「ハーレムルートを目指しましょう、先生」 作:アキラゼミ
────私はワカモが好きだ。
私はワカモが好きだ。
私はワカモが大好きだ。
街中で、路地裏で、河川敷で、大浴場で、星空の下で、ホテル前で、執務室で、寝室で、浜辺で。
あらゆる場所で交わす彼女との逢瀬が大好きだ。
戦列を並べたチンピラ達の一斉発射を轟音と共に吹き飛ばす彼女が好きだ。
歯が立たないと思い知った不良が恐怖でワカモに従うようになった時など心が躍る。
説得などもままならず仕方なく財布を取り出してまんまとカツアゲされかけていた私を助けてくれた時など、胸がすくような気持ちだった。
一目惚れした私に嫌われまいとして必死に自制し努力している様など感動すら覚える。
甘いボイスから繰り出される「あなた様♡」呼びなどはもうたまらない。
尻尾にうっかり触れてしまった時に不意に漏れる嬌声などには絶頂すら覚える。
ちょっぴり叱った時に見せる泣き顔が大好きだ。
限界を迎えた彼女に滅茶苦茶にされるのが好きだ。
必死に守るはずだった約束が破られ人々や建物が蹂躙されていく様はとてもとても悲しいものだ。
豊満な胸に押し潰されて搾精されるのが好きだ。
精根尽き果てるまで搾られ限界を迎え害虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ。
私は逢瀬を、楽園の様な甘い逢瀬を望んでいる。
私に付き従ってくれる生徒諸君──
君達は一体、何を望んでいる?
更なる逢瀬を、行為を望むか?
情け容赦のない拷問の様な激しい行為を望むか?
搾精搾乳の限りを尽くし理性を殺し体液を搾る、嵐の様な行為を望むか?
────よろしい、ならば
◆
「うっ…………ふぅ」
なんというか──今日は朝からムラついている。起床と同時にオナニーを開始するくらいには。
朝勃ちしていたのもあるだろう、しかしそんなの後付けの言い訳に過ぎない。そうではなく、何故か朝勃ちを抜きにしてもムラムラしている。それこそどうしようもないくらいに。
エロい夢を見たワケではない、それはどうしてか確信を持って言える。朝勃ちだって別にエロい夢を見たからではなくただの生理現象からのものだ。
全身が蕩けるような、どうしようもなく下品で、激しく、熱烈なまでのセックスが、キスがしたい。
朝靄のように晴れ渡らない重苦しい頭の中でも、ただそれだけは、絶対の確信を持って言えた。
「……!」
──ふと、ワカモの顔が頭に浮かんだ。
ワカモの夢でも見ていたかのような自然な流れで彼女の顔が脳裏を過ぎったのだ。
恥ずかしがるワカモ、そんなところがまた最高に可愛くて……どうしようもなく愛おしい。
とはいえ、近いうちにアビドスで仕事する予定もあったし、ワカモとデートする前に、準備として、アビドスに行くのもいい。それこそホシノだったりシロコと遊ぶのもいいな、とは思うが……。
「……あ。アビドスは今日は休みだっけ……ホシノはユメのお見舞いに行ってるんだろうし……」
────待て待て、と連絡する前に指を止める。
最近、シロコとばかり交わっていないだろうか。黒服は言っていた。最も絆を深めた生徒が反転した状態でキヴォトスに攻めてくると。
つまりプレナパテスと戦った当時、私と最も絆を深めていたのはシロコという事で──このままではこうしてハーレムを作っている意味も薄れる……?
別に「色彩」の目から逃れる為だけにハーレムを作っているワケではないが……それもまたモヤる。
「……カヤ、今日の仕事、お願いできる?」
「これまた唐突ですね。やれるだけやりますよ」
「ごめん、お願いね。────あ、もしもし。私。うん……うん。ちょっと、今から会えないかな?」
◆
「……予定より早すぎたな」
シャーレを出て待ち合わせ場所に行くも、予定を遥かに上回る早さだった。彼女に会いたいあまり、浮き足立って自然と早歩きになっていたんだろう。
時間もある事だからと合流するまでモモトークの返信をしていようとアプリを開いた、その時。
「お待たせいたしました、あなた様……♡」
「ワカモ!」
「壁にもたれてスマホを触るあなた様も、非常に……非常に絵になります……フフフフッ……♡」
「ワカモさん……?」
「っ!し、失礼しましたわ……ふふっ、それでは……あなた様のご要望にお答えして……はい♡ 本日は、このワカモが……あなた様のボディーガード兼デート相手を務めさせて頂きます♡」
「う、うん、よろしくね」
ボディーガード兼デート相手──少しばかりよく分からない。少し話が違うような気がしながらも、ワカモとのんびり過ごせるならまぁそれはそれでと思わなくもない。
それに、ワカモの思い込みが少し激しい所は別に今に始まった事でもない。暴走さえしなければ寧ろワカモは制御しやすいまである。彼女の恋心を利用しているようで、気が引ける部分もあるが。
それはともかく、今は彼女との時間を楽しもう。ふわふわモチモチの彼女の太ももに顔を埋めたいが今はそれをするタイミングではない。
手を繋ごうと手を差し出すが、ワカモはピクリと反応したきり、硬直してしまった。
「……?どうかした?」
「ええ、ええ!大丈夫です、先生との手繋ぎデートだろうとも耐えられます♡ 私はもうあの時*1とは違うので……♡」
「……あー……」
あの時は大変だったなぁ、逃げまくるんだもの。脚質が「逃げ」の馬かな?ってくらい逃げるんだ。大逃げもいい所だったね、あの時のワカモは。
「今日は逃がさない」
「ッッ♡♡……はい♡ このワカモ、誓って、二度とあなた様から逃げたりなどしません……♪」
キュッ、と可愛らしく手を握ってくれる彼女はいじらしい。
若い子ならではのパツンパツンにハリがある肌。これだよこれ、と思わず声が漏れそうになる程に、触っているだけでも既に気持ちがいい。
私と比べたら小さな手だ、細い手首だ。それでも力だけは私よりもずっと強く、そして……。
「……しまった」
「どうされました?」
「ワカモと会う事しか考えてなかったよ。どこかに行こうとか何も考えてなかった……ごめん」
「謝る必要などありません。私はあなた様と過ごすこの時間そのものに幸せを見出しているのです──何処に行こうとも、何処にも行かずとも、そんなの大した問題ではないのです。──ただただこうしてあなた様の隣に居られるだけで、先程までのようなあなた様との逢瀬の時間を待っている時間よりも、遥かに……胸が満たされていくのですから……♡♡」
「ワカモ……」
「それに──『何をする』『何処へ行く』なんかを考えるより『私と一緒に居る』事を優先してくれただけで、胸が張り裂けそうな程に……幸せです♡」
「……そう言ってくれて、私も嬉しいよ」
暴走癖はあるけれど、それも、純粋であるが故の結果なのだろう。自分の想いにどこまでも純粋で、どこまでも真っ直ぐだから……。
「……この前行けなかったレストランのリベンジでもしようか。折角だしランチはそこにしない?」
「確かあのお店は、今日は定休日ですね」
「そ、そうなの?」
「ええ、前回あなた様を誘う時に予習済みですわ。ですから今日は、何処へ行くのでもなくシンプルにお散歩でも♡……あぁしかし……それだとお互いに、溜め込んだものが前触れもなく……唐突に、爆発してしまいそうで……♡」
「……ワカモさん?えっと……」
「いけません、そんな急に♡ しかし……あなた様がお望みであれば……はい♡ いつどこであろうとも、あなた様にこの身を委ねられるように、常に清めておりますので♡ お望みであれば今すぐにでも♡」
おかしい、手を繋いですぐそばにいるはずなのにワカモの意識がどこか別の世界に飛んでしまった。私も妄想癖はそこそこあると思っているがワカモは良くも悪くも飛び抜けた才能があるようだ。
「一旦落ち着いて、ね?」
「ひゃっ!?……あ、あにゃひゃひゃま……っ!?」
恍惚とした表情で言葉を続ける彼女の口に、指を突っ込んでみた。丁度、猫が欠伸するタイミングで指を突っ込むかのように。
ワカモは猫ではなく狐だけれど、指を唐突に咥えさせられたときの反応は猫さながらで、耳までもが真っ赤になった彼女はいつもより幼い子のようにも見えて、自然と頬が緩んだ。
「……まぁ、こういう可愛い暴走だったら、いつでもウェルカムではあるけどね。……これまでワカモにはかなり我慢させちゃったから……これからはもっと、ワカモがシたい事とか、言ってくれると嬉しいな。私にできる事なら、叶えられる範囲で叶えるから。勿論、犯罪行為はダメだけどね?」
「────ッッ♡♡ で、でしたら、その……♡」
「?」
「ここまで私を昂らせた『責任』、取って頂きたく思いますが……♡」
「へ?」
「あぁッ、そのニブい所もまた愛せますわぁっ♡♡ もう我慢なりません、先生っ♡ 今すぐにでも♡♡ 今日はもう……シャーレには帰しませんからね♡♡」
「えっちょっと待っ……力強っっ!?」
ワカモにお姫様抱っこをされた私は、凄い勢いで走り出す彼女にしがみつくしかなかった。そのまま近くのホテルに連れ込まれ……翌朝まで犯された。
冷静になってから謝ってくれたものの、やはり、情熱的に行動するワカモこそ魅力的だなとしみじみ思った。
どうやら本になったようです。マジで本になった。
まだ私の手元には無いけど。(相方に届いた)
入稿作業は相方に頼みました。スマホの編集では、色々と限界がありました。今はPC無いのでPCを有している相方に頼むしか無かったんですね。
表紙・裏表紙の画質が良くない可能性がある、との話を聞かされた時は絶望しましたが。ほむ。
現在会社がドタバタしててマジでヤベェ状態なので更新頻度が激落ちくんです。ごぺんなさい。
3部の方は数ヶ月前の書き溜め&予約投稿だしね。
コッチは下書きだけが溜まってゆく……。
働こ! 働こ! あの子のため
日月火水木金土日
お金だけが貯まっていく
時間だけが減っていく!
(ネ!コ!2番の歌詞より引用)
……私の場合はお金も貯まらんが。ゲラゲラゲラゲラ。