そこで、様々な会話と情報を交換し――。
「じゃ、あーしがひとっ飛びして捨ててくるっすね」
「ウソ!! ウソォォオォォッ!!
靴舐めるし、フラワーマン以外なら何でもイイから
捨てないで!! ホントに捨てないデ!!!」
なんなんだ、この酷く疲れる生き物は。
しかし、それ以上にオレが吟味に吟味を重ねて考えた
名前が嫌だったのかと思うと、
物凄く惨めな感情が押し寄せてきた。
大体なんだ。ネーミングクソトカゲとは侮辱にも程があるだろう。
「なら勝手にするといい。オレはもう知らん」
「あれ、にーさんちょっと拗ねてます……?
なら、ハナさんっていう事で」
「背に腹は変えられネェ……」
彼は苦虫でも噛み潰しているかのように言葉を漏らす。
煮え切らない思いだが、これで呼びやすくなった。
改めて、今後の事を話し合わなければ。
「それではハナさん。聞きたい事は山程あるが……
体調の方は大丈夫か? まだ不調なようなら、
もう少しこの小屋で休むが……」
「イヤ、問題ねェ。むしろ、あのクソ花畑に居た時より
調子がイイくらいだぜ!」
半信半疑で彼を観察するが、確かに先程より言葉はハキハキとしており、
心無しかスノーノイズが薄まっている気がする。
あの花畑から離れたおかげなのか、こちらと会話をしたせいなのか、
それは分からないが有り難い。
だが、無理は禁物だ。
長話をさせてまた体調を悪くしてしまったら良くないし、
詳しい話もヴェラクトーレやソレイユと共に聞いて共有した方がいい。
まずは探索を終える事を第一に考え、
話は後にした方がいいかもしれない。
「よし、ならすぐにでも探索を開始しよう。
ティエル。オレ達が調べるべき場所はどこだったんだ?」
「んと……あーし達がハナさんを見つけた所より、
もう少し先っすね……どうします……?」
ティエルが不安な様子でこちらの顔を見上げる。
その気持ちはよく分かる。
あのラベンダーの海は美しい光景からは
想像出来ない位、危険な場所だ。
ティエルも見た目は問題無さそうだが、
後遺症があってもおかしくない。
「ソレイユには申し訳ないが、あの場所は危険すぎる。
探索は諦める他ないだろう」
「で、ですよね……」
「はぁぁぁッ……! 良かったゼェ……
もう二度とあんな所戻りたくねェヨ……!!!」
ティエルは申し訳無さそうにしながらも、
ホッとしたように胸を撫で下ろした。
それは、ハナさんも同じのようで、
ティエルよりも大袈裟に吐息を漏らしていた。
「だが、それ以上の収穫はあったと思う。
ハナさんを救出出来たのは何にも耐え難い」
そうだ。情報は勿論だが、同じくこの世界に迷い込んだ者――
言わば、脱出するのに手を取り合う同士なのだ。
これほど心強い事はない。
「その代わり、もう一方の場所では必ず情報を持ち帰ろう。
ティエルもハナさんもそれでいいな」
「はいっす!」
「俺がいれば100人力だぜェェェ~~~~~~!!!」
(ヒトじゃなくて花だがな……)
オレ達は小休憩をした後、探索の準備を整えると
廃城へ向かう為に改めて廃都の門を潜った――。