強いてあげればライザーとユーベルーナのキスシーンでしょうか。
《イッセー》
部室の中央にある魔法陣が光り出し、そこから現れたのはホスト崩れの男だった。
「ふう…人間界の空気は久し振りだ。」
その男はリアスを見るなり、こう言った。
「逢いに来たぜ。愛しのリアス。」
そいつの気障な物言いに俺はカチンと来てしまった。
「何だお前は?リアス部長の何だ?」
「そっちこそ何だお前は?口の聞き方がなってないんじゃないのか?」
喧嘩腰になっていた俺と似非ホストは互いにメンチを切る。
パンパン
「イッセー様。静粛になさい。」
その時、グレイフィアさんが手を叩いて場を収める。
「この方は、フェニックス家のご三男、ライザー・フェニックス様です。
そして、リアスお嬢様の…婚約者です。」
な、何ぃぃぃ!!婚約者だとぉ!!
驚愕の表情を浮かべる俺に、ライザーは勝ち誇った笑みを浮かべるのだった。
すると、ライザーはある方向を見て言った。
「おいリアス。何故堕天使がここにいるんだ?」
ライザーはレイナ達3人を睨んでいた。その睨みにレイナ達は萎縮していた。
あっ、そうか。レイナ達とは和解したとは言え、悪魔と堕天使はまだまだ
「堕天使の皆様。これから悪魔陣営の大事な話がありますので、失礼ですが、席を外して戴けないでしょうか。」
グレイフィアさんは、レイナ達に退室を促す。その言葉に従い、レイナ達は部室から出るのだった。
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リアスとライザーがソファーに座り、俺達眷属はリアスの後ろに起立し、グレイフィアさんは給仕係としてリアスとライザーの間に立っていた。
そして、肝心の縁談だが……両者の意見が完全に食い違って平行線を保ったままだった。
「嫌よ!何度も言っているけど、私は高校の在学中には結婚しないって言った筈よ!」
「しかしリアス。この縁談は両家にとっても美味い話だ。俺と結婚しろ。」
「絶対に嫌よ!私は私の意思で婚約者を選ぶ!」
あれも嫌、これも嫌と駄々を捏ねるリアスに、ライザーは痺れを切らした。
「…リアス!いつまでも我儘が
俺もな、フェニックス家の看板を背負っているんだ!お前の眷属全員を燃やし尽くしてでも、連れて行くぞ!」
その一言に、俺はまたもカチンときた。
「おい、焼き鳥!今何て言ったんだ?」
自分でも驚くくらい、考えるよりも先に体が動いていた俺は、ライザーの前に立っていた。
「や、焼き鳥だとぉ!!?…さっきから何だテメェはぁ!?眷属の分際でこの俺に指図だと!?
おいリアス!眷属の教育がなってないんじゃねぇのか!?」
ライザーはリアスに怒鳴る。
「…いちいち教える必要なんてないもの。」
リアスは不機嫌な表情で言い返した。
俺はライザーの前で名乗りを上げた。
「俺は兵藤一誠。リアス・グレモリー様の
「フン!赤龍帝だと!?笑わせるな!」
俺とライザーは再び睨み合う。
「お二人とも!矛を収めなさい!これ以上やるというならば、私も黙ってはいられませんよ…!!」
すると、傍らで見守っていたグレイフィアさんが、目に見えないオーラを放って俺達を威圧した。
「…ふう。『最強の
俺は緊張を解き、ライザーも渋々といった表情で力を抜いた。
「お二方の意見が食い違うことは、予め想定していました。
ん?レーティングゲーム?何だそれは?
「ちょうど良い機会ね。その勝負、乗るわ。」
リアスは覚悟を決めた表情で言った。
「なあ木場。『レーティングゲーム』って何だ?」
俺は隣にいる木場に耳打ちする。
「イッセー君。『
レーティングゲームは貴族悪魔の娯楽というが、命を落とす危険も伴うため、参加は20歳以上と決まっていると言う。
だがライザーは余裕の表情でリアスを見る。
「フン。俺は既にレーティングゲームに参加して、通算8勝2敗の成績だ。
それにリアス。見たところお前の眷属はたった5人しかいないじゃないか。」
ライザーは更に続けて唱える。
「出でよ!我が眷属達よ!!」
その瞬間、再び炎が噴き上がり、ライザーの背後に数々の人影が立ち上がる。
その数は15人。つまりライザー含めて16人のフルメンバーなのだが…眷属全員が女性だったのだ。
クソォ!こいつ俺より先にハーレムを築いてやがる!しかも皆中々レベル高いじゃないか!!
俺は心の中で血涙を流すのだった。
「何だコイツは?羨ましそうな顔してよ。」
「…彼の夢はハーレムを作る事なのよ。」
リアスは呆れ気味に言った。
「…そう言う事なら、来い、ユーベルーナ。」
ユーベルーナと呼ばれた美女が無言でライザーの元へ近寄る。すると、
チュウ、チュウ、チュルルルッ
ライザーとユーベルーナは俺達の目の前で濃厚なディープキスを見せ付けた。
「んんんっ…ライザー様…。とても情熱的でございます…」
ユーベルーナは覚束無い足取りで下がる。
俺達全員は内心でドン引きしていた。
そして、ライザーはまたも俺を挑発して来た。
「どうだ俺のテクは。貴様では一生掛かっても辿り着けんだろうよ!」
うぐぐ…俺は内心歯噛みした。
今直ぐにでもコイツを殴りたいが、迂闊に動いたらコイツの思う壺だ。リアスの評価をますます落としかねない。
「さて、リアス。もう茶番はいいだろう。
だが、デビュー前の相手を倒した所では自慢にもならん。
決戦は10日後だ。ハンデとして10日間待ってやる。
それまでには強くなって、俺を楽しませてくれよ!」
「望む所よ!貴方を消し飛ばして見せるわ!」
リアスはライザーの提案に躊躇いなく乗った。
正直言って10日間なんて付け焼き刃でしかないが、それ以上伸ばしたらリアスの価値を下げるだろう。
「分かりました。お二人の言葉、
レーティングゲームの本番は、本日より10日後の夜と致しましょう。それで宜しいですね?」
「ええ。」
「構いませんよ。」
グレイフィアさんの確認にリアスとライザーは肯定する。
「それでは、私は両家の当主に報告致しますので、先に失礼させて戴きます。」
その言葉と共に、グレイフィアさんは転移魔法陣に入って姿を消した。
「リアス。10日後にまた逢おう。それまでには精々強くなるんだな!」
その言葉と共に、ライザーは眷属を引き連れて転移魔法陣で姿を消した。
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後に残ったのは、俺達6人だけだった。
リアスの表情は不快感で染まっていた。
いや、リアスだけじゃない。朱乃さんや小猫ちゃんも嫌悪感を隠そうとしなかった。
もしライザーとリアスが結婚したら、朱乃さん達も奴の毒牙に罹る訳だからな。
木場も端正な顔を歪ませる程憎々しい表情だった。
一方でアーシアは顛末をまだ理解しきれてないのか、終始オロオロしていた。
「皆。これから10日間、私の別荘で強化合宿を行うわ。
アーシア、堕天使達を呼んでちょうだい。」
「はっ、はい!」
いきなり名前を呼ばれ、驚いたアーシアは部室を出て行った。
10日後には運命が決まる。
望まない運命を覆すべく、俺達の修行が始まるのだった。
原作にあったイッセーとミラの手合わせのシーンはカットしました。
さて、次回は修行回になります。
果たして、グレモリー眷属は強くなれるのでしょうか。