平子真子に好感度100のエッチな彼女ができたら 作:架鍵キー
じゃれあうのをやめ、棗を仰向けにして足を開かせる。
突起を擦りながら指を溢れ出る愛液に浸す。
棗は顔を真っ赤にして平子の腕を握っているが、これは別にやめてほしい意味ではない。続ける。
中指を挿れる。緊張でキュッとしめつけた熱くてとろとろな中をゆっくり動かす。気持ちがいい。指が気持ちいい。
「よう濡れとる。自分でしてるんやっけか。指何本入る?」
「に、二本まで……」
指を一本増やす。
「どこまで入れとる?」
「……第一関節、過ぎるくらい……」
「ほんならここから奥は未知のゾーンやな」
グッと指を深く埋める。彼女の体の、本人も触ったことのない領域に踏み込んでいっていることに喜びを覚える。
親指で突起をいじめつつ、できるだけ奥まで中を探索し徐々に解していく。
とろけていくにつれて棗の息が上がり、目の光に灯る火が強くなっていく。
「せや、俺をオカズにしてるんやて? いつも何考えてしてるん?」
「そんなの、言えない」
「言うてくれれば
すると、彼女はむくれたような顔をして平子の肌を柔く引っ掻く。
「想像通りのことしかしてくれないの?」
参った。
一回くらい挿れる前にイかせてやろうとしたがもう無理だ。
「まだ早いとは思うんやが挿れさせてくれ。さっきから俺のモン硬くなりすぎて痛いねん。限界や」
「私が欲しいって強引にされる想像はしますよ?」
「エエ妄想するやんけ」
膝の裏に手をやって大きく足を開かせ、中心に先端を当てる。襞の間で動かすとくちゅくちゅと音を立てて熱く濡れ、快感に襲われる。
割れ目に裏筋を擦り付け、シーツまで汚している愛液をできるだけ多く纏わせる。
それだけでも気持ち良くて、痛くないようにしてやりたいのと欲望のままに挿れてしまいたい気持ちがせめぎ合って、何とか前者を勝たせている。
棗と目が合う。彼女は微笑んだ。
「ください」
強く上向いてしまうモノを掴んで、再び中心に当て、亀頭を埋める。棗が悩ましい吐息をつく。
ゆっくり腰を進める。棗の膣は狭くきつくはあるが拒絶はなくぬるぬると平子を呑み込んでいく。
半分近く挿れ、もうこれで棗は処女ではないと実感が湧いた瞬間、衝動が込み上げて止める理性が間に合わず一気に奥まで貫いた。
二人とも大きく喘ぎ、抱き合ったまま動きを止める。
「すまん……ゆっくりしよ、て思てたんやけど我慢でけへんで全部挿れてもうた……痛ない?」
「少しだけ……こんなに広げられるの初めてだから。でも痛いより、真子さんが中で熱くて、真子さんの形になって、嬉しくて、気持ちいい」
棗は腕も平子の首に回し、腰に足を絡めて全身でぎゅっと抱きつく。
「真子さん、愛してる」
「俺もや。しばらくこのままでいさせてくれ」
「……はい」
平子の緊急クライシス回避を棗が知ることはない。
出るところだった。
そして今動いたら出る。
平子は射精しそうなのを必死に堪えていた。
できるだけ棗がセックスを楽しめるよう丁寧にするつもりだったのに、張り詰めた興奮と喜びと愛おしさに昂ったとはいえ挿れただけでイクのは洒落にならない。
長持ちするよう一回抜いておけばよかったのだが、平子もこの時を本当に楽しみにしていたからわざわざ直前に一人でするのは嫌だった。
ほれ見ィ体の相性アホほどエエやろと何かに向かって心の中でなぜか文句を垂れつつ、出ないよう気を落ち着けようと努めた。不本意だが少し興奮を収めることを考えようとする。
するとなぜか藍染の顔が脳裏に浮かんできて、それがなぜか副隊長だった頃の姿で複雑な気持ちになり、なんで可愛い棗の処女貰うてる最中にあいつの顔思い出さなあかんねやボケェとイラつき、いや挿れただけでイキそうになってる俺が悪いんやがと反省する。
「……真子さん?」
ちょっと萎えたのを感じたのだろう、棗が心配そうに声をかける。
オマエは最高にエエから心配せんとき、と内心で語りかけたが、体の中に入ってるモノが萎むのを無視しろというほうが無茶だ。
唇を吸って誤魔化す。
「もう動いて平気やな」
「はい」
気遣ってくれていたのだと嬉しそうにする彼女に少々罪悪感を覚えた。
当初の予定通り急がずに抜き差しする。
熱に浮かされたように棗が言う。
「幸せ。私、何度もあなたが帰ってくる夢を見ました。その度に朝起きて新聞を見に行って泣きました。でも本当に帰ってきてくれた。それだけで十分だから、ずっと遠いままでいいと思ってたのに、真子さんがこんなに近くに、中まで来てくれたなんて信じられない。幸せ」
体を繋げて初めて彼女がどれだけ寂しかったのか、平子に全てを捧げて満たされているのかを知る。
自分しか幸せにできないこの女を、何も考えず世間知らずな貴族のお嬢さんとして扱って振っていた可能性を考えると恐ろしい。
「棗、俺がどっか行ってもうても百年でも二百年でも待つ言うてたな」
「うん。絶対、待ってる」
「待たんでええ」
「やだ」
「どっか行かなあかんときはオマエも連れてく。死ぬ気でついて来や」
普通なら、愛する人を巻き込んで危険に晒したいなどと思う者はいないだろう。安全で安穏とした生活をしていて欲しいと願うだろう。
しかし棗が普通ではなかった。平子の傍で命が危まれる目に遭うより、安全や財に恵まれていても平子のいないところで生きることのほうがよほど不幸なのだ。しかも、彼女は財はあっても安全ではない。
幸せを願うなら連れていかなければならない。──必ず。
棗は息を呑みこくこく頷く。
「行く。死んでもいい。ついてく。連れていって。一緒に行く」
「オマエみたァなのに愛されて俺は幸せ者や。オマエがいてれば俺はこのさき一生寂しないやろな」
性感帯を探りながら腰を使う。
されているだけでいいのに棗も受け身なだけではいようとせず、平子にも気持ち良くなって貰おうとしてか動こうと努力をしている。あまり意味をなしていないが、これからいくらでも上手くなるだろう。
挿れて動いているだけで何をしても快感を得られるので浅く突いたり、奥まで嵌めて揺らしたりする。そのうちに棗が小さく逃げるような動きををするようになったのでそこを重点的に責める。
棗は我慢していたが、耐えきれなくなってきて平子の背中に回した手に力を入れる。
「っ真子さん、そこはちょっとだめです……」
「気持ちええんやろ?」
「い、いいんです、けどっ、」
なら問題はない。
強く打ち付けると棗が啼いた。平子の腰にもびりびりと快感が走る。
「しんじひゃ」
「大丈夫や、怖ない。声も我慢せえへんで聴かせてや」
あやすように言って彼女の膝を肩にかけると、陥落したように嬌声をあげる。
呼ぶごとに高さが増していく自分の名前に唆られて再び頂きが近づいてくる。
「ごめんなさい。もうイッちゃう……」
甘い声でいきなり謝られたので何事かと一瞬ビビり上がり、安堵する。
「びっくりしたァ、なんで謝んの」
「しん、しんじさんが……まだ……」
平子がイケるかどうかの心配をしていた。気の毒になるほど平子を愛している、愛しい女だった。
「俺もイキそうや、安心してイキぃ」
「よかった……」
体を掴んで固定し、最後の瞬間のために速度をあげ、奥を強く突き上げる。
彼女が高く叫んで反り、痙攣するのをしっかり感じて今度は遠慮なく放つ。
絶頂の快楽は長かった。
平子の精に染まる子宮が感じるのか、棗の濡れた長いまつ毛がそそがれるのに合わせて何度も揺れた。
◆
実際、繋がったまま一頻りイチャイチャしてから抜いたら『こないに出してすまん……』と申し訳なくなるほど出していて、親に土下座しに行く覚悟が決まった。
一旦冷静になったあと、返す刀のように脳から変な物質がどばどば出てくる。
疲れてうとうとしているこの美しい女性は自分のものだと、独占欲が満たされる爽快感は鮮烈だった。
これからはずっと傍にいる。この愛しい存在が心も体も寄り添ってくれる。ただ自分のいることで幸せになってくれる可愛い女性が。
そう感じることのなんて心地良いことだろうか。
しみじみ幸福感に浸る時間を経て。
後悔が始まった。
服を着せておくべきだった。
彼女はまだ裸で、平子も裸だった。
して、離れただけの格好だった。
疲れている彼女を起こして誘うのは間違いなくOKするからこそ論外だが、かといってこんな日に独りで処理するのも嫌だ。何度も思い出すであろうこの日に、苦い記憶は付着させたくない。
頭を振る。
「ほんまこいつにどハマりしとるな、俺……」
初めは『あかんこいつ、俺が面倒みてやらな』くらいの気持ちだったのに、今は棗が溢れる愛情をいっぱいに抱えてくっついてきてくれない生活は考えられない。
一日に十回も二十回も好きだと繰り返し言われればうざったく感じるのが普通だろうに、全く聞き飽きない。何回でも言われて嬉しい。
と考えているとますます昂ってくる。棗が裸で隣にいる限りおとなしくさせるのは無理そうだった。
しゃアない。
トイレで済ませようと体を動かすと、漫画的表現で鼻ちょうちんが弾けたように棗は目を覚ました。
「ごめんなさい、寝ちゃってました」
「………………」
寝ててほしかった。
ここからピロートークが始まってしまうのはつらい。ピロートークはしたいのに。
しかし棗はそれ以上平子を悩ませはしなかった。
平子の首に手をかけ、甘い甘い声でこう囁いたから。
「ん、つづき、しましょう」
「続き?」
「え?」
「続き、って……挿れてええんか?」
「もちろん?」
不思議そうに首を傾げる。なぜそんなことを確認されているのかわからないようだった。
「あ……、真子さんは一回しかしない派ですか……?」
「そないな派閥があるのかどうか知らんけど違うとだけは言い切れる。いや疲れてへん?」
「私が?」
「オマエが」
「疲れてはいますけど、するでしょう?」
「したいん?」
棗は恥ずかしそうに目を細め、指先をつつっと平子に伝わせる。
「いじわる。欲しいって言わないとダメですか?」
すぐさま覆い被さってブチ込んだ。精液に塗れたそこはおそろしいほど卑猥な音を立てた。
いいって言うので2回した。
◆
しばらく二、三日ごとに宿に泊まる日々を過ごした。
それが落ち着いてからはだいたい週に一度ほどこんな感じである。
「真子さん、真子さん、好きです。今夜はお宿に行きましょう。抱いてください」
「まァた。たまには俺からも誘わせろ」
「早い者勝ちですよ」
「来週の木曜は夜空けとき」
「それは早すぎるのでは?」
「早い者勝ちなんやろ? あかんか?」
「まさか。嬉しい、大好き」
Once a Week(終)
良家の娘向けの閨事指南書と友人のせいで棗の性知識は偏っています。
「平子がイイ思いをしている!」と感じたらぜひこちらにも評価いただけると嬉しいです。