あの2人が生み出されてから苦節2年?3年?ようやくイチャラブHのお話が書けました!
ラストの方にちょっとだけカレンとビアンちゃんの名前が出てきます
「ーーでは、明日は8時にここを発つのですね。ヘリの手配をしておきます。」
「いつもありがとうございます、ユーリス。」
シャグランの住む屋敷では、いつものやり取りが行われていた。
誰もいなくなった食堂で、テーブルを挟んで主人と従者が向かい合っている。
シャグランに相対するユーリス・エトワールは相変わらず表情を変えないまま淡々と必用事項をメモしている。
目元もサングラスで見えないままだ。
室内でまで付ける必要などないとは思うのだが、こればかりは彼の譲れないポリシーらしい。
「いえ、これも執事の勤めですので。それでは旦那様、良い夜を。」
いつも通りの言葉を残すと、最適化された動きでユーリスは退室していった。
普段通りとはいえ、あまりに素っ気ない態度に少しだけ寂しさを覚える。
そんな胸中を表現するために、一人きりの部屋でシャグランは竪琴を鳴らすのだった。
「…さて。」
久々の休日で疲れが溜まった体で、シャグランは自室に向かう。
最近は大規模任務や、そのゴタゴタの影響で我が家に帰るのは実に一週間ぶりだった。
その間、イゾルデとはメールでのやり取りしかしていない。
それでも、明日もまたキャメロッ島に顔を出し、任務に当たらなければならない。
今日屋敷に戻れたのも、主であるオースティンが『家族に会うように』と情けをくれたからに過ぎない。
よろけながらも寝室の前に辿り着くと、ドアノブを捻り扉を開ける。
「シャグラン様!おかえりなさい。」
室内には、既に入浴を終えて就寝の準備をしているイゾルデの姿があった。
長く美しいブロンドを櫛で丁寧に梳かしている。
「ええ、戻りましたよ、イゾルデ。」
彼女に微笑むと、シャグランは寝巻きの上に着ていた上着を脱いでハンガーに掛ける。
その様子を確認すると、髪を整え終わったイゾルデはシャンデリアの電気を消し、就寝用のランプを点灯させる。
慣れ親しんだ明度になった室内で、シャグランは我が家に戻ってきたことを再認識する。
「明日は早いのですか?」
「ええ。すみません。また貴方に寂しい思いを…。」
「ふふ、大丈夫ですよ。毎日メールとお電話をくれるじゃないですか。」
優しく微笑んだイゾルデは、羽織っていたレースの上着から袖を外すと、それを棚に仕舞い込む。
室内用のメガネを外し、寝台に向かおうとしたその時だった。
「そのシャグラン、様?」
「どうしました? イゾルデ」
振り返るより先に、背中に2つの柔らかい感触が伝わる。
「!」
室内の空気の流れが変わって、イゾルデの入浴後の甘い香りが部屋を流れる。
後ろから抱きつかれたことを理解すると、腹部に回された彼女の手に掌を重ね合わせる。
彼女は、何も喋らない。
心の内にある言葉を形にできるまで、シャグランも口を噤む。
数秒の沈黙の後、イゾルデが口を開いた。
「その……致し、ませんか?」
「イゾルデ…それは…。」
性交渉の誘い。
いつもは雰囲気や成り行き、若しくはシャグランから誘うことがほとんどだったため、滅多にない彼女の言葉に呆気に取られる。
「…ダメですか……シャグラン様?」
「……喜んで。」
イゾルデは心配そうな上目遣いでシャグランに目を合わせる。
きっと優しい彼女は、シャグランの身体のことを気にしてくれているのだろう。
たか、疲れなど関係ない。
彼女にはいつも寂しい思いをさせてしまっているのだ。
断る理由がない。
彼女を愛しているからこそ、漲るものもある。
身を翻すと、シャグランは彼女を抱きしめ背中と膝の裏に手を回して軽やかに抱え上げる。
お姫様抱きの格好のまま二人用のベッドに彼女を寝かせると、ぎしり、と使い古したスプリングが音を立てる。
自分もベッドにもつれ込むと、体勢を直して数秒の間彼女と見つめ合う。
「……ん……。」
シャグランはイゾルデの肩を抱き、その唇にそっとキスを落とす。
愛しい彼女に香りに包まれながら、口の隙間から舌を差し込み、手を握り合いらさらに体を密着させる。
イゾルデも拙く応じ、シャグランの舌に自分の舌を絡み付かせる。
これまで何度も繰り返してきた夫婦の営みだが、イゾルデのリアクションも、何もかもが初々しいままだ。
「シャグラ……んっ……ちゅ………さ…ま…ッ」
「はッ……ァ……イゾルデ…綺麗、ですよ。」
水音を鳴らしながら、2人は互いを呼び合う。
間近で聞こえるその声に、シャグランの気持ちは昂り始める。
何せ、久しぶりのセックスだ。
自制が効くか怪しい。
酸素不足で一旦互いの口を離すと、2人の間にとろり、と唾液が糸を引く。
「はっ……ぁ…。」
「っ…ふ……ぅ…。」
肩を上下させながら頬を真っ赤に染め、気恥ずかしそうに目を逸らすイゾルデがあまりに愛おしくて、もう一度シャグランは彼女の唇を奪う。
「んんっ…!?」
同時に彼女の背に手を回し、ブラジャーのホックを慣れた手つきで外すと、シャグランはイゾルデを優しく押し倒す。
汗ばんだ彼女のネグリジェを脱がせると、彼女の雪のように白い柔肌が露わになる。
滑らかな触り心地のそれに触れ、首から腰までの綺麗な曲線を撫でる。
「……シャグラン、さま……………。」
薄く涙を浮かべ、霰もない姿になったイゾルデの頬に手を添え、彼女のブロンドの髪を優しく撫でる。
「大丈夫ですよ、イゾルデ。優しくします。」
「……はい。」
イゾルデはその手に掌を重ねると、笑みを浮かべる。
シャグランの言葉に安心したのか、イゾルデは手を伸ばしこちらに抱きついてくる。
ゼロ距離で香る彼女の甘い香りに理性が揺らぎ始める。
首筋、鎖骨にキスマークを付けると、彼女の豊満な胸を直に触り、手触りを確かめる。
ひんやりとして柔らかい感触にごくりと唾を飲み込み、彼女の弱い部分でもある桃色の頂上にそっと触れる。
「ひぅっ!」
「ーーー。」
イゾルデの出したあまりに可愛らしく、艶かしい声に、理性の抑えが効かなくなるのを感じた。
「イゾルデ、すみません。」
「……え?」
「優しくすると言いましたが……少し乱暴になるかもしれません。」
硬直した乳首を指先で弄り、所在なさげにもじもじと動く彼女の太腿の付け根に手を伸ばし、首筋に舌を這わせる。
「ひぁ…ッ!?シャグラン様…!!いきなり…ッん!」
ゆっくりとなぞるように下着の上から布越しに柔らかな肉の感触を楽しんでいると、布地がじんわりと濡れてくる。
パンツをずらし、隙間から指を侵入させると、彼女の局部を直に触る。
「ひんっ…!やぁ……っ…!」
一触する度に、秘部の滑りが強くなる。
十分に湿ったそこは、シャグランの指2本を簡単に受け入れた。
「ふあ……ぁ……!」
「可愛いですよ、イゾルデ…。増やしますよ。」
乱れ始めたイゾルデを目の当たりにしてシャグランのギアは上がっていく。
膣内に挿入する指を増やして、指先をちぎりそうなほど締め付け痙攣する感触を楽しむ。
愛液が溢れ出るほど濡れたソコを確認すると、衣服を全て脱ぎ捨て、シャグランは自分の性器も曝け出す。
イゾルデの脚をM字に開かせると、薄く毛の生えた彼女の蜜壺が露わになる。
彼女の濃密な甘い香りに脳がぐらつくのをグッと堪えてすっかり硬くなった自分のそれを、性器同士が密着するような形で押し付ける。
「んっ…ぁ…………んう……ひぅっ…!」
くちゅ、くちゅ、といういやらしい水音を立てながら、シャグランの剛直がイゾルデの性器に擦り付けられる。
回数を重ねる度に、彼女の声は大きくなる。
シャグランは、前戯としてこの行為を好んだ。
決してサド、というわけではないのだが、焦らされて身をよじるイゾルデの姿にどうしようもなく興奮する自分がいる。
自身の性癖を真剣に疑ったこともあるが、イゾルデは受け入れてくれた。
10回ほど往復させると、彼女の愛液でシャグランの肉棒は全体はすっかりぬらぬらと光っていた。
それを確認すると、角度を変えてあてがい直す。
「シャグ、ラン様……私……もう…っ!」
蕩けきったイゾルデの表情に、頃合いだと確信してシャグランは備え付けの棚に手を伸ばす。
だが、その手をイゾルデはぱしり、と掴んで止めた。
「!」
棚に入っているのは、避妊具だ。
彼女もそれは分かっているはず。
「イゾルデ…?」
「その、まま……が、いいですっ…。」
その言葉が意味するところを、シャグランは即座に察する。
つまりーー子作り。
イゾルデは抜けている部分もあるが、聡明だ。
全て覚悟して、考えているはず。
夫として、その覚悟に応えないわけにはいかない。
「シャグラン様……………来て……!」
焦らされ続けてヒクつく秘部を、生まれたままの姿で求めてくる姿を見て、鼻先が付き合うほどの距離でシャグランは甘く囁く。
「はい……愛しています、イゾルデ。」
彼女の蜜壺に挿る角度で、シャグランはずず、とゆっくり腰を沈めた。
「あ…っ……♡」
挿入と同時に、イゾルデの喉から甘い声が漏れる。
「ッ……!!」
当のシャグランも初めて彼女との境がなしで挿入されたことで、快感で意識を揺らしていた。
初めて直に感じる温かさ、滑らかさ、窮屈さ、その全てが脳に突き刺さる。
正直、少し動いただけでもすぐに達してしまいそうだ。
だが自分だけが感じていてどうする。
イゾルデの腰に手を添えて、腰を前後させる。
「あっ……はぁ…っ……や、ぁ…♡」
腰を動かす度に、イゾルデは甘いため息を出し続ける。
その喘ぎ声が堪らず、後のことなど考えずにピストン運動を激しくする。
「あぅっ…!ふぁ……ッッッ…〜〜〜ァ!」
膣内の締め付けが一段と強くなり、彼女の身体がビクン、と跳ねる。
背に回された彼女の爪が背中に食い込む。
その痛みさえ愛おしい。
イゾルデの鎖骨に吸い付き、赤い痕を残すと再び彼女と向かい合う。
シャグランの汗が彼女の額や頬にポタポタと落ち、彼女の涙と混ざってベッドを濡らす。
「あっ♡ひぅ…♡あぁあっ♡あんっ…!」
何度も何度も注挿を繰り返すと、堪えきれなくなったイゾルデの声が次第に大きくなる。
心と身体が昂れば、愛の言葉も饒舌になってくる。
「シャグラ、さま…あッ…!好きです…!大好き…です…!!ずっと…一緒に…ッ!!」
「私もっ…です…!!愛して、います…ッ…イゾルデ…!!いつまでも……ッ、隣に…ッッッ!!」
愛を叫び合うと、イゾルデは貪るようにシャグランの唇にキスをする。
シャグランも舌を絡めると、彼女の身体を抱き抱えて体勢を変える。
「〜〜〜〜っは……あ…っ!」
垂直に侵入したシャグランの性器が、イゾルデの膣中を容赦なく掻き回し、突き上げ、快感を与え続ける。
腰を振り続けるシャグランも、締め付けによる快楽でどうにかなってしまいそうだ。
「シャグランさま…っ………♡シャグランさま……っっ♡」
「イゾルデ……ッ!!
互いに限界が近いことを予感する。
「出します……ッ!!イゾルデ…!」
「んっ♡ 出し…ッて…シャグラン……様…ッぁッ!!思いっ、きり…ぃ…ッ!」
彼女が頭を反らして一際大きく痙攣すると同時に、シャグランの中でも衝撃が爆ぜる。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ♡♡」
どく、どく、どく、という擬音が似合うほどの勢いで彼女の腹の中を満たしていく。
全身を脱力したイゾルデがこちらに寄りかかってくるのを受け止めると、シャグランは仰向けでベッドに倒れる。
浅い呼吸を繰り返す彼女の髪を撫で付け、頬に口付けをする。
ーー3人、もしくは人家族になったら、どうなるのだろうか。
そんな幸せな未来に思いを馳せると、シャグランの胸に温かい幸せが満ち、涙が浮かぶ。
「ありがとう、ございます。……イゾルデ。」
今のシャグランが在るのは、全てイゾルデがいるからだ。
こんなにも幸せで、満たされているのは彼女の存在があるからだ。
心地よい倦怠感に包まれながら、強く誘惑してくる微睡に意識を委ねようとしたその時だった。
むくり、とイゾルデが上体を起こす。
「……イゾルデ?」
「シャグラン、様……もう、一回…したいです……!」
妖しい笑みを浮かべたまま、イゾルデはシャグランの身体の上に跨る。
その姿は、伝承あるサキュバスのようにも見えた。
「………な」
「動き…ますね…!!」
結局この後、夜が明ける頃まで二人は交わり続けたのだった。
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翌日、キャメロッ島の通路にて。
目の下に濃い隈を貼り付けたシャグランはいつもより遅い足取りで隊室に向かう。
老人のような足取りで足を動かしていると、真横にあった自動ドアが開く。
「お、シャグラン。はよっす〜。」
そこには飴を舐めながら自室から出てきたヴェナの姿があった。
いつも通りのパーカーとジャージ姿に思わず安心しながら、シャグランは足を止める。
「ヴェナ…さん…おはよう…ございます……。」
「え、どした?死ぬほど疲れてんじゃんか。」
いつもは軽い態度のヴェナも、流石に今日のシャグランの様子には絡めない様子だった。
「ええ……昨日はあまり寝付けなくて…。」
「ふ〜ん?その割にゃ肌艶いいじゃんかよ。
……………………………あっ、イゾっちかな?」
ヴェナは数秒の思考で図星を突いてくる。
そして頭が回らないせいもあって、シャグランは答えが出て来ず困り笑いを浮かべるしかなかった。
だがその沈黙がよくなかった。
ヴェナは悪戯好きの子供のような笑顔を浮かべると、肘でシャグランの脇腹を小突く。
「ヒューヒュー、おアツいじゃんかよ鴛鴦夫婦〜??」
「ーーーーーーーーーーその話、詳しく。」
そこにはいつも間にかいたのか、カレンの姿もあった。
この後、バリトンとミラが割り込むまで二人の質問攻めに遭ったシャグランであった。
所変わって、屋敷にて。
「……ユーリスさん、これは…?」
朝食としてイゾルデの皿の前には見たことのない料理が並んでいる。
「赤飯のリゾットで御座います。熱いうちに召し上がりを。」
執事長兼料理長のユーリスは何も語らずにいる。
あまり聞き馴染みのない料理だが、彼が作るのだから一級品なのだろう。
不思議なこともあるものだと流していたが、数日後ビアンにこの話をして、昨夜のことがユーリスにバレていたことを知るのは、また別の話。
設定として出していたか忘れちゃいましたが、イゾルデは割と性欲強めで、シャグランは基本攻めですが受けに回る日もあります。
あとユーリスさんは前も言ったかもですがナイさんのお兄さんですね。妹ほどではないですが、トリイゾの屋敷で生活するに連れてだんだんカプ厨の片鱗が出てきてます