森に火がついていた。
嫌な予感がする。
山火事だ。以前にもあった。その時の火はかなりの規模で燃え広がり、学園も巻き込まれるんじゃないかという懸念が生まれるぐらい、ひどいものであった。
「かなで!」
木に手をついて、足を引きずるかなでを見つけ、叫ぶ。左足からは痛々しく、赤い血がだらりと垂れており、靴と靴下を赤く染め上げていた。
「春斗……」
痛みに顔をしかめながら、かなでが振り返る。額には汗が滲んでいた。俺はかなでを強引に抱きかかえ、お姫様だっこをした。
「っ⁉ 恥ずかしいわ……」
「うるせえ。まともに歩けねえだろ、それじゃあ」
かなでは小柄だ。改めて実感する。両腕にすっぽりと収まった。
「あの時のNPC……?」
銃を構えたリボンの少女――仲村 ゆりが目を丸くする。隣には青い髪をした男子生徒がいた。名前はまだ知らないが、よく一緒にいるから仲間なのだろう。
「この暴力女! またかなでを撃ちやがって!」
「かなでって……その感情的な態度。あなた、もしかして「人」なの?」
「言っておくが、仲間になんか、死んでもならねえからな! お前は好みじゃねんだよ、バカが!」
「はああ⁉ アンタなんかいらないわよ、つか、もう死んでいるだろうがああああ!」
罵声を浴びせ合いながら、かなでを抱きかかえ離脱。
「待って。火を消さないと」
「今のお前になにが出来る? 連中に任せておけ。そもそも、あいつらが始めたことだろう、このキャンプファイヤーは」
「そうだけど……」
「安心しろ。多分、あの女がなんとかする。そういうところは頼りになる奴だと思うぞ」
「……また、仲村ゆりさん」
かなでが少し不満そうに頬を膨らませていたが、相手にせず医務室へと駆けていった。
「もう大丈夫よ。ありがとう」
かなでのケガの手当が終わると、そんなことを言ってきた。ぐるぐる巻きにされた包帯が痛々しい。ベッドに腰かけながら、かなでは包帯を左手で撫でた。しゃがみながら、俺はじっと怪我を観察する。
いくら怪我の治りが早い死後の世界とはいえ、痛みはある。
よくもこんな華奢な足に、銃弾なんて撃ちこめるな。国宝にしたいくらい可愛らしい足だというのに。
「前も足を撃たれていたよな」
「動きが止まるからでしょうね」
「ヘッドショットを狙わない分、多少の分別はあるようだが……」
まあ、顔なんか撃った日には、連中を徹底的に殺してやるがな。ゆりが女だろうが、関係ない。かなでを守るためなら、俺は手段を選ばない。
「俺も副会長として、あいつらと戦う」
「ダメよ」
「なんでだ」
「危ないからよ」
「それはお前も同じだろ」
「あたしには力があるわ。パッシブがあるから、痛みもひどくないのよ」
「そういう問題じゃない」
「春斗……」
「まあ、たしかにお前の方が遥かに強いのは知っているが。だからって、なにも出来ないわけじゃない。俺は元軍人だ、サポートぐらいはさせてくれ」
「……わかったわ。でも、無理はしちゃダメよ」
「ああ」
「あと、ほどほどにね」
「俺はかなでほど優しくない。約束しかねる」
「ダメよ。あくまでも、自衛よ」
俺はため息をつく。こんなことだから、あの女が図に乗るんだろうが。
「まあいい。とりあえず、寮に戻ろう。ほら、おぶっていくから」
「ええ」
かなでが背中に乗る。ぎゅっと腕を首に回され、かなでの体を背中に感じた。驚くほど軽い。おぶりながら、ゆっくりと歩き出す。
「春斗」
「ん?」
「背中、大きいわ」
かなでは背中を頬ずりしていた。
愛おしさで押し倒したくなるが、怪我をしているので、自重した。
「はい、次ー。名前は?」
「桜木 春斗」
「桜木 春斗……って、えええー⁉」
上座に座るゆりが名簿から顔を上げて、大袈裟に大声を上げる。いちいちぎゃあぎゃあとうるせえ奴だな、本当。
校長室の前には行列が出来ていた。「死んだ世界戦線、新規隊員募集!」のビラが貼られており、また彼女達がグラウンドのど真ん中で、大々的な宣伝をしたため、隊員志望の生徒が列をなしていた。
まあ、大半はガルデモ目当てのミーハー男子であるようだが……。
「アンタ、なにしに来たのよ……?」
ゆりがジト目を向けて来る。
横に佇む、ハルバートを持った少年が胡散臭げにこちらを見た。
「ゆりっぺ。誰だ、こいつは」
「天使の手下よ」
「なに! では、敵だな」
「……でも、多分「人」なのよね、こいつ」
「なに⁉ ゆりっぺ、俺はどうすればいい!」
「とりあえず、野田くんはなにもしなくていいから、そのハルバートを引っ込めなさい」
「わかった!」
野田と呼ばれた男は、従順にハルバートを引っ込める。まあ、大体今のやり取りでこの二人の関係性はわかった。興味ないが。
「何故、かなでを攻撃する」
面接式なのか、対面の椅子に座りつつ、俺が問いかける。ゆりは机で両手をつき、口元に当てながら答えた。
「彼女が天使だからよ」
「グラウンドで宣伝していた時、神への復讐がどうとか言っていたな。天使もその対象ってことかよ」
「違うわよ。天使は神の遣いでしょ? あたしたちは、あくまでも神とコンタクトをとりたいの。天使はその手がかりにすぎない」
「だから、かなでを攻撃すると?」
「ええ。素直に神への手がかりを提示してくれたら、なにもしないわよ?」
無表情に淡々と告げるゆり。
そこには狡猾とした雰囲気が漂っていた。やはりこの女、只者じゃない。神への復讐なんて馬鹿げたことを、本気でやろうとしている。狂っているのだ。
……それほどの生前だったって、ことか。なんて危うい奴だ。
忌々しい記憶をずっと抱えて、復讐を成そうとしている。その精神はいつ崩壊してもおかしくないだろう。
人間は普通、苦痛からは逃げようとする。なのにこの女は、そうしない。
危険。あまりにも、危険だ。そんな奴が、かなでと敵対しようとしているなんて。
「ちょうどいいわ。あなた、天使と交渉してちょうだいよ」
「交渉? お前らのために?」
「天使のこと、好きなんでしょう?」
ゆりがじっとこちらを見据えながら、そんなことを言う。
気に入らない目だな。
「だったら?」
「あなたは天使に怪我をさせたことを怒っていた。そして、こうやってわざわざ敵地にも乗り込む。全ては天使のための行動でしょう? だから、これは提案。あなたが天使を説得して、神を引き出してくれれば、天使だってこれ以上傷つかない。あたし達も、目的を達成する。どう? 悪くない条件じゃない?」
「ああ、そうだな。仲村 ゆり、良い機会だ。教えてやるよ」
瞬間――俺は早撃ちで、野田の頭を撃ちぬいた。
「ごはっ⁉ な、んだ……?」
野田はわけがわからないまま、後ろへ倒れる。ゆりが歯ぎしりして、机から拳銃を取り出した。
「野田くん⁉ いきなり、なにを――」
言葉は続かなかった。俺はゆりが手に持つ拳銃を撃ちぬいたからだ。ゆりの拳銃は無情に、ごとんという重い金属音と共に床へ落ちる。銃声を聞いたNPCが「ひいいっ⁉」と悲鳴を上げて逃げていった。
「拳銃だけを正確に撃ち抜いた……⁉」
ゆりが顔を青ざめる。申し訳ないが、俺はゆりへ向けて銃先を向けた。
「俺は、かなでほど優しくない。あいつのためなら、お前らを殺してやるよ」
「……桜木 春斗。あなた、何者なの?」
ゆりの質問には答えず、俺は背中を向けて校長室を後にした。廊下で、銃声をききつけた連中の仲間とすれ違う。青い髪の少年が一瞬だけちらりとこちらの様子を伺ったが、なにも言わずに彼らは校長室へ向かった。
「……どうして、あんなことをしたの?」
夜。俺の部屋へ来るなり、かなでがそんなことを聞いてきた。あれだけ騒ぎになれば、さすがに耳へ届くか。
「悪い。でも、かなでを守りたかったんだ」
「仲村 ゆりさんへ会いに行くなんて……」
そっちかよ。
シリアスな話じゃないんかい。まあ、本人は真面目なのかもしれないが。
「別にあいつへ会いに行ったわけじゃないんだが」
「春斗はなにかと、仲村 ゆりさんを気にかけるわ」
「なにをどうしたらそうなるんだよ?」
「あたしに魅力がないのかしら……」
「なっ⁉」
かなでがしゅん、と肩を落とす。俺は思わず、かなでをベッドの上へ押し倒した。かなでの頬が赤く染まる。その可愛らしい唇に、唇を重ねた。
「ん、ちゅ♡ くちゅ♡」
濃密なキスを交わす。舌と舌を、何度もくるくると交わらせた。かなでと俺は裸になり、シックスナインの体勢になって、お互いの性器を舐め合う。かなでの綺麗で小さいクリトリスを、舌で柔らかく撫でる。かなでは俺のペニスを吸い込むように、フェラチオをした。
「春斗……♡ ん、あ♡ ん♡」
ぺちゃぺちゃ、といやらしい音でお互いの性器を愛撫する。かなではびくびく、と時折腰をくねらせた。
かなでが枕をぎゅっとして、横になる。そのまま寝バックの体勢で、ペニスを愛らしいマンコの中にずぶりと入れた。
「ん、ああああ♡」
「かなで……!」
俺はかなでのマンコの中を、夢中で突き上げた。寝バックの体勢だから、マンコの締まりが良い。きつい中を突き進むように、ペニスを動かした。
「はあ♡ あん♡ 奥、熱い……♡」
かなでが枕を強く握りつぶし、激しく喘ぐ。俺はかなでの白くてきれいな、可愛らしいお尻を両手で揉んだ。とけるように柔らかくて、すべすべだった。あまりの手触りの良さに、ずっと触っていたくなる。
「春斗……♡ もっと……♡」
かなでが甘えた声を出す。俺は正常位にして、かなでを突き上げた。
「っ、ああああああああああ♡」
かなでが絶叫のような喘ぎ声を漏らす。俺はかなでの腰を持ち上げて、浮き上げた状態のまま腰を振った。かなでは仰け反った状態のまま、激しくマンコを突き上げられる。奥を刺激された彼女は顔を赤くして、快楽に耐えるようにジタバタと悶絶した。
「ああああ♡ 春斗、激しい……♡ すごい……♡」
「かなで……」
「あたし、魅力あるかしら……?」
「当たり前だろ、そんなこと」
かなでに自分の愛を伝えるかのように、腰を振りまくる。奥にズンズンと当たる度に、かなでは「あ♡ あん♡」と反応して声を上げた。
「イク……」
「ん♡ どこでも、いいわ♡」
「っ、あ!」
俺はかなでのマンコからペニスを引き抜いて、その小さな体へ向けて射精した。精液は容赦なくかなでの顔、胸、お腹とあらゆるところ下品に汚す。
「んんん♡」
かなでがぱくり、と俺のペニスを口でしゃぶり出した。ドクドク、と中で残った精液が発射される。かなでの口の中でも射精した。それを優しく受け止めてくれ、ごくり、と飲み込んでくれる。
「ん……♡ すごいわ。熱くて、ドロドロよ♡」
精液に汚れたかなでが、愛らしい笑みを向けた。何故相手がゆりなのかはわからないが、俺はかなでを不安にさせているところがある。だから、かなでの綺麗な銀髪を撫でて、思いを口にする。
「愛しているぞ、かなで」
かなではこくりと頷いた。
「ええ。あたしもよ」
そう言って、かなでは愛おしそうに、俺のペニスへキスをした。