「あ、クラウディア~!」
隣にいたライザが、片手を上げて突然走り出した。
ザムエルがライザの向かう先を見ると、そこには少女がいた。朝の陽射しを浴びて輝く淡い金色の髪。夏の温かい風が吹き、さらさらと揺れている。乱れた髪を片手で押さえた少女は、品の良さが感じられる穏やかな笑みでライザを迎えていた。
あれが、クラウディア・バレンツ。なるほど、ライザが可愛いと言うだけある。こんな美少女をわずかな期間でも放置していた自分が恥ずかしいと思うほどだった。
「おはよう、ライザ」
「うん、おはよう」
挨拶を交わし合う二人。出会っただけで互いに嬉しそうで、仲が良いことが伝わってくる。友人の関係になって間もないが、ライザの持ち前の社交性と、ライザとクラウディアの相性の良さが二人の関係を健全に育んでいるようだった。
話し合う華やかな少女二人。普通の男ならば間に入ることを躊躇するだろうが、ザムエルはそういったことを気にする男ではなかった。
遅れてライザの下へと向かいながら、クラウディアを睥睨した。
露出した肩回りと胸元が涼しげな白い上衣。スカートから伸びる足は黒いタイツで覆われていて、しなやかな脚の魅力を底上げしている。田舎の村娘には似合わない上質で淑やかな洋服に身を包む彼女は、儚げに整った顔立ちと相まって、まさにお嬢様といった出で立ちだった。
ライザと何やら話し込み、口元に手を当ててくすくすと笑うクラウディア。細められていた彼女の大きな眼が何かに気がついたように横に揺れた。
「……あ」
ザムエルの接近に気がついた瞬間、クラウディアは驚いたように目を見張った。微笑みを抑えて、神妙な面持ちで出迎える。そこには初めて会う男に対する緊張の他に、ほんの少しばかりの不安が滲み出ていた。
ザムエルが二人の傍まで近づくと、やはりクラウディアから緊張感が伝わってくる。
そこへ、全く気にしていないライザの底抜けに明るい声が響く。
「紹介するね、クラウディア」
そう言って、ライザがザムエルの太い腕に飛びついた。
「こちら、ザムエルさん。レントのお父さんで、あたしの旦那様」
「え……? 旦那、様……? レント君のお父さん、なのに……?」
別の意味で驚きを示したクラウディアが、信じられないものを見るようにライザとザムエルを交互に見比べる。これがライザとレントであれば、驚きはするものの、クラウディアはすぐに受け入れていただろう。だが、実際にライザの横に立つのは幼馴染の父親。立場もさることながら年齢も不釣り合いだ。
まだ信じられず、瞳を震わせるクラウディア。
そのピンク色の唇が薄く開いて余計なことを言い出す前に、ザムエルはスキル『征服』を行使した。
「…あ、れ……?」
クラウディアが一瞬よろめいた。それでも倒れることなく両の足で立っているが、ザムエルたちを見つめる目はぼうっとしていた。瞳に宿る光がスゥッと消えていき、戸惑いを帯びていた表情からも力が抜ける。
無防備になったクラウディアへ、ザムエルのスキルがさらに浸透していく。
彼女の心の中に浸食し、中身を弄り回す。余計な人格形成は行わず、自分にとって都合の良い常識を植えつけていく。無垢な少女の内側を穢す行為はザムエルに興奮をもたらし、自然と股間が膨れてしまった。
「ぁはっ……」
いち早くそれに気づいたライザがザムエルの股間に人差し指を伸ばし、円を描くような挙動で膨らみを撫でていた。ニヤニヤと悪戯な微笑みに彩られた彼女の顔はあまりにも魅力的で、テントの先に染みができてしまう。
興奮を覚えつつもザムエルはスキルを発動し続け、程なくして『征服』は完了。
ザムエルがスキルの行使を止めると、クラウディアの顔に正気の色が戻ってきた。
「ぅ……い、今、私……。何が……」
「どうしたの、クラウディア」
「ライザ……。ちょっと、ぼんやりしていたみたいで……」
「大丈夫? 具合悪い? ちょっと休もうか」
「そんな、い、いいよ、ライザ」
「いいの、いいの。遠慮しないで。ここまで呼んだのはあたしだし。ザムエルさん」
「ああ」
ライザに呼ばれ、ザムエルはクラウディアの横に立った。
そして、大きな手でクラウディアの細い腰を抱き寄せた。
「……ザムエル、さん……?」
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫です……。ん、ぁ……」
腰に添えていたザムエルの手が緩やかに下がっていき、スカートの上から尻を撫でる。ライザほどではないが、クラウディアも十分すぎるほどいいスタイルをしている。スカート越しに感じ取れる尻の起伏が心地よく、ザムエルの手が何度も往復した。
「ありがとう、ございます……」
既に心を操られているクラウディアからすれば、背中を擦ってもらっているのと同じ感覚なのだろう。くすぐったそうにしているが、嫌がってザムエルから距離を取ろうとすることはない。
「ぁ、んんっ……!?」
ザムエルの指がゆっくりとスカートを掴み、尻肉を掌握する。はっきりと揉まれているが、それでもクラウディアは不快を示さない。親切で体を労わってくれているザムエルに身を預け、そのまま案内されていく。
ザムエルとライザの家の中へと。
そして、レントの部屋を通り過ぎて、二人の愛の巣である寝室へと誘い込んだ。
「クラウディア、熱中症? お水飲める?」
「うん、もう平気。ごめんね、ライザ。ザムエルさんも、ごめんなさい」
頭を下げて、寝室から出て行こうとするクラウディアだったが、まだザムエルの手はクラウディアの尻を掴んだままだ。勝手に出て行くことはできず、尻を触っているザムエルへと上目遣いの視線を向けた。
「本当に、大丈夫なので……」
「無理すんじゃねぇよ。ここまで来たんだ。ちょっとだけ休んでいけ」
「そうそう。クラウディア、ザムエルさんの言う通りにしたほうがいいよ。ほら、入った入った」
「ら、ライザ……!?」
ライザがクラウディアの肩を掴むと、そのまま寝室へと押し込んでいった。
毎晩、ザムエルとライザが床を共にしている部屋。以前までは散らかっていたが、ライザの定期的な掃除によって綺麗に片付いていた。しかし、その分ライザの私物が増えたため、広さは大して変わっていないようだが。
「はい、座って」
「ありがとう、ライザ」
既に落ち着きを取り戻しているクラウディアだったが、素直に腰を下ろした。
ライザとザムエルのベッド。毎晩汗だくになって二人が絡み合うその場所に、まだ男を知らない清楚な少女がちょこんと座っている。それだけでも程よい興奮が感じられ、ザムエルは相好を崩しながらクラウディアの下に向かう。
クラウディアの許可も取らず、彼女の横に腰を下ろした。
「あ、あの……?」
随分と近い距離で座ったザムエルに困惑し、離れようとするクラウディア。
「もうちょっと詰めてくれる?」
「ライザ……」
だが、反対側に座ったライザに押し込まれ、クラウディアはザムエルとライザに挟まれてしまう。またしても交互に二人を見遣るクラウディアだったが、二人の親切心を拒むことなどできない様子で状況を受け入れていた。
何も言わず、俯くクラウディア。ザムエルはまた彼女の腰を抱いた。
「お水だよ」
「う、うん」
ライザが水差しを手に持ち、クラウディアに手渡したコップに水を注いでいく。クラウディアは両手で包みこんだコップの中に水が注がれるのを待ってから、並々と注がれた綺麗な水をゆっくりと喉に流し込んだ。
それは昨日、ザムエルがライザのアナル舐め手コキで精液を絞り出されたコップだった。いっぱいに溜まった精液をライザが美味しそうに飲み干していたのを覚えている。
しかし、クラウディアはそんなことを知る由もない。
こくこくと白い喉を鳴らし、水を飲んでいく。
「ん……はぁ……」
コップを空にし、息を吐くクラウディア。
昨日の、精液ミルクを平らげて精液臭い息を吐くライザと脳内で対比させる。
いつかこの純真なお嬢様も、ライザと同じように娶ってやる。
ザムエルはクラウディアに腰を抱いたまま、顔を近づける。
「ザムエルさん、少し近いです……」
「なんだ? 俺が近くにいると何か不都合でもあんのか?」
「そういうわけでは、ないですけど」
「それならいいじゃねぇか。なあに、ただのスキンシップだよ。レントの奴が仲良くしてもらってるみてぇだしな。これからもよろしく頼むぜ」
「はい、それは勿論……」
スキルで心を操りはしたが、ザムエルに対する恐怖心までは操作していない。やはり、体格の良い年上の男がすぐ傍にいるという状況に威圧感を抱いているようで、クラウディアの肩身は狭そうだった。
しかし、ライザがいれば、その辺も安心だろう。
「クラウディア。ザムエルさんは怖い人じゃないから、安心して。確かに見た目はちょっと強面かもしれないけど、あたしにすごく優しいの。ベッドではいつもあたしを抱き締めてくれるし、求めたらすぐにキスもしてくれるんだ」
「ベッドで……。ライザは、その、ザムエルさんと愛し合ってるんだね……」
「うん、新婚だからね。あ、でも何年経ってもあたしの愛情は変わらないよ。あたしはね、ザムエルさんのことが本当に好きなんだ。この人の傍で、この人のために、ずっと生きていたいって思えてくるの」
「そんなに……」
「まあ、クラウディアも結婚したらわかるよ」
「結婚。まだ全然想像もつかないよ」
「そうかな? 意外と早く結婚できると思うよ? ね、ザムエルさん?」
「ああ。そうだな。クラウディアみてぇな美人なら、男共は放っておかねぇだろうな」
「美人だなんて」
頬を染めてもじもじと太ももを擦り合わせるクラウディア。まだ恥ずかしさは感じているだろうが、段々とこの異常な状態にも慣れてきたようだ。ザムエルへの警戒心も緩やかではあるが、緩和されつつあった。
「ライザとザムエルさんは、本当に愛し合っているんですね」
「ああ、俺にはもうライザがいない生活なんて考えられねぇな」
「あぁ、嬉しいな。ザムエルさんにそんなこと言われたら、あたし……」
そう言って、ライザがクラウディアの顔の前に身を乗り出してくる。何がしたいかなんて、ザムエルにはすぐにわかった。
ライザと同じように身を乗り出し、ザムエルは顔を近づける。
「二人とも……?」
クラウディアだけは状況を理解できていない様子で小首を傾げていた。
だが、すぐにその表情が驚愕と羞恥に染まり、口元は手で覆い隠されることになった。
ライザとザムエルが、クラウディアの眼前で口付けを交わし始めたことで。
「ん、ちゅっ、んんっ、むちゅっ、くちゅっ、れるぅっ、くちゅ……!」
密着し合う唇と、絡み合う舌。弾ける唾液の音。
クラウディアは自分の口から漏れる声を手で抑え、黙したまま二人の接吻をただ間近で眺めていた。友人と、友人の父親との交わり。二人の関係を容認するように頭では理解させられていても、こうして交わる様を見せつけられて動揺しないはずもない。
「ふっ、ぁぁっ、ん、ちゅっ、ん、はぁ……!」
ライザが気持ちよさそうに吐息を漏らし、すぐにザムエルの唇を塞ぐ。ザムエルはそれを受け入れた。自分から動く必要もない。そうしなくても勝手にライザがにゅぷぷと舌をねじ込んで、口内でべちべちと暴れ回る。
ぬちゃぁぁっと唾液の糸を引く舌同士を絡ませ、ザムエルはライザとの口づけを楽しんだ。横目でチラリとクラウディアを見れば、圧倒された様子だった。目を逸らすことなく真っ直ぐ二人の愛撫を網膜に焼きつけている。
年相応に、こういった行為に対する興味はあるようだ。
であれば、話は早い。
「ぬ、はぁ……」
ザムエルは唸るような吐息とともに、ライザの舌から自分の舌を取り返す。まだ物足りなさそうにライザが舌を擦りつけて甘えてくるが、そのじゃれつきを振り払って、舌と舌の間に唾液の糸を伸ばしながら顔を離した。
「どうだ? クラウディア」
たった今キスを終えたばかりのザムエルが、クラウディアに声を掛ける。
「どう、って……? え……?」
何を聞きたいのかがわからないようだった。それとも、刺激的な光景を前にして頭が混乱しているのか。いずれにしても、このお嬢様にはもっとはっきりと自分の欲望を伝えてあげたほうが良さそうだ。
ザムエルは判断し、ライザの唾液で濡れた唇をペロリと舐めた。
「キスだよ。試しに俺としてみねぇか?」
「ザムエルさんと、私、が……?」
「なんだ? 嫌か? 俺とはしたくねぇってか?」
「い、いいえ! そんなことは!」
クラウディアが強く否定する。
村人と同様に、クラウディアの心にも幾つかの常識が植え付けられている。
ザムエルが求めてくることを拒むな。
ザムエルの性欲処理は雌の『仕事』だ。
などといった常識がクラウディアの心を縛っている。この常識に逆らうことなどあってはならないと強く思っているからこそ、拒んでしまったと思われないようにクラウディアははっきりと否定したのだった。
「したくないわけではないんです、けど……。私では、上手くできるかどうか……」
「やってみないとわからないよ、クラウディア。何事も挑戦だって!」
「ライザ……」
「まあ、最初から上手くやれるとは俺も思ってねぇよ。練習くらいの感覚でいい」
ザムエルはそう言って、クラウディアに顔を寄せた。
髭面のむくつけき大男。出会って間もない中年に対して臆する気持ちがあるようだったが、いつまでも躊躇ってはいられないと思ったのだろう。しっかりと正面に向き合い、目を閉じながら顔を寄せていった。
「ぁ……むぅっ……!?」
ザムエルの手が再びクラウディアの尻を撫で、それに反応してクラウディアが吐息をこぼした。微かに開かれたそこへ、ザムエルは痺れを切らしたように詰め寄った。ぐちゅっと唇同士が接触し、互いの熱を広げる。
ザムエルのカサカサに乾燥した分厚い唇と、クラウディアのピンク色の瑞々しく薄い唇。正反対のそれらが擦れ合う。反射的に閉じようとしたクラウディアの唇は即座にザムエルによって開かれ、啄まれる。
「っ……ん、ん……!? ん……ふ……!」
やはり経験が少ないためか、クラウディアはどうしていいかわからないようだ。しかし、そこは大人のザムエルがリードしていく。若い女、それもライザと同レベルの美少女ともなれば抑えが利かなくなりそうになったが、ザムエルはクラウディアを怖がらせることがないよう、慎重に解していく。
クラウディアの尻に触れつつ、震える肩へと手を置く。
「いいなぁ……」
と指を咥えるライザを観客にして、ザムエルは何度もクラウディアと唇で触れ合った。
このまま深くまで汚したい。そう感じるが、ザムエルはぐっと堪える。
クラウディアの力が抜けきったところで、ザムエルは唇を離した。
「……ぁ……え?」
クラウディアは不思議そうにザムエルを見つめていた。きっと、ライザのときのように舌を入れられると思っていたのだろう。だが、実際には唇だけで揉みあう健全なキスに終わり、逆に意表を突かれたようだ。
「練習って言ったろ? 続きはまた今度してやるよ」
「は、はい……。また……」
ザムエルはクラウディアの頭に手を置き、髪を乱すように撫でた。クラウディアは両手で髪を整えながらこくりと頷く。
気のせいだろうか。そのときのクラウディアは残念がっているように見えた。
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とりあえずクラウディアとの初接触を果たしたザムエルは、その後一人で旧市街に向かって歩いていた。傍らにライザの姿はない。今もザムエルの家にいて、クラウディアとのお茶会を楽しんでいるだろう。
ザムエルはというと、もう一人の獲物であるリラの下を訪ねようとしていた。
本来であればライザを通して紹介してもらうのが筋だが、スキルを持っているザムエルがわざわざ道理を通す必要などなかった。せっかくクラウディアを呼んだのだからライザと親交を深めてもらい、その間にリラにも『マーキング』をすることにした。
ザムエルは意気揚々と、二人が借りている空き家を訪ねた。
何やら物音がする建物の前。
軽く扉に拳を打ちつけると、「なんだ?」という女の声が聞こえてきた。
「俺はザムエルってもんだ。ライザの紹介で来た」
「ライザの? ……入ってくれ」
許可を貰ったザムエルはゆっくりと扉を開いた。
まだいろいろと片付いていない空き家。ちょうど片付けの作業をしていたのだろう。女が一人、億劫そうな表情で立っていた。
長い銀色の髪と、髪よりも白い肌の女。外見年齢は二十代半ばといったところか。肌の色が映えるような黒い服装に身を包んでいる。変わった格好だ。都会でもなかなかお目に掛かれないだろう。肌にピッチリと張りつくタイツのようなもので全身を包み、その上から黒衣を羽織ってベルトや帯で固定している。
ライザをも上回る爆乳と、ムチムチのデカ尻。その所有者がそんな恰好をしている。
エロい、というのがザムエルの素直な感想だった。特に子供の頭ほどありそうな乳房を黒いベルトで固定しているのがいい。タイツに覆われた乳房からは谷間がはっきりとわかれていて、着衣状態でもパイズリが楽しめそうだ。
犯してくれって言ってんのか?
卑猥な体と服装をしておきながら、澄ました美貌でザムエルを見遣る女を見て、ザムエルは股間を苛立たせた。確かにいい女とは聞いていた。が、ザムエルはライザの評価を甘く捉えていた。
ライザで満足していたのもあったが、これはいい。是非とも手に入れたい。
「ライザの紹介と言っていたな。具体的には何の用だ?」
「それなんだが。あんたがリラ・ディザイアスで間違いねぇよな?」
「ああ、そうだが……。待て……」
ザムエルが近づこうとすると、リラは手を突き出して静止を促してきた。
「用件はそこでも言えるだろう」
ザムエルから何かを察したとでも言うのだろうか。不用意な接触を避けようとしてきた。
おそらく、リラは戦士だ。それも、かなりの修練を積んだ強者。ザムエルから視線を外そうとせず、自然体でありながらもすぐに動けるようにしてある。片づけをしていた荷物が邪魔にならない位置まで移動している辺り、何かザムエルが不審な動きをすれば、すぐにでも飛び掛かってくるだろう。
こういうタイプは好きだ。
同じ武人としての空気を肌で感じ、ザムエルはニヤリと笑う。
ザムエルの怪しさ満点の笑みを見て、リラがピクリと反応を示し、警戒心がさらに強まった。
一触即発。ザムエルが一歩でも前に進めば、交戦状態に入る。
だが、ザムエルとしてはリラの許可なくこれ以上進む理由はなかった。
ザムエルはただ無抵抗を示しながら、スキルを発動するだけだった。
相手が心を持つ生物であれば、絶対的な効果を発揮するスキル。それはリラほどの強者であってもレジストは不可能であり、本来他者を直接受け入れることのない心に土足で踏み入られることを容認する。
「ん? なんだ……。こ、これは……」
頭に手を当て、冷静なリラが狼狽し出す。
そうして違和感を覚えることはできても、その後はどうすることもできない。一応、スキルが浸透するまでの間にリラが攻撃を仕掛けてきてもいいように身構えていたが、結局その必要はなくなった。
リラもまた、他の者たちと同じように操り人形へと変わる。
その隙に部屋に入ったザムエルは、立ち尽くすリラを背後から抱きしめた。
「大丈夫か……?」
耳元で囁くが反応はない。
白く滑らかな頬を舌で舐め上げても嫌がることはない。
背後から乱暴に乳房へ掴みかかっても、形が一時的に歪むほど握り潰しても、リラはザムエルを拒絶しない。それどころか少しずつザムエルに相応しい女へと心が変質していき、表向きの態度も変わっていく。
「あ、あぁ、すまない……。介抱してくれたみたいだな……」
「なに、良いってことよ」
ザムエルはリラの乳肉の重量と弾力を楽しみながら言う。その行為に、リラはやはり文句の言葉を上げることはない。少々くすぐったそうに身じろぎをする程度で、何をしているかなどという当たり前のことを尋ねてくることもなかった。
「ザムエルといったな。話を戻すが、今日ここを尋ねた理由はなんだ?」
「ああ、ちょいとお前に一度会ってみたくてな。いい女がいるってライザから聞いてたんだ」
「それは、私のことなのか? で、私に会ってどうするつもりだったんだ?」
「どうって、そりゃあおめぇ」
可愛がるに決まっている。見たところ、クラウディアほど淑やかというわけでもない。また、体も鍛えられており、多少乱暴に扱っても問題なさそうだ。クラウディアはじっくりと味わっていくと決めたが、リラは逆にガッツリ行ってもいいだろう。
「犯りまくるに決まってんだろ」
乳房をもぎ取るように握り、乳揉みを繰り返す。ザムエルの情動が、これでもかとリラに叩きつけられる。女を誘うにはあまりにも暴力的だが、ザムエルの欲望を晴らすために存在している雌にはこれでちょうどいいだろう。
「好きにしろ」
リラは一言だけ呟いて、ザムエルに体を預けてくる。
ザムエルはそんなリラを抱きながら、薄ら笑いを浮かべるのだった。