※この作品はR-18です。

「ハーレムルートを目指しましょう、先生」   作:アキラゼミ

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ヒヨリ、憧れの人物と邂逅

 

「はぁ〜〜〜……怖かったですぅ……鳥肌立った……」

 

「どうしたの?」

 

「最近読んでるホラー小説なんですけど……。段々と仲が良かったはずの仲間と険悪になっていくのが、本当に怖くて怖くて……」

 

「わぁ。ヒヨリ達には有り得なさそうだけど確かに怖いね」

 

 ある日のシャーレのカフェ。相変わらずヒヨリがネット小説を読みに来ている。カフェには飲み物も食べ物もある、ヒヨリが入り浸るには最高の環境に思える。充電もできるし、フリーWiーFiもあるし。

 

「あったかいお茶でも飲む?鳥肌、凄いよ?」

 

「頂きます〜……お茶菓子と、寒気がするのでお茶のお代わりも……」

 

 本当に相変わらずだ、この子は。まぁそんな所が可愛いので、何の問題も無いのだけれど。

 私の膝に座って、はむはむとハムスターのように頬を膨らませながらお菓子を食べるヒヨリは本当に可愛くて、思わず「私が守護らねば……」となる。

 実際は、守護られるのは私の方なんだけど……。

 私自身もお菓子を頬張りながら、ヒヨリの匂いを鼻で、お腹の柔らかさを指先で感じ取る。あとで、少しだけでもシャワー浴びたいな。2人でね。

 

「あの……私のお腹、そんなに気になりますか……?ムチムチムニムニで、肉感マシマシですか……?」

 

「柔らかくて私は好きだよ」

 

「……ほんとに好きですか?」

 

「うん。ヒヨリのお腹に射精したいくらい」

 

「も、もぉー……エッチなんですからぁ……♡」

 

 にへらと頬を緩ませるヒヨリ。いつでも推せる。そんな可愛い彼女と足を触り合ったり、互いの頬に軽くキスをし合っていると、新たにお客がカフェにやってくる。

 

「太陽も高い内からイチャイチャイチャイチャと。飽きもせずよくやりますねぇ」

 

「やぁ、シュロ。そうは言うけど、ついこの前までシュロもこんな感じだったと思うけど?」

 

「そこまでベタベタはしておりません。シャーレの先生とあろう手前様が、いち生徒をそこまで贔屓しイチャイチャするだなんて、手前、とてもとて〜も悲しいですぅ」

 

「……とてもとて〜も……?」

 

「何かぁ?」

 

「あっ、いえ……なんでもないです!なんでも!」

 

 もじもじとしながら俯いてしまった。なにやら、ヒヨリの様子が変だ。

 シュロがある程度離れてスマホを触り始めてから先程の事についてヒヨリに聞いてみることにした。

 

「どうしたの、ヒヨリ。さっきの……何かあった?」

 

「あ、いえ……。実は、さっき読んでたホラー小説の怪異の女の子が『とてもとて〜も○○ですぅ』って感じの口調なんですけど……普通は『とてもとても』じゃないですか?なのにあの子もそんな感じに少し伸ばしてるから、小説に出てくる怪異の女の子と、ちょっとダブって見えてしまって……」

 

「凄い偶然だね」

 

「で、ですよね……!それにしても本当に面白くて、心の底からゾクゾクするお話でしたぁ。芯の方からブルッと震えてしまうくらい……。私もそんなお話、書いてみたかったなぁ……」

 

「ヒヨリなら書けるよ、そんなお話が……」

 

「無理だったんです……やってみましたけど……」

 

「えっ?」

 

「私って、ネット小説読むの好きじゃないですか。でも、一時期、読むだけじゃ満足できなくなって、自分でも書いた事があったんです。野宿しながら、食料を探しながら、ポチポチと……」

 

「でも電波とか……」

 

「あぁ、実は書くにもコツがあるんです。こうして電波が繋がっている場所で小説を書く画面を開いておくと、オフラインになっても、電源が切れたり、タスクさえ切らなきゃ小説は書けるんですよっ!」

 

「それは知らなかった」

 

「まぁ……通信できない以上、書けても、次に電波が繋がる所に行くまで保存すらできないんですが……。それでも、書ける事は書けるんです……!」

 

「そうか。ゲームとは違って、常に小説サイト側と通信し合うワケじゃないから、通信が切れて保存はできなくとも、書くことならギリギリできるんだ。よく見つけたね、そんな裏技……」

 

「えへへへっ……///」

 

 照れ笑いを浮かべるヒヨリの頭を撫で回し、髪の匂いを嗅ぎながらお茶を飲んでいると、ふと彼女の書いた小説が気になってきてしまった。

 あまり詮索はされたくないだろうとは思ったが、気になるのは気になる。聞くだけ聞いてみよう。

 

「ねっ。ヒヨリは、どの小説サイトでなんて名前で書いてるの?良かったら教えてくれない?」

 

「え、えっと……このサイトで……『ピヨりん』って名前で……」

 

「どれどれ……あ、ユーザー名『ピヨりん』あった。でも『投稿作品はありません』って……」

 

「ええ、はい……結構前に消したので……」

 

「何で!?」

 

「そのぅ〜……批判コメントが凄くて……。『作者の不幸自慢が痛すぎる』や『不幸アピールウザイ』、酷い時には『ノンフィクション謳ってるけど、もし本当にノンフィクションだとしたら胸糞が過ぎる。それよりも活動報告とか後書き欄での作者の自我がウザイ』などと言われまくってしまって……」

 

「……」

 

「あっ、私、実話系のを書いてたんです。昔の事をメインに少し前の事を……先生との出会いとか……」

 

「!」

 

「でも、通知の1つ1つが怖いので、コメント欄を閉鎖にしたんですけど……。今度はSNS上で、私の作品をスクショして切り取った部分を晒されて……」

 

「うわぁ……」

 

「だからもう、SNSの方は諦める事にして、作品自体削除して……もう書かないようにして、今後一切読み専に徹するようにしたんですぅ……」

 

「そっか……読んでみたかったな」

 

「えへへ……先生には私達がお話ししたので……別に改めて読まなくてもって感じはしますけどね……」

 

「でも、文章にはその人の性格が出るって言うし。後書きとかじゃなくて、作品の中の事だよ。だから文章からもヒヨリを感じてみたかったな」

 

「だけど、そういう所も含めて、読んでくれた人にウケなかったのかなって。落ち着いた今なら、そう思えますね……えへへ……」

 

「ヒヨリ……」

 

 ちょっぴり肩を落とした。声のトーンも落ちる。お菓子を食べお茶を飲む手も止まる。私の膝の上で縮こまり、大きな溜め息をつく。

 ポンポンと頭を撫でると、弱々しい笑みを見せて

「心配しないでください……」と呟く。

 するとずっとスマホを触っていたシュロが大きく派手な舌打ちをし、こちらに向き直る。

 

「さっきから黙って聞いていればウダウダグチグチピーピーうるさいですねぇ!手前はそんなんだからダメなんですよぉ!批判しか能の無い阿呆の事など捨ておいて、自分の好きなようにすればいいのに!何故そんな愚図共の言う事を真に受けてやめてるんです?バカなんですぅ?ノータリンなんですぅ??助言ならまだしも純度100%の批判なんぞブロ削安定なんですよぉぉ!!手前の世界に外野が首突っ込んでくるんじゃねーよぉおおおお!!……くらいの気概で居ましょうよ、創作家なら……」

 

「わ、わぁ……凄い早口ですぅ……」

 

「でも、なんていうか……実感が籠ってるね」

 

「手前様はまだご存知無いでしょうけれど、手前の趣味は創作する事、まぁ端的に言えばネット小説を書く事でしてね。花鳥風月部の怪談家ですしぃ」

 

「……大丈夫?この前、モモイ達とリアルファイトに発展しそうになってたけど……」

 

「ええ、ええ!批判コメントにはいつも、徹底的に反論した上でブロ削してますもの!対策についてはバッチリですぅ♡ 創作する上で、メンタルケアも怠ってはいけませんよぉ」

 

「「…………」」

 

「ま、嬉しいコメントも中にはありますけどもね。

『心の底からゾクゾクする』や『芯の方から震えてしまう』など、中には怪談家冥利に尽きます〜♡ なぁんてニヤニヤしたくなるコメントが付くこともあるんですよぉ♡ イヒッ♡ イヒヒヒッ♡♡」

 

 シュロが例に挙げた「嬉しいコメント」、どうも聞き覚えがある。さっきヒヨリが言っていた事だ。彼女も同じ事を思ったらしく、ハッとした顔で私を見上げる。

 

「それって……まさか作者は……」

 

「『花鳥風月部の怪談家』って……」

 

あなただったんですかぁ(シュロだったの)!?」

 

「ええ、ええ!紛れもなく、手前のことですよぉ♪ まさか、リアルの読者さんがこんな身近に居るとは思いませんでしたけれどもね」

 

「わ、わぁ〜……!凄く感動ですぅっ!私、あなたの大ファンで!過去作、全部読みました!冒険モノも書けるんですね……!作品の幅が広くて本当に……」

 

「……は?え?冒険モノ?……何のことやら??」

 

「え?確か、数年前に投稿されてた作品ですよね?今は非公開設定になってますけど……」

 

「いやまぁ確かに非公開設定(そう)ですけれど。ちょっと待ってください、何故その存在を知ってるんです?何故内容を知ってるんです??」

 

カフェ(ここ)で知り合ったヴェリタス(ハッカー)の子に、ちょっとハッキングしてもらって……えへへ……♪」

 

「!?」

 

「一時期とはいえ私も『書く側』でしたから、そのサイトの仕様は知っています……。だから削除したか非公開設定にしてる作品もありそうだなって思ってハッキングをお願いしたんです……」

 

「な、なな……何故そんな発想に至ったのか謎すぎて気持ち悪いですねぇ……!」

 

「今の作品に出会って1話目を読んだ時に思ったんです。『初投稿にしては凄く上手すぎる』って……。まるでどこかのサイトで怪文書を投稿していたり、過去にも作品を書いてた事があるみたいだなって。そのノウハウがあるから、1話目からここまで完成されている作品を書けてるのかなと思って……」

 

「!?!?」

 

「だからまず非公開にしてる作品があるかどうかを見てもらって、そしたらやっぱり非公開にしている作品があったので、閲覧できるようにしてもらい、あなたの作品は全て読みました……えへへ……♡」

 

「そ…………ん、な………………」

 

「想いを操る能力で無双する話とか読んでてスゴくスカッとして──」

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ーーーーっっっ!!!!」

 

「「!?」」

 

「うわぁぁぁぁん!!コクリコ様ぁ゙〜っ!!」

 

 絶叫し泣き出したシュロは、そのままカフェから走り去ってしまった。

 

「何だったんでしょう……?」

 

「……今度シュロに会ったら謝ろうね……」

 

「?……はい……」

 

 ◆

 

 シュロの書いた怪談話は、成程確かにゾクゾクとさせられた。この前モモイ達に話して聞かせていた怪談話は、きっと創作の息抜きにふざけて考えたんだろうな、と思ってしまうくらいに。

 

「あ、返信きてます……。『これからも手前の応援、よろしくお願いしますね、ヒヨリさん』ですって!うわぁ!名前覚えててくれてるんですね!」

 

(下の名前だけとはいえヒヨリの本名晒されてるんだけどな……シュロなりの仕返しのつもりなのかな)

 

「えへへ、ブロックされてなくて良かったですぅ」

 

「非公開のを見られたとしても、好意的な読者だし切る気にはなれなさそうだね。──ヒヨリも、また書いてみたら?」

 

「いやぁ私なんて……」

 

「前回は批判されてしまったかもしれない。でも、改善点はあると言えばあると思うよ」

 

「ええ、はい……自我を出し過ぎたんですよね……。分かってます、分かってますが……クセなので……」

 

「これまでヒヨリは壮絶な人生を歩んできたよね。私の知る限り、キヴォトスでもトップクラスだよ。だから、ヒヨリの体験談は読んでる人に胸糞だって感じさせられた」

 

「胸糞展開を書いたつもりは無かったんですがね……サオリ姉さんや姫ちゃんとのやりとりとか、感動の展開も書いたはずなのに……」

 

「ヒヨリは、あの環境を嫌だと感じてたんだよね。それならその読者さんは、ヒヨリの過去に共感してくれているって事になると思うんだ。批判の中にも良い面はあるんじゃないかな」

 

「……!」

 

"ヒヨリは良い小説家になれるかもしれないね"

 

「わっ……私がですか……!?」

 

「なれるさ。ヒヨリは頑張り屋さんだもの」

 

「なれますかね……私も……」

 

「頑張り屋さんなヒヨリなら、いつかなれるよ」

 

「……頑張りますっ!!サオリ姉さんが先生で、私が小説家で……!サオリ姉さんの授業中に、私の作品を扱うってのも……えへへ……えへへへっ♪」

 

 この日からヒヨリはシュロに負けじと創作活動を再開したそうだ。

 ヒヨリの事情が事情だけに、顔出ししての活動はきっと難しいだろう。それでも顔出ししての活動が全てじゃない昨今、ヒヨリの書いた作品が日の目を見ることになる日も、遠くはないのかもしれない。




ネット小説繋がりでヒヨリ×シュロはあると思う。

電波が繋がってる所で開いておいて、オフラインの環境下でも書く、そして後から保存する──これはこのサイト、ハーメルンでも有効な手段でござる。
仕事柄、電波の繋がらない所に行く事が多いので、どうやって休憩時間に書いたものかと試行錯誤した結果の産物ですね。

アイン・ソフ・オウル、どっかで聞いたことあると思ったらエヴァ考察してる時に知ったヤツだこれ。
これだから聖書の深掘りはやめらんないんだよな。デカグラマトン、早く続きが見たいですね。それと聖書ネタに三猿ネタも絡めるとかどんな発想力?

デカグラマトンじゃなくてデカマラを敬愛してろ。エロガキトリオめ。
私の中では既にアインは自分のボテ腹を幸せそうに撫でているし、ソフはイタズラっぽい笑みで精液を搾り取ってくるし、オウルは足コキしてくれるし、アイン&ソフとヤッてる背景でロリ神レクイエムを無限に踊ってる。

何故オウルはこんなにロリ神レクイエム似合うの?立ち絵のせい?ポーズのせい?私に技術があれば、あの子にロリ神レクイエム踊らせてたよ。マジで。
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