※この作品はR-18です。

龍闘士ユラン ~悦ヘト堕チル凌辱冒険譚~   作:キバガミ

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第一章 北方より来たる者
プロローグ


「――――あ?」

 

 手垢に塗れた、薄汚い酒場の扉が乱雑な音を立て、寂れたベルが店内に響き渡る。

 それと同時にこの空間は静まり返り、酒盛りを楽しんでいた男達は訝しみ、

探るような目をオレへと向ける。

 

 見慣れないのもあるのだろうが、恐らくこの大陸では

オレのような"竜人"は珍しいのだろう。

 

 人相が悪そうで、所構わず喧嘩を吹きかけてきそうな奴も

オレの体躯や肉体、無数の傷跡を見るや否や、

慄いているのかは知らないが、ただ視線を送るだけだった。

 

 橙色の照明が店内を柔らかく照らしており、

オレは大衆向け酒場の空気を胸一杯に吸い込むと、カウンターに座った。

 

 少し斜め前には、店主らしき少し小太りな狼人が酒肴らしき野菜を切っている。

 酒場の店主は、物珍しそうにちらりとオレの姿を見つめるが、

すぐに作業に戻っていった。

 

「……らっしゃい。決まったら言ってくんな」

 

「人肌のミルクを一杯」

 

「…………へ?」

 

「…………人肌の、ミルクを、一杯、だ」

 

 店主は耳を疑ったのか、黒い耳を逆立ててもう一度聞き直す。

 

 オレはまた言わなければいけないのかと、

少し羞恥心を感じながらゆっくりと再び注文する。

 

 こんな大柄な男には似合わないと重々自覚しているが、

酒は飲めないし、猫舌なのだから仕方がない。

 

「はいよ、少し待ってな」

 

 そう言って店主は店の奥へと消えていった。

 

「ぷぐ……ぎゃはははっ!! ガチムチトカゲが人肌のミルクだとよ!」

 

「キモッ! きっも! 酒場でそんなもん頼む奴いんのかよ!」

 

「確か、向こうでは翼が無い奴――無翼者は下級民らしいぜ」

 

「下級ドラゴンちゃん。おっぱいいっぱい飲んでも、

 翼は生えてきまちぇんよ~?」

 

 先程の会話を聞かれたのか、少し離れた背後のテーブル席には

絵に書いたようなごろつき達がエールを煽り、腹を抱えて嘲笑していた。

 

 オレは怒るどころか、小説や物語でよく見るような絡み方を実体験し、

本当にこういう輩がいるのかと面白みさえ感じていた。

 

「おーい、下級民。翼が無ぇと度胸も無くなるのか?」

 

 そう言って、ごろつきの一人がオレの肩に手を置いた。

見ているだけなら良かったが、本格的に絡まれると流石に鬱陶しい。

 

「おっほ、竜人の胸板ってこんなにスベスベなのかぁ~。

 竜の皮っていい値段が……ぐぼげっ!?」

 

 次の瞬間、オレはそのごろつきを一睨みし、加減しつつも力強く拳を振るう。

 すると、胸板を弄ったごろつきの顔が一瞬ひしゃげ、数メートル吹き飛んでいく。

 そのままきりもみ状態で床を激しく滑っていき、止まった頃には

仰向けで鼻血を吹き出しながら失神していた。

 

 オレが思った以上に、放った拳の甲がクリーンヒットしたらしい。

 

「オレに触るな」

 

「ひっ!?」

 

「う、うわああああっっ!!」

 

 そのごろつき達は失神した男を見れば、酔って赤くなっていた顔を

みるみるうちに青くしていき、蜘蛛の子を散らした様に酒場から出ていった。

 

「おいおい、ウチの店であんまりバイオレンスな事は止めてくれよ……」

 

 ミルクを温めてきたのか、店主がコップを持ってやってきた。

 

「すまない、胸を触られたもので」

 

「胸ぇ? くはは! 男が男の胸触って、どーすんだ?」

 

「知らん、竜人が珍しかったんだろう。だが、竜人にも性的干渉を拒絶する権利はある」

 

「あっはははは!ちげぇねぇや」

 

 初めは容姿通り寡黙な店主かと思ったが、案外こっちが素らしい。

 

「うむ、湯気が立ってないな」

 

 オーダー通りのちゃんとした出来栄えだ。

 口に運べば熱くも冷たくない、まろやかな味が粘膜と一体化していく感覚、

やはり、人肌のミルクは落ち着く。

 

「あっちゃー……よく考えたらあいつら食い逃げじゃねえか」

 

「あぁ……」

 

 店主はおどけながら作業に戻ろうとするが、突然頭を抱えだす。

きっと、先程のごろつき共の事だろう。

 

「すまない、オレの責任もある。奴らの分はオレが払おう」

 

「ありがたい申し出だけどよ、大丈夫だ。アイツの懐からちょちょいとな」

 

 そう言って店主は、未だに失神しているごろつきを指さした。

 

「お前もこの店でくだらねー事したりしたり、

 酔い潰れて店の邪魔になったりしたら……追加料金頂いちまうぜ?」

 

「…………オレもこの店では、酔い潰れたりしないようにしよう」

 

「…………竜人はミルクで酔えるのか?」

 




人物紹介

ユラン=シュミルダ

 遥か北方の竜人達が支配する大陸から来た、流浪の賞金稼ぎ。
 恵まれた体格をしており、筋肉質で大柄、1m90cm程。

 深い蒼色の竜皮に顎下から局部、尻尾の下部分は白い竜皮で覆われており、
二本の角が生えており、背中まで伸びている金髪を束ねている。

 基本的な格好は、機動性を重視した黒くぴっちりとした
ホルターネックのタイツに、その上から無骨な外装をしている。

 そしてその背中に背負っている巨大な剣は斬竜刀であり、
鋭い刃すら砕いてしまう、強靭な竜皮をいとも簡単に
切り裂く程の切れ味と重量がある。
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