一度公開した「かなでルート」は消し、一から作り直しています。
R18短編「かなでルート」
この世界――天上学園にやってきて、数年が経過した。
凄惨な青春を送った、若き魂が導かれる死後の世界。
授業を受けて、部活に入り、先生の言うことを聞いて、一般生徒――教員同様、神様の作り物――と仲良くなり、青春ってやつを謳歌すれば卒業出来る。あなたの生前は報われますよ、という場所……な、らしい。
らしい、というのは他人からの受け売りだからだ。
実際にこの世界を作った神様、とやらはなにも言ってこない。故に、この世界の役割というのは、結局のところ、この世界にいる魂が決めることなのだ。
二時間目の開始時刻。そう。そんなようなことを、わざわざ森の奥地まで駆けつけてきてくれた立華に熱弁したのだが、彼女の言い分は結局変わらなかった。
「授業に出て」
まるでテンプレートを読み上げるかのように、そんなことを言ってくる。
この学園の秩序を守る、生徒会長――立華 かなで。
彼女はこの天上学園のルールに従い、数多の生徒を卒業へ導いた女の子だ。
小柄ながらも、その浮世離れした幻想的な容姿、愛らしい声、綺麗な銀髪といった美少女容姿に騙されそうになるが、彼女の戦闘能力は凄まじい。
「ガードスキル、ハンドソニック」
宣言と共に、右手から白く光る剣が生える。
こんな感じで、彼女は言うことを聞かない生徒を力づくで取り締まる。
愛らしい見た目とは裏腹に、随分と手荒な方法を選ぶものだ。
「たく。お前もしつこいな」
「あなたこそ。どうして急に授業へ出なくなったの?」
「あのな。前にも言ったろ。俺、もう三年どころか、何年もこの世界にいるんだ。ルールにも従った。その上で卒業出来ないんだ。出る気なんてなくなるっての。当たり前だろ」
「……大丈夫よ。きっかけがあれば――」
「もうその綺麗事にも飽きた。俺は抵抗するからな」
ポケットからナイフを取り出す。
どうせここは、死後の世界。刺そうが刺されようが、数時間も経てば傷は癒える。
「仕方ないわ」
立華が前へ踏み出し、俺も前へと踏み出す。
ナイフとハンドソニックが、高い音を立てて何度も交わった。
俺は生前、軍人であった。それも映画に出て来るような、特殊な任務を請け負う戦闘のスペシャルエージェント。故に、戦いには絶対の自信があった。
しかしさすがに異能(?)を操る立華にはまるで歯が立たず、毎回負けてしまう。
立華も諦めが悪いから、戦いは延々と続いた。
来る日も来る日も、俺は授業から逃げて、立華が追いかけて来る。
「授業に出て」
「嫌だ」
キィンキィン!
その次の日も。
「授業に出て」
「断る」
キィンキィン!
そしてその次の日も。
「授業に出て」
「しつこい」
「あなたこそ」
「いや、お前が諦めればいいだけだって」
「諦めないわ」
「そうかよ」
キィンキィン!
無限ループである。
立華 かなではどういう人物なのかと聞かれるとクール、悪い言い方をすれば不愛想、という性格の持ち主だ。表情はポーカーフェイスだし、口数も少ない。だけど、それは不器用なだけで、その心はとても優しい。彼女に惹かれて仲良くなり、幸せな学園生活を送り、立華に感謝して消えていった魂も少なくない。
ある日。食堂で肉うどんを食べていると、対面に立華が座った。ものすごい独特な臭いがする食べ物をもって。
「……なんだそれ」
「トムヤムカレーよ。マイブームなの。ハマって、一年くらいかしら」
「またマイナーなものを……パクチーとか大丈夫なのか」
「最初は臭いと思ったけど、今はクセになっているわ」
「激辛麻婆豆腐だっけ。あれもマイナーだけど、隠れた名品だって」
「今度試してみるわ」
立華はものすごく独特な香りを放つトムヤムカレーを食べながら、そう言った。
天然で変わったところもある。
そして……この世界にとても、とても長くいる。
不思議な異能も操る。
彼女が何者なのかは、誰も知らない。
ちなみに。猛者でも白飯と一緒に食べる、という激辛麻婆豆腐を勧めたのは半分ギャグだった。
だけど翌日。食堂で、かなでは珍しく興奮した様子で対面に座り、言った。
「桜木くん。あなたは天才だわ。この世界にこんなに美味しい食べ物があるなんて」
「……あ、そう?」
ドはまりしていた。はまりすぎて、いつもそればかり頼む偏食家になっていた。その愛は異常と呼べるレベルであった。この間、戦っている時に冗談で「あ! あんなところに麻婆豆腐が!」なんて指を指してアホなことを言ったら「っ⁉」とかなではそちらの方を向いた。
おかげで逃げられたが、お互いに滑稽な絵面である。
この日も女の子とは思えない力で木に押しつけられ、首元にハンドソニックを突きつけられた。
まあ、彼女に勝つのはどうしたって不可能だ。
「あなたの負けよ。授業に出て」
「毎回思うんだが。ここまでしてそれかよ」
「あなたが真面目になってくれれば、それでいいのよ」
「もう授業にも飽きたんだが……」
この天上学園、授業を選択出来るものの、やっている内容自体は変わらないんだよな。長くいすぎたせいで、今やAクラスにまで登りつめた。生前でいったら、偏差値六十以上だろう。バカバカしい。もう死んでいるのに、頭良くなってどうするんだ。
「あなたを卒業させるために、協力だってするわ」
「協力って……例えば?」
「それは放課後に話すわ」
「……わかった。じゃあ、今回は従ってやろう」
「ええ。良かったわ」
立華は優しい笑みを浮かべた。
作り物とわかっているせいか、一般生徒の女の子には、どうも心がときめかない。だけどこの少女、立華は別であった。まあ彼女もおそらく、神様の作り物だと思われるが――作り物だと納得するくらい美しくて、幻想的で、可愛らしいのだから、そんな彼女に「協力する」と言われて、説得されてしまうくらいには、立華を女の子として見ていた。
まあつまり、俺は単純だった。
ただ言い訳をするなら、単純になるくらい、この世界は退屈なのだ。
立華には、生徒会室へ案内された。何故か事務作業だの、PCでの雑用をやらされたりしている。
一日目。二日目、そして三日と――生徒会長である立華の、手伝いをしている。生徒会メンバーでもないのだが、何故こんなことをやらされているのやら。
「桜木くん。この申請書の印刷をお願い」
「ああ――って、やってられるかあああああああああああああ!」
「あら綺麗なノリツッコミ」
書類がばらまかされる。立華はいつものクールな無表情である。
「話が違うだろ!」
「なにが?」
「俺に協力してくれるんじゃないのか。卒業出来るように」
「ええ。だから、生徒会の仕事をしてもらっているのよ」
「意味わかんねえよ!」
「消えるファクターは、わからないわ。色々なことに挑戦してみるべきよ」
「あのな。もうやったんだよ、それは。まあたしかに、生徒会はやったことねえけど」
「ならやってみる価値はあるわ」
「ないって。例えば勉強は、もうクラスAだ」
「部活は?」
「やったよ。野球とパソコン部」
「どうだった?」
「エースで四番になって、ちょっとした大谷 翔平気分を味わった。自分でゲームとかアプリを作れるようになって、ちょっとしたプログラマー気分を味わった。以上だ」
「良かったわね」
「良くねえよ! ありあまる時間を使って「俺、TUEEE」やってなにが楽しい⁉ そういうのは異世界転生で十分だ!」
「異世界、転生……?」
きょとんと首を傾げられる。
アニメとか好きそうなのに、知らないようだ。そういうのがまだない時代の子だったのか、そもそも俺とは違う世界線の世界なのか……まあ、わからないな。
「俺、生前は学校通ってなくってさ」
「……」
立華がじっと俺を見据える。
「失われた青春を取り戻せた気分にもなった。ここは悪い場所じゃない。消えていった人、卒業した奴を見ると、立華がここを卒業すべき場所だと主張するのもわかる。だけどな、どうも俺は「違う」みたいなんだ。消えることが出来ない」
「そんなことないわ。大丈夫よ。なにか心残りはないの?」
「恋」
「?」
「恋したことがないから、恋がしたい」
まあ、もちろん冗談だ。
だけどこの数年間、誰とも付き合ったことがないのは事実。
これだけ派手に活躍したおかげか、告白されたことは何回もあるのだが……どうにも、そういう気分になれない。この学園の一般生徒は紛い物じみているから。
生前は童貞だったし、恋が消えるファクターなのはありえないことじゃない。実際、人を好きになって、恋をして消えた「人」も見たことがある。来世で会おう、なんて約束を交わしたカップルもいた。
ロマンチックなことで。
「恋……」
立華が首を傾げる。
ピンと来てないようだ。
「異性を好きになるってこと」
「ああ」
立華はそういうことに興味がないのだろうか。
「最近、同じことを誰かから聞いた気がするわ」
「そうかい」
「あなたの噂はよく聞くわよ」
「そりゃどうも」
「桜木くんはルックスが良くて、成績も良いから、女子生徒にモテていると思うわよ」
「悪い。恋したいってのは、冗談だ。真に受けるな」
「誰も好きになれない?」
「まあ、そういうことだ。生憎な」
書類をかき集め、机の上に置く。
俺は出口へ向かった。
「どこへ行くの?」
「俺は自由に天上学園を謳歌する。生徒会業務なんてやっても、時間の無駄だ」
「……」
立華は一瞬悲しそうな顔をしたが、俺はドアを開ける。
「じゃあな」
立華はなにも言わず、無言だった。
森奥に、太陽の陽ざしが差し込む良い草原がある。俺はそこで寝そべり、昼寝をした。穏やかな風を感じ、ポカポカな陽気に包まれ眠るのは、とても気持ちが良かった。
「こんなところでお昼寝しないで」
「……出たな」
こちらを見下ろす立華が現れる。俺は気だるげに立ち上がった。
「また一戦か」
「いいえ。あれから、考えたわ。あなたのことを」
「俺のことを?」
「ええ。たくさん」
その言い回しに、少なからずドキッとした。
立華はゆっくりと歩み寄ってくる。ハンドソニックはない。戦意はないように思えた。
俺が棒立ちしていると――立華はそっと、こちらに抱き着いてきた。胸の辺りに立華の顔が当たる。
「……なにをしている?」
「恋」
「あ?」
「恋をしたい、とあなたは言っていたわ」
「あれは冗談だって」
「でも、したことがないって」
「まあな」
「だから、恋をさせてあげようって」
「言っていることがよくわからねえぞ?」
「……あたしも、よくわからないわ」
立華は俺の胸に顔をうずくめた。
よく見ると、耳まで赤くなっていた。白い肌が、嘘みたいに赤くなっている。
「恋は、この後、キスをするって」
そう言って、立華は羞恥に染まる顔を上げた。
待て、待て。
「色々とツッコミどころがあるんだが」
「なにか違う?」
「キスとか、そういうのは恋人同士がするものだ。俺が恋をしたくても、立華が俺に恋をしていないと成立しない。そういうものだ」
「わからないわ」
「だろ? なら、やめておけ」
「でも、ちゃんと考えたわ」
「なにを」
「桜木くんとなら、キスは出来るって。ただ……」
「ただ?」
「すごく恥ずかしいわ。こうするのも、すごく勇気が必要だった……」
困ったように、立華は柳眉を曲げた。
俺はその、魅惑的な宝石のような、金色の相貌を見つめた。困惑するような、けれど潤んでいる愛らしい瞳に、惹き込まれた。
「いいんだな?」
こくり、と立華は頷いた。
そうして、俺達はキスをした。優しくて、柔らかいキスだった。
立華の推薦で、俺は生徒会メンバーになった。席が空いていたというのと、元々の成績の良さもあって、例外的に認められたのだ。だからあの時と同じように、俺は立華の側で生徒会の業務を手伝った。
「……春斗」
「ん?」
「あなたの名前、好きよ」
立華は愛らしい笑みを浮かべて、そう言ってくれた。
残念ながら、俺はまだ消えない。
だけど、立華のことが好きになっていた。
そうして、立華――かなでと、長い月日を過ごしていった。かなではその間も、たくさんの魂を見送ってきた。それはとても、不憫な光景であった。かなでは誰かと仲良くなればなるほど、その「人」は満足して消えていくのだ。この学園は、この世界はそういうシステムで出来ていた。
ある日。生徒会室で、かなでに聞いた。
たくさんの人を見送ろうとするその役割は、辛くないのかと。
「あたしは大丈夫よ」
「なんで?」
「みんなの物語が終われるように。最後の一歩を踏み出せるように。よかったね、と見送ることが出来れば、あたしはそれでいいの」
かなでの優しさとその悲しさに耐えられなくて、彼女を抱きしめた。
その時にはもう、俺は副会長となっていた。
俺は副会長権限で一人部屋を獲得している。
ある日。夜遅くに、かなでをひっそりと部屋に呼んだ。ここは男子寮だから、女の子を連れ込んだとバレたら一大事だ。かなでも冒険している気分なのか、落ち着かない様子できょろきょろと部屋を見渡している。
「いけないことだわ」
「バレたら、二人共生徒会はクビだな」
「そうね」
「でもこれから、もっといけないことをする」
俺はそう言って、かなでの唇を奪った。森の奥でしたソフトなものとは違う。舌と舌を絡ませ合う、お互いを気持ちよくさせるための、淫靡なキスだ。互いの唾液が絡み合い、かなでの温かい舌と口の中をこれでもかと堪能した。
「ん……♡ んちゅ♡ 春斗……」
俺達は裸になった。かなでの体はとても綺麗で、可愛らしかった。小柄な体躯。雪のように綺麗な白い肌。華奢な体格。かなでをベッドの上に寝かせ、小さく愛らしい乳首を舐めながら指入れをした。かなでは背中を仰け反らせたり、その場で悶絶したりしてシーツをぐちゃぐちゃにした。
「ああ♡ ん、あ♡ あああ♡」
くちゅくちゅ、と膣が愛液に溢れていく。俺の指はあっという間にぬるぬるになった。かなでの唇をもう一度奪い、深いキスをする。いやらしい音を立てながら、濃密なキスを交わす。
かなでは俺の上に乗って、フェラチオを始める。可愛らしい顔と唇で、ペニスを優しくくわえる。時々裏側を舌でなめまわしたりして、ぞくりとする快楽が背中を甘く痺れさせた。かなでの口がとても気持ち良い。ペニスがとろけるようだ。
「春斗。いい?」
「ああ」
かなでが騎乗位でペニスを小さなマンコの中に入れる。ずぶり、といういやらしい音と共に俺達は一つとなった。
「っ、あああ♡」
かなでが仰け反る。
中はとてもグチョグチョに濡れていて、優しくけれどピッチリと俺のペニスを包み込んでいた。
「春斗、春斗……♡」
かなでが名前を呼びながら、腰を淫らに振り出す。
瞬間、快感が全身を走った。
腰振りと共に、かなでのマンコは締まりが良くなり、ぎゅっと絞り出すように俺のペニスを包み込んだ。愛液が優しく神経をとろけさせ、かなでが動くたびに上下に激しく刺激を入れられた。
「っ、かなで!」
「あ♡ あ♡ あ♡」
俺はかなでをバックで入れた。小さくも愛らしいお尻を堪能しながら、後ろから突き上げる。すっかりグチョグチョのそれは、この体制でも俺のペニスをいやらしくくわえてくれた。突き上げるたびに、かなでは大きな喘ぎ声を上げた。
「春斗、春斗♡ あああ♡ すごい♡ あたし、もう……♡」
かなでの中がビクビクと震えた。息をはあはあと乱し、首元まで赤くなっている。俺はすぐさま正常位で入れて、無我夢中で腰を振った。くちゅくちゅ、と愛液とペニスが擦れ合うエッチな音がした。
「んんん♡ あああ♡」
「かなで、どこに出せばいい……?」
「な、中♡ 熱くてドロドロなの、ほしいの……♡」
セックスは最高潮にヒートアップして、正常位で俺は激しくかなでのマンコを突き上げる。かなでは仰け反りながら、乱れていた。
「ああああ」
「んんんん♡」
ぶしゃああ、とかなでの中で激しい射精が放たれた。一滴残らず中で出しきる。かなでペニスを入れた体勢のまま、体を起こして俺の唇を奪った。
「すごかったわ。大好きよ……」
「……ああ。俺も、かなでが大好きだ」
「また、ほしいわ……♡ 今、すぐに」
うっとりとした目を向けながら、かなでは甘くおねだりをした。
俺とかなでは月日をかけて、深い恋人関係となった。毎日のようにセックスして、お互いの愛を確かめ合った。
それでも、俺は消えない。
終わりの見えない日常。
だけどお互い愛し合っているから、いつの日かあまりそのことに触れなくなった。かなで自身、俺を見送ることに、複雑な感情を抱き始めたのだ。
けれど、変化はあった。
ある日。とある教室が大騒ぎになっていた。人だかりが出来て、一足先にかなではその騒動の対応に向っている。
刹那、人込みは出口から現れた二人組を避け、海が引くように道が出来上がる。「うわっ」だの「ひいぃ」だの、その二人をひどく恐れているようであった。
一人は顔に大怪我をした、男子生徒。青い髪をしていて、端正な顔立ちをしていることが伺えるが、怪我がひどすぎる。硬めは青くはれ上がり、口元からは血が滴りおちている。
もう一人は、リボンが特徴的な女子生徒であった。美人でスタイルがよく、人目を引くタイプの美少女だ。
「――絶対、あなたから神をひきずり出す。覚悟しておくことね、天使さん」
そんなことを吐き捨てて、少女はボロボロの男子生徒を引き連れて消えていく。
「……なんだ?」
俺は教室の中に入る。どこか暗い顔をしたかなでが佇んでいる。
一般生徒と教師達が片付けに移る。
「かなで?」
「……なんでもないわ」
なんでもないはずがない。立ち去るかなでを、俺は追いかける。俺達は生徒会室へ移動した。
「なにがあった?」
「厄介なことになったかもしれないわ」
「厄介?」
「あの女子生徒は……危険だわ。これから、途方もないくらいに長い戦いを、始めようとしているから」
神をひきずり出す、なんて言っていたからな。
まあ、ああいう奴はいないわけじゃない。現にここ最近、校長室をジャックした奴がいたくらいだし。
この学園の秩序のため。生徒会長として、そんな奴らをかなでは取り押さえている。
たった、一人で。
いつも一人で。
そうして、たくさんの魂を導いてきたのだから……。
よかったね、と見送る役割だから。
でも、もうそんなことにしない。
俺がいる。
今は、俺がいるんだ。
もう、立華 かなでを一人きりになんてしない。絶対にしない。
「かなで」
「なに?」
「俺は、なにがあってもお前の味方だ。そばにいる」
かなでは目を丸くして、じっと俺を見据えた。そしてすぐに、クールな無表情が溶けて、頬を赤らめ笑みを浮かべた。
「ええ。みんな消えて、ずっと一人だったけれど……今は、あなたがいるわ」
「だから、もう一人で抱え込むなよ。その女の子と長い戦いになっても……俺は、ずっとお前の隣にいる」
「春斗……ありがとう。大好きよ」
俺は素直に気持ちを口にしてくれたかなでを、優しく抱きしめた。
生徒会室の扉の鍵を閉める。
かなでの小さな胸を制服越しに揉み、ディープキスをする。
「ん♡ ……ちゅ、くちゅ♡ は、春斗……ここで?」
「ああ」
「いけないわ。そんなこと……」
「でも、我慢出来ない」
「ダメよ。授業も始まるわ」
「かなでがほしい」
「……あたしも、あなたがほしいわ」
かなでは頬を赤く染めながら、俺の手で脱がされていく。抵抗はない。本気で抵抗すれば、かなでの方が力はある。だけど、そうしなかった。俺がズボンとパンツを降ろすと、かなではそのまま勃起したペニスをしゃぶってくれた。くちゅくちゅ、と優しく激しく舐め回す。
もう慣れた動作で、気持ちの良いフェラチオだった。時折根っこから吸い込んでくれたりして、痺れるような快楽がペニスを溶かす。もうダメだった。かなでは俺のペニスの弱いところを知っている。あっという間に射精感が高まる。
「だ、ダメだ、かなで。そんな攻められたら、出る」
「くちゅ、んちゅ♡」
でも、かなでは止めてくれなかった。強引に襲い掛かったから、今度はこちらの言うことを聞かなくなった。
かなでのフェラチオは止まらない。
「かなで、出る……」
「んちゅ、いいわよ、このまま……♡」
「っ、あああ」
大きくのけ反り、ペニスが射精する。かなでの口の中で、容赦なく成績がほとばしる。かなではその全てを受け止めてくれて、飲んでくれた。
「ん……すごいわ♡」
「かなで!」
俺はかなでを持ち上げて、駅弁でペニスをマンコに入れた。
「っ、あああ♡ 急ね……♡」
「嫌か……?」
「このまま、動いて……♡」
かなでが甘えた声を出す。その瞬間であった。
「――生徒会長と副会長はどこへ行ったのかね?」
廊下から、男の教員の声がした。もう一人の男の教員が「見ていませんねえ」と答える。俺は声を聞きながら、腰を振る。かなでは声を我慢するためか、俺の肩を噛んだ。体がプルプルと震えている。喘ぎを我慢する反動がすごいのだろう。
「あの二人の生徒を追っているのかもしれませんな」
「なるほど。我々も探しますから」
「一人は怪我しているようですからねえ」
「あのリボンの女子生徒。かなり錯乱している様子でした。天使がどうとか、理不尽な人生がどうとか、わけのわからないことばかり――」
会話の音が遠くなる。
「っ、あああ♡」
口を離して、かなでが喘ぐ。
「いじわる、春斗……♡」
「ドキドキしたな」
「見つかったと思ったわ」
かなでは机に腕を置いて、お尻をこっちに向けた。
俺はそれに答えて、立バックで入れる。かなでの愛らしいお尻を揉みながら、パンパンパン! と激しい音を立てながら腰を振った。
「ああ♡ あ♡ あ♡ そんな音、立てて、また誰か来たら……♡」
「かなで、もう、止まらない……」
「んんん♡ ああ♡」
かなでのことで頭がいっぱいになりながら、マンコを突き上げる。グチョグチョの中は締まりが良く、ペニスがとろけるように気持ちが良かった。
「かなで、出るぞ……」
「出して、春斗……♡」
パン! と、最後に大きく振り上げて、射精する。ペニスが大きく震え、かなでの中へ大量の精液を注ぎ込む。
「はあ、はあ……かなで」
「授業……」
「もういいだろ、それは……」
果てた俺達は倒れ込んだ。かなでは俺の上に抱き着いて、息を整える。
……あの女の子、かなでを天使と呼んでいたか。
異能を操り、この世界の秩序を守り、ずっと存在し続ける彼女は――たしかに、天使と評しても、なにも違和感がなかった。