※この作品はR-18です。

「ハーレムルートを目指しましょう、先生」   作:アキラゼミ

7 / 135
「逃げるなよ、黒服さん」

「先生、仕分け終わったよー。他にやる事ある?」

 

「ありがとう、他にはもう無いよ。後はハンコだけだからカヤに渡しておしまい」

 

「うへ〜……。この山に元代行1人でハンコ押すの?先生も容赦無いねぇ……」

 

 今日の当番はホシノ。手を出しはしないが、少しロリコンのケがある私にはちょっぴり、その──。目に毒というか、なんというか。

 なんだろうな、ミカと付き合い出してからかな。ミカ、ナツ、コハル、ハナコなどのピンク髪の子が前にも増して、その……何故か性的に見えてしまって辛いところがある。ナツには実際にもう手を出したし。

 シロコ以降、カズサやカンナなどなど、これまで性的な目で見た事無かった生徒の事まで、そういう目で見てしまうようになったし、なんというかな、性癖が開拓されまくっている気がしてならない。

 ──え?セリカやマリー?……あの2人は、うん。割と前からそういう目で見てたよね……。

 セリカに至っては、今のように馴れ合う前から、ちゃっかりお姫様呼びしてたよな……確か。ごめんねミカ、私のお姫様はミカだけじゃなかったみたい。アビドスに元祖お姫様が居たね……。

 

「今日の仕事は楽だったねぇ。よかったよかった。おじさんも一息つけるよ……ふぃ〜……」

 

 ソファに座ると、肘掛けに頭を置いて横になる。一人称は「おじさん」だが、ガッツリ幼女である。これで3年生なのだから、やはり驚いてしまうな。私の中の「高校3年生」のイメージ像は既にロリの外見にすり変わりつつあるよ。

 

「仕事終わったんなら、先生もこっちおいでよー。まったりしよ〜」

 

「そうだね、まったりしよっか」

 

 窓から差し込む温かな光に照らされ、お尻が沈む柔らかなソファに身を委ねつつ、ホシノを後ろから抱き締めるような形で横たわる。

 自称「おじさん」も、匂いは完ッ全に女の子だ。キュッと腰に手を回して抱き締めると、ホシノは、ほんの少しだけ身体を震わせつつも、そのまま私にされるがままになっている。

 

「……ねぇ、先生?最近、シロコちゃんと『仲良し』してるんだってね?」

 

「え」

 

「シロコちゃんったら、皆の前で恥ずかしげも無く普通に言うもんだからさー、皆、その度にドキドキしてるんだよねぇ。特にセリカちゃんが凄いねぇ、ノリツッコミというか。漫才かってくらい凄いよ」

 

「……シロコは、なんて?」

 

「『満足感が物凄い、皆もヤるべき』ってさ」

 

「わーお……」

 

「次の当番のとき、ノノミちゃんなら襲ってくると思うから、お手柔らかにね。アヤネちゃんだったら奥手だから大丈夫かもだけど。あ、セリカちゃんはかなり気が立ってるというか、敏感になってるから下手にこの話題は出さない方が身の為かもよ?」

 

「……ホシノは、どうなの?」

 

「おじさんはいーよ、身体が痛くなりそうでさー」

 

「優しくするよ……って言ったら?」

 

「…………ごめんね。これ以上、先生にハマッたら……抜け出せなくなりそうだから。だからさ、敢えて、アビドスであの話題が絶えるまでは、先生とは少し距離を取りたいかな……なんて思ってるんだ」

 

「距離を取るどころか密着してるんだけど──ってツッコンじゃダメ?」

 

「ダメ〜。それ言われちゃったらさ?あれじゃん。もう……何も言えなくなっちゃうよ」

 

「!」

 

 彼女を抱き締める腕に力が籠る。スゥーッと頭の匂いを嗅ぎ、決意を固める。およそ下腹部あたりに回していた手を彼女の胸部へ持っていき、フニッと下から揉んでみる。

 

「っ……先生……流石にそれ以上は……」

 

「それ以上は、なに?」

 

「えと……おじさんのおっぱい、小さいしさ…………?揉んでたって、楽しくないよ……?」

 

「おっぱい揉むのに楽しいも楽しくないも無いよ。揉みたいなら揉むべし、それだけ」

 

 そもそも、おっぱい小さくても揉むのは楽しいしサイズとか関係ないんだよね。ミカやノアのような胸もイイし、カヤのような胸もイイ、ユズやホシノみたいな殆ど「無」に近い胸もイイ。

 

「んっ♡……はーっ、はーっ♡……あうっ♡ まっ、待って、そこ(・・)はちょっと……ん゙っ♡」

 

「乳首弱め?服の上からでもコリコリしてきてるの分かるよ」

 

「ひ、貧乳は……その、敏感なんだよぉ……っ」

 

「じゃあもっと責めてあげるね」

 

「ひうっ♡ あ゙っ♡ ふーふーしないでっ♡ あ♡あっ、せんせ……ひあぁあっ♡♡」

 

「ホシノの耳、おいしー♡」

 

「耳なんてしゃぶっ……い゙っ♡ あうっ、せんせ、待って、ちょっと♡ ま、待っ────♡♡」

 

 経験を積む度、それは私の記憶に残り、「次」に活かせるようになる。そう、それはまるでゲームの2周目のように。やっぱり、経験ってのは積むべきモノなんだなって。人生何事も経験だよね、と最近やっとそう思い始めたよ。

 

「はー……はー…………なに、いまの……ひぐっ♡♡」

 

「凄い、良い具合に濡れてるね。パンツ越しなのに私の指まで……ほら♡」

 

「……恥ずかしいから見せないでほしいなー……///」

 

「はは、ごめんごめん。……もっと触っていい?」

 

「う、ん……お手柔らかにね……?動くの疲れたら、言うからさ……休ませてね?」

 

「大丈夫、ホシノは動かなくていいよ。私がバテるまではきっと、ホシノも元気なままだと思う」

 

「んぐ♡ ゆびっ♡ ひあっ、あぁっ♡ 待って、先生っ♡ せんせ……んあぁっ♡♡」

 

「敏感になってる今が挿れ時かな……?」

 

「ったく……せんせーってば……♡ お股触るよりも先に、スるべき事があるんじゃないのかな?♡」

 

「へ?」

 

 私の手を振り解き、狭いながらも器用にこちらに寝返りを打つと、ギュムッと正面から抱きついて、ウットリした目で私を見上げる。

 

「せめて、チューしてからじゃないと……。この先は許せない、かな……?♡♡」

 

「キスしちゃっていいの?」

 

「そっちは聞くクセに、も〜っと大事なおまんこは無断で触っちゃうんだ?エッチな大人だぁ♡」

 

「っ、ごめ…………っ!」

 

「うへへ、遅いから私からしちゃった♡」

 

 ギュッと更に強く抱き締める。勃起したペニスは彼女の下腹部に押し付けてやり、硬さと熱さなどを布越しのままで分からせてやる。

 

「スゴいね……おちんちんってこんなに熱いんだね?初めて知ったよ。……私、食べられちゃうんだねぇ。先生、狼さんみたいな目になってるよ?」

 

「ホシノ……ッ」

 

「んっ♡ もう、1回キスしたらそればっかりだ♡甘えん坊なのも可愛いかもね、先生。到底、大人に見えない上に────こんな貧相な身体が好きとか言っちゃう輩なんて人間としてダメだ────って思ってたけどさ」

 

「!」

 

「先生なら、イイかもね……♪」

 

 にへ、と頬を緩ませて笑う。私は彼女をソファに寝かせて、私はソファを降りつつズボンとパンツを脱ぎその場に放置。天井を突かんばかりに反り返るソレを見て、ホシノは覚悟を決め唾を飲み込む。

 

「挿れるよ、ホシノ……ッ」

 

「いーよ……気持ちいいと思うよ、()膣内(ナカ)♡」

 

「っ、飲み込まれる……うっっ……!」

 

「あー……避妊(ゴム)まではしなくていいけど、射精は念の為に、膣外(ソト)でね……?」

 

「ごめん、もうイッた……」

 

「へっ!?……先生、もしかして早い人……?」

 

「うん……とりあえず動くね……」

 

 元から出ていた愛液と、射精したての私の精液が絶妙に絡み合い、白いローションとなって、たまに結合部から溢れながらも、滑りを良くしてくれる。

 

「あれぇっ!?1回イッたら休憩必要なんじゃ!?そんなっ、見たのと違っ、あっ♡ あっ、せんせ♡今、そんな動いちゃ……んあぁっ♡♡」

 

「シロコったら、そんな事を言ってたの?」

 

「う、ううんっ、言って、ないぃっ♡♡」

 

「じゃあどうして?」

 

「シロコちゃん、先生のこと、好きすぎじゃんっ♡誇張、入ってるって思……お゙ぉっ♡♡」

 

「あの子、誇張はしないよ」

 

「みたいだね……んんっ♡ あんっ♡ はぁ、はぁ♡しゅごいなー……あたま、ばかになっちゃ……うっ♡はぁ、はぁっ……んぐっ♡ せんせ、痛くない?」

 

「大丈夫、かなり濡れてたから。……キツイけどね」

 

「……んっ……はぁ、んぅ……そっか、良かったぁ……。そりゃ良かったよ♡……ホントに動かなくていいの?動かれた方がいいってなったら……い、言ってね♡」

 

「私はどっちも好きだから大丈夫だよ。……ホシノが動きたくなったら言ってね」

 

「うんっ♡ わかっ、たぁっ♡ はぁ、はぁっ……♡うっ、はあ、はあ、あんっ♡ ひぐっ……♡ イクよせんせぇっ……ギュッてしてぇ♡♡」

 

「イイよホシノ、イッて!……私もイクから……っ」

 

 膣外に、と言った割にホシノはガッツリ足で私をホールドしてくる。私はそれに何も言わずソファに横になるホシノに思い切り体重を預けて、奥の奥に押し付け射精してやった……。

 

「はふぅ……ん゙っ♡♡」

 

「どう、ホシノ?悪くないでしょ?」

 

「うん……動いてないのに……気持ちいいよ〜……♡」

 

 ◆

 

 数日後。ハーレム計画の進捗はどうか、と黒服がまたまた早朝からエンジェル24に遊びに来たので、彼を執務室に上げることにした。

 

「──まぁそういうワケでさ。黒服の計画にノッたワケじゃないけれど、ハーレムの方は割と順調だと思う。ミカも思ったよりノリノリっぽいし」

 

「……遂にホシノさんを寝取られました、か……」

 

"寝てから言おうね"

 

"寝てから言えよ"

 

「クックックッ……手厳しい。しかし、先生にならば彼女を任せられますかね。私は『元先生』であってプレナパテスではありませんが──。あのセリフ、いいですか?」

 

「……ご勝手にどーぞ。聞くだけ聞いてあげる」

 

「では、ご勝手に言わせて頂きます。『ホシノを、よろしくお願いします』────先生」

 

「……。よろしくお願いされましたよ……っと」

 

「!」

 

 コップを軽く掲げて見せると黒服もそれに応じ、キンッと軽い音を立てて乾杯した。朝から乾杯とか贅沢な気もするけど、中身はただのお茶だからね。

 

「あんたにとっちゃあ『生徒』はホシノだけかい。プレナパテスはプラナ……アロナのことまで含めて、ちゃんと『生徒たち』と言ってたってのに……」

 

「……それは…………以前にも申し上げた通りですが、私と私の世界のホシノは、付き合ってこそいませんでしたが、それなりには、他の生徒と違う距離感で触れ合っていましたし……思い入れも一入ですよ」

 

「……」

 

「それについてだけは、先生は私を責められないと思いますよ。聖園ミカさんの件が、ありますから。そうでしょう?聖園ミカさんと婚約済みの先生?」

 

「…………まぁ、ね。それは……そうね」

 

 そりゃ分かるよ。思い入れってのは、どうしても完全に平等になんかなりやしない。ダメなんだよ。セックス中でもない限り、いつだって頭にあるのはミカ……シロコ……ノア……。

 

「……ところで、その……先生。お怪我をされているようですが、大丈夫ですか?首だなんて危険です、ゲマトリアの技術で軽く治療しましょうか?」

 

「あぁ、絆創膏(これ)?キスマーク隠してるだけだよ」

 

「っ!?」

 

「クックックッ……ウブだねぇあんたも……」

 

 おっと。「クックックッ」なんて笑い方、本当に黒服みたいじゃないか。あぁ黒服も私なんだった。それじゃあ別にいいか。……いやダメだろ私。

 

「ち、因みにその生徒はどなたで……?」

 

「えーそれ聞いちゃう?案外、下世話だねぇ」

 

「……」

 

「……シロコだよ」

 

「シロコさんの当番は明日か明後日のはずでは」

 

「何で把握してるの」

 

「数日の範囲しか知りませんがね」

 

「だから何で知ってるんだよ怖いわ。──シロコ、凄い頻繁に遊びに来てくれるからねぇ。アビドス、自転車で来るには遠いだろうに。お陰で、シロコの太もも、出会った頃より少し太くなった気がする。ユウカにはまだ負けるかもだけどね」

 

「うわぁ」

 

「ガチトーンで引くんじゃないよ、あんたが始めたストーリーでしょ」

 

「いえいえ。先生が始めたストーリーですとも」

 

「……はぁ」

 

 まぁそれもそうか。黒服が言い出したとはいえ、結果的には私も賛同して、それに協力してるようなものだし。どこかモヤるところも無くはないけれどこれに関しては黒服の言う通りかもしれない。

 

「────あ、そろそろ当番の子が来るかも」

 

「おや。では、先生の友人代表として挨拶だけでもしますかね」

 

「そろそろゲマトリアの皆にキレられるぞあんた。というか、今日もホシノだけど大丈夫?さっきの、ホシノのNTR話で脳破壊されてるんじゃない?」

 

「帰ります」

 

「帰るんじゃあないよ」

 

 慌てて席を立つ黒服の裾を掴んでやる。女の子の服の裾とは違って、引っ張っても面白みもないが、黒服とホシノは会わせたい。1つだけ、たった1つだけなんだけれど、会わせたい理由があるんだ。

 

「帰ります」

 

「あの件以降、初めての再会だよ?」

 

「帰ります」

 

「脳破壊されたから?」

 

「違いますが帰ります」

 

「じゃあどうして?」

 

 グイグイと私の手から逃れるのを諦めたらしく、力無く項垂れたままその場に立ち尽くす。そして、私に背を向けたまま、絞り出すように言う。

 

「──ホシノさんに会わせる顔が無いと、前にも、申し上げたではありませんか」

 

「それは黒服の言い分だ。大人なら、元先生なら、あんたも生徒(こども)の話くらい聞いてやりなよ」

 

生徒(こども)の──」

 

「ホシノの話も聞いたこと無いクセに逃げるなよ。結果的に守れなかったかもしれないけど、あんたもそっちのプレナパテスにホシノを託されたんだろ」

 

「────っ!」

 

「これからは力を合わせて生徒達を守ろうよ。そう簡単には割り切れないかもしれないけどさ。でも、せめて顔を合わせて話すくらいはできるでしょ?」

 

「……ホシノさんは、なんと言っていたんです?」

 

「『会って話がしたい』────とさ」

 

「!?……なぜ?……なぜです?」

 

「さぁね。私はホシノじゃないから、知らないよ。でも──あの時、あんたと契約を結んだ事についてあの子はこう言ってた。『あの黒服なら、契約さえ結べば、ちゃんと借金を肩代わりしてくれるような気がしたんだ』、『信じられる気がした』ってさ」

 

「!!」

 

「おかしな話だよね。この世界では『先生と生徒』じゃない、他人同士なのに。大人不信だったホシノなのに、黒服、あんたのことは『信じてみてもいいかもしれない』って、そう思っていたんだ。だからあの時、あんたとの契約を結んだんだよ」

 

「……」

 

「私との出会いがあったからそう思い始めていたのかもしれない。でも、自分の人生を投げ出してでもコイツならアビドスを救ってくれるだろうってさ、そう思われてたんだよ、あんたは」

 

「……実験に使うと、事前にお知らせしたのに?」

 

「そう。自分が実験台にされようとも、コイツなら私との契約を無視せず、守ってくれるだろうって、ホシノから信じられてたんだよ」

 

「ッッッ……!!」

 

「私としてもゲマトリアとは仲良くしたいけどさ。あんたまだ、ホシノに謝罪も何もしてないもんね。禊を済ませろ、じゃないけど──ケジメっていうかホシノに謝るくらいはしてほしいなって、思うよ。そうやってホシノから逃げてばかりいるのは決して黒服の言う『大人』ではないんじゃないかな?」

 

「……ええ」

 

「サオリもミカに謝ったし、ミカもサオリに謝り、互いに赦した。生徒でさえこうなんだ。それなら、黒服。『大人』は、もっと逃げちゃダメだと思う。私もいつかはハーレムの責任を負う事になるしさ。だから今回(・・)は────あんたが腹を括る番だよ」

 

「………………」

 

 こうして、黒服を引き留めるのに成功した私は、ホシノが来るのを今か今かと、黒服と待ち続けた。黒服が来ていることは、コンビニに迎えに行く前にモモトークでホシノにも伝えてあるからか、今日は少しだけホシノが執務室に来るのも遅かった。

 

「……や、やっほー、先生。おはよぉ」

 

「おはよう!中々来ないから心配しちゃったよ」

 

「ごめんごめん……うわ、ホントに居るよ〜……」

 

「……」

 

「黒服が、ホシノに話したい事があるんだってさ」

 

「うへっ!?もう契約は結ばないよ〜?おじさんも先生の女の1人だものー。ねぇ、先生?」

 

「ッッ」

 

「そうだね」

 

 今のめっちゃ脳破壊されてそうだな、黒服……。

 今のはほんのちょっぴり申し訳なく思うけれど、可愛いホシノの発言だし許してくれるよね、黒服?

 幾ら私と黒服が別世界での同一人物だとしても、自我は別にある。自我が別ならば他人も同然だし、NTRによる脳破壊が起きても仕方ない。そして、黒服も「私」だし、寝取るのも寝取られるのも両方大嫌いなのは共通してるんだろうなぁ……。

 黒服は足を震わせながら立ち上がると、ホシノの前に立ち────土下座した。

 

「……っ!?」

 

「あの時の非礼を、ここに、お詫び申し上げます。二度とホシノさんを始めアビドスに近付かない事、宣誓致します」

 

「……私の事を奴隷みたいに使おうとしてたのはまぁ置いといて……私との契約を守ろうとしてくれたのは事実なんだよね?」

 

「誓って。……決して契約を(たが)えたりはしません」

 

「先生。……先生は、どう?赦す?赦さない?」

 

「さてね。黒服が謝ってるのは、私に、じゃない。ホシノに謝ってるんだから、ホシノに任せるよ」

 

「うへ、責任重大だぁ。んー、赦してもいいけど、まだモヤモヤする所はあるんだよね……」

 

「「!」」

 

「被害者から離れるだけが贖罪だと思ってない?」

 

「……事実、そうでしょう?」

 

 これは私も黒服に賛成かな。他に何かあるかな。奉仕活動──あぁ、これも、見方によっては贖罪に当たるのかな?ホシノ的にはそんな感じなのかな。

 

「まぁ方法の一つではあるよね〜。だけど私はね、決してそれだけじゃないと思ってるんだ」

 

「……」

 

「ねぇ先生、どう思う?アビドスの開発、ちょっと手伝ってもらうとかしてもらうの、良くない?」

 

「!?」

 

「あぁいいね。あんまりにも大きな影響を与えない程度に、ちょいちょい不便なとこを改良してもらうくらいならいいんじゃないかな。──連邦生徒会に目を付けられない程度にならね」

 

「んね。さ、先生もそう言ってくれている事だし、これで手打ちにしようじゃないの。これでどう?」

 

「……よろしいのですか?私などの手を借りても」

 

「いいんじゃない?対策委員会の皆も、黒服が私を誘拐した黒幕だとは知らないはずだよ。先生も皆にそこまで話してないはずでしょ?」

 

「そうだね。カイザーに協力してたヤツが黒幕、とまでは言ったかな?それが黒服とは言ってないから大丈夫だと思うよ。そもそも黒服の存在自体が殆ど知られてないしね」

 

「うん。それじゃあ決まり〜。対策委員会の皆と、ちょいちょい不便な所を挙げて、顧問である先生に報告するから。先生はそれを黒服に伝えてくれる?黒服はそれを実現させるの。……どうかな?」

 

「良いと思うよ。……ほら黒服、黙ってないで」

 

「……」

 

「……距離感とか悩んでるんなら、そんなの面倒だし気にしないでもいいよー。負い目に感じてるんなら金輪際近寄らなきゃいいし、そうでないのなら話し相手くらいにならなってあげてもいいし」

 

「!?」

 

「あ、お触りは厳禁だよ?先生、ハーレム作ってるクセに自分は独占欲強めだから。独占したいのに、自分は誰にも独占させないとか酷いな〜、先生♪」

 

 クスクスと、ニマニマと私をチラ見する。確かに独占欲は強めかもなぁ、と肩を竦める。ミカの他にシロコやノアが強く印象に残っているのも、きっと私に「独占されたい欲」もあるからなんだろうが、全く、なんって自己中な欲望なんだか。

 それでこそ「欲望」って感じもするけれどね。

 

「忠告して頂かなくとも何もしません。私は先生と違い、生徒(こども)をそういう目では見れませんので」

 

「そりゃ結構、じゃあ決まりね〜。おじさんも色々大変になりそうだなー、頑張ろ〜」

 

「────!」

 

「どしたの黒服」

 

「……いえ、何も」

 

「「?」」

 

(一人称が『私』でなく普段使いの『おじさん』に戻った────そうですか、ホシノさん。あなたは私を……あんな事をした私を赦して下さるのですね)

 

「次に変な事をやらかしたら、そのヒビ割れた顔が砕け散るまで撃ち込むからね〜。というより全身に撃ち込むよ、対策委員会全員で。覚悟しときなよ、黒服さん?」

 

「……クックックッ……承知致しました」

 

 やっと顔を上げて、微笑んだ黒服の顔のヒビは、何故だか私には、スジのような細い涙を流しているように見えてならなかった。

 こうして黒服は、アビドスの開発に全面的に協力すると私とホシノに誓って約束し、更には、黒服の希望で簡易的なものではあるが契約書を作成して、お互いに署名する事に。勿論、契約者は黒服と私。ホシノの名前は、ここには無い。

 対策委員会に顔出しも知らせも何もしてないから実際は違うが、ある意味で、副顧問に近いような、そうでもないような、奇妙な立ち位置になった。

 実際問題、「大人にしかできないこと」はある。そして、「私1人ではできないこと」も沢山ある。そういう事柄を、黒服と協力していければいいなと心から思う。

 こうして黒服とホシノ、黒服と私は全面的に和解を果たした。そう遠くない未来、対策委員会の皆と私と黒服の7人で、机を囲む事になる────かもしれない。




次回────○○○○○、シャーレ襲撃?



もしキャラのリクエストがありましたら受けたいと思うので、近いうちにお題箱を用意します。
「私なりに」キャラ解像度を高めてから書きます。
(個人的に高められた子は、シロコ、次点でノア、まだ執筆途中だけどミヤコかもしれない)

また、私が迎えられていないなどの理由で個人的に解像度高めるのが少し難しい子は、投稿の優先度は低くなります。
(コユキの話が書きたいのに書けない苦しみに酷く頭を抱えています)

自分のキャラの解釈にノイズが入る気がするので、基本的に、他の方の二次創作は読まないようにしています。解像度を高める方法としては、いつも通り
「公式からの供給→自前の妄想」ですが……。
Twitterで流れてくるイラスト、漫画などから着想を得て、そこから妄想する事ならたまにあります。
ヒヨリなどはまさにこのパターンだったりします。7月中に仕上がると思うので、お楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。