「ハーレムルートを目指しましょう、先生」 作:アキラゼミ
「お待たせ、先生っ……!」
「ヒナ!」
──ある日の夕方、早々に仕事を終わらせた私はゲヘナ自治区にて同じく仕事終わりのヒナと合流。学生なのに「学校帰り」ではなく「仕事終わり」と表現するのも妙な感じがするが、ヒナに関しては、決してこの表現で間違っていないような気がする。
「先生、会いたかった……っ」
「私も……」
合流早々、真正面からギュッと抱き合う。
ヒナとも付き合い始めて数ヶ月経つが、お互い……主にヒナが忙し過ぎて、ゆっくりとデートの時間が作れたのは、付き合い始めて以降だと、実は今日が初めてだったりする。
風紀委員長の仕事は、書類仕事でさえ、部外者の私では手伝えないものが大半。それしかないとさえ言えてしまうくらいだ。だからどうにもならないと言ってしまえばそれまでなのだが、今日のヒナは、それを全て終わらせてこうしてデートに来ている。彼女の気合いの入れ具合が、よく分かる。
「このままヒナ吸いしていい?」
「もう……先生、本当にそれ好きね……」
「ヒナの頭の香りは、天日干しした後のお布団──お日様の香り〜…………はふぅ……」
「…………///」
今日はレストランでディナーの予約もしている。私も気合いの方はバッチリだ。今日できる範囲なら明日の仕事さえ終わらせてしまっているくらいにはかなり気合を入れている。
◆
まずは買い物だ。ゲヘナ自治区内と言えど、当然ショッピングモールくらいはある。治安は、まぁ、お察しレベルの時もあるにはあるのだが。
しかしそこは、存在自体が抑止力になってしまうヒナが一緒に居るので、特に問題は無い。
「ヒナの傍は、相変わらず安全地帯だねぇ」
「……そんな事はない」
「そう……?」
「……」
何か変な事を言ってしまっただろうか。ちょっと重い空気になってしまった。
しかしそのまま黙っているのもせっかくのデートなのに勿体ないので先日行われたゲヘナパーティの話題を持ち出してみる。
ヒナのピアノの演奏は、パーティの目玉だった。最高と言わざるを得なかった。そしてドレスヒナ、ドレスアコの他に、イブキやマコトまでシャーレに迎えられたので私としてもかなりの良イベだった。マコトもああいうイベントを開けるのか、とかなり感心した出来事だった。理由はアレだけど。
「ヒナの演奏、あれ本当に良かったなぁ……また今度聞かせてね」
「うん……先生が聞きたいならいつでも……」
「楽しみにしてるね。──にしても、成長がヤケに早くなかった?ヒナ、覚えが良いとこはあるけど、それでもたった数日であそこまで上手くなるもの?凄く練習したんだろうけど、あまりに凄くて……私、感激したよ。ピアノの上手さもだけど、それ以上にヒナのその頑張りが……上手く言えないけど、本当に凄いと思った」
「先生の為なら私……頑張れる、から……///」
「もー……ヒナってば可愛い……」
「あと、実は、私が練習に使ってたピアノには前の所有者、というか……私と同じく、練習に使っていた生徒が居るみたいで。その子は結局、途中で諦めてしまったみたいだけれど……その子の分まで、私が、あのピアノで頑張ろうって思ったの」
「そっか。その子もきっと、あの時のヒナみたいに頑張ってたんだろうね」
「うん。日記までつけて……。自分の想いや楽譜を、あの部屋に残して。私はその生徒の事を知らない。顔も名前も声も性格も、何も知らない。それでも、あの子の頑張りだけは、私が覚えてる。でないと、あの子の努力まで、何もかもが『無かったこと』になってしまいそうだから……」
「──話してくれてありがとう。私も、その生徒の頑張りを覚えておくよ。その子は確かにそこに存在したんだから……忘れられるなんて、寂しいものね」
「そうだね。先生も、覚えててくれると嬉しい」
今頃、その生徒は何をしているんだろう。きっと卒業して久しいんだろう。諦めてしまった──か。今はもうピアノに触れていないんだろうか。
諦めるという行為はこれまでの努力を捨てるのに等しい行為だ。生半可な覚悟では、できない事だ。その子はきっと、とても苦しかっただろうと思う。日記に想いを書き残して
「……お。ストリートピアノ……」
「モール内にピアノを置いてるのね。こんな場所にあって、よくこれまで無傷で居られたわね」
「割とどこでもドンパチしちゃうような
「ふふっ……確かにそうね。どこでもそうだけれど、置いた所で、すぐ誰かに壊されそうだものね」
「……良かったらちょっとここで弾いて行かない?」
「え。……あ……えっ、と……先生が聞きたい、なら……弾く、けど……///」
「椅子も二脚置いてる事だし、一緒に弾こう?」
「えっ?先生……ピアノ、弾けたっけ?」
「それなりにはね。メインメロディに、それっぽい伴奏を添えるくらいだったら、即興でもそれなりにできると思うよ」
「!?」
「実は私も、ちょっとピアノ弾く機会があってね。覚えざるを得なかったというか、まぁ、そんな所。ヒナと似たようなものだよ」*1
「先生の演奏……聞いてみたい」
「それはまた今度ね。今は……ヒナと連弾したいな。折角のデートだし、こうして、一緒に何かするのもいいんじゃない?と思ってね」
「連弾────うんっ……♡」
「シャーレの共用スペースにピアノ置いてるから、次のヒナの当番の時に、ゆっくり聞かせてあげる」
「ありがとう、先生……嬉しい……!」
「私もヒナの演奏を聞かせてもらったからね。次は私の番さ。……じゃ、今はとにかく、その子に思いを馳せながら……弾いてみますか♪」
「うん♪」
モール内の広場に置いてあるストリートピアノの前に、2人で並んで腰掛ける。曲はあの時のヒナが弾いた曲だ。
ヒナはメインメロディを弾き、私はそこにヒナがあの時に弾いたフレーズにアレンジを加えてヒナに呼吸を合わせて演奏する────。
「っ……凄い……」
「伴奏が少し違うだけで違う曲に聞こえるでしょ」
「それもだけど先生が普通にピアノを弾いてるのが意外過ぎて……」
「たはは……。まぁ普段の生活や仕事はピアノと無縁だから、そう思っちゃうのは仕方ないのかも。私がピアノ弾けると知ってる生徒もかなり限られてる。多分だけど、3人くらいしか居ないんじゃない?」
「思ったより少ないのね」
「うん。秘書のカヤ、ピアノを買ってくれたユウカだから……そーだね、生徒だとヒナで3人目だね」
「聖園ミカも、知らないの?なんというか、何でも話してそうだけど」
「言うような機会がそもそも無いからね。生徒達にわざわざ『私ってピアノ弾けるんだよ』だなんて、言ったりしないでしょ?カヤは秘書だし、ユウカは購入者当人なんだから、そりゃ知る機会もあるさ。ヒナはパーティの為にピアノを練習したから、丁度一緒にピアノを弾く良い機会だなって思ったんだ」
「そう、なんだ。……先生のちょっぴり意外な一面を知れて、嬉しい」
「ふふっ……。これからはもっとそういう面を見せていきたいと思ってるから、改めてよろしくね?」
「うん……こちらこそ、よろしく」
私がピアノを始めたのは、パーティよりもずっと前の話なんだよな。人工天使達を迎えて少し経った後の話だから。それなのに熟練度はヒナにあっさり抜かされてる気がする。もっと練習するかぁ……。
◆
ひとしきりストリートピアノを楽しんだあとは、軽くショッピングを楽しみ買ったものをヒナの家へ運んでから、予約していたレストランへ────。
ちょっぴりお高いフルコースに舌鼓を打ちつつ、ヒナへの更なる告白の機会を伺う……。
「?どうしたの、先生?そんなにソワソワして……」
「っ!なんでも、ないよっ?」
「……先生。私だって、それくらいの事は気付く」
「!!……き、気付いた……?」
「……うん」
「っっ……だよ、ねぇ〜……あはは……。ホントなら、デザート食べ終わってから──とか思ってたけど。ごめん、隠すの下手だったね。気付かれてるのなら隠しても仕方ないね」
「ん……じゃ、じゃあ、やっぱりこの後、ホ──」
「私と結婚してほしい」
「勿論、私はそのつも……り………………えっ?」
箱を開き、指輪を見せながらそう言うと、ヒナは指輪を見て──私を見て、また指輪を見て、表情を失う。ぽかんと口を開け目を見開き、銅像か何かのように硬直してしまう。
「え、何を言って……えっ……?だって、今のって……先生……えっ……?」
「婚約指輪。受け取ってほしい」
「…………ッッ!?!?」
「……?ヒナ……さん?気付いてたんじゃ……」
「あ……えっ、と、その…………ごめんなさいっ、私の勘違いだったみたい……まさか、ゆ、ゆっ……指輪の話だったなんて思わなくって……!」
「え?なら……何の話だと思ったの?」
「っ、ええと、その、上手くは言えないのだけど、私と先生が…………ふ、2人きりで……色々スる、話……///」
「ヒナッ……手、出して。指輪つけたら……今すぐ……行こう!その、2人きりになれる所に!」
「うん……♡」
「近い将来、私と結婚してくれるかな?」
「はいっ♡」
ヒナの小さな手を取り、指輪をはめる。サイズはピッタリ。しっかりと測ったワケじゃない。私は、ヒナのサイズの事なら、よーく分かるんだ。
「……似合ってるよ」
「ありがとう、先生……♡」
◆
そこからは早かった。ヒナの「勘違い」の通りに全てはスムーズに進み、私達はレストランを出て、早々にその「2人きりになれる所」へと向かった。
「ヒナ……ッ」
「先生っ……♡」
ホテルの一室に入るなり、靴すら脱がずに、扉を背にして抱き合い、唇を重ねる。ここに来るまでに何度もエレベーター内でキスして、抱き合い、またキスをしていたが、それでも足りない。いや足りるハズが無かった。
「ん……んぅ、れるっ♡……はぷっ……ちゅっ……♡」
「っ、シャワー浴びる?」
「ううん、このまま、ベッド行こ?──私の匂い、好きでしょ?私も先生の匂い、大好きだし……♡」
「可愛すぎんだろ私の嫁ッ……」
「せ、せんせ……まだ結婚してない……♡」
瞬時に靴を脱ぎ去り、ヒナをお姫様抱っこして、瞬時にベッドへ移動。彼女をベッドに寝かせ、上に私が覆い被さり、唇を押し付けるようにして唾液を貪る。
互いに服を脱ぎ、逸る心を押さえ付け服を丁寧に畳みつつベッドのそばに安置する。
首元に軽くキスしてやる。ちょっぴり汗の匂いが混ざった体臭が性欲をグサグサと刺激してくる。
「先生……好き♡」
「ッッッ」
耳元でヒナに囁かれ、射精するかと思った。だがそう簡単にはイカされない。ふにふにの力が抜けた頬を指の背で優しくさすり、軽めのキス。
目がとろんとなりかけているヒナに、再び唇での軽めのキス──次いで、押し付ける強めのキスに、舌を触れ合わせ、絡め合わせ、徐々にキスの粘度を上げていく。
「下……触っていい?」
「う、うん…………優しくね……?」
「まっかせて!」
ツン、と指の腹で大陰唇より更に外側に触れる。そこから徐々に指を陰部本体へ向かわせて、遂には膣口に至る。その周辺をなぞってみて反応を窺う。
「う、んんっ♡
「そうしないとエッチできないよ」
「そ、だけど……はぅっ……♡」
ツポツポと指を出し入れする、愛液が指に絡んで段々と滑りが良くなってくる。
「っあ、せんせ、やめてっ……あっ♡ も、もぉっ、我慢できな────あ゙あぁあっっ♡♡」
腰を浮かせガクガク震わせる。良い感じにイッてそれなりに解れたようだ。これならそろそろ、挿入してみても問題は……。
「はぁ……はぁ……先生……♡」
「挿れていい……かな?」
「待って、先生……。先生の……舐めてみたい……///」
「それじゃあ……お願い……!」
「ん……♡♡♡」
目を閉じ、可愛らしく口を開ける。彼女に跨り、口への挿入を待ち受けるヒナの口へ、お望み通り、挿入してやる。すると、ちうちう可愛らしく吸い、小さな舌で、ぬるぬると舐め回してくる。
頭を軽く前後させると、くぷくぷ、くぽくぽ、と音が鳴り、ぷっくりと頬までもが膨らむから本当に可愛らしい。どれだけ、「可愛い」を見せ付ければ気が済むのか。私はもう爆発寸前だというのに。
「っ、ヒナ、ストップ……イキそっ……!」
「!」
「うっ!?ヒナ、ヒナ!?待って、ま……あ゙っ♡」
技術よりも遥かに股間に響くのは、愛するヒナのキュートさ。幸せそうな顔をしてペニスをしゃぶるヒナを前にして、ぐつぐつと煮えたぎる情動と共に精液が立ち上ってくるので、離してもらおうと頼むものの、彼女は吸引を少し強めて、私に、口内への射精を強く促してきた。
「ぷぇっ……はぁ、はぁ♡……飲んだよ、先生……♡」
「ヒナ……ッッッ」
「んっ……先生、苦しい……♡」
何本もの糸を引きながら精液を飲んだ後の口内を見せ付けてくる。とろけた目で、熱い息を漏らして精液の匂いを放ちながら。
心臓が強く脈打つ、ムラムラし過ぎで頭が痛い。我慢できず彼女を強く強く抱き締める。苦しいとは口では言うがそう言うヒナも私を抱き締めてくる。可愛すぎて、幸せすぎて、今ここで死にそうだ。
「……挿れていい?」
「うん……次は私の膣内に射精して……先生……♡」
愛液に濡れた陰部を、指でくぱっと開いてみる。薄ピンクで、これまでは、自分自身の指すらろくに受け付けていなかったように見える。そんな秘境の楽園に私が、私のペニスが到達しようとしている。
くちゅ、と強く押し当て──再びキスをして舌を絡めるのと同時に、腰を強く押し出して、ヒナへの挿入を果たした。
「あ゙っ♡ せん、せぇ……♡ う、うぅ……♡♡」
「狭ッ……い、痛くない?大丈夫……?」
「うん……先生だもの……痛くないよ……♡」
「ヒナ……ッ!」
「♡……ちゅ……れるっ♡……はぁ、はむっ……ん♡」
キュッ、キュッと強く締め付けてくる彼女の膣。キツイが、ヒナのような包容感も、同時に感じる。それに加えて、ちゅっちゅっ、とこまめに吸い付いて亀頭にキスしてくる子宮口にヒナらしいいじらしさなんてものも感じ取れてしまう。
ヒナの膣内の全てがヒナだ。ヒナ本人なんだから当然だと思うが、セックス中にこんな本人らしさを感じる事もそう多くは無いものだ。
「ヒナっ♡ 好き♡ 好きっ♡ 強くて可愛くて♡ 自信が無さげなところも可愛い、そんな事ないって抱き締めたいっ♡」
「────っ♡♡」
「この小さな手で、小さな身体で、どれだけ重荷を背負ってるのか、私には分かんないけど──でも、その一端でもいい、私に背負わせて♡ ヒナが私を守ってくれるのと同じで、私も、ヒナを守るから♡ 私にもヒナを守らせてッ……一緒に居よう、ずっと、ずーっと……!!」
「わ、私もっ……!先生、好きっ♡ ほんとはもっと早く、こうしたかった♡ キスもたくさん♡ 手も繋ぎたかった、エッチもシたかったっ♡♡」
「これからはいっぱいヤッていこうっ!これまでの分を、埋め合わせるようにっ……ヒナも私も、満足ができるまで、ずっと……!!」
「うんっ♡ いっぱい、エッチすりゅ♡ 先生っ♡ はぁ、あ゙んっ♡ 激しッ……ああぁぁ〜〜っ♡♡」
「締め付け強ッ……
「うんっ♡ うんっ、せんせぇ♡♡ 射精してっ♡ 私に、先生の赤ちゃん、産ませてぇっ……♡♡」
彼女の言葉のままに、ボテ腹になったヒナを頭に思い浮かべたその瞬間────何日も溜め込んでの一発目の射精のように濃く、大量の精液を、彼女の子宮内に直接流し込むように射精していた……。
◆
「……ねぇ、先生。私が3番目で……良かったの?」
「ヒナ以外には居ないよ」
「そんな事ない……と思う。その、小鳥遊ホシノや、セミナーの会計の生徒とか……」
「うっ。………………い、いいのっ!!私が選んだのはヒナなんだから!ヒナが心配する事じゃないの!」
「そう……?」
「そう!もしもこれでトラブルが起きたならそれは私の手腕のせいなんだ、ヒナが何か心配する必要は全く無いんだ。だから──ヒナは、自分の幸せだけ考えていて」
「っ!」
「……改めて。これからもずっと、ずっとよろしく、ヒナ。……愛してる」
「私も愛してる…………先生っ……♡♡」
その日、初めてヒナと、ゆっくりまったりとしたデートをする事ができた。いつも時間に追われたりトラブルが発生したりと散々だったが、今日だけは完全に平和な時間を過ごす事ができた。
まるで、私とヒナを取り巻く全てのしがらみが、この時だけ、消えてなくなったかのように……。
先生とヒナ、下手したら先生とミカより甘々かも。
2月21日の早朝頃から、新たに登録した挿絵が反映されないバグを確認しております。
当然、発覚した直後に運営さんの方へ問い合わせていますが、未だに何の反応も……。いつもなら2日後くらいには反応あるんですがね。勘弁してくりー。
オリ先に名前は必要?(Twitter(新X)でオリ先に名前付けてる先生を思ったより見るので聞いてみます。一応、神様や神話ネタを込めた名前は考えてますけれども。作者としては要らない派ですが、念の為、皆様の意見を是非ともお聞かせください)
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やってくれ。(結婚に名前は)必要だろ。
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要らん要らん。「先生」で十分よ。