※この作品はR-18です。

龍闘士ユラン ~悦ヘト堕チル凌辱冒険譚~   作:キバガミ

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出発の準備を整えたリバーシュとオンドリッドの元を飛び出し、
羊を見つけてきたユラン。
彼らの反応は――。


五十一話 まんまる狼は見ていた

「テメェはマジでバカ! 空前絶後のバカ!」

 

「か、返す言葉も無い……」

 

「それ言っときゃ全て丸く収まるとでも

 思ってやがンのか!?」

 

 リバーシュは激怒していた。

 

 当然だ、突然オンドリッドとリバーシュをほっぽりだし、

半日以上音沙汰無しにしていたのだ。

 

 これが反対の立場であったなら、

オレもリバーシュと同じくらい怒るだろう。

 

 彼らはオレと別れた所で、野営までして

帰りを待ってくれていた。

 

 オレが帰った頃にはすっかり深夜であり、

こってりとリバーシュにシゴかれていたが

それでも彼の怒りは収まらず、

 

こうして帰路についている間も叱咤されていた。

 

 リバーシュの眉間に寄った皺はとても険しく、

しばらく滑らかになる事は無さそうだ。

 

「ふにゃぁ……♪ ユランさん……

 ホント……ホント……なんてお礼言ったら良いか……

 兄さんも怒らないでぇ……♪ 怒るならユランさんじゃなくてボクをぉ……♪」

 

 連れ帰ったモコリゲスに幸せそうに頬ずりしながら、

オンドリッドはオレ達の後をについてきていた。

 

 一日経って体調が良くなったのもあるのだろうが、

愛羊が帰ってきた事による精神的な高揚もあるのだろう。

 

 足取りも軽く、この上ない上機嫌な様子で

彼は歩き続けていた。

 

「だから、テメェは帰ったら……

 ゆっくりみっちりとシバいてやるからな?」

 

「うん……たくさんシバいてぇ……♪」

 

「ブメ」

 

 普段なら恐れおののくリバーシュの言葉も全く効果が無く、

蕩けた表情と声で返していた。

 

「でも、びっくりしたなぁ……」

 

「あ?」

 

「一昨日の事だよぉ」

 

「…………?」

 

「兄さんの夜って……

 あんなに激しいんだぁ……♥」

 

「「!?!?!?」」

 

「バッ……! あれはタダの応急処置だろうが!!」

 

「イヤじゃ……ねぇよ……

 アンタの身体に汚ェ所なんて……ねェよ……」

 

「コイツッッ!?」

 

 そのふくよかな身体から発せられたオンドリッドの言葉は、

思いの外(ほか)リバーシュにそっくりだ。

 

「今からアンタの事……メチャクチャにしてやるよ……

 もう……オレの物になるしかねェんだよ……」

 

「ぐぼアァァッッッ!!??」

 

 リバーシュは吐血した。

 

「こーんな事言われちゃったら……

 頭がほわほわしてメロメロになっちゃいそうだよねぇ~……

 ボクが女の子なら……恋しちゃうかもぉ……♥」

 

 その内容は少し――いや、かなり盛られていた気はするが、

赤裸々な台詞を弟に聞かれていたという事実に、

リバーシュは耐えきれずに絶命したようだった。

 

 かくいうオレも、脳を直接ぶん殴られているかのような

激しい精神的なダメージを受けてしまっており、

目は激しく宙を泳いでしまう。

 

「お、オンドリッド……まさか……

 ずっと起きて……」

 

「起きたら邪魔しちゃうかなって思ったから

 寝た振りしてたけど……こっちの方が胸がドキドキして

 キュンキュンしちゃったよぉ~~」

 

「よし、ユラン。

 このクソデブは助からなかった事にして

 その辺の箱にでも詰めとけ」

 

「えっ!? えぇ~~~~っ!!」

 

「分かった」

 

「ひぃぃ!? ユランさんは……

 そんな事しないよね……?」

 

 オレは無言でオンドリッドを抱えて、

道端にあったボロ木箱の残骸に放り込んだ。

 

 その姿は捨てられた猫や子犬のようであり、

そこはかとない哀愁を漂わせていた。

 

「さらばだ」

 

「あーあ、弟が見つからなくて

 涙がちょちょ切れるぜ」

 

 最後の言葉を残し、リバーシュとオレは

涙目になっているオンドリッドを置いて、

静かにその場を後にした。

 

「ちょっとぉ゛ぉ゛~~~~……

 ま゛っ゛でよ゛ぉ゛ぉ゛~~~~~~!!!」

 

 オンドリッドは涙と鼻水を垂らしながら走ってくるが、

もう既に袂を分かった後だ。

 

 オレ達は口惜しくも目的を果たせず、道半ばにして

帰る事になってしまったのだった――。




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