※この作品はR-18です。

「ハーレムルートを目指しましょう、先生」   作:アキラゼミ

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総力戦② 〜無限ループの破壊〜

 

「キヒャヒャヒャヒャヒャアーーッ!!!」

 

「うぉあっ!?なんっ……コイツ!!」

 

「あっはぁ♡ イイねイイねェ、その暴れっぷり!まさにバーサーカーじゃん♡」

 

 モルモのEXスキルは敵に使うとスタンになるが味方に使うとバフになる。敵には攻撃に、味方には回復になるコハルのEXスキルと、系統としては、ほんの少しだけ似ているような気がしなくもない。

 ただしモルモのEXのバフの継続時間はスタンと同じ。エロいのが好きならば6秒、そうでないなら3秒だけというものだが──ツルギはバフの勢いに流されて、たった3秒のバフが切れても尚、突撃を続けていた。

 

「クソッこのぉっ!吹っ飛べ、木っ端共がァ!!」

 

「ロケランブッパ来たよ!みんな、回避!」

 

「あっはは、効かないよ〜☆」

 

「ヒィィヤッハァアアアーーーーッッ!!」

 

「遮蔽物、確保」

 

 モルモ、ツルギは回避、ミカは受け止めサオリは遮蔽物に身を潜める。それぞれ、ミカ以外は被弾のダメージは最小限に抑えられている。

 良い感じだ。ツルギとミカの攻めもある、そしてユウナは特別防御力が高いワケではないしこのまま押し切れ────待て。ユウナのスキルはッ(・・・・・・・・・)!!

 

「サオリッ!遮蔽物に隠れるなッ!!」

 

「ッ!?了か──」

 

「今更遅いっつーのよォッ!!」

 

「!?」

 

 遮蔽物が壊された。その直後、自爆覚悟なのか、超至近距離でロケランを放った。すると、ユウナのHPバーが2本半は一気に削れたものの、同時に、サオリのHPの4分の3以上は削られた……!

 

「ぐぁっ……!?」

 

 ユウナのNSの効果だ。敵を倒すか遮蔽物を破壊すると、1つ毎に一定時間攻撃力が60%アップし、HPを200%分だけ回復させるという……。

 

「サオリちゃん、一旦離れて回復を待ちな!」

 

「……この程度、作戦に支障は無い」

 

「ッ……じゃあせいぜい19秒でも唱えてな!」

 

「?」

 

 モルモのNSの効果で、19秒毎に、ミカは90%、ミカ以外は治癒力の108%分だけ、HPが回復する。

 ミカだけ90%なのは戦闘前にミカが「オキニ」から外されたのが原因か。トリニティとゲヘナの諍いがこんな所で発揮されるとは。

 しかしツルギとは割と良い感じに組めているし、どういうこった。やはり戦闘というかそういうのが好きな者同士、言葉を交わさずとも通じ合うものがあるのか。

 

「サオリ!ミカ!トドメだ!」

 

「なぁ〜にがトドメよッ!!そんなんでヤラれる、このアタシじゃあないわッ!!」

 

「虚しい……全ての抵抗はただ、虚しいだけだ」

 

「────ここから先は進ませないよ」

 

「ぎゃあああーーーっ!!……これでも喰らえ!」

 

「……中々しぶといね☆」

 

 撃たれまくっても、更にオマケとばかりに隕石がヒットしても、頭から血を流す程度か……。

 しかも苦し紛れに被弾と同時にEXスキルを発動してしまったらしい。この戦いに入って、初めてのユウナのEXスキル。ツルギは被弾しながら回避、モルモは悠々と余裕で回避していくが、サオリは、少し爆発の余波を受けている。そしてミカはろくに回避せずに堂々と喰らっているが……。

 

「ひゃー、遮蔽物もボロッボロだねー」

 

「気を付けろ、聖園ミカ。破壊の度に奴は攻撃力が上がる」

 

「え」

 

 今のユウナのHPは4分の1未満────つまり攻撃力の1550%での攻撃か?またはさっきのNS、そしてSSも加味すると、合計1622%……か?

 いや、待て。今のEXで何個の遮蔽物が壊れた?遮蔽物1つにつき18%の上昇率────数字1つで見るならあまり大きくは無いのかもしれないが数が重なれば……!!

 

「……でもさー、もう少しで倒せるじゃん?」

 

「いや。見た所、破壊の度に回復している。恐らく今のEXスキルの使用で奴の体力は────」

 

 ゲージ4本分、HPを回復させている。

 なんてヤツだ、賽鬼ユウナ。HPは半分以下且つ4分の1以上だから素の1400%に+アルファか。

 つまりユウナを倒すには攻撃にバフを掛けた上で畳み掛けなくてはならない。

 回復されてしまったから、ミカとサオリのEXの連続ブッパで処理するしかない。しかしその前に、スキル回ししてミカとサオリが連続でスキルを発動できるように調整しなくては。

 

「ん、大物……!」

 

「砲手、支援を」

 

 シロコとナギサで6のコストを使ってしまった。そして出てくるのはツルギとミカのスキルか。だがサオリのスキルを前に出すには、モルモ、ツルギ、ミカの誰かのスキルを使わなくてはならない。

 スキルの組み合わせが悪かったのかな。シロコのSSでコスト回復力を上げてるからいいが、ミカとサオリのスキルを使えるようになるまでの秒数を、耐えなくては。

 

「体力削んないと倒せなくてぇ、んでも体力削ると攻撃力UPからの遮蔽物破壊で攻撃力UPと回復?なに、この無限ループ。……フツーにエグくね?」

 

「ギヒィ……」

 

「場所が市街地というのが最悪だな。遮蔽物など、その辺に幾らでもある。どうするんだリーダー?」

 

「私のスキルをミカちゃんに掛けて、ミカちゃんがスキルブッパすれば、十中八九、勝てるわぁ」

 

「!?なら、どうして……」

 

「……同時に発動できない『理由』があんのよ」

 

 モルモのEXスキルの消費コストは6で、ミカも6である。合計12であり、上限の10を超えている。だからモルモとミカのスキルは併用できないのだ。

 しかもモルモのバフは3秒、または6秒しか維持できない。6秒で2つ分のコストを回復できるか?恐らくはギリギリと言ったところか。しかしもしもミカが3秒しか継続しないタイプなら、この作戦はハナから成り立たない事になる。……また博打か。

 

「……ミカちゃぁん。私のバフにノッてくれる?」

 

「……ゲヘナはすっこんでて☆」

 

「────本人がこのザマじゃあね。勝てるモンも勝てないわ。……あ、やばっ」

 

「え」

 

「爆散せぇぇーーーいっっ!!!」

 

 ユウナは再度EXスキルを使用。さっきよりも、数段攻撃力が高くなったEXを、モルモ達から見てそう遠くない場所で炸裂させた。

 モルモは()んで回避、ツルギとサオリも回避するものの、唯一、ミカだけはその場に取り残されて、爆発の餌食になってしまい、HPが尽きた。

 

「きゃっ!?…………あはは……ここまで、か……」

 

 ヘリでミカを回収。オート指揮に変更しながら、ヘリの中で軽く反省会だ。ミカが欠けてしまえば、ユウナにトドメを刺せるだけの高火力アタッカーが居なくなるので、倒せなくなる。ただし、モルモが居る間は負けもしないだろう。時間まで、耐える。それだけだ。

 

「……ミカ」

 

「……うん」

 

「ミカがゲヘナ嫌いなのも分かってて敢えてモルモ含めて編成した意図……分かってほしかったかな」

 

「…………うん」

 

「モルモを回復役にして、ツルギ、サオリ、ミカをアタッカーに、中でもサオリとミカの攻撃で、一応押し切れる計算だったんだけれど。少なくとも前に戦ったヒエロニムスよりずっと楽なはずだった」

 

「……ごめんなさい。ゲヘナ嫌い…………まだまだ克服できそうにないや」

 

「今すぐに克服して、とは言わないけれど。せめて戦闘中くらいは、好き嫌いより協調性を優先だよ?今はただの総力戦だからまだ良かったけど……」

 

「うん。……頑張るね」

 

「上手くできたら、相応のご褒美も用意するから。皆には秘密だよ?」

 

「!……うんっ。私、頑張るねっ!」

 

「よし。よく言ってくれたね。私のミカだったら、そう言ってくれると思ってたよ」

 

「えへへ……♡」

 

 こうして一旦生徒を全員ヘリに回収して、再度、

出直す(リスタートする)事にした。

 そして今度は、ある程度ユウナのHPを削るまでモルモとミカのEXスキルを一切使わずに温存し、シロコのSSの効果で消費コストを5に抑えつつ、最後の最後に────。

 

「イッちゃえミカちゃん!!」

 

「うん──そうだね」

 

 モルモのバフを受けたミカは、効果が切れる前にEXをユウナにぶつけ──この日一番の超高火力を受けたユウナは吹っ飛ばされ、トリニティ自治区に新設されたブラックマーケットには平和が戻った。

 

「ひぇー、やっぱミカちゃんの火力エゲツねーわ。さっきあんな苦戦したってのに。HPゲージ、何本吹っ飛んだ?……絶対に敵には回したくないね!」

 

「……あなたのバフも良かったよ。……ありがと」

 

「そらどーもっ!」

 

 にししっと笑うモルモ。バツが悪そうにちょっと照れるように笑うミカ。モルモに手を出されミカはそれに応え、パチンッと良い音を立ててハイタッチしたのであった……。

 

 ◆

 

「カンパーイ!!」

 

「「カンパーイ☆」」

 

「「乾杯」」

 

「「…………」」

 

 とりあえず初勝利という事で、缶ジュースで軽く乾杯。ミカとモルモは、それなりには、打ち解けたらしい。シロコと私の隣を取り合いになる程度には3人で睨み合ったりもするが……。

 

「──先生。今回の作戦は、ミカに頼り過ぎた所が大きい気がする。しかも、一度目の撤退は、それに先生自身が気付けていなかった所が大きいだろう」

 

「そうだね。ハードコアだからと舐めすぎてたし。というよりは、シミュレーションと現実との差異を認識、把握しきれてなかった」

 

「ああ。もう少し楽に進める方法は、必ずある」

 

「……サオリ、よく喋るようになったね?」

 

「黙っていても何にもならない。ミカのその無駄な明るさにも、参考になるものはあった」

 

「ほ……褒め言葉として受け取っておくね……☆」

 

 額に青筋が浮かんで……スチール缶が潰れた!?

 どんな握力をしてたらスチール缶が潰れるんだ、あんな握力でペニスを掴まれたら……絶対逝くな。

 

「……前に、私が組んだ子は……。ミレニアムの……、あの、メイドの子は……どうでしょうか……?」

 

「へ?」

 

 ツルギと組んだ事がある、ミレニアムのメイド?もしかしなくてもネルのことだろうか。確か色彩が攻めてきた時には共同戦線を張ったとかなんとか。確か、ツルギとネルの担当はケセドだったっけ?

 

「確かネルの市街地戦の適正、ミカとツルギと同じDなんだよね……。モルモは回復役に必須だとして、ツルギとネルを組ませるには、ミカかサオリに一旦部隊を離れてもらう必要がある」

 

「ギヒャァ……」

 

「あ!そーだよ先生っ、なんで私の適正低いとこでわざわざ編成したの?いつもより力出なかった!」

 

「ミカやツルギには適正をも覆せるだけの高火力があると思って。難易度もハードコアだしね」

 

「……♪」

 

「えへへっ……そんなぁ、超高火力だなんてー♡」

 

(え待って?ミカちゃん、市街地戦の適正低いの?それでユウナのHP、あんな消し飛ばしたの???地形デバフ、それなりに大きいと思うんだけどな。少なくとも、切り込み隊長のイオリちゃんさえ私に手も足も出せなくなるくらいには、大きめのデバフ(・・・・・・・)喰らうはずなんだけど。……こりゃ敵に回せんわ)

 

 その後、残り2回はネルとサオリを交換したり、敢えてミカと交換したりでネルとツルギのコンビに大暴れしてもらった。それによって、2人の親交は更に深まったようだ。

 なおユウナの方は、フルボッコにされたからか、総力戦としては1日で閉じられる事になりユウナは涙目で敗走した。




次回────祈りを。

帰省中、ピアノでグレゴリオのBGM練習してたら、久しぶりに母親が何の曲か聞いてきたのでサラッと教えたんですが、「そのゲームやってみよ」なんて言い出して肝を冷やしました。ホラーかな?
そらストーリーもBGMも良いと語りはしたけど。
母上がここまで興味持ったのは東方の「風神少女」以来でした。
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