に吸い付いた。深い、深いキスは俺達を溶かすほどに甘美で、気持ち良かった。