「ここは・・・」
目が覚めると青年は真っ暗な世界にいた。彼の記憶ではポケマスをやってそのまま眠りに落ちてしまったのだ。そして目覚めると何もない暗闇の中にいた。
「どうなってるんだ、これは夢か・・・?」
青年が驚いていると一筋の光が見えて来た。光の中には白く眩い何かが動いていた。
「あれって確か・・・・」
青年はその存在が何なのか分かっていたが唐突に表れたのでどんな存在か思い出せずにいた。
「え、イッシュ地方で旅をしろ?」
光が直接青年に語り掛ける。イッシュ地方を旅しろと。その声を聞いた途端、青年は落下した。暗い底へと落ちていく中で、青年の体が小さくなっていくのを感じた。
「・・・・もし、もしも~し、聞こえる?」
「起きないね。それじゃあ、あたしのギターで目覚ましにするってのはどうだ?」
誰かの声が聞こえて来る。二組の男女、それも子供の声が聞こえていた。少年が目を覚ますと、そこには二人の少年少女が自分を見ていた。
「うわ、誰?!」
「あ、起きたね。君、この街の草むらで倒れてたんだよ」
彼が起きるのを確認すると褐色肌の黒の半袖半ズボンの少年が気さくに少年に状況を説明した。
「こんな所で寝てたら危ないよ。野生のポケモンが襲ってくるかもしれないからね」
そう言うのは白い髪を縦に結んだ毒々しい縞々シャツを着た、下がボロけていてそこから太腿が映えているギターを持った少女だった。
「ホ、ホミカ・・・?」
彼は前世での記憶から彼女がジムリーダーのホミカだとすぐに気付いた。
「へえ、ホミカの事知ってるの?」
「え、ま、まあ、噂で・・・」
「ふうん、あんた、初対面なのにあたしを知ってるなんて変わってるね」
そう言うとホミカは照れくさそうな顔をして頭を掻いていた。
「あんた、名前は?」
ホミカが名前を聞いて来た。
「あの、カイトです」
「カイトって言うんだ。あたしはホミカ」
ホミカが名を名乗ってハウが口を開いた。
「俺、ハウ、アローラから来たんだ。で、今はイッシュを冒険しててそしたらパシオで星を見たホミカと久しぶりに会ったんだ」
「パシオ?」
ハウが名を名乗り、彼の台詞でソルガレオを手に入れるあの出来事だと思い出した。
「ま、パシオで馴染みだった奴と再会してあたしも嬉しかったけど、そんな時に偶然そこで倒れてるあんたを見つけたの。あんた、家はどこ?」
「家・・・・」
彼は思い出した。あの光に導かれてここへ来たのだと。
「あの、無いんです。家が・・・」
「家が無い?じゃあ親もいないって事?」
「はい・・・」
「あちゃ、これは訳ありみたいだね・・・じゃあ、あんたはどうやって生きていくの?」
「ねえ、ホミカ、俺達で助けてあげない?このままじゃかわいそうだよ」
ハウがホミカに何とか助けられないかと言った。
「しょうがないね。困ってる人がいたら助けてやるのもジムリーダーだからね。付いて来な」
ホミカに言われて彼は付いていった。
「ほら、付いたよ」
そこはタチワキのジムだった。そこに入って部屋に案内された。
「しばらくはここにいるといいよ。何、そんな不安になるなって、ちょっとジムの手伝いをしてくれたら悪いようにはしないからさ」
「本当に、ありがとうございます」
「いいよお礼は。あんたのような小さい子供が家も親もない独りぼっちなのはかわいそうだからさ」
「子供・・・?」
近くの鏡を見ると体が小さくなっている。このポケモンの世界に来て自分が子供として生まれ変わったのだとすぐに気付いた。
「良かったね君、住む場所が見つかって。そうだ、折角こうして出会ったんだし、友達になろうかな」
ハウが友達になろうと言って来た。
「いいんじゃない、男の友情ってのも楽しいし。良かったね」
「う、うん、どうぞよろしく」
「じゃあ、俺、ポケモンセンターで休んで来るから、またよろしくね」
ハウは笑顔で手を振ってポケモンセンターへと別れていった。
「しっかし、何が起きるか分かんないもんだね。あいつと再会したその次に、あんたと出会った・・・あんたとは何かの運命を感じたりして・・・」
「え?」
「あはは、な~んてね!ま、あんたは心配しないで人生を楽しみなよ。人生は楽しんだもの勝ちだからさ!」
そう言って少年の頭を撫でた。
「じゃ、これからよろしくね、坊や」
こうしてタチワキジムを家にして少年、カイトのイッシュ地方での生活が始まった。
「おはよう、君に会いに来たよ」
「よ、ぐっすり眠れた?」
ジムにハウとホミカがやって来た。
「おはよう。二人とも」
「なあカイト、あんた、ポケモンに興味ある?」
ホミカがカイトにポケモンの事を話した。イッシュ地方には様々なポケモンがいてポケモンを戦わせる文化がある事を説明した。
「あんたもさ、ポケモンを持ってみない。楽しいよ、ポケモンを仲間にするのは。わいわい出来て、バトルするともっと面白いんだ!」
「そうだよカイト、だから俺とホミカで君のポケモンを探すの手伝おうと思うんだ」
ホミカとハウが一緒にポケモンを探そうと勧めて来た。少年は思い出した。前世でゲームを遊んでいた事を、そこで旅に加えた仲間達と一緒に旅をするのもいいかもしれないと。
「うん、面白そう。連れてって」
「よし、決まり。付いて来なよ」
ホミカ達に連れられて、道路へと足を勧めた。歩いていると、草むらからミネズミが現れた。
「ほら、出て来たよ!」
ホミカがボールを差し出した。少年はボールを手にしてミネズミに狙いを定めた。