※この作品はR-18です。

龍闘士ユラン ~悦ヘト堕チル凌辱冒険譚~   作:キバガミ

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十話 バタフライキス

「ん、む…………?」

 

 オレは朧げな意識の中、重い瞼を開いた。松明の火は消されて真っ暗になっており、

天窓からの月明かりだけとなっていた。

 

「すぅ……すぅ……」

「…………?」

 

 オレの腹部から寝息と温もりを感じ、視線を落とせば

項垂れるようにしてリーシェがお腹の上で眠っていた。

 

「ん……ぁ……ユランさん……おはようございます……」

「まだ夜だ。あれからオレはどうなった?」

「ユランさん、気持ちよさそうにせーえきびゅーびゅして、わたしの膣内(なか)に出したあと、

 失神しちゃってたんですよ」

 

 お互いの身体も綺麗になっており、オレが意識を失ってしまった後の事は想像に難くない。

後始末は全てリーシェが行ってくれていたのだろう。

 

「そうだったのか……すまない」

「いーえ、わたし、ユランさんのお世話係なので」

 

 ふんとリーシェが鼻孔部から鼻息を漏らす。

 気がつけば、オレの拘束具は全て取り外されており、腕も足も動く。

 何日も拘束されっぱなしで少しぎこちないが、久々の感覚に握り拳を作っては開いてみた。

 

「――――いいのか? オレを自由にして……

 逃げ出すかもしれんぞ」

「ユランさんと繋がって……わかっちゃいました。そんなものでとめられる人じゃないってこと」

 

 今、この牢屋から抜け出せばなんの抵抗もなく、オレは自由の身となるだろう。

 ――――だが、とてもそうする気にはなれなかった。

 

 今逃亡を図れば、その責任の所在は間違いなくリーシェにあり、立場が悪くなってしまうだろう。

 そしてなにより、この倦怠感とまどろみに身を任せていたかった。

 

「――――オレには会わなければいけない人がいるんだ」

「…………家族、とか……ですか?

 それとも、もっと大事な……?」

 

 リーシェが恐る恐る、なにかを確かめるように上目遣いでこちらを見つめる。

 

「そうだな、オレにとっては母親代わりだった。

 そして、剣の師匠でもあった」

「へぇー……お母さん、立派な方だったんですね」

 

 リーシェがオレの胸板に腕をつきながら、

興味津々と言った様子で覗き込んでくる。

 

「あぁ、剣の腕はオレなど足元にも及ばなかった」

 

「じゃぁ……すっごく強い人だったんですね。

 おねえちゃんが言ってましたよ、あの筋肉トカゲには気をつけろ、

 尻尾に近づくと骨折られんぞって……。

 おねえちゃんがそこまで言うユランさんより強いって……想像出来ないです」

 

「誰が筋肉トカゲだ」

 

 クスクスとリーシェは笑いながら、自身の尻尾をオレの尻尾を絡めていく。

 想い人としか行わないような行為にくすぐったさを感じたが、

その温もりは決して不快なものではなかった。

 

「じゃあじゃあ……恋人とかはいますか?」

「そうだな……彼女は恋人のようなものでもあったな……

 その、肌を重ねた事もあった」

「え゛っ……お母さんと……エッチな事……したんですか?」

「い、いやっ! 母親"代わり"だぞ!?

 決して近親相姦の類のものでは……ッ!」

 

 オレは必死に弁解するが、リーシェに懐疑心と蔑むような感情の

入り混じった視線を向けられる。

 自身の言い方の悪さを悔やむが後の祭りだ。

 

「ふふ、わかってますよ。ちょっとした冗談です」

「あまりオレで遊ばないでくれ……」

「ごめんなさい。あの……あんまりこういう事聞くのって……

 良くないって分かってるんですけど……その時と

 わたしとエッチした時――どっちが気持ちよかったですか?」

「な……! 何故、そんな事を聞く……!」

 

 正直、どちらと答えても墓穴を掘ってしまうような気がしていた。

 "彼女"の方だと答えてしまえば、一体どういった行為をしたのか

根掘り葉掘り聞かれてしまうだろう。

 

 かと言って、リーシェとの行為の方が快感が上だと言ってしまえば、

前立腺やアナルを散々弄られて快楽を感じていたと自白してしまう事と同じであり、

ただでさえ屈辱的な行為であったのに、更にそれを上塗りしてしまう事になるだろう。

 

「あの時のユランさん、とってもかわいかったから、どうなんだろうなーって……

 オレのことをようしゃなくメチャクチャにしてくれ~、

 オレのチンポもアナルもザーメンもぜんぶリーシェのものにしてくれ~、

 って泣きそうになりながら言ってましたし……」

「そ、そこまでは言ってない……ッ!!

 それは人生最大の屈辱だぞっ!」

「あはは、すみません」

 

 リーシェの笑ってる顔を見ると、

人生最大の屈辱とやらはどこかへと雲散してしまう。

 ここまで他人と深く語ったのはいつ振りだろうか。

 

「――――きっと、近いうち。ユランさんはまた、

 その人を探しに行けますよ」

「何故だ、アイツは一生ここで種馬として

 過ごすだのなんだの言ってたぞ」

「んー……わかるんです。それに、ユランさんも

 そう言われておとなしくしてないと思います」

「当たり前だ」

 

 暫く、空間を静寂が支配すると、どちらからともなく共に天窓を見上げる。

 淡い月の光に照らされて、数多の星々が黒の帳を彩るように煌めく。

 

「今日はほんとうにたのしかった……うれしくて、痛かったけどきもちよくて……

 翼なんてないのに、まるでふわふわと空をとんでるようで……」

「――――オレ達しか知らない、オレ達だけの空だ。

 有翼者にさえ届かんさ」

「ぷっ……ユランさんって、意外とロマンチストですよね」

「…………もう知らん」

 

 失言したとオレはそっぽを向いた。

すると、リーシェが胸元まで上がり、顔を近づけて口づけをした。

 

 オレは複雑な心境のまま、このまま流されて良いのかと自問自答するが、

情熱的で熱いリーシェの舌に根負けし、

徐々に舌を絡め、濃密に互いの体温を確かめていく。

 

「……っ……ん……ふぅ……ねね、ユランさん。

 今日はここで寝てもいいですか……?」

「……ん、く……あぁ」

「やった」

 

 そう言うとリーシェはオレの胸元で少し丸まり、寝る準備を始める。

 

「…………おい」

「え?」

「いや……てっきり同じ牢屋で寝るという意味かと……」

「あ……ごめんなさい。つい……

 重くてユランさんも寝付けませんよね」

 

 リーシェは身体を起こし、オレの身体から降りようとする。

 そんなリーシェの華奢な身体をオレは優しく抱きしめた。

 

「……ユランさん?」

「ここで寝るなら、抱きしめておかないと落ちるだろう」

「……ふふ、ありがとうございます」

 

 オレ達はもう一度口づけを交わし、リーシェの心地よい体温を感じながら、

どちらが先に寝たのかも知る由もない程に

深いまどろみの中へと堕ちていった――――。

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