※この作品はR-18です。

【ふたなり】両性具有の少年少女の青春を描く実験小説   作:喋家月餅太

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【ふたなり】両性具有少女がはじめてひとりエッチをするまでの話

美咲が中学生の頃の話。

その日、美咲はソーシャルワーカーとの面談のため保健所に来ていた。

両性具有の人間には公的機関から派遣されたソーシャルワーカーが担当として付き、健康状況を把握するための検査、精神状態や生活上の問題に対処するためのカウンセリングを行う。

ソーシャルワーカーは医療機関とも連携していて、健康上の問題があればすぐに医師に引き継げる体制があり生活上の問題についても学校などと連携し解決に動くことができる。

男女両方の生殖機能を持ち、性自認がどちらになるかがある程度年齢を重ねるまでわからない両性具有というマイノリティがスムーズに社会生活を送るための制度が両性具有に関する研究を行っている国際機関の協力の下で行政機関から用意されている。

美咲はいつも通り、採血や内性器の超音波検査、身体測定などを終えカウンセリング用の部屋にソーシャルワーカーと一緒に移動した。

ソーシャルワーカーは看護師と臨床心理士の両方の資格を持っている。そのため、状況によっては保健所の保健師や看護師、近隣の病院の医師から検査を受けることもあるが大抵の場合はソーシャルワーカーから検査を受けている。

今日は特別なこともなくいつも通り検査とカウンセリングを行うという日だった。

美咲はこの日、少し落ち着かなかった。先月、相談しようか迷って勇気がなくて相談できなかった事を話そうと思っていたからだ。

美咲はこの一ヶ月、その事を何度も考えた。今の美咲にとって不安の種であり時折、ソーシャルワーカーに連絡を取って定期外面談を依頼しようと思ったほどだ。

実際に月に一度の定期面談の他に早く相談をしたいことがあればスケジュールのゆる限り面談の機会は作ってもらえる。

だが、自分の悩みがそこまでのものなのか美咲には自信が持てなかった。寝不足になるほど悩んではいたが、他の人には些細なことかもしれないと考えることもあったからだ。

カウンセリングルームで席につくと最初に精神状態と性自認の状況把握のためのいくつかの形式的なテストを受けた。

その後、精神的なことや生活上の困りごとを普通の会話の形で相談するという流れだ。

美咲の担当ソーシャルワーカーMはこの日、美咲が何か悩みでうわのそらの様子になることに気づいていた。

前回の面談でも同じ様子だったが、聞き出そうとしても特に話は出てこなかった。そのため、Mは今日美咲の様子にいつも異常に注意を払っていた。

「M先生、今日はちょっと相談したいことがあって……」

美咲はテストが終わり、Mが道具を仕舞い終えると少しためらった様子で口を開いた。

「何か悩みがあるようね。悩みを一緒に解決するのもわたしたちの仕事だからいつも言ってるように遠慮なく話してみて」

「その、女の人にこういうことを相談していいのかわからないけど……」

美咲はうつむいてそう言った。Mはその言葉でこれから美咲が何を話そうとしているのか想像できた。

「わたしじゃダメなら、Y先生を呼ぼうか? 男の人の方が話しやすいこと?」

美咲はあいかわらずうつむいている。少しの沈黙のあと申し訳無さそうに口を開いた。

「その方がいいんだろうけど、男の人に話すのは抵抗があって。男の部分の話の場合は先生じゃだめ?」

「大丈夫よ。わたしは医療従事者だから男女関係なく体で起こることの仕組みは理解してる。でも自分で経験できない事だから実感を持ってアドバイスはできないわ。それでもいいなら」

「あたし、先生に話したい。両性具有だからこう言うのは変かもしれないけど、女の子として男の人には言いづらくて」

「わかった。でも、Y先生は副担当だから情報は共有するからね。そこは理解してくれる?」

美咲は黙って頷いた。美咲はソーシャルワーカーMの事を嫌っているわけではない。だが、小学校に上がった頃から女性としての性自認を強く示していた。Yに話すことを希望するのも「同じ女性として」聞いてもらえることを望んでいるのだろう。

ちなみに副担当というのは両性具有のサポートをするソーシャルワーカーの役割のことである。ソーシャルワーカーは男女二人のペアで一人の両性具有を担当する。これは男女両方の機能を持つ両性具有をサポートするにあたって男性と女性、両方の視点があったほうがよりよいサポートが可能と考えられている。この男女ペアを主担当、副担当と分けている。主担当と副担当は性別などで特に決まるわけではなくその時の行政機関の人員の状況で割り当てられる。主担当副担当の違いは担当する両性具有への対応に対してであり、基本的にサポートプランや各種の手続きなどの両性具有と接しない業務においては両者は対等であり一緒に動く。

「それで、困っていることはどんなこと?」

「あの、最近、朝起きるとパンツが汚れていて。白いネバネバしたものがちょうどおちんちんのあたりにべったりとついてるの」

「朝起きるとというのは寝てる時かしら?」

「あと、おちんちんに変な感覚がしてそのネバネバが出る時に目を覚ますこともあるの」

美咲は悲しそうな顔で目を伏せて言う。Mは他にも二人の両性具有に副担当として関わっているが、このような悲しい顔をしながら話すのは初めて見る。だが、これは両性具有のサポートソーシャルワーカーになる際の研修や研究で呼んだ資料や論文で出ていた典型的な状況だ。

「そのネバネバが何かはわかる?」

「はい。最初にあった時にすぐに何かわかったけど、精子、だよね?」

「正しくは精液ね」

「やっぱり。おりものと違って真っ白だったし匂いも違った。あと、おりものはたまたまの裏あたりが汚れるけど、おちんちんの位置だったから」

美咲はテーブルの下の膝に置いた手に力を入れた。わかってはいたがこうして何か定義されると打ちのめされたような気分になった。

「美咲ちゃん、まず医療に関わる者として言うけど、あなたの身体が健康にそだっている証拠なのよ。初潮の時に嬉しそうに話してくれたでしょ? それと同じ」

「それは分かってるけど……」

「体重も増えてたし、順調に身体は成長してるの。ホルモンバランスが崩れて体調を崩しやすい思春期の両性具有にとってそれは喜ばしいことなの」

「わかってる! でも、あたしは女の子なのに」

美咲は鼻声で声を荒らげた。泣きそうになっているのははっきりとわかった。

「辛いよね。ごめんね、わたしは立場上、身体については事実を伝えなきゃいけないの。でも、女の子としては辛いよね。わたしがきちんと分かってあげられるとは思わないけど、小さな頃から女性じゃないことを気にしてきた美咲ちゃんなら男性としての部分を突きつけられるのは辛いと思う」

Mは美咲の頭をそっと撫でた。本来カウンセリングにおいてこのような行為は行ってはいけないが、両性具有のソーシャルワーカーはある程度の個人的な人間関係を築く事が許されているし推奨される。特に今の美咲のような性自認と異なる性別の機能を突きつけられる二次性徴においては「第3の保護者」としての振る舞いをすることもある。最も、過度に個人的な関係にならないように派遣元の行政機関からはしっかりと防ぐための仕組みが用意された上ではあるが。

「射精って止める方法ってないの? あたし、朝起きるのが怖くなって」

「それはないわね。むしろあなたが子孫を残すための大切な機能だから健やかに発達するのを促さなければいけないものなの」

「でも、あたしは父親にはならない」

美咲の性自認は女性だ。その答えが出るのは当たり前の事と言える。だが、ここで美咲の性自認や性的指向をカウンセリングの内容や生育歴から分析する限り、女性として生き男性を愛するのは十分予想できる。だが、性的指向はまだわからない場合も多い。男性や女性においても異性愛者だと思って生きてきた人が同性を愛する事もある。美咲が女性を愛してその女性と子を成すことだってありえる。

だが、それは今の美咲に言うことではない。多少教科書どおりだが、Mは美咲に自信の身体のコンディションを管理する方法を指導することにした。

「止めることはできないけど、ある程度コントロールすることはできるわ」

「ほんと!?」

「今の美咲ちゃんの状況は精子の製造が睾丸のストックできる精子の量を超えてしまっているのが原因なの。だから、身体の中に溜めておけなかった精子を外に出す機能が働いてるの。特に寝ている時に起きる事がおおいのだけど寝ている時の精子の放出は『夢精』と呼ばれているわ」

「起きた時のは?」

「刺激で目が冷めたんだと思う」

美咲は射精で目が冷めた時の事を思い出した。その時、鼠径部に感じた妙な感覚が精子を出す時の感覚だと考えると、クラスの男子が話していた男性器で行った「気持ちいいこと」の話を思い出した。

(あんな感じなんだ……)

「それで先生、コントロールするってどうすればいいの?」

「簡単に言えば、睾丸に余裕がある間に自分の意志で精子を身体から出すことね」

「それって……」

「マスターベーションってわかる?」

「『こころとからだの本』で読んだことある。男の子が気持ちよくなるためにするやつでしょ?」

美咲は以前読んだ本の内容を思い出しながら言った。「こころとからだの本」というのは美咲が小学校高学年のときに読んだ、よくその年代の子供たちの間で読まれている性教育の本だ。そこに男子が自身の性器を刺激する行為についての解説が書いてあった。

「あれに載っていた内容で合ってるわ。美咲ちゃんはどうやって子供を作るか知ってるでしょ?」

「うん……」

「男性器のペニスを女性器の膣に入れて膣の中に精子を出すことで女性器の中にいる卵子との受精を指せる行為をするでしょ?」

Mはまどろっこしい言葉だと思いながら性行為を説明した。本来なら男性が女性がと言いたいところだが、どちらの役割も可能な両性具有に話すときにはこう話す事がルールだ。

「その時、ペニスは膣で刺激された結果、射精をするの。それを膣のかわりに手を使うことで射精を促すことをマスターベーションって言うの。それをこまめにするのが対処方法としては一番かな」

「それって、男の人のすることでしょ?」

「女性として生きている両性具有もそうやって射精をコントロールしてるわ。あまり睾丸に精子を貯めるのも体によくないの。健康管理には必要なことよ」

「男の子しかしないことはしたくない」

美咲は少し口調を強めていった。それだけ自分の体の男性への拒否感が強いのだろう。「女の子が射精で悩んでいる」状況なのだから無理もない。

Mは美咲がマスターベーションをすることを受け入れて悩みから開放されることが最適だと考えているが、ここで納得させるのは難しそうだ。ただ、美咲が読んだ本はMも目を通しており、その内容と美咲くらいの少年少女の自慰行為への認識で気になっているところがあった。

「美咲ちゃん、あなたは誤解しているかも」

「何を?」

「『精子を出すため』にマスターベーションをするのは男性と両性具有のみだし、男性の行為だというのも間違ってないわ。けど、マスターベーションは女性もすることなの」

「そうなの?」

「ええ。これまで両性具有、男性、女性の外性器がどうなってるかを勉強してきたでしょ? 女性器にペニスに相当する器官があったの覚えてる?」

「うん」

「そこを刺激したり、女性には女性のマスターベーションがあるの。だから、あなたが女性としてマスターベーションをすることは何もおかしいことじゃない」

「でも、あたしがするのはおちんちんでしょ?」

「そうね」

美咲はうつむいたまま拒否する姿勢を見せ続けた。美咲にはMの提案を受け入れる気持ちはないように思えた。

Mはその場での解決を諦めて副担当Yとも協力し別の解決策を考えることにした。

「そう。とりあえず、一度考えてみて。知りたいことがあればそこはサポートをするから」

「ごめんなさい、先生」

「謝らないで。他に困ってることはあるかしら?」

Mは一旦、話題を変え学校生活や他の生活上の状況聴取をすることにした。

 

前回の面談から一週間ほど経ったあと、あれから美咲には夢精が起こっていない。その事に美咲は安堵していた。

その日の昼休み、美咲は友人たちと他愛もない話をしていた。

「この間、お兄ちゃんの友達が出したアプリが面白くてさ。昨日、二時位までやってて寝不足になっちゃって」

「どんなの?」

「ゲーム。よく動画サイトの広告でありそうで胡散臭かったんだけど、やってみたら面白くてさ」

友人たちは昼休みの間だけカバンから出してもいいスマホでアプリを見せあっていた。

いつもなら美咲も積極的に話に加わるがこの日は聞き役に回っておとなしくしていた。

昨日まではそうでもなかったが、今日はなんだか身体がそわそわする感覚があった。体調を崩す前兆なのか、放課後になったら保健室に寄ろうと思っていた。

しばらく会話している時に美咲はもう一つの身体の感覚に気がついた。男性器、特に睾丸が重たく感じてペニスがムズムズするような感じがした。

美咲はその感覚が何なのかすぐに感づいて憂鬱な気分になった。多分これは夢精の前兆だ。明日の朝、これまであったようにパンツを汚すのだろう。

「美咲はなんかおすすめのゲームある?」

会話の輪の中にいた幼馴染の友香子が話を振った。美咲がいつもと様子が違うと気がついたらしい。

「なんだろう? 最近、動画しかみてないからなぁ」

美咲は最近、夢精の悩みで疲れていて能動的に操作をしないといけないゲームをする気が起きず動画ばかりを見ていた。

「なんか面白い動画はある?」

他の友人が動画アプリを開きつつ質問をした。

「そうだなぁ……」

スマホを操作して昨日見たびっくり動画を開こうとした時に美咲の全身を身に覚えがあるような、でも初めて経験するような感覚が駆け巡った。

(え、なに……!?)

次の瞬間、美咲のペニスの先端にある尿道口は液体を穿いていたショーツの中に放出した。

友人たちに囲まれて椅子に座っていた美咲は自分の体に起こったことに驚きながら放心していた。

(おしっこ……? じゃない、この間起きた時のあの感覚だ。どうしよう、射精しちゃった……)

美咲は動揺しながらどうしていいかを必死に考えた。

今できることは一つしかない。

「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね」

美咲は立ち上がってそう言った。

友香子は美咲の様子が変な事に気がついていたようでその場を離れて行こうとする美咲の制服の袖を掴んだ。

「美咲、大丈夫?」

友香子は周囲の友人たちに気づかれないように耳打ちした。

「うん、すぐ戻ってくるから」

「調子悪いなら保健室行きなよ。着いていく?」

「いいよ、ホントにすぐ戻るから」

美咲は友人たちに挨拶をすると輪の中を出た。友人たちは口々に「いってらっしゃい」とか「わかった」と特に様子に気が付かない様子で言った。

友香子はそんな美咲を心配そうに見送った。

 

美咲は教室を出ると早歩きで女子トイレに向かった。

美咲は自分のショーツにかかった精液の生暖かさに気持ち悪さを感じつつ、気持ちは先程の射精を友人たちに気づかれていないかを心配していた。

精液には独特の匂いがある。友人たちにその匂いでわかっていないかが不安だった。

あの場にいた友人で美咲が両性具有であることを知っているのは友香子だけだ。自分を女性だと思ってる友人たちが自分に男性器があると知ったらどんな反応をするだろう?

トイレに着くと美咲は全て空いていた中の一番手前の個室に入ってドアと鍵を閉めてショーツを下げて便座に腰掛けた。

個室の中は少し暗かったがそんな中でもショーツと包茎のペニスの先端に白い精液がついていることがはっきりわかった。

美咲はトイレットペーパーを取って、最初にショーツを次にペニスの先端を吹いた。吹いた時にペニスには脱力するような不思議な感覚があることに気がついた。それは夢精で目が冷めた時に経験した感覚と同じだった。

美咲は動揺していた。ここは女子トイレだ。そして自分は女子中学生だ。にもかかわらず、股間にはペニスと睾丸をぶら下げてショーツを吹いたトイレットペーパーは女子の身体からは出てくるはずのない精液がついている。

(あたし、女の子なのに、どうして? 男の子のだよ、これ。女の子なのに……!)

美咲は耐えられなくなって涙を流した。嗚咽が止まらなかった。自分が両性具有であり男性でもあることは分かっている。男性器だって生まれたときからそこにあるし、幼稚園の頃には男の子に混ざって立ちションをしていた。だけど今は違う。年々形作られていく女性としてのアイデンティティには逆らえない。小学校入学と同時におしっこは必ず座ってするようになった。ボトムスを選ぶときは男性器が目立たないか心配するようになった。社会の窓のあるパンツを履かなくなった。そうして心地よく選んできた女性としての自分が壊されていくのが怖い。

美咲は拭き終わったトイレットペーパーを便器の中に捨てた。その際にどうしても手が男性器に触れる。自信に男性器があることはずっと受け入れてこれてきただけども、今日はそれも憎く感じる。

そしてもう一つ不安になった。いつも一緒の女子の友達と一緒の時に射精してしまった。そこに友達の女子たちをエッチな目で見てたのではないかという事が不安になった。小学校の頃好きな男子がいたし、今は好きな人はいないけれどクラスの格好いい男子に魅力を感じている。でも、本当は女子の事が好きだったらと考えるとどんな顔で教室にもどっていいかもわからない。

美咲は自分の女性としてのアイデンティティがぐちゃぐちゃにかき混ぜられてなんのことか分からなくなってただ泣くことしかできなかった。

そんな中、ドアが開く音がした。友香子だろうか? 様子を見に来てくれたんだとしたら嬉しいけど、気まずい。

友香子だったらここで声をかけるだろうが、入ってきた誰かは美咲のいる個室の隣に入っていった。

スカートをたくし上げてパンツを脱ぐ衣擦れの音がする。腰をおろして便座に座る音も聞こえた。どうやら単に用を足しに来た誰からしい。

隣の個室の生徒は音姫のないトイレで女子がよくやる水を流しながら用を足すのをせずにそのまま放尿を開始した。女性特有の勢いのいい排尿音がトイレに響く。

生徒が入ってきた時から息を潜めていた美咲はその排尿音に耳をそばだてていた。

(あたし、やっぱり女の子じゃない……)

美咲は常に女子トイレで個室に入って座っておしっこをしてきた。だが、美咲がおしっこを出す時は隣の個室の生徒のような音はしない。ペニスから出るおしっこは勢いも小さく音もほとんどしない。その上、便器の外に飛ばしてしまわないようにペニスを抑えておしっこを出す。

隣の生徒はリラックスした姿勢で特におしっこを外に飛ばす心配もなく足を閉じて放尿をしているんだろう。

座ってしても女の子と同じにはならない、改めて自分が女子じゃないことを突きつけられた気分になった。

美咲は教室に戻る勇気がなくなってきた。友香子に勧められたのもあって具合が悪いふりをして保健室に行こうと思った。

 

五時間目は保健室で過ごしていた。保険の先生は用事があって今、職員室に行ってる。他に生徒はいない。

美咲は保健室の窓から見えるグラウンドを見ていた。そこでは男子がサッカーをしていた。

美咲は運動部の男子生徒たちが活躍している姿を見ている。Tシャツやショートパンツからのぞく筋肉質な腕や足、Tシャツ越しに形を感じる胸の筋肉。鍛えられた男の子の身体は綺麗だった。

その様子を見ながら美咲は胸が満たされるような気持ちになっていた。あんな格好いい男の子から抱きしめられたらどんなに幸せだろう。そう考えると、気がつくと美咲のペニスは勃起していた。

最初は見とれていただけだったが、しばらくして自分の勃起に気がついた。

美咲はその時は教室での射精やトイレでの排尿音の違いに感じた自信の男性器への絶望感と違う感情を持っていた。納得にも似た安心感が美咲の中に広がっていた。

勃起は男子の身体で起こる事。だけど、女性の性自認を持つ両性具有である自分は男の子を見て女の子として勃起している。

あの時は女子に興奮して射精したわけじゃない。単に精子が身体に溜まってただけだ。

(あたしはちゃんと男の子が好きなんだ。だからおちんちんが勃ってる)

美咲は先日の面談でソーシャルワーカーMから受けたアドバイスを思い出した。自慰行為をしてみようとふと思ったのだ。

精子を出すならきちんと男の子の事を考えて出したい、そう美咲は決意した。

そうなれば帰ってからするのは一つだ。自分は自慰行為のことを何も知らない。あの本でまるで男の子だけがするようにかかれた不十分な知識だけだ。

きちんと自慰行為について調べて、自分の男性器に向き合おうと思った。

 

美咲は家に帰ると、両親が仕事に帰って来る前に今日と明日の計画を立てた。

明日は学校を仮病で休む予定だ。もう美咲は中学生なので軽い風邪くらいなら両親は仕事に行く。それに今はふたりとも仕事の忙しい時期だ。

そして、友香子の兄から教わったスマホとPCのペアレンタルコントロールの外し方のおさらいもした。

両親が寝静まった後の時間、美咲はベッドの上でスマホで探してた動画をPCで見始めた。

美咲は罪悪感を感じながらドキドキしていた。

これから美咲がすることは自慰行為についての調べ物だ。男性と女性、もしあるのなら両性具有の自慰行為の動画をアダルトサイトから検索して見る事にした。

スマホで数本はすでに見ているが、いくつかわかったことがある。自慰行為は単純に性器を刺激するだけのものというわけではないらしい。刺激すると気持ちよくなる場所は身体にいくつもあって、それを順番だったり同時にだったりいじることで気持ちよくなるということだ。

美咲は男性器と女性器と乳房がある。女性器を刺激するのは調べてみると少し怖かった。なので、乳房や乳首を刺激しながらペニスを刺激する、この形ですればよさそうだ。

いろんな動画を見ていて女性の自慰行為を撮影したものは上半身を刺激する上で参考になった。男性の自慰行為を撮影したものは下半身を刺激する上で参考になったし、美咲は画面に映るその姿に興奮した。

他にも男性と女性のセックス、男性同士のセックスの動画も検索した。

どんな動画が自分を興奮させるかも分かってきた。男性と女性のセックスがちょうどよかった。自分が画面に映ってる男性に抱かれているところを想像すると他の動画を見るよりもペニスが固くなる。

今日は明るくなるまで美咲の年齢では本来見てはいけないアダルト動画を見続けた。

その他にも無料で見れるものはエッチな漫画も見た。どのコンテンツも両性具有を描いたものは見つからなかった。だが、それで十分だった。美咲が自慰行為をするのは射精のコントロールもあるが、女の子としての自分に向き合うためでもある。だから十分だ。格好いい男性に抱かれる女性に自分を重ねようと思った。自分にも女性器があるわけで、男性に同じ様に抱かれることもできるのだから。

 

朝になって朝食に起きた際に美咲は精一杯演技をして体調の悪さを装った。すでに母も父も出勤の準備をしていた。特に母は早く行かなければならない日だったらしい。

心配していたが、両親は美咲がこのところ元気がなかったことにはきちんと気がついていた。だから、休むことに理解を示した。

美咲は罪悪感を感じて明日には元気になることを約束した。疑われないように美咲は両親に挨拶をすると自分の部屋に戻った。

両親が出かけたことを確認すると美咲はPCを立ち上げて昨日ブックマークをした動画の再生リストを作った。そして来ていたパジャマと下着を脱ぎ捨てて裸になった。

別にズボンとパンツを下げて男性器を出せばいいし、胸は服の上から触ればいいのだが、自分の体をきちんと観察しながらしたかった。

これは生まれて初めてする自慰行為だ。きちんと自分の性に向き合いたい。

(ひとりエッチするんだ、あたし)

さっきまで小さくなって下を向いていた美咲のペニスは大きくなって上を向いていた。まだ動画を再生していないが昨日の深夜の記憶が興奮を呼び覚ます。

美咲は体中に鼓動が響くのを感じながら緊張してPCの画面に表示された再生ボタンをクリックした。

最初は細身の若い男性の自慰行為だった。シンプルな動画で裸の男性がペニスを握って上下に手を動かしている。

美咲はその動画を見ながら一度、自分のペニスで同じ動作をしてやり方を確認した。その後、乳首を刺激しつつ、カウパーで濡れた亀頭を撫で始めた。

その動画が終わるとそこからは男女のセックスの動画だ。集めたのは女性向けなので男性の方が映っている時間が長いし描写が丁寧だ。

女優は胸を揉まれたり胴体を正中線にそって指でなぞられてリ、これは美咲の身体にはないがどんな感じかはわからないのだがクリトリスを刺激されたりして愛撫されていた。

自分にはクリトリスはないがそれをペニスに置き換えて自分の身体を男性に愛撫されているところを想像しながら乳房も揉み始めた。

動画の内容と乳房や乳首の刺激でペニスはどんどん硬くなってカウパーもどんどん溢れてくる。同時に陰嚢の裏も熱く感じた。ソーシャルワーカーから受けた性教育でそれが何なのか美咲は知っていた。膣と小陰唇だけの両性具有の女性器が濡れている感覚だ。ただ、気になりはするがそこは手で触れないつもりだ。

美咲は頭でクラスの男子に抱かれている事を想像しながらペニスを握って手を上下に動かす。乳首が感じる刺激とは違う体積の大きな感覚がペニスに広がっていく。

その感覚が気持ちよくて美咲は夢中でペニスをしごいた。

自分の身体の男の子の部分だ。昨日、保健室の窓から見た男子も家では同じ様にしているんだろう。そう考えると余計に興奮した。そして、動画の中で女優にペニスを挿入している男優も想像の中で自分の女性器に挿入しているクラスの男子のペニスの感覚も自分が今手で刺激しているのと同じだと思うと興奮が伝わってくるように感じた。

美咲はペニスをしごきながら身体に広がる感覚に神経を集中させた。ペニスだけじゃない、陰嚢の裏から下腹部にかけて気持ちいい感覚が広がっていく。

ペニスの感覚はどんどん強くなってきた。

(来る。なんか来る……!)

気持ちよさが爆発するようなそんな感じがしていた。美咲は起床時の夢精や教室での射精の時に似た感覚がペニスに込み上げてくるのを感じた。

(これって……)

その感覚の正体を実感した瞬間、美咲のペニスは痙攣をして白い液体を発射した。

全身に鋭い感覚が広がって美咲は身体をビクンビクンと震わせた。

次の瞬間、美咲はフラフラしてバランスを崩しそうになった。

「気持ち、いい……。これがひとりエッチ……?」

美咲の頭の中は白い霧が立ち込めたようにぼうっとしていた。

それが収まってくると、美咲は身体のだるさと一緒に射精した後のペニスを見た。

昨日、自慰行為について調べたサイトでは男性は射精の後、ペニスは最も小さい状態になるそうだ。だが美咲のペニスは半勃ちくらいの状態だった。射精した瞬間の気持ちいい感覚も少し弱まったけれど残っている。

男性にある射精した時の急激な性感と性欲の現象は両性具有には起こらないようだった。そのかわり、お腹の中に暖かさを感じていた。

そしてペニスから上の方に目を向けると腹から胸にかけて精液が散らばっていた。美咲の成長途中の小さな乳房は精液まみれだった。

美咲は驚いてティッシュを取り出して胸や腹を拭いた。これはシャワーを浴びたほうがいいだろう。

家の中に誰もいないのをいいことに全裸のまま風呂へ向かいシャワーを浴びた。

シャワーを浴びている最中、シャワーのお湯が当たるとペニスに性感がはしり「ひゃぅ!」と声を上げてしまった。ペニスは今刺激に弱い状態になっている。美咲はそんな中、包茎の皮の中の精液も慎重に洗い流して全身を洗うと体を拭いて風呂場を後にした。

全裸で家の中を歩くのははしたないと思ったが、ペニスを乳房を刺激して上半身を精液まみれにした事にくらべれば大したことには感じなかった。

美咲はなんだか服を着る気になれずに全裸のまま横になった。

ペニスにはまだ感覚が残っている。そんなペニスを弱い力でつついたりしながら頭の中で想像したクラスの男子に抱かれている様子を反芻していた。

(わたしのおちんちん、女の子として男の子を求めてるんだ)

改めて自分の性自認が女性だと自覚すると同時に男性が好きであることも改めて自覚した。

(またしたいな、ひとりエッチ)

美咲は自慰行為が好ましく思えていた。男性のような賢者タイムがなく性欲が続いている美咲は次の自慰行為が楽しみに思えた。

射精のコントロールのため自慰行為をすることを習慣にすることに抵抗はすっかりなくなっていた。

美咲は今、とても幸せな気分だった。

ただ、一つ考えなければならないこともあることも頭をよぎった。

毎回裸になるわけにはいかない、男子が射精をティッシュで受け止めているのは知っているがそれをどうするか、服を汚さないように射精する方法をどう身につけるかが課題になりそうだ。

 

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