「ハーレムルートを目指しましょう、先生」 作:アキラゼミ
「────お疲れ。どう、モルモ?今の風紀委員。やっていけそう……?」
「んぁ?……おっつー、ヒナちゃぁん。相ッ変わらずちっこくてカワイーわねぇ♪」
「……
仕事をある程度終え、机にグッタリと伸びていた風紀委員の副委員長・
戦闘面でのヒナの補佐役としてつい最近になって動員されたモルモは、その脅威的な強さにて各地の暴動鎮圧などを済ませるといった実績があった。
しかし彼女は風紀委員に助力していた過去があり一度そこから足を洗って今に至っている。ヒナは、過去の風紀委員とのギャップに悩んでいないかと、内心では、恐らくは「先生」以上に心配していた。
「……。『やっていけそうか』、か。ま、やってけんじゃない?何だかんだ、あんだけ反発しそうだったアコちゃんも従ってくれてるしね。アコちゃんさえ暴走しなきゃ、こっちとしてもやりやすいから」
「アコは行政官で戦闘員ではないし。極論だけど、現場の事は現場に行く者が一番に把握できるって、当たり前の事だけれど……それだけだと思う」
同じく現場に赴く者として、彼女はヒナの言葉に首肯する。アコとて現場の事は把握している、だが彼女の判断で現場の者を振り回す事もある以上は、しっかりしていると断言まではできないからだ。
「アコちゃんもその考えに至ってくれたのが何より有難いわ。その点に関しちゃ初期も初期の段階からイオリちゃんと心配し合ってたからさー」
「イオリ……」
「ヒナちゃん、
「まぁ……順当にいけばそうなるわね」
「ヒナちゃんレベルのワーカーホリックが卒業したくらいでマトモになるとは思えないわ。無理無理、やめときなさいよ。校長に直談判でもして、適当に理由くっ付けて留年させてもらえば?私みたいに。風紀委員長だからこそっつーのもあるでしょ?」
「……」
「イオリちゃん、少し前と比べてダンチに強いよ。それは断言できるわね。実際、私と組んでとはいえ正義実現委員会とあそこまで互角にやり合えるとは思わなかったでしょ?」
「それは、そうね。驚いた。お陰で、私はツルギの相手に集中する事ができた*1」
「そんなイオリちゃんでも、まだまだ3割ヒナにも満たないと思うんだよねー。辛口に評価すればね」
「だから、私を単位にするのはやめて……」
「どーすんのよ、2割ヒナにヒナ委員長の跡継ぎは難しくない?後進の育成が、まるでなってないわ。ある意味、ヒナちゃんの数少ない弱点かもね?」
にしし、と笑うモルモ。しかしその発言は1人でこれまでやりくりしていたヒナに深く突き刺さり、中々、ダメージを払拭できないでいた。
後進の育成ができていないからこそ風紀委員会はヒナのワンマンになっていたのだし、実際、便利屋なんかは、たった4人にも関わらずヒナ抜きの風紀委員会とは互角以上にやり合えるのだから、ヒナがどれだけ戦力的に寄与しているのかが伺える。
「──正義実現委員会は、静山マシロ、仲正イチカなどなど後進も順調に育ってるみたいね。今でこそ正実と互角でも、来年にはどうなってるかしらね。案外、ボロボロになったりして♡」
「……笑えない未来予想図ね」
「ね。とりま当面の目標としては、イオリちゃんを鍛え上げる。私とバディを組んだら圧倒的数の差も覆せる所までは来てるんだから、後はイオリちゃん単体で強くなりゃ、それで万々歳かな〜」
「どれくらいの強さを目標に……?」
「そりゃ理想はヒナちゃんレベルよ。でも、本人の気質からしてそれは無理でしょ。だからとりあえずヘルメット団128人を1人でブチのめすくらいね」
「それ、は……中々に、遠い目標ね……」
「イケるっしょ、私と組んでとはいえ撃退した事がある数字よ?しかも初めて組んでコンビネーションあんま良くない状態で!」
「イオリとモルモは、元々相性が良かったようにも思えるけれど……」
「え、そう?照れちゃう〜♡」
それなりに相性がいいとしてコンビを組んでいるイオリとモルモが、初めて共同任務に赴いたのは、モルモが副委員長に就任して数日後の事であった。
しかも、その内容というのも────。
◆
「ゲッ、マジ!?ヒナちゃんがブッ倒れたぁ!?」
「マジか、委員長が……」
「ええ。過労のようです。ヒナ委員長の自宅には、シャーレの先生が向かっています。本日はそのまま先生に看病してもらう予定です。先生じゃないと、委員長を休ませる事は不可能でしょうから……」
「〜〜〜ッ、まァヒナちゃんなら明日には復活するでしょうけど。でも、どーすんのよ。ヤバくない?あの子って存在自体が抑止力になってるレベルよ?でもまぁ、これでヒナちゃんも、休む事の大事さを身を以て理解してくれたっしょ……」
「それはいいんですが、どうも、朝から元気に活動しているバカの数が増えているようで。チナツも、4個小隊を率いて現場に向かっています」
「4個!?そんなに人員が必要なのか!?」
「道理で本部が伽藍堂なワケだわ。1年生の末端も殆ど居ないもんね、今さ」
「私と任務に行ってた奴らも、揃って仮眠室だぞ?私もシャワー浴びて少し寝たいんだけど……」
「……と、いうワケで。東地区の方にヘルメット団とチンピラが出没してるので、モルモさんとイオリはこちらの鎮圧、制圧に向かって頂きます」
「ん?話聞いてた?寝たいって言ったんだけど?」
「おけまる水産〜」
「ありがとうございます、では時短の意味も兼ねて具体的な指示については移動中にするとして。すぐ出発できるように準備をお願いします。イオリも。モルモさんと2人で行ってもらいます」
「は?2人で?ていうか私さっき帰ってきたばっかなんだけど……徹夜だし……」
「まぁ実質的にモルモさんだけの活躍になるかと。イオリはまぁ……次期風紀委員長として……課外学習みたいな感じのノリで考えていてください」
「どんなノリだよ!?」
「え?折角2人で行くんならぁ、組んで仕事しよ?じゃないとつまらないし?────っつーか、徹夜だからどうのって言ってる奴がゲヘナで風紀委員長なんてなれねぇっつの。分かってんの?」
「っっ!!このッ……」
「言い方に棘はありますけど、まぁ、モルモさんの言ってる事も間違ってはいないかと。ヒナ委員長の存在自体が抑止力になっている理由が、まさにそれですから。──それでも無理をしすぎるとこうなるという話ですけどね」
「くっ……。わかったよ!けど武器を整備する時間はくれ、整備する時間も確保できなかったからさ」
「おけまる〜、屋根で待ってるわ」
(屋根……??)
2丁のショットガンを装備して、モルモは本部を出た。装備の点検を終えたイオリもモルモに遅れて本部を出るが、そこに彼女の姿は無い。
『何してるんです?早く現場に向かってください』
「モルモのヤツどこに行った!?居ないんだけど!屋根ってどこだよっ!?」
『よく見てください。屋根にぶら下がってますよ』
「は?…………はぁああ〜〜っっ!?!?」
アコから出発しろと急かされるも、彼女1人ではモルモを見付けるに至らず。結局、モルモの行方を知っていたアコに答えを教えてもらい、イオリは、本部の建物の屋根へと目を凝らす。
するとそこには裸足で屋根の突起物にぶら下がるモルモの姿があった。腕組みして目を閉じている。スカートが重力に従って綺麗に捲れている事さえ、気にしている様子は無い。
「何やってんだお前!?」
「……?あ、準備できたん?んじゃ、行こっかぁ」
先程部屋を出た後で用意したのか、彼女の腰には小さめのポーチが備え付けられている。サブとして彼女がよく使用する手榴弾などが入っているらしく丁重に扱っているようだ。
「お前、なんで屋根にぶらさがってるんだよ……」
「なんでだろーね?なんか、あぁしてるとスッキリするんだよね。吸血鬼だからかな?」
「?……あぁ、蝙蝠ってぶら下がるもんな……」
「そーそー♪」
たった2人での任務。イオリは徹夜、モルモとて実は仮眠から目覚めたばかり。本調子とは言えない2人だったが、人員不足の為、アコも無理を承知で2人に頼むしかなかった。
こんな激務に、1年生やらその他の末端の生徒がついてこれるとは考えられないというのは、かなりシビアな判断ではあるものの、それだけに現実的な決断でもあった。
それに、任務についていけない人員を投入すればそれだけ損害も大きくなってしまうから、といった面も大きい。
「……イオリちゃん、眠い?」
「あん?眠い、くはない!大丈夫だ!」
「アハッ!眠いって本音、ダダ漏れだぞ〜♪」
「う、うるさい!黙って走れ!」
「やーん、黙って走ったら走りに集中しちゃう〜♡ そしたらイオリちゃんのこと、ブッチしちゃうよ?私に置いてかれても……いーの?」
「フンッ、上等だ!私を置いて行けるものなら置……あれ?」
確かにモルモは、その類稀なる脅威的なパワーを全力で使う事によって目にも留まらぬ速度で移動が可能だ。それは、モルモを風紀委員会に迎える時の手合わせでイオリも目にして、よく知っている。
しかしそれは、あくまでも瞬間的なもの────あの時に戦った場所は、「運動場」という狭い戦場だったから、イオリは気付けなかった。
その超スピードは決して瞬間的なものではなく、継続的に出せるものなのだと……。
「ウソだろ……飛んでるワケでもないのか!?」
空を見るも、滑空しているモルモの姿は無い。
イオリが啖呵を切った瞬間に消えたモルモを追い改めて現場へ急行する。一緒に行動するべきだが、こうなってしまったのはイオリの発言が原因。
向かうべき場所は同じなのだ、向かえば会える。下唇を噛み、黙って向かう事しかできなかった。
「────ウソだろ……」
「イオリちゃぁん、おそーい。私の方も武器の整備終わっちゃったよ?」
死屍累々と積み上がるヘルメット団とチンピラの山。その数、50人以上は確実に居るように見える。彼女はその頂上に鎮座し、すっかり冷めた整備済みショットガンを愛おしそうに撫でている。
「……何があった?」
「べっつにィ?フツーに戦って積み上げただけよ。特別な事なんか何にも無いわ」
ウソだ。イオリはそう直感した。モルモのスキルなどは、どれも回復やサポート特化のもの。彼女も自ら「サポーター」を名乗っているくらいなのだ、そこに偽りは無いだろう。
「というか何だこの地面、まるでドデカイ爆弾でも落としたかのような……」
「目の付け所がイイねぇ。それ正解。……殆どね」
「は?そんなの持ってきてたか?」
モルモが持ってきていたのはあくまでも手榴弾、それでこんな大きな凹みが形成されるのだろうか?これまでヒナ程では無いがかなり戦ってきたイオリだからこそ、違和感を抱く事ができた。
「それよりさっき、アコちゃんから連絡来たわぁ」
「え?」
「東北に2キロくらい先で、またまたヘルメット団なんかが暴れてるみたいよ。行こっかぁ」
「……次は置いてくなよ。私も全力で走るから」
「ンフッ、カワイー♡」
「……」
再び走って移動する。すると現場に到着するなりモルモは驚くべき行動に出た。残り全ての爆弾類を全て抱え、いつものように空に飛び上がった。
またあの爆撃かと納得しかけたイオリだったが、滑空する様子も爆弾を落とす様子も無く、これまた不審に思っていると、一息に落下し始めた。
「!?」
────ヤバい。
本能的なものだろうか、イオリは咄嗟にEXにて高速移動を行い、その場から退避した。すると次の瞬間、モルモが思い切り地面に墜落──と同時に、巨大な爆弾でも炸裂したかのような大爆発がまさにイオリの目と鼻の先で起こった。そして、爆心地に居るのはまず間違いなくモルモ。
その爆発により周囲のヘルメット団員は吹き飛び気絶してしまった。
「……ってオイ!?自爆って……特攻かっ!?」
「ンなワケあるかっつーのよ。こんなザコを相手に大怪我するとか、愚の骨頂だわぁ」
「うわぁ!?」
煙の中から出てきたのは、そう、まさにたった今自爆したばかりのモルモ。土煙やら砂埃に汚れてはいるものの、怪我らしい怪我はしていない。
「……何であんな攻撃を?」
「与えた衝撃の分だけ威力が上がる爆弾っつーのを開発したんだけどさ。私の速度と重力加速度とか、そーゆーの全部を合わせてぶつかりゃあ、それだけ威力もハネ上がるっつーもんよね。急降下しながら地面に向かって投げる、みたいなのは難しいしね、体勢的に考えて」
「だから自爆じみた攻撃を……」
「まーねぇ♪ でも、見ててスッキリするっしょ♡ 雑魚共が一気に吹き飛ぶ様子♡ キャハハハハ!」
「……悪趣味なヤツだな……」
「褒め言葉として受け取っとく♡ ──でも、あの攻撃も今ので打ち止め。もう爆弾が尽きたもん」
「もう他に敵は居ないんだろ?なら、もう帰……」
結局出番は無かったな──と、ほんのちょっぴり残念に思う気持ちもあったが、これで帰れるのだとイオリは大きく背伸び。
しかしイオリの言葉に被せるように、アコからの通信が入ったのである。
『お疲れ様でした。次は北西に4.6キロ、チンピラが暴れ回っているとの通報です』
「〜〜〜〜〜ッッッ!!クソチンピラがぁぁっ!!いつになったら休ませてくれるんだっっ!?これで私まで過労でブッ倒れたら覚えてやがれ!!行くぞモルモ!さっさと終わらせて!帰って!寝る!!」
「ふふっ……そーね、そうしましょっかぁ♪」
打てば響くようなイオリの性格はモルモにとって好ましいものなのだろう。任務に次ぐ任務によって俄然やる気を出したイオリを見てニンマリと口元を釣り上げたモルモは、先導するようにして、彼女の前を走り始めた。
「作戦があるわ」
「作戦……?」
「闇雲に撃っても弾の無駄。加えて敵は多数、私とイオリちゃんくらい、数的に考えたら、赤子の手を捻るように捩じ伏せられるでしょうね」
そうはならないのがモルモ達だが、ここは敢えて緊張感を持たせる為に敵の方を盛って伝える。
「だからちょっと役割を決めましょ。私はひたすらイオリちゃんにバフを掛けまくってぇ、テキトーに暴れるからさ?イオリちゃんは好き勝手暴れて♡」
「……ハッ。結局『暴れる』だけじゃないか」
「んふっ♡ 私達にはそれくらいが合ってるわ♡」
◆
「来たぞ、風紀委員会だッ!!」
「副委員長とかいうピンクの奴も居るぞ!」
「潰せ潰せ潰しちまえ!」
「────オイ、モルモ!バフ頼む!」
「はいはい……!」
モルモのEXスキルは、味方に使えばバフになり敵に使えばスタンになるというもの。効率は悪め、しかし速度が持ち味であるイオリにとっては、多少効率が悪いくらい、問題ではない。
「よしッ……お前ら全員、連行だーっ!!」
「あっはははぁ!目に見えてテンション上がってんじゃん、イオリちゃん♡……んじゃ、私も……!」
とはいえ、バフがあったとて圧倒的数の差というものは覆し難いものだ。しかも、乱戦を聞き付けて近くに居た別のヘルメット団まで参戦してくる程。どちらも、風紀委員会に対し恨みを募らせている者同士──団結は早く、結束は固かった。
「クソッ、数が多い!モルモ、爆弾ぶち込め!」
「さっきの戦いで使い切っちゃった☆」
「ウッソだろお前!?!?──くっ!!」
「袋叩きにしろーーーっっ!!」
全方位を囲まれる2人。ボロボロになりながらも相方にバフを掛けたり、尻尾で相方を持ち上げて、空に打ち上げて気を逸らせたりするなど──初めてコンビを組むにも関わらずイオリとモルモの2人は息の合ったコンビネーションを魅せる。
やがて2人は、次々と押し寄せてくるチンピラやヘルメット団を積み上げて作った山に腰を下ろす。
「はーっ……疲れたぁ!!帰って寝る!!」
「イオリちゃん、徹夜だもんねぇ……」
「そう言うモルモも、仮眠くらいしかしてないって来る前にアコちゃんから聞いたぞ」
「まーね、結構疲れてるわぁ。だからさっき、自爆特攻みたいなアホなマネしたのかもね」
「あー……かもしれないな。あの時みたいに、空から見下ろす方が似合ってるし」
「あら嫌味ったらしー。でもま、そんなボロボロな状態でこの数相手に大立ち回りできるだなんてサ、私達、中々に相性イイんじゃなぁい?」
「そうか……?」
「絶対そう!写真撮ろ、写真!バディ結成記念!」
「え、えぇ……??せめて帰って着替えないか?」
「ダメよダメダメ!
「ぴ、ぴーす……」
ここにイオリとモルモの最速コンビが爆誕した。やがてこの2人は、場に揃えばヒナ委員長とも遜色ないのでは、と不良界隈で噂される程の強さにまで上り詰める事になる────。
「……んじゃ、シャーレの先生にも送っちゃお♡」
「は!?おいバカやめろ!下着見えてるんだぞ!」
「あははっ♡ もう送っちゃったぁ♡♡」
「や、やりやがった……!!」
「お。ソッコー返信来たよ?」
「……なんて?」
「『一生のオカズにするね』……だってさ☆」
「今度会ったらシバくか」
「
「うっさいバカ!ヘンタイ!死ね!」
◆
「────……」
「……モルモ?どうかした?」
「んーん。やっぱ、風紀委員会って楽しーわ。退屈させてくれないんだもんねェ」
「退屈になる暇が無いからね」
「ハッ、言えてる」
机に仰向けに寝転がるモルモ。ちょっと──と、声を掛けようとするヒナだったが、ばるんと零れるように動く彼女の丸く大きな乳房が目に留まって、つい、咎める言葉を飲み込んでしまった。
「──きっと、前に風紀委員会に助力してくれてたあの頃とは、色々と勝手も違うだろうし、困惑する事もあるとは思うけれど。何かあったら、話を聞くくらいの事は……私でもしてあげられると思う」
「困惑するってんなら、万魔殿のアホさ加減に困惑してるわよ。なぁんで私とイオリちゃんを都市部、それもシャーレの近所というトコロに
「…………それについては、私も同じ気持ちよ」
「あーあ、この後またアッチまで戻るのかー。定期報告も楽じゃないわね、電車賃も嵩むし……」
「それについては万魔殿に経費で申請すればいい。それはアコにやらせとくから。とにかく、今後ともよろしく頼むわね。イオリの事も──万が一の時は先生の事も」
「おけまる〜、ヒナちゃん来るまで耐えとくわ」
「……耐えてないで撃退してほしいんだけれど」
「にししっ、できるとこまでヤッとくわ。でもま、ヒナちゃんこそ気を付けてよね。最近の万魔殿──いや、ゲヘナ学園自体が、どうにもキナ臭いから」
「……ええ。私も、薄々気付いてるわ」
「そう……なら、いいわ」
(モルモが真面目な顔になると、大概、面倒な事が起きる。それはつまり────
モルモとイオリの率いる風紀委員会の支部からの定期報告のついで、うっすら浮かび上がりつつある正体不明の危機を共有した
風紀委員会、否、ゲヘナ学園でもきっての腕利きである2人が共通して感じていた「不安」……。
万魔殿議長、羽沼マコトがかねてより企んでいた野望が実を結ぶ日は、決して遠くはなく────。
次回────お姫様と勇者
今回のイオリ&モルモの挿絵は、子野日さんに依頼しました。クオリティもシコリティも高くて高くて白い涙が出てしまいますね。
子野日@土曜日西ね10b(@Neno_Vi )
https://www.pixiv.net/users/14609740
トリニティとゲヘナの合同火力演習のお話。
https://syosetu.org/novel/319579/43.html
風紀委員会支部のお話
https://syosetu.org/novel/319579/66.html