「ふう。結構上るね」
険しい崖を登ってトウヤがひと汗かいた。駅について先へ進むとそこは急な崖が多い場所だった。
「どこを登っても見渡す限り崖だらけだわ」
トウコが女の子座りをして一息吐いて言った。
「でも、このいくつもの崖を越えた先には素晴らしい景色があると信じてますよ!」
険しい崖を登る中でもシキミは創作威力を旺盛にしていた。崖を登っては本に執筆をしていた。
「シキミはこんな時でも小説を書いているのね」
「はい、ゴーストポケモンさんとの貴重な旅行ですもの、こんな機会は滅多にないですよ。この旅で得た経験はとにかく書かないと!」
カトレアが言うとシキミは嬉しそうに執筆活動をしていた。それを見てフウロやベルが微笑んでいた。
「さあ、どんどん登っていこうぜ」
「この先に何が待っているのか楽しみです!」
キョウヘイとメイはやる気を出して登っていった。
「皆~、早く早く~!」
アイリスは軽快に登って一行よりも一足先に遠くに行っていた。
「アイリス、もうあんな遠くに行ってるのか・・・」
アイリスの運動神経の良さにトウヤ達は驚いていた。
「まあ、彼女はドラゴン使いですからね。自然の地形もお手の物なのでしょう」
シキミは腰に手を当ててアイリスの軽快さを褒めていた。
「うふふ、あたくし達も負けてられないわね」
「アイリスに早く追い付きましょう!」
カトレアとトウコ達は急いでアイリスを追いかけていった。急峻な崖を苦戦しながらも登っていき、そして山が見える場所に辿り着いた。
「ふう、ここまで来たね・・・」
到着店に付いてトウヤはホッと息を吐いた。
「ここ、ハードマウンテンに似てるね・・・」
ナタネは地形を見てシンオウ地方のハードマウンテンに似ている事を思い出した。
「ハードマウンテンだけど、ここはハートマウンテンなんですよね?」
メイが名前が少し違う事を言った。
「あれ、煙が・・・」
ベルが見ると火山から出る煙がハートの形をしている事に気付いた。
「火山の煙がハートに見えますね・・・」
シキミは煙の形をつぶさに観察してメモを取っていた。
「崖を通った先には私達を祝福するように山がハートの煙を吐いていた・・・」
「ハートの煙が出るからハートマウンテンなのか・・・?」
ヒュウが言うとゲンガーが憑依したNが頷いた。すると火山が音を立てて地面を揺らした。
「わわ、地面が揺れてる・・・!」
「火山が噴火するんですか?」
トウヤとメイが驚いている中、火山が火を噴いて岩を飛ばして来た。飛んだ岩がカイト達の方へと転がって来た。
「きゃああ、岩がこっちに来た!」
ナタネが驚いて岩が自分達の方に向かってきている事を言った。
「あわわ、大変!」
「きゃあ、これは小説を書いてる場合じゃないですね!」
アイリスとシキミも事の重大さに気付いた慌て出した。
「四の五の言う前に、逃げるわよ!」
トウコが言うと一行は急いで走って下りていった。岩が転がって来て、一行に迫っていた。
「わああ、岩がこっちに来る!」
キョウヘイが全速力で走って逃げていた。
『言い忘れていたんだが、この山ではハートの形をした岩が降って来るんだ』
ゲンガーが岩が落ちて転がってくる事を今、一向に伝えた。
「成程、確かにハートの形をしていますね・・・」
シキミが振り返って転がってきている岩がハートの形をしている事に気付いた。
「そんな事気にしている場合じゃないわよ!とにかく急いで逃げるのよ!」
トウコが叫んで逃げるよう言った。一行は全力で走っていき、駅のある方へと辿り着いた。
「はあ、危なかったわ・・・」
車内に入ってトウコはぐったりとして椅子に座った。
「岩が転がって来るなんて驚きですね」
「うん、刺激的で楽しかったよ」
メイが言うとアイリスが楽しかったと言った。
「行きは辛い道のりであったが、最後はでんこうせっかの勢いで帰っていくのだった・・・」
シキミは嬉しそうに執筆を続けていた。
「シキミも楽しめたみたいね」
嬉しそうに執筆をしているシキミを見てカトレアは微笑んでいた。
「カイト、貴方も楽しめたでしょう」
「うん、スリルがあって良かったかな・・・」
「でしょう、アイリスも楽しかったよ」
「あたしはひやひやしましたけどね・・・・」
カイトが感想を言うとアイリスが楽しかったと言ってフウロは落ち着かなかったと言った。そうして列車は再び走り出したのだった。