※この作品はR-18です。

龍闘士ユラン ~悦ヘト堕チル凌辱冒険譚~   作:キバガミ

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 狸獣人の盗賊達に襲われたユランだったが、
ツノブタマンと名乗る怪しい雑種の豚獣人らしき男に助けられる。
 その後、共に晩餐を共にし、料理と酒に舌鼓を打つが
彼は信じられない行動に出る事になる――。



二十七話 正義の聖獣ツノブタマン②

「ほぉ~~……それで一人旅か……

 よっぽど大事な人らしいな」

 

 自称、正義の聖獣ツノブタマンとオレは適当な朽ちた家に入ると、

囲炉裏(いろり)のような場所に火を付けて暖を取っていた。

 

 その上にはオレの常備している無骨な鍋が温められており、

中には様々な具材が煮られている。

 

 野菜は周囲には見つからなかったので、簡単な薬味と

ツノブタマンが持っていた肉を使った、実に野性的な肉鍋になっており、

むせ返るような濃い獣臭さがあったが、それに負けないような

食欲を唆る香りが広がっていた。

 

「あぁ、オレ程ではないが大柄で……

 白妙の美しい毛並みの竜で、

 純白の片翼をした女性なのだが……」

 どんな事でもいい。何か知らないか?」

 

「ん~~~~……知らねぇなぁ。

 竜人ならかなり目立つと思うんだがな……」

 

「そうか…………」

 

 期待はしていなかったが、無意識に軽い溜め息をついてしまう。

 やはり、本当はもうこの世にいないのでは――と心が折れそうになってしまうが、

どこかで生きている可能性があるのなら、探さずにはいられない。

 

 彼女はオレの全てだ。

 

「貴方にも聞きたい事があるんだが……

 ツノブタマンというのは流石に本当の名ではないよな……?

 二つ名か何かなのか?」

 

「本当の名も何も……俺は正義の聖獣ツノブタマンだ!

 弱きを助け、悪を断つ! それが俺の生き様よ!」

 

「そ、そうか」

 

 もう、名前に関して深く突っ込むのは止めよう。

 こちらの頭がおかしくなりそうだ。

 

「貴方も西の大陸へ?」

 

「いや、俺は逆に東の大陸へ向かう途中だ!

 西の大陸に出稼ぎに行っててよ……

 これから、子供達に会いに行く予定だ!」

 

「そうだったのか、早く会えると良いな。

 先程みたいに盗賊のような悪い奴らがうろついている、

 十分に気をつけるべきだ」

 

「あ、あぁ……。まぁ、俺にかかれば

 盗賊だろうがドラゴンだろうが一捻りよ!」

 

「はは、頼もしいな」

 

 ツノブタマンは力瘤を見せながら豪快に笑う。

 少し変な奴だとは思ったが、それは見る人に

元気を与えてくれそうな温かさに満ちていた。

 

 きっと、温かい家庭を築いており、

子供達もそんな彼の姿を見て健やかに育っている事だろう。

 

「そろそろ良さそうだな! 後はこれを溶かして、と……

 ほれ、食ってみろぉ!」

 

「済まない、では頂こう」

 

 ツノブタマンは肉と汁をよそった凸凹の容器を俺に手渡す。

 

 簡単な調味料と薬味だけで彩られた中身は

お世辞にも見栄えがいいとは言えなかったが、

むしろ、オレはこういった素朴な物の方が好みだ。

 

 よくよくかき混ぜて息を吹きかけながら冷ましていき、

熱いのが苦手なオレでも大丈夫な程の熱量へと調整していく。

 

「む…………」

 

 肉を口に入れて噛み締めた瞬間、濃縮された獣臭さが鼻孔を突いた。

 むっと眉を歪ませるが、それを相殺するように香草と大根おろしの

ピリッとした辛味と香りが包み込む。

 

 そして、最後に口の中に残るのは濃厚で芳醇な肉の旨味だけとなり、

癖はあるが実に美味で唾液が溢れるのが止まらない。

 また、この大根おろしに絡んだ酸味のある調味料が食を進ませる。

 

「おぉ……これは美味いな……!」

 

「ふふん、だろう? 一瞬、クソでも我慢してるような

 顔だったから良かったぜ」

 

「食事中にクソの話は止めろ。

 これは何の肉なんだ?」

 

「んぐんぐ……おぉ、うめぇな……!

 これはな……トドオッターの肉だ」

 

「なんだそれは?」

 

「知らねぇのか? 巨大な牙がある魔物でよ、丁度お前さん程の高さくらいで

 体長が3メートル程もある奴だ。よく空海(スカイオーシャン)を泳いでるぜ?」

 

 オレの居た、遥か北方にある竜人の大陸は

空海(スカイオーション)からは少し離れており、

あまり漁業が盛んではなかった。

 

 それ故、海産物よりは山の幸や獣の肉といった物が食文化の主流であり、

そういった空海(スカイオーシャン)の物は食卓に並ぶ事は少ない。

 

「そうなのか……かなり臭いや味に癖があるが……

 濃厚で実に美味い。調理も工夫しているのだろうな。

 オレが同じ物を作ったら臭くて食えたものじゃないだろう」

 

「よせやい、照れるじゃねーか!

 こういう癖のあるモンには……

 やっぱりこれだよなぁ?」

 

 そういってツノブタマンは荷物から液体の入った瓶を取り出す。

 ラベルのような物が貼ってあり、あれは酒の類の物だろうか。

 

「すまない……オレは下戸(げこ)でな……」

 

「んぉ? そんなデカい図体して呑めねぇのか

 騙されたと思ってちょっとだけヤッてみろって!

 そこらの葡萄酒とはワケが違うぜ?」

 

「…………」

 

「一口でいいから! な! ちょっとだけだから!」

 

 ずい、と有無を言わせない様子でカップを差し出してくるツノブタマン。

 彼の行為を無下にするのもと思い、渋々とカップを受け取る。

 

 オレは決してアルコールに弱いワケではなかったが、

あのアルコール特有の後味が苦手で、自身からは決して好んで飲む事はない。

 

「…………?」

 

 意を決してカップの中身を口に含むと、

冷たい水のように清涼な口当たりだったが、

じわりと徐々に熱を帯びていく。

 

 仄かに甘い香りがするが、決して果実酒のように強くはない。

 まるで自分自身の身体に流れる水分のように胃袋に収まっていき、

蝋燭の灯火のように心地よい熱は胃の底でくすぶり続ける。

 

「これは……美味い……」

 

「だろぉ?」

 

「あぁ……この酒には嫌味が全くない……

 これならいくらでも呑めそうだ」

 

 オレはトドオッターの肉を喰らうとカップの中身をぐい、と再び口に含む。

 口の中に残ったこってりとした肉の油が酒によって洗い流されていき、

濃厚な肉の旨味と芳醇な酒の香りだけが口の中に残った。

 

「がはは! 穀物酒は初めてか?

 酒にも色んな種類があるから呑まず嫌いをしていたら

 人生損しちまうぞ! ほら! もっと呑め!!」

 

 そう言ってツノブタマンは更にオレのカップへと酒を注いでいく。

 しかし、オレはむしろもっと味わいたいとさえ思っており、

顔を仄かに桜色に染めながら、再び美酒を味わうのだった――。

 

 

――――

 

 

「ぐおお……食ったぁぁ~~~~……!!」

 

「オレもこんなに食べたのは久しぶりだな……

 いや……堪能させて貰った……

 盗賊から助けてもらった上にこのような食事まで……」

 

 あれからオレ達は美酒と肉鍋に舌鼓を打ち、

全て平らげるどころか、更に食材を追加してしまい、

暴食暴飲の限りを尽くし、満腹感と満足感の余韻を味わっていた。

 

 辺りには酒瓶が四本ほど転がっており、

ツノブタマンは勿論、オレも調子に乗って

今まで呑んだ事がない量の酒を浴びる程呑んでしまっていた。

 

「いいってことよぉ~~……」

 

 ツノブタマンは腹をパンパンに膨らませて

仰向けで寝っ転がっていた。

 

 かくいうオレも座り込んだままで、

お腹は膨れ、かなり酔った状態のせいで

立ち上がるのすら億劫だった。

 

「何か礼をしてやれればいいんだがな……」

 

「おっ!? ホントか?」

 

 ぐわ、とツノブタマンが勢いよく起き上がる。

 その瞳は爛々と輝いていたが、かなり酔っているのか

とろんとしていて眠そうだ。

 

「オレに出来る事なら何でも言ってくれ」

 

「何でも……って言ったな?

 なら……元気になっちまったコレを沈めてもらおうかい」

 

「――――は?」

 

 ツノブタマンはそういうと腰巻きをはだけ、

中のふんどしを下ろすととんでもないモノを取り出した――。

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