入江に癒されたところで、寮へ退散するかと校舎を出た瞬間――静かな女性の声が、俺の足を引き留めた。
「――一つだけ日本語に訳せない言葉がある。それはRock’n Rollだ」
「っ⁉」
宵闇の中から現れたのは、改造した制服に身を包んだ、美しい少女であった。腰の辺りまで伸びた、艶やかな黒髪。対照的な白い肌。大和撫子な美女といったところだが――そのクールな雰囲気は鋭く、ぞっとするなにかを感じさせられた。
死んだ世界戦線の実動部隊のエース――椎名だ。
「……えっと」
とりあえず、さっきの決めセリフ(?)へのツッコミがなにも思いつかない。日向とかだったら上手くさばけるのだろうが。俺には無理だ。口パクパクと開けて、なにも言い放つことが出来ない。
「桜木。わたしと訓練してほしい」
「おい。このまま話を進めるのか?」
「なにか問題があるのか?」
不思議そうに首を傾げる椎名。
大ありだろ。
「さっきのセリフの真意を知りたいんだが。大喜利か?」
「ゆりがわたしのために考えてくれた口癖だ」
「お前、もうちょっとあいつを疑うことを覚えた方がいいな」
てか、あいつのキャラ付けのセンスはどうなってんだ。ある意味レベル高すぎてついていけねえぞ。
「ゆりはわたしにとって、家族のような存在だ。疑うなどもってのほか。忠義に反する」
「……まあ、お前がそれでいいならいいけどな」
忠義を通すのと、盲目なのは違うけど、まあいい。
椎名がそんな細かいことを気にしないのは、わかっている。
「ちなみに、他にもセリフがあるのか?」
「――ブルースは簡単に弾ける。だが、感じるのは難しい……」
「悪い。もういい」
返事に困るフレーズしか思い浮かばねえのかよ、あいつは。
「で、訓練だったか」
「そうだ。貴様は、良い腕をしている。手合わせを願いたい」
「それはどうも。だけど、死ぬのは嫌だぞ。そもそも俺は、お前には勝てない」
椎名の実力は知っていた。俺では到底敵わないくらい、強力なものだ。最高の武装をもってしても、彼女に勝つのは難しいだろう。
「安心しろ。ギルドに、木製の忍刀を作ってもらった」
「お、それは用意がいいな。それなら、相手出来る」
俺も模擬専用のナイフを取り出す。
非殺傷の訓練なら、大歓迎である。正直言うと、もう体は疲れているが……まあ、軽く一戦、二戦交えるくらいならやれるだろう。ましてや、美人な椎名の頼みとあれば断われない。
「行くぞ!」
「参る!」
気合の声と共に、両者が前へと踏み出す。
椎名の速さは、文字通り目にもとならぬ速さであった。あっという間に、お互いの距離が武器の間合いへと詰められる。
忍刀の一閃。それを回避し、カウンターでナイフを突き刺す。椎名は身をひねってそれをかわし、返しの手で忍刀を振り下ろす。ひゅん! という風を切る音が、目の前を横切った。続いて放たれる一閃をナイフで弾くが、その勢いのままさらに次の一手が打たれる。そうなってしまうと、こちらから反撃が出来ない。椎名はとにかく手数が多く、しなやかで無駄がなく、スピードと動きの効率が段違いであった。彼女の武術はもはや芸術の域だ。それに加えてパワーも女性のものとは思えないくらいに高い。
ああ、これはもう無理だな――そう思った瞬間、忍刀が俺の腹に打たれる。まあ、木製だし、痛いくらいで済むだろうと考えたが刹那、バギバギバギ! という嫌な音が体の中から放たれ、俺の口から大量の血が吐き出された。
「ぐわあああああああ! 腹が、腹がああああああああ!」
「む? すまん。大丈夫か?」
いや、大丈夫じゃないです……。この世界だからギャグで消化出来るが、現実だったら殺人です……。
俺はその場でうずくまり、さらに吐血。
肋骨とか、もうその辺の骨が粉々になって内臓をズタズタにしている可能性が高かった。あっという間に貧血となり、その場でふらりと倒れる。
「さ、桜木!」
さすがに焦った椎名の声を最後に、俺の意識は飛んでいった。
最初、目に映ったのは心配そうにこちらを覗き込む、椎名の顔であった。普段のクールで鋭い雰囲気は緩和されていて、不安そうに眉を下げている。俺は下から覗き込んでいるせいか、胸の双璧も見上げられる。うーん、絶景。頭の下には柔らかな感触があり、膝枕されているのだということがわかった。
「すまない……」
「まあ、とりあえずは大丈夫だ。さすが、死後の世界だよな」
腹は痛むが、体を起こす。骨はくっついたようだし、内臓も破けたところは塞がったようである。
空を見上げると、もう夜は深くなっていた。
「わたしのせいだな。力加減が出来ていない……」
しゅん、と落ち込む椎名。
「まあ、鍛錬に事故はつきものだ。仕方ねえよ。椎名こそ、大丈夫か。足、痺れてないか?」
「問題ない」
椎名はこくりと頷き、立ち上がった。
「桜木。寮まで送るか?」
「いや、いいよ。一人で行ける」
「そうか……また、手合わせを願おう。お前との時間は、楽しかった」
そう言って、椎名はシュッ! と忍者の如く、どこかへ消えていった。
「……え。次、あるのか?」
今度があるのならもっと、柔らかく出来た忍刀にしてほしいんだが……。
まあなんというか、いつも通りの一日といえば、一日である。
時刻はもう、深夜の1時。気を失っていたとはいえ、もう眠い。俺は男子寮へと向かい、副会長特権で得た広い一人部屋へと入る。
「遅かったわね」
「ああ……って、なんで立華がいるんだよ⁉」
ベッドの上には、ピンク色の寝巻を着た立華がいた。え、なに? 襲ってくださいってこと? さっきまで吐血して骨折れていたけど、余裕でハッスル出来ますよ?
「副会長として。色々と良くないわ」
「え?」
「こんな時間までどこへ行っていたのかしら」
「どこって、あれだよ。空き教室行ってガルデモの子達と話をして、その後は椎名に骨を折られて、さっきまで気を失っていたんだ」
これだけ言うと、椎名がすげえ悪者なんだが。
「消灯時間は守って。校則違反よ」
「ああ……まあ、そうだな」
相変わらず会長は真面目というか、なんというか……って、待てよ。
「会長がここにいることの方がヤバくないか? しかもこんな時間に」
「生徒会長として、あなたを注意しに来たのよ。ここにいるのは、見張りのためよ」
「見張り?」
「不良なあなたを、監視するのよ」
いやいや、なにもかもが、だいぶ無茶がありますよ、立華さん? 校則違反を校則違反でもって立ち向かってどうするんだ。というか現状、立華の方が圧倒的に校則違反しているっての。
俺はにやり、とあくどい笑みを浮かべる。
ベッドの上に座る立華を、横から抱きしめる。体は温かく、柔らかい。そして甘い香りがしていた。
「な、なにを……」
「今この状況が知れ渡ったら、俺達、生徒会どころか停学になっちゃうだろうな」
「あなたが不真面目なのが悪いのよ……っ、ぁ」
立華のパジャマに手を突っ込んで、股の間の性器を撫でてやる。抵抗はない。立華は両手を俺の胸元に当てて、悶絶するだけだった。
「どこにも、いなかったから……」
「ん?」
「生徒会業務が終わった後。あなたが、どこにもいなかったから。それで……探したのよ。あなたはすぐに、どこかへ行ってしまうから」
「悪いな。生前、縛りが多かったからさ。自由ってやつがほしいんだ」
「悪い人ね……」
立華がクールにそんなことを言いながら、俺の服を脱がす。俺も立華のパジャマと下着を脱がした。裸になる俺達。立華は寝転んで、俺のペニスをしゃぶり始める。温かく濡れた口の感触に包まれ、舌がペニスの下側を優しく這った。俺は立華の股の間へ手を伸ばし、クチュクチュとかき回してやる。
「っ、立華……!」
「ん、ちゅ♡ 桜木くん……!」
お互いの体温が上がっていく。立華をベッドへ寝かし。ペニスをマンコに当てた。
「……春斗」
「え?」
「あなたの名前、好きよ。たくさんの人を、卒業させてくれそうだから。春斗って、呼んでもいいかしら」
「ああ、もちろん。じゃあ、俺はかなでって呼ぶな」
「ええ。いいわよ」
そんな会話を交わして、大きくなったペニスを、かなでの愛らしいマンコの中へと入れた。上品で可愛らしいそこは、下品なペニスをくわえることで、エロティックさを醸し出している。
「あっ……!」
かなでが仰け反る。目はぎゅっと強く閉じられ、顔は真っ赤に染まっていた。
愛らしく小さな唇にキスをする。お互いの舌と舌を淫らに絡ませ、グチュグチュとエッチな音を鳴らす。かなでは潤んだ相貌を開いて、こちらの顔をじっと見た。
「春斗の、たくさんくれる……?」
その問いかけには、腰振りでもって答える。
正常位で突き上げる。かなでの中は締まりがよく、狭かった。柔らかな感触と、迎え入れてくれる愛液を感じながら、ペニスを突き上げる。
「っ♡ ぁ♡ あ♡」
パンパンパン! と肌同士が淫らにぶつかり合い、ベッドがギシギシと音を立てた。かなでの控えめな喘ぎ声が可愛らしく、情欲をそそる。たまにこらえきれないように漏れる、大きな喘ぎがエロティックだ。
「かなで、やばい、めっちゃ締まっている……」
「上、乗って、良い……?」
「あ、ああ」
かなでが騎乗位で挿入する。ずぶり、と上から柔らかで淫靡な膣が俺のペニスを包み込んだ。温かい。ぬるぬると、柔らかい。かなではペニスを絞り出すかのように、激しく腰を動き出した。
「っ、あ♡ あ♡」
「かなで……!」
シーツが乱れるのを感じながら、かなでの膣が俺のペニスを滅茶苦茶にするのを感じる。あまりの気持ち良さに、もう限界を迎えてしまう。
「だ、ダメだ、もう」
「あ♡ 中……♡」
「あああ」
ペニスが震え、射精する。その間もかなではペニスを膣でしゃぶり出すかのように、上下左右に動かした。ペニスはそれに答えるように、かなでの中で激しく暴れて精液を注ぎ込む。
「すごいわ……♡」
かなでがそう言って、ペニスを入れたまま俺の胸の上で横になる。優しく、両腕でぎゅっと抱きしめる。サラサラな銀色の髪を撫でた。
「かなでも不真面目じゃねえか」
「……そうね。困ったわ」
かなではそう言って、小さく微笑んだのであった。