朝の七時。遅起きの入江にとっては昼起きが当たり前のなのだが、この日は違った。六時過ぎには起きて、とある場所へ向かっていたのだ。
それは関根から聞いた――半分、噂のような話。
早朝にゆりと桜木の二人が鍛錬しているという、森の奥地である。
ルーティンを崩してまで、何故、そこへ向かっているのか。ロングスリーパーにとって早起きは中々にしんどいが、それでも見に行きたい、と思ってしまったのだ。
(桜木さんはやっぱり、ゆりっぺさんが本命なのかな……)
あの二人はなにかと一緒にいることが多い。
ほかにも色々な美少女が彼を取り囲んでいるが、やはり一番印象に残るのが仲村 ゆりなのだ。
だから、二人が密会しているところを見てみたい――なんて、そんなことをつい思ってしまった。
(最近、会いに来てくれないな、桜木さん……)
しゅんとしながら、入江は森の中を進んでいく。
ハーレムセックス以来、入江はセックスをしていなかった。あの時、誰のマンコかを言い当てられて喜んだものだったが、その後相手にされていないことを思い返すと、どうしても我に返ってしまう。
他の女の子達より、劣等感があるのだ。
ゆりのような正妻ポジションではない。立華のような可愛らしさがあるわけではない。椎名のようにスタイルが良いわけではない。遊佐のような精緻な美少女というわけではない。ひさ子のように胸が大きいわけではない。岩沢のようなクールビューティーでもない。そして親友の関根と比べても、積極さがあるわけではなかった。
そんな感じで、自己嫌悪に陥ってしまう。
だけど、今のままでも十分だ、と入江は諦念していた。
(きっとあたしは、セフレポジションだから……しょうがないよね)
歩いて行くと、やがて嬌声が聞こえてきた。ゆりのものだ。入江はびくっとして、足音を忍ばせて慎重に進む。
やがて、桜木とゆりが着衣のまま、立ちバックでセックスしているところに遭遇した。
「んあ♡ ああん♡ 春斗くん、気持ち良い……♡」
ゆりが淫らに声を上げている。桜木は夢中で腰を振っている。
入江はすかさず木陰に隠れて、その様子を見た。
(やっぱり……エッチ、している)
予想というか、期待していた通りだと思い、入江はパンツを降ろして、右手を己のマンコへ向けて伸ばした。
「ぁ……ん♡ 二人とも、気持ちよさそう……♡」
入江は二人がセックスしているのを見ながら、その場でオナニーを開始する。マンコがぐっしょりと濡れだし、その中を自分の指で慰めた。
「ああ♡ んん♡ もっと、来なさいよ、激しくしても、大丈夫なんだから……♡ ああああん♡」
ゆりの喘ぎ声が一段と大きくなる。桜木のパワーピストンを受け止めて、喜びに鳴いているのだ。
(いいな……すごく激しい……あれが、あたしだったら……ど、どうなっちゃうんだろ)
クチュクチュ、と入江はマンコの中を指でいじくりまくる。目の前の光景をオカズに、自分がセックスしている気分を味わえた。
「ゆり、いきそう」
「いいわよ♡ 出しなさい♡」
「中で、いいか……? もう三回目、だけど」
「三回でも、四回でもいいから♡ 全部、受け止めるわよ……♡」
桜木は射精した。ゆりの中でドクドクと脈打って、精液が注ぎ込まれる。しかし何度も中出ししているからか、まったく入っていなかった。ゆりのマンコから、ドロドロの白い精液が溢れ、足を伝って流れていく。入江は衝撃を受けた。精液が入りきらないくらい、朝から中出しセックスをしているのだ。
「ん♡ ぁ♡」
入江もその場でイった。体を震わせて、ゆりと桜木が抱き合いながらディープキスを交わしているのを見る。
(あんな風に、朝から滅茶苦茶にされたいけど……あたしなんて、迷惑だよね)
入る余地がない。
そう思って、入江はパンツを上げて、その場を去った。
脳裏に二人のセックスが焼きついて離れなかった。
羨ましい、という感情が沸いてくる。
そしてなによりも……入江は、欲求不満になっていた。
次の日の朝も、同じように森の奥地へ行く。桜木とゆりは再びセックスをしていた。今度はシートを引いて、お互い全裸でセックスをしている。外で裸になって愛し合う、なんて淫らなんだろうと思い、入江はその光景をオカズに、再びオナニーを始めた。
だけど、この日は昨日と違った。
少しも満たされないのだ。
「どうして……あたしだって、気持ち良いのに。それに、昨日はちゃんと抑えられたのに……ん♡」
入江は上着もはだけさせて、ブラをずらし、左手で胸を揉んだ。おっぱいとマンコを同時に刺激して、自分を慰めた。
桜木とゆりのオーガニズムと同時に、入江も頂点に達したが、あとに襲い掛かって来たのは恐ろしいほどの切なさであった。体の奥が熱くなり、瞳の奥がつんと痛んだ。
(どうしよう……あたし、変だよ)
そもそも、自分はなにをしているのか。二人のセックスを勝手に見て、それを見てオナニーまでして……。こんなの、ただの変質者だ。入江は慌てて衣服を整えて、その場から逃げるように駆け出した。
一人になると涙が溢れてきた。自分はなにをしているのか、と自己嫌悪が止まらないのだ。入江はそんな煩悶を振り払うかのように、居残りでドラムの練習に打ち込む。ひさ子と岩沢から「なんか最近張り切っているな」と褒められたが、欲求不満を誤魔化すためだと自分でわかっているので、少しも嬉しくなれなかった。
「みゆきち?」
「わっ、しおりん⁉ いたの?」
「いや、さっきから何度も呼んでいたんだけど……みゆきち、ヘッドバンキングしながらドラムを叩くから、まるで聞こえてなかったみたいでさー」
「ヘッドバンキングはしてないよ⁉」
「そうだっけ? それより、はい」
「ありがとう……」
関根から水を受け取り、口をつける。関根はふうむ、と顎に手を当てていた。
「乙女の匂いがしますな」
「え? 乙女?」
「みゆきち、ズバリ聞くけど」
「うん……?」
「朝、オナニーした?」
「ぶほうっ⁉」
思わず、入江は水を吹き出した。
「ななな、なにを言うの⁉ もしかして匂うの⁉」
「いや、そうやって探り始めたら、実質認めたことになるんだけど……」
「してない! そ、そんなことしてないから! しかも朝だなんて⁉」
「本当かなー?」
「な、なんでそんなこと疑われているの⁉ あたし、そんなエッチな子じゃないもん!」
「ふっふっふっ」
「な、なに?」
入江が震えあがる。関根がこうやって笑い出すと、大体ロクなことが起きない。
「そう言うと思って、本日は特別ゲストを呼んでみました!」
「特別ゲスト……?」
「桜木の兄貴、入りまーす!」
「っ⁉」
わけのわからない関根の口上と共に、桜木が困惑気味に空き教室へ入って来た。
少し微笑ましいといえば、微笑ましい。実を言うと、関根はちょっと怒っていたのだ。「お前がみゆきちを傷つけたんだから、お前が責任とれよなー!」と怒鳴られて、ここへやってきたのである。
それでも、本人の前ではいつものスタンスを変えていない。本当は入江のことが心配でしょうがないのだ、関根は。
「あとは頼みましたよー、桜木さん。あたしは帰りますので」
関根はスタスタと歩み去る。入江は当惑した感じで「ええっ⁉ ちょっと、しおりん!」と大声を上げた。
「よう、元気か?」
俺が声をかけると、入江が顔を赤くしてうつむいた。
「あ、あの……しおりんに言われて来たのなら、別に、無理しなくていいんですよ……?」
「え? 無理?」
「あたしのために、時間を使う必要なんてないですよ」
頭を殴られるくらいの衝撃であった。まさかそんなことを言わせるほど、傷ついていたなんて。
「なに言っているんだ。無理なんてしていない」
「それなら……」
入江はぎゅっと両手を握って、切なそうな声で言った。
「もっと、あたしに会いに来てほしかったです………寂しかったです」
「入江!」
俺は入江を抱きしめて、唇を奪った。
「んちゅ♡ クチュ♡ はあ……♡ ん、ずっと、こうしたかったです……♡」
「入江……ごめん」
「桜木さんのお部屋。行ってもいいですか?」
「ああ。もちろんだよ」
俺の自室へ入江を侵入させ、すぐに続きを始めた。ディープキスを交わしながら、お互いの服を脱ぐ。抱き合いながらベッドへ転がり込み、シックスナインでお互いの性器を口で慰め合った。入江は俺のペニスを激しくしゃぶって、油断したらフェラチオだけで射精してしまいそうだ。
「んちゅ、くちゅ♡ 桜木さん、もっと、あたしのを舐めてくださいね……♡」
入江がお尻を押しつけてくる。俺はクリトリスを優しく舐め回してやった。入江が喘ぎ乱れる。快楽に悶えながら、俺のペニスを手でしごいたり、フェラチオをしてくれていた。
「もう、入れていいですか……?」
「ああ」
入江が俺の上に乗ったまま、跨る。ペニスを手で掴み、騎乗位でマンコの中へ挿入した。ずぶずぶ、といやらしい感触と共に、俺達は一つになる。入江は激しく腰を振り出した。
「ああ♡ んあ♡ 気持ち良い……♡ すご、い♡」
「入江……! 可愛いよ」
俺は入江の胸を両手で揉む。手のひらサイズのおっぱいは触り心地がよく、揉みやすかった。まるで手の中でとろけていくようだ。
「もっと、触ってください……♡ あああん♡ 桜木さんに、滅茶苦茶に、されたいんです♡」
入江が甘く求めて来てくれる。俺は入江を抱き寄せて、対面座位で突き上げた。入江も俺の体に抱き着き、首筋を舐めてくる。俺達は一つになって絡み合いながら、セックスを堪能した。
パンパンパン、とピストン音を立てながらディープキスを交わす。それを終えると、入江はとろりとした相貌で俺の顔をじっと見た。
「あたしのマンコ、気持ち良いですか?」
「ああ。最高だよ」
正常位に変えて、再びパワーピストンをする。ベッドが激しく軋み、ギシギシと鳴る。入江の喘ぎ声もそれに合わせ、激しくなった。部屋中に響き渡る。入江は興奮と快楽から、時折のけ反ったり、キスを求めたりしてきた。
「あああ♡ あん♡ 好き、好きです♡」
「入江……!」
「もっと、もっと、あなたが欲しいです……♡」
絶頂が近づき、俺はさらに動きを激しくする。入江が「んんんあああああ♡」と叫ぶように喘いだ。
「いきそうだ……」
「は、はい♡」
「っ、あああ!」
「ああああああん♡」
最後の一振りと共に、入江のマンコの中で俺のペニスが射精する。長い、長い射精。それが終わると、二人の荒れた吐息だけが聞こえた。
「桜木さん……♡ 今夜は、逃がさないですよ♡」
入江は笑顔でそう言って、俺の頬にキスをした。