※この作品はR-18です。

双星恋歌   作:BaSH.sh

1 / 1
幼少時代、妹の恋が始まった。


幼妹想華

朝が来る。

昇る日が私の部屋と寝顔を照らす。

 

音がする。

一筋の光が希望をもたらす。

扉が開く。

 

薄紅が私に囁く、そして頬を撫でる。

 

「おはよう。朝だよ、起きて。」

 

兄の声が胸に染みる。

暖かく優しい。

 

「ううん、お兄ちゃん…おはよ。」

 

『時に惑い

身心を

捧げようと

誓い合う

魂は儚き

永遠を歩む。』

 

悩みや悔やみ、それは誰でもあることだった。

 

リビングでは2009年製の薄型テレビが吐き出すようにニュースを映し出している。

流れる雑踏と耳にも入らないアナウンサーの声がセミの鳴き声に聞こえてくる。

 

目が冷めて直ぐに兄と一緒に朝食を食べたいと思った。

 

冷蔵庫にはコンビニ弁当が6個ほど入っている。

他にあるのは飲み物でコーラとサイダー、麦茶や緑茶が入っている。

 

「さて、何を食べようかな。」

「お兄ちゃん、一緒にパン食べたいな…?」

「いいよ、一緒に食べようか。」

 

兄として俺は妹のためにパンを用意する。

妹にパンを手渡しする。

 

どこにあったパンなのかと言えば、電子レンジの隣にあったものだった。

常温保存されていて、少しばかり暖かい太陽の匂いがする。

 

「ん!!」

「どったの?」

「お兄ちゃん…あーんして?」

「いいよ、はい…あーん。」

「おいひい…!!」

「お、おう。それなら良かった。」

 

妹がパンを頬張っている。

端正で美しい顔ながらも幼い。

だが、香る色香は甘い匂い、溶かされてしまいそうなくらいに甘い。

しかし、今は小学生な兄妹である故に互いの男女としての魅力に気づかない。

 

時間が過ぎる、過ぎていく。

かけがえない時間が刻まれていく。

 

午前の7時には登校しなければならない。

 

「「ごちそうさまでした」」

 

片付けが苦手な俺はパンの外装を捨てることを忘れていた。

 

「あ!お兄ちゃん、パンのゴミ捨てておいて!」

「おっけい!」

 

そうしてパンのゴミを自治体が提供しているゴミ袋へと入れる。

なんとなく目についたのは賞味期限だった。

食べたあとに気づいたが、既に過ぎていた。

だが、それでも妹と一緒に食べるのは最高に楽しい。

 

俺達は準備をする。

学校の準備をしている。

 

家から2kmくらいの場所に学校がある。

俺と妹は誕生日が数ヶ月しか離れていない。

だから、年齢も同じでクラスも同じだ。

 

もう、登校の時間が来る。

 

「続いてのニュースです。」

「昨日、行方不明だった児童が父親である容疑者のバッグから発見されました。」

「なお、警察の調べにより遺体には複数の打撲痕が見られ、容疑者は「死んでしまったので、遺棄する予定だった。泣くのをやめないから、日頃から叩いていた。」と供述しています。」

「近所の人:朝から子供の鳴き声が聞こえるし、怒鳴り声が一晩も続くこともあった。」

 

テレビはつけっぱなしだった、

 

通学の時間すら二人は幸せだった。

走れば3分の道だって逃さないように手を繋いだ。

 

もうすぐ、学校に着く。

ついてしまう。

 

小学生だけど既に俺達は孤立していた。

周りの生徒から浴びせられる罵声、それに耐え続けた。

 

朝から昼まで当然ながら授業がある。

昼休みは兄として妹を守る時間だった。

 

一人の生徒が妹に暴言を吐き捨てる、浴びせ続ける。

俺は妹を撫でる、撫で続ける。

 

衝動に耐えられない、耐えることなどおこがましい。

湧き上がる熱、幼い心を歪ませる衝動とも言うべき怒り。

我慢など俺は出来ない、だが静かにすることは出来る。

それでも、静かに耐えることなど出来ない。

そんなものは耐えるくらいなら壊してしまえばいい。

放つ、紡ぐ、衝動が流れ出す。

教師すら止められない、だから問題児と俺は言われ続けた。

 

「おい、裏に来い。」

「なんだよ、どうせ勝てないだろ?カス!!死ね!!」

「そう思うなら試せよ、いくらでも俺が相手をしてやる。」

 

水草が生い茂る、小さな池が佇む。

 

「それで、何か用でもあるのかよ?」

「あっち向いてろ!」

「はぁ?」

 

俺は、その辺に落ちていた木の棒を掴む。

池の中の植物と水をすくいあげて奴にかける。

 

「うわっ!!きったねえええ!!てめえ!何するんだよ!!」

「俺をやれるものなら、やってみろ!かかってこいよ、ドカスがよォ!!」

「くそ!!てめえなんか!!お前なんかいなくなっちゃえ!!」

「次はねえぞ、やるなら…さっさとかかってこいよ、三下ァ!!俺にやられるのが、そんなに怖いのかァ?歪めてみろよ、その言葉でやってみろよ!!俺の手で……ぶっ壊してやるからよォ!!」

 

いじめっ子をボコボコにした、潰したのだ。

 

昼休みが終わった。

 

チャイムが鳴る、妹に呼ばれる。

 

「お兄ちゃん、さっき何してたの?」

「遊んでただけだよ。」

 

先生に呼ばれる。

しかめっ面だった。

 

怒られても俺はへこたれず言い返す。

「殴っちゃだめでしょ!それに水かけるのもダメ!!」

「反撃が許されないという事実は存在しない、その程度の理論なら貴方は使えない。」

「はぁ?先生に…何その態度は?」

「その程度の思考では意味がない、甘い。」

「い、意味わかんないなだけど?何いってんの?」

俺は教師は無能だと思った。

「次に俺の妹に手を出したら、どうなるか分かってるんだろうなァ?」

「うっせえ!!バーカ!!」

「あァ?また、やるかァ?」

 

結局、授業には遅れた。

 

それから、一週間が経った。

いじめっ子は一週間の間は一度も登校しなかった。

 

月曜日、朝の会でクラスの皆に告げられる事実が同じクラスの妹を驚かせる。

それは、奴が転校したということだった。

 

実は俺は家に帰ってから両親から注意されていた。

だが、どうしようもなく衝動を解き放つしかなかった。

 

なぜなのか、それは俺はADHDだったからだ。

そのADHDと言えば静かに出来ないことで有名だが俺は違った。

ゲームやテレビを楽しむときは静かに楽しめる。

授業も集会も、誰もが騒いでいても静かに出来る。

そんな俺が我慢できないこと、それは怒りという衝動の感情だった。

 

妹は、そっと影から俺を見ていた。

そして、妹である私は声をかける。

 

「お兄ちゃん、大丈夫……?」

「大丈夫に決まってるさ、俺が一生ずっと守ってやるから安心しろ!」

「ありがとう、お兄ちゃん……!!」

 

この瞬間、私は兄に恋をした。

好きになった、誰よりも愛しいと思った。

兄だけが私の頑張りも悲しみも、寂しいという思いも、なにもかも全部を受け入れて愛してくれた。

 

私は兄を抱きしめた。

俺は妹に抱きしめられた。

暖かくて愛しい。

俺は妹のことが大好きだ。

 

囁く、囁かれる。

繊細な声と吐息が身も心も抱きしめる。

 

「お兄ちゃん、大好きだよ♡」

「俺も大好きだよ。」

 

今日は、月曜日だけど学校は仮病を使って休んだ。

 

俺達は朝飯すら食べずに、ベッドルームで抱きしめ合う。

そして二人で一緒に昼寝した。




自分の体験や現実的なことを混ぜています。
人間の構造と社会の構造を、そのまま現実に最も近い形で書いています。
虐待やいじめも、教師の対応も自分の人生の現実にあったことを元にして書いています。
生々しいでしょう。
それでも、受け止めてください。
人間の愚かな行動を脳裏に焼き付けてください。

兄妹の愛と阻む者たちの争いは続きます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(必須:10文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。