※この作品はR-18です。

「ハーレムルートを目指しましょう、先生」   作:アキラゼミ

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トリニティ‪✕‬ゲヘナ合同訓練②

 

「────成程、だからナギサが来てるんだ?」

 

「ええ、本来なら委員会同士の交流なので生徒会が出張る必要は無いのですが……向こうがそう来る以上こちらは何もしない、というワケにもいかず……」

 

「引きずり出されたような形になってるって事か。こりゃあ、少し警戒した方が良さそう……かもね」

 

「ですね。私としては先生がこの件に関わっているという事自体が初耳でしたから……」

 

「明らかに情報統制されてるって事だね……もう少し私からも両方とやり取りしておけばよかった」

 

「いえいえ、先生は忙しい立場ですから……」

 

「それを言うならナギサだって」

 

 ──正義実現委員会と風紀委員会の交流会当日。だだっ広い空き地でポツンと待たされていた私は、ゲヘナ学園に向かう途中の正義実現委員会の面々に回収されて、ティーパーティーのナギサと共に正義実現委員会に護衛され、目的地であるゲヘナ学園に向かっていた。

 チナツからのメッセージで知った事だが、会場が変更になったことはトリニティ側にしか知らされていないようで、風紀委員会もバタバタしてるそう。

 羽沼マコトの介入があったという事も、私は今が初耳だ。恐らくは、意図的に情報がシャットアウトされていたのだろう。

 

「そろそろ着くはずの時間……なのですが……一向に進みませんね?」

 

「どうしたんだろう?」

 

 全体での車移動なので、止まってるということは信号なのだろうと思い外を見れば、車はもうゲヘナ学園の正門前である。何故進まないのかと訝しんでいると、あちこちから銃声が聞こえてきた。

 

「どうして正門前(こんなとこ)でドンパチ始まるんだ……」

 

「何かトラブルがあったのでしょうか?」

 

 トラブルがあったからって、そう簡単に銃撃戦が始まってたまるか──なんてツッコミは、きっと、キヴォトスじゃ通用しないんだよね。

 正義実現委員会も風紀委員会もそんなに血の気が多い委員会じゃないはず──いやどっちもどっちで血の気は多いかな。

 しばらくすると銃声は止んで、モルモとハスミの声が、そしてツルギの奇声が聞こえてくるように。とりあえず正門近くの駐車場に車だけは停めさせてもらい、弾薬なんかの箱を1つだけ持たせてもらい私達も列に並んで会場へ……。

 運動場で、との話だったが確かに運動場らしい。観客席の向こう側では、生徒会長のマコトが堂々とふんぞり返って座っている。

 

「あ、イロハもイブキも居る」

 

「イブキ?……あぁ、あの小さい子ですね。あの子も先生のハーレムに引き込むのですか?」

 

「さぁ、それはまだ未定だよ」

 

「もしそうならさすがに引きますけれど」

 

「ハハッ、手厳しいね。……あっ」

 

 マコトがマイクを持って立ち上がる。開会の言葉みたいに何か言うのかなと思ったが、そのマイクをイオリに撃ち抜かれ「何ィィィーッ!?」と1人で騒ぎ始め、そんな先輩の様子を、イロハは呆れ顔で見ている……。

 

「な、何がしたかったんでしょう……?」

 

「さぁ……」

 

 そんなマコトを無視して、正義実現委員会の皆と風紀委員会の皆は、試合前のスポーツ選手のように整列し──それぞれの委員長の握手を合図に同時に手を出し、握手を交わす。

 

「こちらの不手際で準備が遅れて申し訳ない」

 

「……」

 

「色々と邪魔はあったけれど、全力でやろう。救急医学部を待機させてあるから怪我の事も気にせずにやり合えるわ。腕は確かだから安心して」

 

「……楽しませてもらう……キヒヒヒヒッ……!」

 

「……こちらこそ」

 

 互いに引き下がり、ある程度の距離を確保する。

 そういえばスタートの合図とか要らないのか、と思っていたが、どこからともなく銃声が響き渡り、それを合図に正義実現委員会と風紀委員会の戦いが開始した。

 

「キェエエェエエエエエーーーッッ!!!」

 

「正実の委員長が来た!総員、前へ!」

 

「ひっ、ひぃぃっ……」

 

「お、お助けえぇええ!!」

 

 ツルギは奇声を上げて敵陣へ単身で突っ込んだ。それを他の生徒達がカバーしつつ──いや、カバーできてないな。ツルギを止める肉の壁となりつつ、ヒナが狙いを定めEXスキルをブッパなせるだけの時間を稼いでいる。

 ッターン──と、どこからかSRで撃ったらしい銃声が響いてきた。マシロだろうか。風紀委員会の陣地はツルギが暴れ回ってるからとっくに崩壊済みだけど、今のスナイパーはどこの誰を狙って……。

 

「いったぁ!?翼、撃ち抜かれたんですけど!?」

 

「お、オイ!高度が落ちるのが早いぞ!」

 

「だってしょうがなくない!?急に撃たれて痛いし何処にいるのかも分かんないんだもの!」

 

「こんな目立つ戦法じゃ、そうもなるだろ……」

 

「ツルギちゃん以外に知られてないと思ったのに!対応早いなぁ正義実現委員会……」

 

 モルモが滑空中──イオリをぶら下げて??一体何をやってるんだあの2人はと思ったが、そうか。高所からイオリに狙い撃ちさせるつもりだったが、逆に、滑空中にマシロに撃たれたってところか。

 

「……驚きました。あの生徒は飛行できるのですね。普通でしたら、私のような有翼人種でもああやって飛べないのですが……。翼周りの筋肉が飛べるように進化していないのです。人の形をとる進化の上で、筋肉さえも取捨選択の必要に迫られたのでしょう。その選択に迫られた我々の祖先は、翼は残しつつ、飛行機能を捨て地に足をつけて生きる道を選んだ。それなのに……」

 

 ナギサは紅茶を飲む手を止め、フラフラながらも滑空を続けるモルモの事を、羨望にも似た眼差しで見守る。

 部屋デートの時に、ミカから聞いた事があった。子供の頃は、いつかは自分の翼で空を飛びたいと、ナギサと語り合っていた時期があったと。

 まさか、こんなところで幼き頃の自分の夢を体現している生徒に出会うなんて思わなかっただろう。私もナギサのこの反応を見るまで、ミカからそんな話を聞いた事自体忘れていたが、確かに空を飛べるというのは魅力的で……。

 

「たとえ滑空だけだろうと──空に身を投げ出せるというのは、楽しいでしょうね。ふふっ、総力戦の時には離れた所から援護していましたから、実際に目にするのはこれが初めてなのですけど……かなり、衝撃を受けました。同じ、翼を持つ者として……」

 

「ナギサも空飛びたい?」

 

「ええ。欲を言うなら自分の翼で……ですけれど」

 

「自分の翼かぁ。それは難しいかもだね」

 

「ですが、だからこそロマンがあって──と、昔は思っていました。今ではもう、私には無理な事だと自分に言い聞かせていますから……」

 

「滑空するだけなら、モルモに手伝ってもらって、遊覧飛行みたいなのできるよ。私も前にそうやって飛んでもらったことあるし」

 

「え。……そ、そうですか……そんな事も……」

 

「シャーレの屋上から飛び降りた事もあるよ。中々スリルあったね〜」

 

「……下手したら大変な事になりますよね?」

 

「そこはまぁモルモの技術を信じてるから。だからナギサも、もし空を飛びたいって思ったらあの子に頼んでみるといいよ」

 

「……覚えておきます」

 

 そういえば、あのユウナの総力戦の後からミカも空飛ぶ練習を始めてるんだっけ。モルモとは造形もジャンルも全く違う翼だけれど、滑空だったら私もできるかもしれないから──って言ってたな。

 これはナギサには言わない方がいいかな。多分、ミカが真っ先に一緒に飛びたい相手は、他ならないナギサだろうし。

 

「……ナギサ、これどっちが勝つと思う?」

 

「ふふ、愚問です。──トリニティの誇る正義実現委員会です。確かにゲヘナの風紀委員会も凄まじい力をお持ちですが……こればかりは譲れません」

 

「平均レベルは高いかも。けど、風紀委員会も多分負けてないよ。前よりも、育成に力入れてるから。とはいえ、やっぱり……圧倒的な『個』の力ってのは目立つもんだね……」

 

「もちろんです」

 

 開始から2分足らずで、既に両委員会共に幹部格くらいしか残っていない。風紀委員モブちゃんズは各スナイパーの正確無比な射撃に、ツルギを止める肉の壁として散った。そして正実モブちゃんズは、モルモ&イオリの爆撃にて散り、あとはシンプルにヒナに一掃されたらしい。

 それにしてもイオリは──おんぶ紐みたいな物で吊られているが、あんな格好でよく狙撃できるな。動きながらの射撃が持ち味だから、あれくらいなら安定してるとも言えるのか。モルモもよく人1人を支えたまま滑空できるな。まぁ成人男性1人すらも抱えられるみたいだから、そんな驚きは今更だな。

 

「お。敵スナイパー見付けたよ〜ん。11時の方向、壁の裏に隠れてるね。ハスミちゃんじゃない方だ」

 

「静山マシロか……!」

 

「結構なヤリ手っぽいし、こっち先に消そっか?」

 

「言い方が卑猥で物騒なんだよモルモ!──でも、よし、先に処理するぞ!」

 

「オッケ〜。んじゃあ、スカートの左ポケットの、製作したてホヤホヤの秘密兵器、出しちゃって〜」

 

「はいはい!」

 

 モルモが下半身をちょいと下げると、イオリは、自分をぶら下げてるモルモのスカートに手を入れ、ズラリと黒い何かが軽く10個くらい連なった珍妙な道具を取り出した。あれはまさか、それぞれが糸で繋がれた──手榴弾か。

 

「ふふふっ、コイツで遮蔽物を1発で壊すわよ〜♡ ピン抜いたら、3秒後には着弾させてね?」

 

「分かってる!」

 

 成程、モルモにもイオリにも一撃で遮蔽物を破壊できるだけの火力は無いから、その欠点を、繋げた手榴弾で補うのか。火力調整は手榴弾の数で可能、しかもピンは投げる勢いで抜けるから全てのピンを紐で繋げれば後は思い切りブン投げるだけで……。

 

「よし、いつでもピン抜けるぞ!加速してくれ!」

 

「Let's go☆」

 

 モルモが身体の角度を変えると、まるで墜落するような勢いで正義実現委員会の方の陣地に突っ込み始めた。ハスミやマシロは、撃ち落とそうと何発も撃つが、その急激な速度変化故に目が慣れず全てが当たらず、イチカの攻撃も当たらない。

 あっという間に、マシロの遮蔽物が目前に迫り、イオリはピンを繋げた紐を手に括り付けると束ねた手榴弾をまとめて投下────!!

 

「きゃああっ!?」

 

「……クソッ仕留めきれなかった!」

 

「けど、近くにもう遮蔽物は無い。イオリちゃん、ヤレるわね?」

 

「当然!この程度の速度、偏差撃ちも余裕だ!!」

 

 すれ違いざまに手榴弾を投下したので、あとは、逃走中のマシロからは離れるばかり。しかしそこは同じくSRを扱うイオリである。咄嗟に背を向けてしまったマシロの背中を見事撃ち抜き戦闘不能に。そして続けざまにイチカを、更にハスミを──と、その瞬間。

 

「────その速度、もう慣れましたよ」

 

「きゃうっ……」

 

「モルモ!?」

 

「イッたぁ……イオリちゃぁん、不時着するね……」

 

「りょ、了解!いつでも来い!!」

 

 ハスミはタフそうだと判断して、すれ違いざまにイオリとモルモの2人で攻撃しようとするも、逆にハスミにより翼を連続で撃ち抜かれてしまった。

 滑空の為に翼を広げているので、翼はモルモには結構大きめの弱点になってしまう。確かにそれは、前にモルモから聞いた事があったが……。

 

「ツルギ、今です!!」

 

「くひっ……ひひっ…………ひひひひっ!!」

 

「ぎゃああああっ!?委員長が来たぞモルモッ!!高度を上げろ、上げろーーーっ!!」

 

「もっ、もぉっ、ムリィ……っ!」

 

「ケヒャアァァアアーーーッ!!!」

 

 ハスミは流れを計算していた。速度と角度から、モルモの翼の何処をどう撃ち抜けば、上手く自分とツルギの間に墜落させ、挟み撃ちにできるのか。

 そして、その計算通りに事が進み、イオリは半ばヤケクソになりながらツルギを狙撃するも、まるでロードローラーのように全てを綺麗に破壊し舞台を均しながら接近してくるツルギに、イオリの火力はまるで通用せず……。

 

「「ぎゃあああーーーっ!!」」

 

 モルモとイオリは呆気なく吹っ飛ばされ、地面に転がる事になってしまった。イオリは目を回して、もう立ち上がれなさそうだ。戦場に立っている風紀委員は、もはやヒナ1人だけ。

 マコトはゲラゲラ大笑いしている。しかし……。

 

「フンッ、まだまだ青いわねェ!こちとら再生力がウリの吸血鬼だっつの!翼の皮膜程度、休ませりゃ秒で回復するってのォッ!!」

 

「なっ……!?」

 

「オラッ起きなイオリちゃん!最後の仕事よ!!」

 

 ツルギは2人に攻撃してからヒナに向かっており今はハスミしかこちらに向いていない。だからこそモルモはイオリを抱き抱えるとその超越的な脚力をフルに使って、滑空ではなく跳躍で退避した。

 

「う…………く、そっ……頭がガンガンするっ!うっ、そんなジャンプするなっ、揺れる……!」

 

「寝るなら『発射台』の仕事を完遂してからよ!!やられたままじゃあ私のバディは勤まらないわよ!一矢報いてやんなきゃ、気が済まないわ!」

 

「まさか……『アレ』をやる気か……?」

 

「ええそうよッ!あの巨乳、地に伏せてやらないと気が済まないわァ!!」

 

「……それ本人に聞こえたら溝が深まるぞ……」

 

「聞こえないから大丈夫よ!」

 

 残った正義実現委員会は、ツルギとハスミのみ。対して風紀委員会はヒナ、イオリ、モルモの3人。人数の有利を捨ててでも、ツルギはヒナが倒せると信じ、2人は最後の作戦に打って出た。

 

「本当にやるんだなっ!?」

 

「当然!ツルギちゃんの相手は次でいいわ!まずはこの戦いでハスミちゃんに目にもの見せてやる!」

 

「あーもー分かったよ!けどグラウンドの整備とか後で手伝わせるなよ!?」

 

「やーねっ、モチロン手伝ってもらうわよ!」

 

「クソッ強欲なヤツ!!」

 

 風紀委員会側の陣地の一番高い遮蔽物に、ほんの一瞬のすれ違いざまにイオリを下ろした。すると、モルモは助走を付けて、バレーのアンダーハンドのように構えるイオリに走っていくと……。

 

「ハイィィィィッ、ヤァッッ!!!」

 

「どりゃああああああぁぁぁあ〜〜〜っっ!!!」

 

 イオリに投げ上げられこれまで見た事がない程に高く高く飛び上がった。しかし投げ上げた直後に、イオリはハスミに撃ち抜かれてダウン。続けざまにハスミはモルモを狙うも、日光が邪魔して先程より上空に打ち上がったモルモのことを直接は狙い撃ちできそうもない。

 

「くっ……一先ず今はツルギの援護を……」

 

「これでトドメよォッ!!」

 

「!?」

 

 目をギラつかせ、超スピードで急降下してくる。しかし狙いを定めさせない為か前後左右にブレる。しかもモルモがビリリと制服を破くとその下からは大量の爆弾が現れた。爆弾を自分に巻きつけて自爆特攻してきたのである。

 

「なっ……あなた…………馬鹿ですか!?」

 

「確実に狙い撃ちする方法があんのよ────!!そいつは……私自身が爆弾になる事(・・・・・・・・・・)ッ!!」

 

「ひっ────」

 

ドガアアアアアアアァァァンッ!!

 

「キヒャッ……!?」

 

「──隙ありよ、委員長さん」

 

「!?」

 

ドドドドドドドドドッ!!

 

 こうして第1戦目はどうにか風紀委員会が勝利を収めた。ただし復活が早かったツルギはともかく、モルモの爆撃を受けた正実モブちゃんズ、ツルギに吹っ飛ばされた風紀委員会モブちゃんズや、最後の爆心地に居たハスミとモルモなどが復活できたのは最後の戦いが始まる頃で、結局、最初から最後まで満足に戦えたのはヒナとツルギというトップの2人だけだったようだ。

 その一連の戦いを見たマコトはそれから暫くの間風紀委員会に全く逆らわずに、余計なちょっかいを掛けてくることも無かったとか。

 だがそれはそれとして、後日、万魔殿は全快した風紀委員たちによって建物が半壊になるまで襲撃を受けたそうな……。




次回────「ん、先生、ちょっと時間もらうね」

ワカモの絆ストーリー何回も読み返してるけども、読めば読むほど「ワカモ、先生から誘っても照れて逃げてエッチできなくない……?」ってなってる。
エロい事になるイメージが殆ど湧いてこない。

今日の絵師様探し日記
「あ、この方の絵柄しゅき。依頼募集してるのか、ちょうどいいや」

過去作遡り

「ブルアカご存知の方なのね、話が早そうで良き。色んな意味でヨシ!(現場猫)」

ホームページ確認

「『個人様はごめんなさい』……だと……!?」orz

個人依頼がダメな絵師様、割と多いよねって話。
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