――「でも、あんなに真剣に見つめられたから」
――「あの眼を信じようと、アタシは思ったんだ…」
『未来に向けて、人材確保 後編』
今、目の前には徒党を組んだ盗賊達がいた。
大体5~6000人程度だろうか。
比べてこちらは4500人しかいない。
俺が連れてきた4000人と、この村の500人の自警団の皆だ。
しかし負ける気はない。
いや、負ける筈が無い。
なんせこちらには将来の名軍師や名武将がいるのだから。
「聞け!袁家の盟友達よ!
相手は弱者しか襲えない只の素人だ!
叫べ!英雄達よ!
我らの家族を守るのだ!
全軍!!突撃ぃぃー!!」
「「「うぉぉぉ!」」」
「高覧隊は衝軛陣を!袁悠隊は長蛇陣を敷いて下さい!」
「お前ら!
真中開けられんなよ!内の大将はか弱いからな!」
「「うぃっす!」」
「なっ!なにいってるんでしか!//」
…大丈夫だよな?
◇◆◇◆◇◆
Side盗賊頭
「頭!奴等がきやした!」
「…そうか、アタシの隊の者は陣を敷け。
…他は知らん」
「わかりやした」
アタシ達は始め韓馥に使えていた。
だけど奴のやり方が気に食わなくて、辞めてやったんだ。
それからアタシ達は義賊になり、弱きを助け強きを挫いた。
それが何故か勘違いした馬鹿どもが
いつの間にか集まり、村を襲ってしまった。
(…もうアタシ達に、信条は無くなった)
だから最後ぐらいは武人らしく
華々しく散りたいと思ったんだ。
Side盗賊頭end
◇◆◇◆◇◆
「ん?…奴等の一部が陣形を敷いてるな…」
敵と当たってから気付いた。
ある一部だけ、統率が取れているのだ。
「こりゃ大当たりかもな。
良し、伝令!
本隊に連絡!そろそろ大丈夫だ!」
「ハッ!」
頼むぜ、悠!
――昨夜
「盗賊達の中に元将軍?」
「はい、元は将軍をしていたのですが
袂を別れて今は義賊をやっていたとかで」
「それが頭か・・・、なら厄介だな」
俺達は自己紹介を終えてから、作戦を練っていた。
当初は只の盗賊だろうから、そこまで深くは考えなかった。
いくら徒党を組もうが、訓練を受けた兵達が遅れを取る筈は無いからだ。
しかし、元でも将がいるなら話が変わる
「なので、陣形は中心に龍二さまを
後方に私の隊を置いて左右に高覧さんと、悠さんで良いかと思います」
「いや、俺は前線にでるよ」
「そ、そんな?!危険ですよ!」
「危険は承知さ、でも俺が出れば士気は上がる。
何より後方で帰りを待つのは、しょうに合わないしね」
そう、俺は生まれてからずっと戦いの時は前線にでている。
「死ぬ可能性だってある、重傷になる時だってある。
でも俺は死んだ人も、殺してしまった人達も、最後は同じだと思う。
その"想い"を背負ってこの時代を平和に導きたいんだよ。
だから、後悔しないように前線で戦うんだ。」
これは、この世界に来て最初に決めた事だ
死んでしまった人は後悔も、悔しさも、満足もしただろう。
殺してしまった人達も本来なら只の農民や、父であり母であり、息子や娘だったろう。
それら全てを背負って家族を、友人を、民を守ると。
「だから大将は琥珀で」
「え"、私でしか?!」
「中心に琥珀を
左右を俺と高覧でどうだろう」
「?…あの、私は?」
「悠は…」
―――
――
◇◆◇◆◇◆
Side盗賊頭
「ふんっ、奴等も不甲斐ないね」
今眼の前は戦いの…いや、一方的な戦いの真っ直中だ。
敵と当った瞬間回りの奴等は総崩れをし始めた。
無謀にも戦いに向う奴や、恐れをなして逃げる者。
正に雑兵としか言い様がない
「そろそろ当たるか…
お前ら!気合いをいr<バーン!バーン!>ッ!なんだ!」
「頭!後ろから奇襲でさぁ!」
「くっ!」
(やってくれる…、このアタシに奇襲だなんて)
アタシは羌族と良く戦っていた。
だから奇襲はアタシの十八番だったのだ。
「味な事してくれるじゃないのさ。
お前ら!方円陣形成ののち、正面の奴等にぶち当たるよ!」
「「ハッ!」」
最後の戦、楽しませて貰うよ!
Side盗賊頭end
◇◆◇◆◇◆
Side悠
「ハァ!!」
私は昨日言われた通り、背後から奇襲を仕掛けた。
それは今、大成功に終わったのだ。
(流石龍二さま、適材適所ですね)
私は背後から責め、向ってくる敵を倒していた。
(死んだら皆同じ…か)
龍二さまが前線で戦うと聞いて正直、正気かと思った。
普通君主などは危険な戦地などいかない
ましてや最前線なら、尚更に
しかしそんな思いは吹き飛んだ
あの人は言った。
死んだ人の想いも背負って戦うと
私は心が震えた、之が王の才覚なのかと
いずれこの荒んだ世界を、救ってくれるんじゃないかと
――だから私は
向ってきた敵を愛剣で突き刺す
「フッ!」
自分の愛剣は切るのには向かない形状をしている
その分、軽いので刺突が早いのだ。
――今、できる事を!
「精一杯やるだけ!
ハァァァ!」
そう叫びながら
こちらに切り付けてきた剣を、自分の剣で逸らし
ガラ空きになった脇に突き刺す
「せいっ!」
「グハァ!」
「張郊隊止るな!前身せよ!」
「「ハッ!」」
Side悠end
◇◆◇◆◇◆
次々に向ってくる敵を
時には斬り、時には刺し、時には投げて――見つけた。
「やっと見つけた
アンタがこの盗賊達の親玉でいいかな?」
「…そうだといったら?」
「悪いけど、倒さして貰うよ」
「フンッ!やれるもんならやってみなよ!」
そう言うと、相手の獲物の三つ又槍が襲ってきた。
「くっ!」
それを半身で躱し、槍を伸ばした状態の隙をついて攻撃をする
「あまい!」
「な?!」
しかし相手は躱した槍を直ぐさま地面に刺し
それを軸に蹴りをしてきた。
それを受け止め、一旦離れる事にした
「ハァハァ…アンタ強いな、名前は?」
「アタシの名前は麹義だ、アンタは?」
(な?!麹義だって?)
「…俺は袁 魄麒だ」
「へぇ・・・、あの噂の袁悠殿だったのかい」
俺は内心焦りまくりだ。
なんせ相手は袁紹のピンチを助けたほどの猛将だったからだ
(くそっ、盗賊になってるなんて聞いてないぞ!)
「俺も知ってるよ、元韓馥の配下で
羌族の戦法を覚えた猛将だろ?」
「?!、知ってんのかい」
そう言った麹義は苦虫を噛み潰した様な顔をしていた。
「そんなこともあったさ。
でも今はしがない盗賊頭…
もう信条もなにもない。
だから最後に強い奴と戦えて嬉しいよ!」
そう言うと、槍を横薙払ってきた。
それをしゃがんで躱しながら、気になった事を聞いた
「最後?…まさか」
「関係ないとはいえ、アタシの部下になった奴等が村を襲ってしまった。
だから最後は死んで詫びるさ!」
俺はそれを聞いて
久々に…キレた。
「ふざけんな!」
「っ?!」
「部下がやった事を悔やんで、死んで詫びる?
ふざけるのも大概にしろ!」
そう叫びながら、俺は剣のラッシュをぶちかましていた
「うぐっ!」
(一撃一撃が重い!)
「そうやって悔やむなら、何故その部下を纏めようとしなかった!
何故今の世を、先の世を見ない!」
俺は麹義の眼を見つめながら、剣を振っていく。
「ぐっ!」
(先の世…か、アタシは確かに
今しか見ていなかったのかもしれない)
「麹義!俺の元にこい!
韓馥などの所より、お前を旨く使ってやるから!」
「ぐっ!」
最後に打ち付けた剣で麹義は武器を落した。
「ハハッ、負けた…か
でもこんな清々しい負けは久しぶりだ。
…わかった、アンタに着いていくよ」
「そうか…良かった、これからよろしくな
真名は龍二だ」
「アタシは睦月、よろしくな」
睦月は空を見上げながら――
そしてその手は攻撃を防いでたせいかわからないが、
震えていたのだった。
―――
◇◆◇◆◇◆
アレから戦いは終わり、集結して村に戻ってきたのだ。
そして帰還する時になり…
「今回は本当にありがとうございました。」
「いや、そんな事ないさ」
俺は今琥珀や悠などと話していた
「いえ、本当に助かりましたよ」
「ふむ…
そこまで言うなら、一つ頼みがあるんだけど」
「「なんです(か)?」」
「俺の、仲間になってくれないか?」
「「…えぇぇぇ!!」」
――こうして龍二の元に運命の歯車達が集まる
ー―その者達が作り出すメロディーは、どんな曲を奏でるのか
ー―それはまだ先の話しである
皆さんども
梅干しです
いや~今回はちょいとシリアス?風味を出してみました
龍二の想いを表現出来てるか不安です
では、まて次回!