※この作品はR-18です。

龍闘士ユラン ~悦ヘト堕チル凌辱冒険譚~   作:キバガミ

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リバーシュに搾精され、微睡みに落ちたユラン。
彼はあの人と初めて邂逅した時のことを夢に見た――。


四十九話 純白の揺り籠に包まれて

 ヒトが初めて自分を認識したのはいつだろうか?

 一般的には物心がついた後――個体差はあるが、

大凡(おおよそ)、それが自身の一番古い記憶だろう。

 

 だが、オレの場合は少年期の半ば辺り――

通常と比べ、かなり遅い時期だった。

 

 今でも覚えている。

 

 最古の記憶は白妙に覆われた――

温かな"あの人"の翼の中だった――。

 

「――――?」

 

 竜皮に羽が触れるが、決して嫌な感触ではない。

 

 陽光をたっぷりと浴びたシーツのような――

温かい微睡みに満ちた揺り籠に

包まれているかのようだった。

 

 その翼の中は、カーテンから漏れる光のように

所々、明かりが透けていた。

 

「ふ、ぁ…………」

 

 自分が今まで何をしていたのかすら分からない。

 どこにいるのかも分からない。

 

「…………」

 

 ちりちり、ちりちり。

 

 少し、背中が痛かった。

 

 蝋燭の火が灯っているかのような、

じわりとした仄かな痛み。

 

 ボクはゆっくりと身体を起こし、

這いながら移動しようとする。

 

 まるで本能に従うように、

温もりを求めて彷徨う。

 

「…………?」

 

 しなやかな曲線が頭に触れる。

 とてもツルツルとしていて自分の肌のよう。

 それでいて、より繊細でなにより――温かい。

 

 その心地良い感触を求めて頭を擦り付けると、

より柔らかく、落ち着く感触に辿り着く。

 

 二つの双丘は頭を押し当てれば

どこまでも沈み込み、それでいて

押し戻すような弾力さも持ち合わせている。

 

 ボクはそれが気持ち良くて、

猫のように頭を何度も擦りつけた。

 

「――――!」

 

 温もりが跳ねたような感触があり、

ふわり、と突然、羽のカーテンが開かれていき、

眼球を灼くような鋭い日差しに顔を両腕で覆ってしまう。

 

 ――――ここは寒い。

 酷く、酷く寒い。

 

 それでいて、背中と右肩だけは

仄かな光で炙られているような感覚が収まらない。

 

 ちりちり、ちりちり。

 

 ボクはその感触から逃れるように、

温もりのある先へ身体をうずめた。

 

「――――」

 

 何か、語りかけるような声が聞こえると、

再びボクの身体は翼で覆われ、

温かな腕が包み込む。

 

 優しく頭を撫でられ、

その感触に恐る恐ると言った形で顔を上げた。

 

「――――」

 

 その温もりの主はボクが目覚めた事に、

酷く驚いていたようで翠玉の双眸が小さくなる。

 

 しかし、それもすぐに慈しむような表情へと変わり、

一撫でした後にボクの身体を包み込むように身体を丸める。

 

 その時の愛情と体温が強く、強く

自身の身体の奥深くと記憶に刻み込まれた。

 

 これがボクの、一番古くて温かい記憶――。

 

 

――――――

 

 

「――――ラクシール」

 

 無意識にオレは天に向かって手を伸ばす。

 

 しかし、そこは記憶の中ではなく、

薄暗いテントの中だった。

 

 彼女が竜の国から居なくなった理由は定かではない。

 もし、オレから離れたかったのならそれでも構わない。

 何かが彼女の枷となり、国に居られなくなったのならば力になりたい。

 

 オレの呟きはどこにも届くことはなく、

薄くなる視界と共に天幕の宵闇へと消えていった――。




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