戸惑っているユランの股間部へ次々と白影が潜り込み――。
今も尚、オレのスリット内では白影達が動き回っている感触があり、
時折、粘膜の壁に激しくぶつかっているのか、肉棒の根本にじわりとした
深い快感のようなものを感じる。
どうして、こんな意味の分からない状況で感じなければならない――
何故、自分はこんな状況で快感を感じている節操無しなのかと、
戸惑いと不甲斐なさが胸の裡に広がっていく。
(何だ……!? 何をされているんだ……!)
鈴口の辺りを突付かれているような、淡く痺れるような感覚が流れ込む。
その触り方は、まるで小さな子供が好奇心から道端の蟲を触るようなもので、
反応を確かめるように、もしくは楽しむように撫でたり軽く叩いたりしていた。
自身の肉棒には火照った熱が灯り、否が応にも身体は昂っていく。
いっその事、風船ならば思考も感覚も無くなればいいのに、
そこだけは普段と全く変わらなかった。
なんという醜さと情けなさ、屈辱感だろうか。
(あが、あぁぁあぁぁッ!!!)
つぷり、と極小の何かが尿道口に入り込み、乱雑に内部を弄ってくる。
敏感かつ繊細な鈴口をそんな責め方をされれば、びくりと腰が跳ね、
呼吸さえも忘れてしまいそうな強烈な刺激に悶絶してしまうが、風船の身体はびくともしない。
どうやら、白影がその小さい腕を鈴口に突っ込み、かき混ぜているようで、
小さい音だったが、厭らしい音と共に我慢汁を掻き出されるように刺激されているのが分かる。
(止めろぉぉ……ッッ!!)
肉棒が男の性感帯なのは周知の事実だが、尿道口は特に敏感であり、
いわば、快楽神経の中心――その塊のような所だ。
そんな所を刺激されれば、気持ち良さを通り越して苦しささえ感じるほどで、
ただただ、今のオレには声のない声で悶絶する事しか出来ない。
(オレは……こんな所で終わる訳……には……!!)
ティエルやハナさんは無事なのだろうか。
オレと同じ目に合っているのではないかと思うと居ても立ってもいられなくなる。
だが、どこまでも現実は非情で、指一本ですら自らの意思で動かせない。
とても、今の姿をヴェラクトーレやソレイユに見せる事など出来ない。
意気揚々とオレが廃都を調べてくると言って、その結果がこれだ。
ティエルやハナさんの安否すら分からず、玩具の風船にされ得体の知れない影に嬲られている。
こんなどうしようもないオレの姿を見て、他の皆はなんと言うだろうか。
蔑むだろうか。幻滅するだろうか。それも当然だ。
自身が口にした言葉すら守れず、他の者を危険に晒したのだ。
昔からいつもそうだ。
言葉や志だけは達者な癖に、技術も精神も何もかもがおぼつかない。
そうなりたくない。そうではいけないと剣を振り続けてきたのに――。
(が、あ、あぁぁぁあぁぁあぁぁッッ!!!)
尿道の中に何かが押し込まれていくのが分かる。
この絶妙な弾力性と形は、先程見た肉玉だろうか。
それが一個、また一個と鈴口から投入されていく感覚がある。
やはり、あのボール状の物は何かしらの生物の卵か何かなのだろうか。
ヒトや何かしらの動物の粘膜は常にしっとりと水分で満ちており、心地よい温かさだ。
想像したくはないが、尿道や睾丸内はそういった卵を孵す環境に適しているのだろう。
だが、オレにとってはそれは異物でしかない。
何個も奥へ突っ込まれていく度に背筋にはゾクゾクとした快感が湧き上がり、
おぞましい事だと分かっている筈なのに、得体の知れない生物に
苗床にされているという背徳感が、一層、快感と興奮を高めていく。
それは、少しだけ戦場で窮地に陥った時の背筋が凍りつくような緊張感、
その狭間の中で渦巻くような高揚感に似ていた。
(あぐ、あぁあぁぁぁッ!! 今……入ってこられては……!)
肉棒に肉玉を埋め込まれている――それだけでも一杯一杯なのに、
白影達は次々とオレの身体の入口、スリットに当たる部分へ潜り込んでくる。
もし、巨大なキャラクターを模した風船達に意思があったなら、
皆、このような淫猥な感情を抱いていたのだろうか。
分からない。何も分からない。
自身が何故、このような錆色の世界に迷い込んでしまった訳も、
何故、巨大な風船に身をやつしているのかも、何故、旅を続けていたのかも――
何もかもが快感と困惑、絶望の中で絡み合い、溶け合っていく。
(ダメ、だ……耐えきれない……)
噴火寸前の火山の火口のように、射精感がグツグツとこみ上げてくる。
こんな訳も分からない状況で達しようとする自分がおかしいのは分かっている。
それでも、身体は貪欲に快楽を欲し、射精寸前のペニスは今にも爆発しそうなのは見なくても分かった。
こんな情けないオレを笑ってくれ。
誰かに罵倒でもされた方がまだマシだった。
(もう耐えきれな、い……ぐあ、あが……! があぁぁぁあぁぁ~~~~~~!!!)
下腹部に熱く重い快感が溜まっていき、それが臨界点に達すると、
一気に鈴口目掛けて駆け上っていく。
もう止まらない。
尿道を駆け抜ける精液の快楽、そして、その濁流にかき混ぜられ、
ゴリゴリと粘膜を削るように刺激する肉卵の痺れるような快感。
それらに翻弄され、オレは悶絶しながら呆気なく精液を吐き出した。
股間部にある入口からはごぽり、と白濁色の体液が溢れ、みるみる内に
白く濁った水溜りが広がっていく。中にいた白影達がどうなっているのかは分からないが、
オレはキャラクターバルーンの姿に身をやつしながら、無様に弄ばれて射精してしまったのだ。
これ以上に奇々怪々かつ、情けない絶頂の仕方があるのだろうか。
今のオレはこれ以上の屈辱を知らない。
そして、それはこれからも続いていくのだろう。
そう思うと、目の前が暗く淀んでいくような感覚がした――。
――――
(…………ぁ)
尿道が疼く。
また、卵が孵るのか――。
(ぐ、ぅぁ……! んぐぉ゛……ぉ゛ぉ゛……!!)
どれほどの時間が経ったのか分からない。
いや、経ってしまったのか考えたくもない。
今のオレは廃都の一角、巨大竜の風船として玩具にされながら過ごしていた。
過ごしていると言う表現には語弊があるかもしれない。
"物"であれば"在る"の方が正しいだろう。
白影達の玩具として扱われ、日夜内部を蹂躙され尽くし、
何度も連続アクメを繰り返していた。
もう、このような扱いにも慣れてしまった。
むしろ、快感こそが唯一、自身が生きている証――
喋る事も身体を動かす事も出来ず、出来るのは思考と
与えられる刺激を感じる事だけ。
それすらも出来ないヒトをヒトと形容する事が出来るのだろうか。
そんなモノは、そこらにある物言わぬ風船と何も変わらない。
この思考と快楽こそが、今のオレをオレたらしめていた。
(いぎゅ、う゛ぅ゛ぅ゛ッ!! また卵が……孵る……ッ!
生ま……生まれりゅぅぅうぅぅぅッッ!!)
肉卵で尿道と睾丸は埋め尽くされており、卵の中身が還ったのか
鈴口という出口目掛けて、名状しがたき新しき生命が這い上がってくる。
そう、オレは玩具の役割とは別にもう一つ、
苗床としての役割も与えられていた。
化け物を生み出す母胎――それが今のオレだった。
(ひぐ、あ、あぁぁ、あぁぁあぁぁぁ~~~~~~!!!)
泣き叫ぼうが喚こうが、口からは何も発せられない。
その代わりに、オレの股間部からは赤黒く、肉々しい何かが這い出てくる。
それは、天馬の形をした肉の化け物であり、既視感があったが思い出せない。
それでも、今のオレは生き長らえていた。
前のオレなら分かっていたのだろうが、今のオレはどうして
自身がここまで生に執着するのか分からない。
何故、生きたいのか。生きて何を成し遂げたいのか。
過程と目的が支離滅裂になっており、たった一つ残ったものがそれだけだった。
もう、オレは狂っているのかもしれない。
産まれ出づる肉天馬に愛情さえ感じていたのだから――。