「よっと……これでいいか」
「…………ッ」
オレは改めてミネヴァに縛り直され、腕は頭上で束ねられて足も足首や膝に至るまで
入念に拘束され、仰向け状態で床に転がされており。
ペニスは未だにカウパー液や精液、リーシェの唾液でドロドロのままで、
原始的な臭いが牢屋内に広がって悶々とした空気になっていた。
あれだけの屈辱を味合わされても尚、オレの肉棒は意思に反して愚直にそそり勃っており、
それが更なる快感を求めているようで、腹立たしささえ湧いてくる。
「さて……どうしたもんかねぇ……リーシェはどうすんだ?
疲れたならもう休んで――――」
「ダメ。わたし、最後までするよ。朝までだって……!」
リーシェは一歩も引かぬと言った様子で
ミネヴァの言葉に食い気味で答える。
「ククク…………随分好かれちまったなァ? 種馬ドラゴンさんよォ……
ちょっと灼けるぜ。分かった、ならリーシェ……お前に全部任せる」
「ほ……本当……?」
「あぁ……アタシはもう休ませてもらうぜ……
野宿ばっかだったせいか、身体がバキバキでよぉ……」
そう言って、ミネヴァは腕を回したり首を動かし、
コキコキと骨を鳴らしていた。
常に縛られているオレは、身体がバキバキどころではないのだが――。
「じゃあ、しっかりヤれよ」
「うん!」
ミネヴァはそう言ってリーシェの頭を軽く撫でると、さっさと牢屋から出ていってしまった。
これからだとか言っておいたのに、実際は強がっていただけで体力は限界だったのかと、
オレは胸の裡で吐き捨てた。そして、牢屋に残るはオレとリーシェの二人だけになった。
「…………案外、無理をしていたようだな」
「ううん、むしろ……まだユランさんをいじめたかったと思う」
「なら、何故?」
「おねえちゃん、優しいから」
リーシェの答えになっていない答えに、思わず首をかしげる。
優しかったらオレにこんな扱いをしないと思うが。
「一つ聞いてもいいか?」
「いいですよ、ひとつといわずなんでも聞いてくださいね」
「いや……すまん。やはり辞めておく」
「――――わたしがなんで竜人族なのに
艶虎族にいるか――ですよね?」
「…………」
オレは質問しようとしたが、きっと複雑な事情があるのだと思い口をつぐんだ。
しかし、リーシェはオレの考えを察したのか、見透かしたように答えた。
「わたしね、たまごのまま捨てられてたんです。
それをおねえちゃんが拾ってきて、ここで育ったの」
「…………」
「えへへ、蛇の魔物がとぐろを巻いていて、呑み込まれ始めてる所だったらしいですよ。
だから……おねえちゃんは命の恩人でもありますね」
――――リーシェの背中は、オレと同じく翼がなかった。
竜人族は有翼者が無翼者を産めば、翼奪者として大罪人の扱いを受ける事になる。
それ故、卵は徹底的に選別され、"できそこない"は潰されるか破棄されるかしかない。
破棄される事になった卵は国では産廃同然だが、他国であれば高価な値段がつけられる。
恐らく、リーシェの卵も何らかの理由で持ち出されたのだろう。
リーシェ自身も詳しく知っているわけではなく、推察する事しか出来ない。
「いつも気にかけてくれて……それに、おねえちゃんは
ずっとわたしの事心配してる」
「アイツがか…………?」
「うん、すっごい乱暴そうに見えるけど、本当はわたしなんかよりずっと繊細。
きっと、ユランさんを無理してでも捕まえたのは、わたしのため」
「…………」
「なんて……ちょっと自意識過剰でしょうか、わたし」
ミネヴァと過ごしたのはたった数日間、ましてやリーシェとは半日程度でしかない。
それでも、この二人の深い繋がりは外部者であるオレにすら感じ取ることが出来た。
きっと、自意識過剰ではなく、お互い繋がっているのだろう。
「分からない……が、当の本人に言ったら全力で否定しそうだな」
「あはは、何言ってるんだお前、とかいわれちゃいそうです」
リーシェは口元を抑え、はにかむように笑った。
「だから、わたしは幸せにならないといけないんです。
おねえちゃんが何一つ心配することがないくらい」
「…………そうだな、本人もそう望んでいるはずだ。オレも応援しよう」
「わぁ、ありがとうございます!
でしたらユランさん。わたしの初めて……貰ってくれますか?」
「――――待て、話が見えないんだが……」
オレは突拍子もない言葉に目をぱちくりとさせる。
今一度、聞き直そうとそう思う程に現実味がなかった。
「わたしも艶虎族の集落のみんなと生きるなら、
こういう経験は避けては通れないんです。
だったら……初めてはユランさんがいいです」
「いや、体格差もある……! オレの腰程度じゃないか、
身体の負担が大きい……! それに……!」
「んー……わかりました。では、言い方を変えますね」
「――――ユランさん、あなたを今から犯します」