今回からアーシアが登場しますが、本番はまだ先になります。
エッチシーンを期待していた人には申し訳ありませんが、今回は非エロ回です。
《イッセー》
人間から悪魔になって約1週間が経ったある日の日曜日。
悪魔のお仕事もなく、俺は完全な休日を謳歌していた。
ここはレイナーレとデートしたあの公園。
ここで俺は人間としての生涯を閉じ、そして生まれ変わった。
一生忘れることのない傷を負った俺だけど、リアスと出会えたことを思うと、本当に塞翁が馬だよ。
ベンチに座って考え事をしていると、
「きゃあ!」
突然、俺の目の前で、盛大に転んだ人がいた。
「だっ、大丈夫か?」
俺は咄嗟に右手を差し出した。
握り返した手は、透き通るように白く、柔らかかった。
「あ、ありがとうございます。」
レモンイエローに輝く髪が、俺の心を掻き乱す。
「どういたしまして。」
「えっ?私の言葉が分かるのですか?」
実は、悪魔の特殊能力で、外国語が母国語に自動変換されるのだ。
だから、俺には彼女が日本語で喋ってくれるようになっている。
「実は私、教会に行きたいのです。」
確かこの町にある教会と言えば、町の外れの山中にある寂れた教会だ。
しかしそんな所に何の用があるのだろう。
と、その時、目の前を横切った男の子が転んだ。
ありゃま、足を擦り剥いたようだ。
「あらあら、血が出てますね。」
その少女は、少年の前に立って、血が出た膝小僧に掌を翳す。
すると、みるみるうちに膝の傷は治ってしまった。まさかこれも、神器なのか?
「元気な男の子は泣いちゃダメですよ。」
「おねえちゃん、ありがとう!」
そう言って男の子は駆け出して行った。
「あっ、まだ名前を言ってませんでしたね。
私、アーシア・アルジェントって言います。」
「俺は兵藤一誠。気軽に『イッセー』って呼んでくれ。」
「はいっ、イッセーさん!」
俺とアーシアは握手する。
これが、俺にとって大事な妻の一人になるアーシアとの運命的な出会いだった。
アーシアの話によると、その教会には3人の女性と1人の男性がいるという。
「また会えるといいですね、イッセーさん。」
俺は教会に続く途中の道でアーシアと別れた。
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「ダメよ、勝手なことをしちゃ。」
翌日、俺は昨日のことをリアスに報告すると、リアスから注意を受けた。
「前にも話したけれど、悪魔・天使・堕天使の三大勢力はまだ休戦中なの。
些細な切っ掛けでまた戦争が始まる危険性があるのよ。
分かってちょうだい、イッセー。」
「ごめんなさい、部長。確かに軽率な行動でした。」
ちなみに、周囲には俺とリアスが肉体関係込みで付き合っていることはまだ内緒にしているため、リアスの事は『部長』と呼んでいる。
「部長、はぐれ悪魔討伐の依頼が入ってきましたわ。」
そこに、朱乃さんが入ってきた。
はぐれ悪魔というのは、主人を裏切って、自分の思うがままに動く悪魔のことだ。
悪魔社会でも長年の問題になっている。
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夜8時、俺達オカ研は、廃工場に潜むはぐれ悪魔を見つけた。
「はぐれ悪魔バイサー!大公の名の下に、貴方を処刑する!」
「キヒヒヒ!今宵の血は甘いのかな?」
これがはぐれ悪魔か。バイサーは上半身こそ人間のフォルムを留めているが、下半身は蜘蛛のような八本の節足で、正にアラクネという出で立ちだった。
「いい、イッセー?丁度いい機会だから、悪魔の駒について説明するわね。
悪魔の駒はチェスに見立てているのよ。…行きなさい、祐斗。」
「はい、部長。」
その言葉と共に木場が動き出したが、はっ、速い!目にも止まらぬ速さだ!
「『騎士』の駒の特性はスピード。
並大抵の相手では、祐斗の動きを目で追うことは難しいわ。」
「くっ、猪口才な!喰らえ、チビ!」
木場のスピードに翻弄されて余裕がなくなったのか、バイサーは小猫ちゃん目掛けて足を振り下ろした。
「今、『チビ』って言いましたよね?」
「なっ、なにっ!?」
小猫ちゃんは、バイサーの足を掴むと、そのまま持ち上げてバイサーをひっくり返した!どこにそんな力があるんだ!
「小猫は『戦車』よ。『戦車』の特性はパワー。
見た目だけで舐めてかかると、痛い目を見るわよ。」
ひっくり返されたことで、バイサーは自力で起き上がれず、のた打ち回っていた。
「さあ、朱乃。お仕置きの時間よ。」
「はい、部長♡…雷よ!」
その詠唱と共に、朱乃さんの指から稲妻が迸り、バイサーに稲妻が直撃した。
「うふふふ、ふふふ♡」
オイオイ、絶対これ楽しんでないか?
「朱乃の駒は『女王』。『女王』の駒の特性は総合力。
『僧侶』『騎士』『戦車』の能力を全て兼ね備えているの。そうそう、『僧侶』は、魔力に優れた駒よ。
…あと、朱乃はかなりのSよ。」
ハハハ、こりゃ攻略に手が掛かりそうだな。
「大丈夫よ、イッセー。敵対しなければとても優しいから。
朱乃、もうその辺にしなさい。」
朱乃さんの電撃責めで、バイサーはすっかり黒焦げになってしまった。
そしてリアスは、虫の息状態になったバイサーの前に立った。
「さて、バイサー。最後に言い残すことはあるかしら?」
「…こ、殺せ!」
「お望み通り、貴方を滅ぼしてあげるわ。」
リアスの右手から、紫と黒の魔法弾が生成され、バイサー目掛けて飛んだ。
その魔法弾に当たったバイザーは、跡形もなく消え去った。
「これが、グレモリー家に代々伝わる『滅びの魔力』よ。」
ほお、これがリアスの力なのか。しかし滅びって物騒だなぁ。
「さて、ミッションも完了したし、今日はここで解散よ。」
「ちょっと待ってください!まだ『歩兵』の駒の説明がされてません。」
「そうだったわね。『歩兵』は駒の中では一番下よ。
でも、敵の陣地に入った時、『僧侶』『騎士』『戦車』にプロモーションできるの。」
将棋で言う『成り』の事か。しかし俺は格下かぁ。
まあでも、『歩のない将棋は負け将棋』って言うように、場合によっては器用に戦える。
意外と俺に向いている駒かもしれないな。
「それじゃ、皆。また明日も頑張りましょう。」
「はい!」
その言葉と共に俺達は解散し、俺は自転車で帰路に着いたのだった。
第3話を読んでいただき、ありがとうございます。
前書きにも書いた通り、エッチシーンを捻じ込むことが出来なくてごめんなさい。
それから、性描写もそうですが、戦闘描写って難しいですね。
僕の筆致の至らなさ故に、満足させることが出来ず、これはひたすら精進するだけです。
次回こそは、エッチシーンが描けるように頑張ります。
また、リアスと早くも性行為をしたように、原作から所々変えているシーンもあります。
次回は、7月13日に投稿予定です。