――「回りの言葉も否定して、只一人信じてくれた」
――「だったら・・・、今度は俺がアイツを助ける番だ」
『契り、その名は奔走の友 前編』
俺には小さい頃からお世話になってる兄貴分がいる。
その名は許攸 子遠
袁家が滅んだ切っ掛けを作る一人だ。
その為、はじめの頃は注意してみたが何ら変なことはなかった。
要は酒が好きなだけで、誰しも飲み過ぎれば二日酔いになる
そうすれば生活だって乱れるだろう。
飽きる事の無い探求心、言い方を悪くすればそれは貪欲で欲深だろう。
しかし彼は軍師だ。
何ら悪い事など無い。
(貪婪淫蕩で貪欲…ね)
これは、結局過去の知識でしかなかったみたいだ。
実際に見て、会話して、回りの環境をみたらここまで良い軍師はいないだろう
尚且つ、彼は武将なみな強さだ。
だから俺は言ったんだ。
「なぁ許攸、俺の兄貴分になってくれないか?」
◇◆◇◆◇◆
Side許攸
最近視線を感じる。
可愛いい女の子が俺を見てるならいいが、この視線を送ってくる奴は俺を監視・・・いや"観察"している様だ。
(ま、なんら困る事はありませんがね~っと)
なので、いつもどうり生活をしていた。
一応軍師なので、政務を適当にやり
うちの天才チビッコが書いた書を読み
「最近の若い者はすげぇなぁ」などと驚きながらも
自分の知識と合わせ新しい事を考えたり
就寝前に酒を飲み、二日酔いで寝坊する…
そんな日々だ。
やはりというか、回りの評判はよろしくない、だがこれが性分だ。
何よりこれをわかって袁成殿は俺を使ってくれている
それは何よりも感謝をしていた。
しかし、今回はこれを後悔する事になる
自分が招いた事とはいえ、まさかあんな事になるなんて…
思いもしなかった。
Side許攸end
◇◆◇◆◇◆
それは突然だった
朝早く、軍議をしていると
突然兵が部屋に入り込んできた。
話しを聞くと、なんでも町で騒ぎがあり駆付けると人が死んでいたらしい。
そして刺した人物を捕縛したと、そういう事だった
連れて来られた人物を見て、知ってる者は驚いた。
それは・・・許攸の妻だったから。
◇◆◇◆◇◆
Side許攸
俺は慌てていた。
朝、いつもの如く寝坊をして
今日は軍義があったのを思いだし、
遅れて今から行こうとした所に、兵がきて報告をしてきたのだ。
俺の妻が人を刺したと、そして今それの罪を決めていると
それから無我夢中に走り部屋に入ると、ちょうど罪が決っていた
それは――
――死罪
もちろん俺は抗議した
「待ってくれ!妻は確かに人を刺した!
しかしその理由は自分の子供を守った為だ!死罪は流石に重過ぎる!」
「あら、そんなことはありませんよ」
そういってきたのは、机の中央から右側に座る同僚
逢 元図だった。
「…どういう事だ」
「調べた所、貴方の奥様は元賊ですってね?」
確かに、俺の妻は元賊でたまたま怪我をしてるのを助けてからの仲だ。
「確かにそうだ…
だが今は何もしてないし、家で家事をするぐらいだ」
「ふふ…、どうかしらね?
貴方がいない間に罪を犯してない証拠はあるの?」
「っ…、そんなものはない…しかし!
俺はアイツを信じている!」
「ふんっ!信頼?貴方には似合いませんね」
気にくわなそうに喋り出したのは、逢紀の前に座っていた審 正南だった。
「審配…お前もか」
「心外ですね、私は一度も貴方を庇護する事など言ってませんよ」
そう言う奴の顔と、逢紀の顔は冷めきっていた。
俺は、きっと情けない顔をしていただろう。助けを求める様に、他の文官などをみたが
皆、眼を逸すだけだった。
(あぁ…そうか、俺はここまで嫌われていたのか)
確かに許攸は頭が良く、軍師をしていたが
他の同僚達や文官には余り好かれていなかったのだ
理由は言わずと知れたその態度
同僚達はこんな奴が軍師なんて…と
文官達はあんな頭だけの奴に…と
その事を初めて知ったのだった。
「わかったかしら?
貴方の様な方の家族ですもの、見過ごせる訳ないでしょう?」
俺は目の前が暗くなった。
自分のせいで家族を殺してしまうのと同じたがら
(すまない…俺にはどうする事もできないかもしれん)
俺は諦めかけていた
しかし――
「その案件待ってもらおう」
天は俺を見放さなかったらしい
Side許攸end
◇◆◇◆◇◆
朝早くの軍議の時、そんな事を聞き
中断してから、俺は母上に報告しに向っていた
(おかしい…、確かこの事件は官渡の戦い直前あたりだったはずだ。
…これも俺のせいか?)
本来いる筈のない『袁悠 魄麒』という人物
このせいで、問題がでるとは思っていた
それがこんなに早まるとは思わなかったが。
(とりあえず、どうにかしないと)
そして、部屋に着き入ると母上は寝ていた。母上は少し前から病を患い床に伏せているのだ
「母上、すみません緊急です起きて下さい」
そうすると緩やかに、瞼をあけ見慣れた紅い眼をこちらに向けた。
「龍二…、どうしたのかしら?」
「実は…」
俺は朝起こった事を事細かに話した
「そう…、龍二はどうしたいのかしら?」
「俺は…俺は、許攸殿を助けたいです」
最近観察して、彼は袁家に必要な人間だと思ったのだ。
そう言うと、母上は嬉しそうに笑い
「なら、貴方のやりたい様にやりなさい
なにか問題が起きても私が責任を取ります」
笑いながらも、力強く言ったのだった。
―――
――
それから俺は急いで部屋に戻ってきた
そこから聞こえてきたのは…
「貴方の様な方の家族ですもの、見過ごせる訳ないでしょう?」
そんな声だった。
だから俺は声を張り上げ言ったんだ。
「その案件待ってもらおう」
これから俺は、孤軍奮闘する一人の軍師…いや、家族を助けに向う
皆さんども
梅干しです
今回はシリアスにしてみました
いかがだったでしょうか?
許攸さんは実際はもっと酷かったと思いますww
では、まて次回!