「ハーレムルートを目指しましょう、先生」 作:アキラゼミ
よろしくお願いします。
セイアちゃんの足舐めたい。
ヴァルキューレによる至って平和な警備もある、フツーの街中。割と平和なこの普通の街中に、私は生徒達への贈り物を調達しに来た。
いつもクラフトチェンバーで作ってはいるけれど材料が枯渇してきてしまったから、その問題が解決するまでは自分で買ったりもしないとね……。
「お。ペロロの腹筋ローラー安売りしてるのか……」
折角安売りしてるってのなら、良い機会なので、20個くらい買っておこう────と、買い物カゴを手に取ろうとしたその時。
胸ポケットの私のスマホから、緊急事態を報せるアラートが鳴り響いた。しかも、私のだけでなく、近くに居る人々のスマホも鳴っている。
という事は、私が不在にしているシャーレに何かピンチが訪れたとかではなく、地震か何かの災害が起きるのか、と思い慌ててスマホを開くと、緊急の速報が流れてきていた。
「────『矯正局より囚人が脱獄』?」
街中にもサイレンが鳴り始めた。たかが脱獄囚、こんなに大騒ぎする程の事なのか?──割と本気でこう思ってしまう私は、ワカモやアキラに慣れ過ぎなのかもしれないな。
「市民の皆様、急いで!急いで避難してください!繰り返します!急いで避難してください!地下鉄の駅まで!駅でなくとも、最寄りの地下に、大至急、避難してください!!」
待て。地下に逃げろだなんてまさかミサイルでも来るのか?ミサイル以外には、地下に逃げる理由が分からない。
周辺の人々に「地下に逃げて」と触れ回っているヴァルキューレの生徒を捕まえて聞き出そうとする私だったが、店を飛び出すと……。
「あ!先生!」
「キリノ!」
生活安全局のキリノと偶然鉢合わせた。そうか、ここも普通に生活安全局のカバー範囲か。そりゃ、避難を促しにも来るよね。
「何してるんですか先生、早く避難してください!脱獄囚が────『ユウナ』が来ますっっ!!!」
「
「〜〜〜〜〜ッッ、説明は後でしますから!まずはついてきてくださいっ!!」
「わっ」
キリノに手を引かれ沢山の市民と共に避難する。なだれ込むように避難したのは、地下鉄のホーム。中には、防災頭巾を被っている者も居た。地下鉄は停止し、線路のあるところも含めたホーム全体が、避難所と化していた。
「ひとまずここまで来れば安心ですかね……!」
「それで、キリノ。その『ユウナ』っていうのは?それが脱獄囚の名前?」
「ええ。百鬼夜行連合学院に籍を置き、とにかく、破壊を好む……『鬼』です」
「それならワカモと同じくらいヤバくない?なんで世間的にも、ワカモの方が危険度が高い、みたいな扱いなの?その生徒の名前、初めて聞いたかも」
この前のゲヘナ学園の校長じゃないけど、まぁた隠蔽とかなのかなぁ。もうそこにツッコミを入れる気力も無いんだけど。
「ワカモは破壊行為の他に略奪行為もしますから。様々な点を加味して、ユウナよりも遥かに凶悪だと認定されているんです。その上、誰かを雇ったり、従えたりしますからね」
「確かにそうか……」
リゾート地で、ラブを始めとするヘルメット団を率いていた時の事を思い出す。確かにそうだった、ワカモは単体での強さもさることながら、統率能力なんかも一応あるんだった。恐怖政治だろうとも、他者を統率できる事には変わりないだろうし。
「その点、ユウナは破壊一筋な上に、完全な一匹狼なんです。どんな劣勢になろうと。ユウナのネームバリューを求めて近付いてくるチンピラの集団や、ヘルメット団の事すらも、ボコボコにして放り出すくらいですから……」
「徹底しているんだね」
「ええ。『破壊すること』ではなく、『自分の手で破壊すること』にとても強く執着しています……」
「……どれくらい強いの?」
「────ここだけの話、ワカモはとある特殊部隊4人で捕まえられますが、ユウナは、その特殊部隊だけでなく、その部下を多数動員しなくては捕縛も収監もできません」
「い゙っ!?」
それってFOX小隊だよね?その部下っていうと、誰だろう?RABBIT小隊?いやミヤコ達は1年生だしユウナの捕縛と収監となるとミヤコ達のSRTへの入学前の話なんだろうな。
どちらにせよミヤコ達の先輩にあたる人達により捕まえられた生徒ってことか。
「ワカモは、単純な強さの他に策略も練りますが、ユウナにはそれすらありません」
「……ん?」
「単純に『力』が強すぎるんです。直情的ですし、頭があまり良くないのか、罠にも引っ掛かります。でも、それすらも簡単に無視できる、素通りできるくらいのタフネスが、ユウナの収監難度を段違いに引き上げてるんです。映像記録で見ただけですが、アレは『強い』なんてものじゃなかったです……」
「頑丈なの?」
「いえ、ただの根性です。普通に怪我もしますし、泣きます。子供みたいに泣き喚きます。怒ります。それでも、回復を待たずに立ち上がります。ただのド根性です」
「ド根性」
普通に怪我するんなら、私のミカの方が強いな。よし。もし戦闘する事になったら、大人のカードで誰を召喚するか今のうちに考えておこうか。
ミカは確定枠として──ネル?ツルギ?タンクにホシノもどうかな?装備との相性とか考える必要もあるかもしれないが、SRTの特殊部隊を複数投入しなくちゃいけないような相手なら、こっちも軽く総力戦みたいな戦いになることを想定しておくか。
それにしても、根性で立つのか。頭の悪いネル、みたいな生徒なのかな?ネルは直情的で根性だけの生徒じゃない。頭も回るし決してバカじゃないし。
うーん。相性も分からないから何とも言えない。各校の最強格を集めた編成なんかで勝てるのかな。それが叶うのならそうしたいんだけど……。
「あ!先生、クロノスが中継してます!」
「!」
通知オンにしてたのか。そりゃ気付く。私はモモトークばっかり通知オンにしてるからなぁ。他の、あまり関係ないところは通知を消してるし。
『クロノス報道部の
お、相変わらず健康的な褐色肌──じゃなくて!
ヘリが中継している街並み、少し見覚えがある。少なくとも、私の知らないところじゃないな。足を運んだことさえありそうだ。
「ねぇキリノ、この中継してる所ってどこだろ?」
「何言ってるんですか先生!
「え」
『矯正局を脱獄した囚人「
テロップの上に、脱獄囚「賽鬼ユウナ」の写真が表示される。成程、赤い着物に2本の太い角、太く長い金髪ツインテール……。
ワカモともアキラともベクトルが違うな。確かに子供っぽい。見た目も幼ければ、中身も幼いのか。
『かつて「七囚人」が脱獄した際、彼女もまた共に脱獄したと、看守の誰もがそう思ったそうです!!しかし彼女は居た!呑気に昼寝をしていた!看守は彼女に尋ねた!「何故脱獄しなかったのか」と!!そして彼女は答えた!────』
「『ワカモの奴に便乗したと思われるのが癪だからに決まってるでしょ』────と」
「「え?」」
私の隣──キリノとは反対側に座る少女の言葉がシノンの言葉に一言一句そのまま重なった。大きい防災頭巾を被り、肩のあたりまで隠しているような小さな女の子。ゲーム開発部の子達と身長はあまり変わらなさそうだ。
座っているからおよそだが、目測では、ユズより小さいくらいだろうか。具体的には、ホシノと殆ど変わらないか、それくらいの────。
「ね。アンタが『シャーレの先生』ってヤツ?」
「そ……そうだけど……君は?」
「ふぅん。『ヘイロー無し』、『人間の男』なんて聞いてたけど、ホントなんだ。じゃ、アンタさぁ、ちょっとアタシに付き合ってよ」
「うわッ!?」
「先生!?」
スーツのベルトを掴まれてしまったらしく、隣の女の子が立ち上がるのと同時に私の身体は浮いて、宙ぶらりん状態になる。手も足も地面から離れて、何も掴めない。触れるのは彼女の身体だけか。
「アハッ、軽い軽い!瓦礫より軽いじゃん!よくもこんな軽装備でキヴォトスを歩けたものね!今後、鎧武者みたいにガッツリ装備しないとキヴォトスを出歩けないようにしてあげるわ!」
言うや否や、女の子は片手で私を運びながら防災頭巾を取り払う。そこから現れたのは、太い2本のツノ。紅色の瞳孔が露わになり、私はこの女の子が件の脱獄囚、賽鬼ユウナであると気が付いた。
「あ!!待ちなさい!!」
「キリノとやら。ついてきたら先生のこと殺すよ」
「ッ!!」
「気にしないでキリノ!撃っ──」
ガッと口元を掴まれ、喋れなくされてしまった。両手を使って引き剥がそうとするが、離れる気配が全く無い。どうしたものか────。
「コイツ、アタシらに比べて弱いんだってね?首の骨ヘシ折れば死んじゃうんじゃない?アタシなら、デコピンで殺せるかもね?──試しに、この広めのオデコにデコピンでもしてみるぅ?コイツの脳髄、このホームに撒き散らすよ?……イイの?」
オデコ、別に広くないが??
「やめてください!先生に手出ししないで……!」
「……そーそー。最初からそうしろってのに。余計に注目までされたし、マジ時間の無駄だわ。キリノ、お仲間にさっさと連絡しなよ。『ユウナは地下鉄の構内から地上に出ました』……ってさ」
不敵な笑みと共にキリノにそう言い残しユウナは私を小脇に抱えて避難民でごった返す構内を走る。道が避難民で埋まっていれば、壁を走り出す。その凄まじい脚力で足を壁に埋める事で、擬似的に壁を歩く、または走る事ができるらしい……。
「────こんな事に付き合わせてごめん、先生」
「え?」
「ちょっとの時間だけでいいから、先生、アタシの人質になってくんない?矯正局にブチ込まれた時に没収された私物をさ、取り返したいだけなんだよ。さっき脱獄する時に探したけど、見つかんなくて。だから先生をダシにして、取り戻してやるの」
「……」
ダメと拒否する権利が、果たして私にあるのか?
外患誘致を犯したミカと結婚を前提に婚約して、破壊・略奪のワカモや、窃盗・住居侵入のアキラ、自称・暗殺者のモルモとも懇意にしておきながら、今更、止められるのか?
ユウナを止める権利が──今の私に、あるのか?
「ハッ。今すぐにでも殺されかねない状況なのに、よくそんな事が言えるね。──いーよ、分かった。とりあえず『今日』は何もしないで逃げる。私物を受け取ったら、先生のことを置いて、すぐ逃げる。それでいい?」
「やってみなよ。ヴァルキューレの木っ端くらい、返り討ちにするのなんて朝飯前だからさ」
自分の強さにかなりの自信があるらしい。
やがて、丸太のように私を抱えたユウナは構内を飛び出して、遂に地上に到達。しかしそこは、既にヴァルキューレの生徒によって、何重もの包囲網が敷かれていた。
「────漸く見付けたぞ、賽鬼ユウナ!!」
「なにアンタ。犬耳なんてつけて、かーわい♡」
「カンナ!」
「せ……先生!?どうして先生が……ここに!?」
「いや、その……買い物してたらたまたま……」
「ッッ!?……ユウナ!先生を離せ!!」
「アンタ、バカァ?ただで離すワケないじゃん?」
「いいからッ……離せと言っている!!」
銃を構えるカンナ。その手は震えている。きっと彼女の銃弾は私には当たらないだろう。けれども、撃たない。私は、彼女が発砲しない理由が何となく分かった。分かってしまった。
「コイツを離してほしいんなら離してあげるよ?」
「ッ!!じゃあ……」
「アタシの私物と交換だ!さっさと持ってきなッ!金棒と銃の2つだけだ!ほら、さっさとしな!!」
「!?……そう言われて素直に渡すと思うのか?」
「渡すワケないよねぇ、知ってる知ってる。アタシバカだけど、それくらいは分かるわ。そんじゃあ、コイツを殺すだけだからねー。『シャーレの先生』だったっけ?局長さんの判断ミスでシャーレの先生死亡〜、なんて事になったら、どうしようねぇ!?謹慎や退学じゃあ済まないね!キャハハハハッ!」
甲高い笑い声を上げながら、ユウナの手が、私の首をガシッと掴む。彼女の爪が食い込み、チクッと刺すような痛みが走る。
「────ッ!!やめろ!!」
「だったらさっさと連絡でも何でもして、アタシの私物をここに持って来させろよ田吾作が。アタシの力がどんなモンなのか、よく知ってるんだろう?」
「ッ……」
ヴァルキューレの生徒達もザワザワざわめき出しカンナの判断を待つ。カンナはギッとユウナを強く睨み付けると手を震わせながらどこかへ連絡する。
「……矯正局の者に連絡した。今に、入所の際に没収されたお前の私物を持ってくるだろう」
「あっそォ。思ったより良い判断を下すじゃ──」
ドッ──と鈍い音を立てて、ユウナの首に小型の注射器のような物が1本、突き刺さる。あれは確か麻酔弾だったはず。カンナが連絡したのは、あれを放つ為に待機させていたスナイパーか。
「くくっ……くひひっ…………アッハハハハハハッ!!そんなこったろーと思ったよ!このクソ犬がァ!!こんな麻酔がこのアタシに通じると思ってんのか?バーカ!!オラッ麻酔弾の目潰しでも喰らいな!」
「!!」
ブチッと、首の肉ごと麻酔弾を抜いたユウナは、鮮血を流しながらも麻酔弾を握り潰し、その欠片をカンナ目掛けて投げた。金属やらガラスの破片が、キラキラと宙を舞う。
「貴様ッ!」
「動くな!」
「先生を離せ!」
「────やめろお前達!!」
そこかしこでヴァルキューレ生が銃を構えるが、カンナはそれを制止する。下手に撃ったところで、私が危なくなるだけ。カンナはその事がよく分かってるらしい。
「分かった。今度こそ矯正局の者に連絡し、私物を持って来させる。だから落ち着いてくれ、ユウナ」
「一度裏切ったヤツを信用できるかっての。頭ん中お花畑ですかァ?赤点量産機のユウナちゃんよりもお気楽な脳ミソしてますぅ〜?」
「お前にも聞こえるよう話す、それでいいだろう」
「──やってみろよ。実際に持ってこられるまで、誰が信用できるかっての。頭湧いてんじゃねーの?口より行動で示せっつーの。バカでも分かるわよ」
「分かった。────もしもし。こちら公安局長の尾刃カンナだ」
押し問答していたが、カンナは電話の相手に凄くキレ散らかし、やがて、交渉決裂と言わんばかりに通話を切った。しかしそれから数分後、ドローンでやけに細長い箱が運ばれてきた。
「……へェ。マジに送ってきてくれるとはねェ」
箱を壊して取り出したのは、2つの細長いモノ。1つはロケットランチャー。そして、金属製らしき漆黒の警棒のような──細長い棍棒のような形状のモノ。持ち手以外にはトゲがついている。
「さぁ、お望みのモノは渡した。さっさと、先生を解放しろ」
「鬱陶しいこの包囲網も解除してくれないかなぁ?アタシが逃げられるようにさぁ」
「…………」
「あっそ。聞く気は無し、か。ならいいや」
「うわっ!?」
私の襟首を掴むと、自分の顔と大体同じくらいの高さまで持ち上げる。このままアスファルトに顔を叩き付けられたらフツーに頭が弾けて死にそう──なんて思っていると。
「離したらその場に伏せて」
「──え」
「なっ、やめろユウナ!先生を離せ!!」
「はいはい、離してやるわ、よォッッ!!」
パッと離され、自由になった私はすぐ逃げようと走りの構えに。しかし、ユウナの「伏せて」という言葉が脳裏を過ぎり、なにはなくとも、とりあえずそうしてみようと、後頭部に手を置いた上で地面にキスでもするかのように、その場に伏せる。
「──先生、ナイスタイミン♡」
「先生を離したぞ!総員、ユウナを確保ッ!!!」
「……!?ダメだカンナ、来るな!!」
「!?」
身体を伏せたままで頭を上げた瞬間、チッ──と髪に何かが掠る。瞬間、私の保護とユウナの確保の為に駆け寄ってきていたヴァルキューレの生徒達はそれぞれ後方に吹き飛ばされてしまった。
「あっぶな!?先生、なに勝手に頭上げてんのよ!危うく殺すとこだったでしょおっ!?」
「え……」
「ユウナ……貴様……ッ!!」
「あぁん?アンタはギリ範囲外に居たのねェ。でもざぁんねん。可愛い部下ちゃん達は地面に接吻して気絶しちゃったわぁ〜♡」
そう言ってバカにするような笑みを浮かべながら先程の棍棒──いや金棒を肩に乗せる。いや待て。さっき見た時よりも、長さが長くなっていないか?
「……ん?どーしたの、先生?」
「あ、いや。……その武器……何なのかなって」
「コレ?アタシの愛用品『セイクリッドロッド』。オーパーツってヤツ?らしくって。これね、実家にあったんだけど、3段階に長さが変わるのよ〜♡」
ユウナが持ち手にグッと力を込めるとカシャッと音を立てて金棒が伸びた。まるで警棒のようだが、今のヴァルキューレ生を一掃した攻撃すら、まだ、長さ全開での攻撃じゃなかったと言うのか。
「今のは2段階目。ちょい遠くもブッ飛ばせるわ。この3段階目になると──どぉなるのかしらぁ♡」
その3段階目の長さにした金棒を肩に担ぎ上げ、ユウナはカンナを見てニヤニヤと笑う。部下を一掃されてしまい銃を構える事しかできないカンナは、もはや選択肢の余地は無かった。
「……どこへなりとも消えろ。次にまた暴れてみろ、今度はSRTではなく私達ヴァルキューレがお前を逮捕してやる!!」
「ふふっ。その泥臭い挑戦状、受け取りました〜♪じゃあね先生、またどこかで会ったら
チュッと投げキッスをして、ユウナはロケランを掴み、その場から
「……ごめんカンナ、私のせいで……」
「いえ。人質の解放を最優先する、当然の事です。こちらこそ申し訳ありませんでした。まさか、あの麻酔弾が通じないなんて──。アレさえ通じたなら先生の救助と同時に逮捕できたのですが……」
「強い麻酔なの?」
「ええ。しかも、体重から算出した場合の、致死量寸前のハズなのですが……」
「……よくそんなの打とうと思ったね……」
「ヤツは特異体質ですから。足を突き刺すことで、壁や天井すら歩けるレベルのフィジカル。明らかに常軌を逸しています。拳で、壁に穴を開けるどころじゃない。建物を破壊する事すらもやってのける。そんな怪力の持ち主なんです」
「どうしてそんなあの子が今頃になって……」
「ヤツは狐坂ワカモが嫌いなんです。そのワカモに便乗する形で脱獄するのがイヤだからと、ワカモの話題が世間で出なくなるまで、ずっと矯正局の中で大人しくしていた────本当なら連邦生徒会長の失踪と共に脱獄しようとしていたと、七囚人脱獄の後に、そう話していたそうですから……」
「それって有名なの?さっきクロノスの報道部も、そんな感じの事を解説してたよ」
「まぁ……それなりには知られている事です。恐らくシャーレのデータベースにも彼女のデータは最低限送られてきているはずです。百鬼夜行連合学院の、確か──1年生か2年生で、現在は停学中です」
「……そっか。分かった、帰ったら確認してみるよ。ありがとね」
「送りましょう。いつまた現れるか分かりません」
「ありがとう、助かるよ」
◆
「────って事があったんだよねぇ……」
『今後、こうして外出する際は、確実にシッテムの箱を起動していた方がいいのかもしれませんね!』
「でもそうするとアロナとプラナの負担が増える。やっぱ私が鍛えなきゃなー……って思ったよねぇ」
『あんまり鍛えて男性ホルモンを活性化させると、今より髪が減ってしまいます!!』
「ハゲてないが?」
『────先生。「賽鬼ユウナ」のデータの存在を確認しました。表示します』
「おっ。ありがとー。てことは私の確認不足か」
『わっ……こ、これは……!』
『「賽鬼ユウナは特異体質」、尾刃カンナの言葉に偽りはありません。明らかに異常な数値です。敵に回すのは得策ではないと推定。スキルなども攻撃に全振りしているように思えます』
『先生のハーレムに堕としてあげましょう!これもキヴォトスの治安の安定に繋がります!!』
「ヤダよ!?私、次こそ死ぬよ!?」
『しかし、先生のさっきの話だと……』
『殺す気は無かったように思えます。恐らく彼女も先生とは敵対したくないのでしょう』
「う、うーん……」
明らかにロリ巨乳だったよなぁ。ヒエロニムスもそろそろ迎えるし、まだ手出ししてないけど、百鬼夜行にはカエデも居るし……。
ていうか最近、私の周り、巨乳の子が多くない?気の所為ですか?元々、私は貧乳派だよ?ほんのり膨らみがある程度の貧乳ね。どっちも大好きだからその辺は別にどうでもいいんですけども。
「────ダメだ。頭の中が忙しすぎて段々バカになってきた。ちょっとサボる」
『ごゆっくりどうぞ!!』
『ある程度の休憩を挟んだら、またお仕事に戻ってください。やる事が山積みです』
「うへ〜……やりたい事だけやってください〜」
『……成人男性による女子生徒のモノマネは気持ちが悪いです。やめてください。故障します』
「ガチ拒否はやめてください……」
そして私はしばしの休憩に入るのであった……。
ヘイローの作図のみ、依頼しました。
喋る青い椅子(@Oekaki_Kosshiii )さんです!
ユウナのイラスト自体はAIで用意しました。他の方のイラストを読み込ませてではなく、お馴染みのプロンプトのみからです。
なので、今後、ユウナの角や髪を縛るアクセサリーなんかは、少し描画にズレがあると思われます。
ほんまごめん。
※注意(盛宮モルモ、賽鬼ユウナについて)※
この2人に関しては、2017年から投稿を続けている私の別の作品のヒロインを「ブルーアーカイブ風にリメイクして設定を付与したキャラクター」です。
名前の原型や、大体の容姿、大まかな設定などは、そちらから流用しています。
「ユウナ」を漢字で書くなら「
もし「サイキユウナ?モルモ??見たことあんぞ、この名前。容姿の描写も大体同じ?」と思った方が居ましたら、どちらも作者は私なので安心してね。
あっちは処女作なのです。思い入れも、あります。なんなら主人公より2人の方が思い入れあります。
オリジナルの生徒なので、この作品での登場頻度は必然的に少なくなるんですけど、主に「リク消化の為に時間が欲しい時」などに、登場させます。
だから、風紀委員会がメインの話以外でこの2人が登場したら「話のストック減ってきてるんだ。はよ書いてくれや」と思ってください……。
◆
あと、流用元の私の作品でもユウナは「破壊を好む馬鹿力の脱獄囚キャラ」です。そこからして敢えてこちらと共通させています。
キヴォトスの治安が終わってるから共通させる事ができた設定です。
ブルアカキャラを元にしたオリキャラはこれからもカヤの幼い人格、マロン、
オリジナルの生徒は、モルモ以上に設定を練られる自信が無いので、もう増やさない予定です。もう、名無しモブくらいしか出せないですね。
本当はトリニティか元アリウス側にシャムシエル、ケルビムを元ネタとする子を出したかったですが。でもシャムシエルの方のキャラデザがね、ちょっとムツキに似てしまっているので登場させる予定からボツにしました。
ケルビムの方は普通に可愛いと思うけど。
◆
長くなりましたが。
ユウナは苗字とヘイローで分かる通り「賽の河原の鬼」が元ネタの、鬼キャラです。なので日本妖怪が元ネタらしき百鬼夜行のキャラになっています。
積み上げた
ユウナの赤い着物は破壊活動や大暴れによる返り血イメージ。
ブルアカは元から「名前が似てる子」が多いので、ユウカに似た名前の響きのユウナを登場させる事に躊躇いは無かったです。
あと「賽の河原の鬼」以外にも、元ネタあります。
最後に。
上で述べている通り、これから新たにオリキャラを登場させるとしても、もう擬人化アンブロジウス、擬人化グレゴリオ(これから実装されるであろう、マエストロの人工天使シリーズ)しか居ないので。
そちらについては容姿しか特に新たな設定は無いと思っているので、次回はオリキャラのプロフィール総まとめ回にしちゃいます。
先生、マロン、モルモ、ユウナの4人です。
(擬人化ヒエロニムスを入れるか少し悩み中)
プロフィールでありストーリーではないですから、明日、投稿しちゃいます。
ストーリーの方は土曜日、普通に投稿します。
ん、先生、ちょっと夜の時間もらうね。
予想以上の長文……1500字を少し超えました。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
おやすみなさい、先生。
また明日。
素敵なお題箱はこちら。
https://odaibako.net/u/Akirazemi