死んだ世界戦線。
またの名を、クラスSSS。
神への反逆を掲げたその怪しげな組織に、俺――桜木 春斗は所属している。リーダーの少女、仲村ゆりに誘われ、成り行きで「幹部」にされた。実働部隊に戦闘術を伝授すべく、スカウトされたのだ。
俺は生前、特殊な軍人であったから、そのスキルを買われてのことのようだが……正直、あまり気が乗らないというのが本音だ。
ハッピーな人生ではなかったからといって、神を恨んでいるわけじゃない。
俺は自分で選んで、あの戦いに身を投じたんだ。
そんな俺がこのクラスSSSに入った理由は二つ。
一つは、仲村 ゆりの勢いに負けたこと。
一つは……暇つぶしだ。
ここの生活は、とにかく退屈で刺激がない。NPCは嘘くさいし、出来ることといえばお上品な学園生活だけ。
身を焦がすような刺激なんて、なにもないのだ。
「……あ?」
ふと、嫌な殺気を感じ、体をのけ反らす。
シュッ! という空気を切り裂く音が鳴る。
校舎の壁に、クナイが真っ直ぐに刺さっていた。ちょうど、俺の頭があったところである。
「――噂には聞いていたが、中々の手練れのようだ」
クールな女の声――振り返ると、そこには改造した制服を着こんだ少女、椎名がいた。スタイルが良く、和風な美人といった見た目だが、あくまでもそれは容姿だけ。その実態は戦線内で最強と言われている、圧倒的な戦闘力を誇る幹部のエースだ。忍者を彷彿とさせる独特の戦闘スタイルもあり、彼女は戦闘指導の対象外なのだが……どういうわけか、いきなり俺を殺そうとしたようである。
「いきなり過激なあいさつするじゃねえか、椎名さんよ?」
俺が剣呑な声を出し、椎名を睨みつける。
対して、椎名は冷ややかに横目を向けるだけであった。
「ゆりが見込んだ隊員だ。どれほどの腕か、試してみたくなってな?」
「だからって、いきなり殺そうとするか?」
「どうせ、この世界では死なん。文字通り、減るものではないだろう?」
「狂ってやがるな、あんた」
俺は懐から折り畳み式のナイフを取り出す。
「何故だろうか……お前のことが、気になってしょうがないのだ」
椎名が忍刀を構える。
文字だけ受け取れば、求愛行動に聞こえるだろう。
だけど――違う。
これは、そんな甘い話じゃない。
むしろ、その真逆。
この少女、椎名は――俺のことが、大嫌いなのだ。
「殺したくなる。まるで……かつての感覚を思い出すかのようだ。いい、実にいいぞ」
椎名が目を細める。
クソ。こいつだけは、関わらないようにしたかったんだよ。
一目見た時からわかった。
こいつは――俺と、同族なのだ。
まさに同族嫌悪。
おそらく、この椎名という少女の生前は――人を殺すために育てられた、機械だ。つまり、俺と同じような存在。
故に、同族嫌悪。
俺だって、こいつを見るとイライラしてくる。何故かなんて、知ったことか。そういうものなんだ。
「いいぜ。退屈してたんだ、売られた喧嘩は買う。殺してやるよ、アンタのことを!」
「ふん。来い、小僧」
「……おい。小僧って、年違わねえだろ?」
「気に食わんか?」
ちょいちょい、と挑発するように手招きする椎名。
……ようするに、俺をバカにしているのだろう。
ああ、いいだろう。やってやる。
「はっ! 気に食わねえよ!」
力強く、前へと踏み出す。
ナイフを力の限り振り下ろす。一閃。だが、軽々と腰から抜かれた忍刀で受け止められる。もう一度、二度、三度と必殺の一撃を放つが――どれも、軽々といなされた。
なんだ、こいつ……⁉
「ふむ。なるほど、たしかにお前は強い。戦線内ならば、ダントツでナンバーワンだ。今のところは、センスの良いゆりすらも凌駕する。だが……」
気がついたら、忍刀が心臓に突き刺さっていた。
「失望した。わたしには、遠く及ばない……期待していたのだがな」
……気がついたら、夜遅くになっていた。
綺麗な夜空が俺を出迎える。椎名はいない。
大きな舌打ちが出た。まだ胸が痛い。ヒリヒリする胸を抑えながら、なんとな起き上がる。
……ちくしょう。なんだあの女、化け物じゃねえか。
いくら俺にブランクあるからといっても、あの強さは異常だ。というか、全盛期の俺でも勝てる気がしない。
「だからって、舐められたまま終われるかよ……!」
幸い、この世界で死ぬことはない。
それはつまり、何度でも、あいつに挑めるということだ。
夕方。体育館の近くで、俺は叫んだ。
「――椎名! いるんだろ! 出てこい!」
「何用だ」
シュ、とまさに忍びのように、木の上に椎名は現れた。
出鱈目な身体能力だな、相変わらず。
「この間の借りを返しに来たぜ」
「……実力の差は明確だが?」
「残念だったな、この世界じゃ何度だって死ぬことは出来る。やられっぱなしは性に合わねえ。借りを返すまで、何度だってリベンジしてやる」
「しつこい男だ。だが、いいだろう。今度は、お得意の銃でも使うがいい」
椎名が腕を組み、大仰な様子でそう言い放つ。まるで師が出来の悪い弟子の相手をするかのような態度だ。
俺は椎名に言われた通り、拳銃を抜いた。
かなりの早打ちにしたつもりだった。
狙いも悪くない。心臓。
だが、引き金を引いた瞬間には、もうそこに椎名の姿はなかった。
「なにっ……⁉」
目にも止まらぬ速さで距離を詰められる。もう一発撃つ余裕はない。銃を投げ捨てて、折り畳み式のナイフを開く。開く時間すら、ギリギリで間に合うレベルの猶予だ。銃を放棄したのは我ながら英断である。
クソ。なんだこいつ。銃がとんでもなく弱い武器に見えるんだが……⁉
椎名が必殺の一撃を放つ。
一つ、二つ。
ナイフと忍刀がぶつかり合い、甲高い金属音が鳴った。
だが、三つ――その一閃は、さばけなかった。再び心臓を貫いたその一撃を食らい、俺は口から大量の血を吐いた。
「浅はかなり」
余裕綽々といった様子で、椎名は笑みを浮かべる。
その笑みは、完全に俺を見下しているものであった。
一度寝れば傷は癒える。
便利な世界だ。というわけで俺は、毎日のように椎名に挑み、その度に殺された。来る日も来る日も、殺された。
そんな日々が二週間は続いた。
毎日、椎名に返り討ちにされた。
毎日、殺された。
「……何故、諦めない?」
椎名のその問いかけは、愚問であった。
そして、一か月が経過した。
一日たりとも、椎名の元へ通わなかった日はない。
……そう。一か月も、である。
椎名はどこか悲しそうな表情を浮かべている。
「……また、来たのか」
俺は折り畳み式ナイフを開く。
「ああ」
「もうこんなことは止せ。何故、そうまでして……」
「わかるだろ。多分、俺がアンタだったら同じことしていたと思うぜ」
「違う。お前は……わたしじゃない」
椎名が歯ぎしりをする。
「アンタを殺さないと、意味がない。負けっぱなしでいられっかよ!」
俺は誰かを殺すための機械だ。
道具なのだ。
そういう風に育てられて来た。
そういう風に、ずっと生きてきた。
だから――そんな俺が、こんなにも弱かったら、意味がない。
存在している意味がないのだ。
「うおおおおおおおおおおおおおお!」
椎名と間合いを詰め、壮絶な白兵戦を繰り広げる。最初の頃とは違い、瞬殺されることはない。俺は段々と、椎名の動きについていけるようになっていた。時折、椎名の体にナイフが届く場面もあった。互いの体が傷つき合う。何度も、何度も忍刀とナイフをぶつけ合って――やがて、俺は心臓を貫かれた。
「……お前は、ゆりに会う前のわたしだ」
遠のく意識の中で、そんな椎名の声が聞こえた。
だが、いつものように倒れることはなかった。
椎名が俺を、抱きとめていたのだ。
「もう……こんな悲しいことをするな。お前の気持ちは、痛いほどによくわかる。だから……もう、いいのだ」
「生前も、この世界に来てからも、わたしはずっと孤独だった。長い時間を一人で過ごした。そんなわたしにとって、ゆりは家族のような存在だ。戦線での騒がしい日々も……わたしには、楽しかった」
月明かりに照らされた、森の中。
ぼんやりとした意識の中で、椎名の声が聞こえる。
頭の下は柔らかい。膝枕をしているようだ。
「そりゃ良かったな。俺にはなにもねえよ」
「……そのようだな。お前は、ゆりに会う前のわたしにそっくりだ。孤独で、ただ人を殺めることでしか、自分の存在を認めることが出来ない」
「アンタのように、誰かを好きになれば、変われるのか?」
「……そうだな」
「じゃあ、アンタを好きになってもいいのか?」
好きと嫌いは表裏一体、とはよく言ったものだ。俺も椎名も、お互いを強く意識し合っていたのだ。
それに加えて、一か月も殺し合い続ければ、嫌でも特別な関係にもなる。
俺はずっと、こいつに勝つことを――殺すことを、考え続けていたのだから。
「……そうするといい。わたしが、お前の孤独を癒す」
頭を撫でられる。
なんとなくくすぐったくなって、逃げるように体を起こす。刹那、胸がずきりと痛んだ。
「まだ動くな。傷は癒えていない」
椎名がそう言って、後ろから俺をぎゅっと抱き寄せた。柔らかな体に、いい匂いがした。こんな女性らしい肉体のどこに、あの力が眠っているのだろうか。
「場所を移そう。ここでは落ち着かん」
何故か、体育倉庫に連れていかれた。まさかとは思うが、こいつの隠れ家なんじゃなかろうか。マットの上に寝かされたが、さすがに突っ込まざるをえない。
「ここが落ち着く場所なのか?」
「そうだが?」
「……あ、そう」
そうなら仕方ない。もうこれ以上言うことはねえよ。
「お前は、ゆりにとって大きな力になれそうだ」
椎名が俺の体に覆いかぶさるように、抱きついてくる。俺は両手を、椎名の腰の後ろに回した。
「だから、俺に構ったのか?」
「……」
椎名がなにも言わないから、俺は彼女を抱きかかえてひっくり返る。マットの上に、彼女を押し倒す形となった。
「俺は、アンタがほしい」
「わたしは……」
椎名はあの戦闘力に見合わない、潤んだ瞳で俺を見上げた。
「お前が、ほしい。お前とならば、なんだって出来る気がする。あの天使を、倒すことだって」
「俺は、仲村 ゆりには協力しない」
「ならば、わたしの物になるといい。ゆりではなく、わたしに忠誠を誓え。それなら、構わないだろう?」
「……ああ。好きに使ってくれ。アンタになら、任せられる」
その言葉に答えるように、椎名は俺の頭に手を回し、自分の方へと寄せた。お互いの唇が重なり合う。
綺麗な形をした唇は、とても柔らかかった。
だけどこんな密着した状態だと――そんなソフトなものでは、満たされはしない。
椎名の中に、舌を入れた。すると彼女はそれを迎え入れるように、舌を絡めて来る。ゆっくりと、じゃれてくるような動きは可愛らしく、だけど唾液同士絡み合う音が、艶めかしかった。
「ん……なんだか、妙な気分になる」
「……胸、触っていいか?」
「ああ。桜木が、望むのならば……」
俺は椎名の胸へ手を伸ばす。服越しでもわかる、むにゅ、と揉み応えのなる大きな胸であった。
「っ、あ……待って、くれ」
「ん?」
「脱ぐ……だから、お前も脱げ」
椎名の裸は、戦士とは思えないくらい、グラマラスで煽情的なものであった。
「あ、あまりジロジロ見るな……」
「嫌なのか?」
「いや……そういう、わけでは」
椎名は己の胸を隠すように、マットの上で座っている。だから足を少し開かせ、手をどける。豊満な胸と、愛らしい性器が現れた。俺は胸を左手で揉み、右手で優しく性器を撫でた。
「――っ」
椎名がわずかに息を漏らす。その顔は真っ赤であった。目はぎゅっと瞑っている。
「恥ずかしいのか?」
「あ、ああ……」
か細い声であった。
あの凛とした椎名とは思えないくらい、乙女な調子である。椎名を横に寝かせる。性器に顔を近づけ、舐めてやると「ひゃう」という愛らしい声を上げた。
「あ、あう、あ、あ、あ、あ……♡ 桜木……」
椎名は体を悶絶とさせながら、懇願した。
「わたしも、お前を気持ちよくさせたい……」
「椎名。胸でしてくれるか?」
「胸……? こうか?」
俺はマットの上で座る。
椎名がたどたどしてく、大きな胸を俺のペニスに挟んだ。温かく、とろけそうなほど柔らかな感触であった。椎名がその胸を両手ですくい、上下運動をする。ペニスを吸い込むほどの大きな胸に上下運動させられ、俺は快感に震えた。自分で腰を動かし、椎名の胸を堪能すると射精してしまいそうになる。
「すごく、いやらしいな、これは……」
「椎名。中に入れたい」
「あ、ああ。く、来るといい」
椎名が顔を真っ赤にしながら、マットの上で股を開く。俺はその愛らしい性器に、ずぶりと入れた。
「っ」
椎名が息を漏らす。
中は締まっていて、じんわりと濡れていた。俺のを温かく迎え入れてくれて、動いてもいないのに果ててしまいそうになる。
「動いてくれ……わたしは、大丈夫だから」
椎名がうっとりとした目を向けながら、そう言う。
クールぶってはいるが、いっぱいいっぱいなのは明らかであった。俺は腰を動かす。椎名はびくん! びくん! と上体を動かし、悶絶する。
「っ、あ! あ♡ す、すごい……♡ なんだ、これは……♡」
「気持ちいいか?」
「気持ち、良い♡ すごい、すごいぞ、桜木……♡」
正常位で突き上げるたびに、椎名淫らに乱れる。豊満な胸がぷるんぷるんと揺れ、俺はその胸の揺れをさらに堪能するために椎名の手を握り、クロスさせた。そして激しく突き上げ、さらに椎名の胸の揺れを強調させる。その光景はとてもエロくて、艶美であった。そのおっぱいを、俺の精液で汚したくなる。
「あ♡ あ♡ あ♡」
「椎名、俺、もうイキそう……」
「い、いいぞ♡ 出せ、出すんだ……♡」
「っ、あ!」
激しく腰を振り上げた後、俺は椎名の胸にこすりつけるようにして射精した。白い液が彼女の綺麗なおっぱいを汚した。
「こんなに出るのか……」
椎名がべったりと精液を掬い、うっとりしたように笑みを浮かべた。そうして、果てて座り込む俺の方へと顔を寄せる。
「お前は、もうわたしの物だ。お前の孤独を癒し、お前の力を使う」
「……ああ。好きにしろ」
「だから……こ、この行為も、続けろ。いいな?」
何故か唐突に乙女というか、女の子になる椎名に苦笑しながら、俺は「アンタの言うことには従うよ」と返した。